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786 :もう何も信じない 第13話B ◆KG67S9WNlw [sage] :2008/10/09(木) 07:56:30 ID:c48KZVjY
歩、僕は君に愛される資格なんかないんだよ……。
でもね、君とひとときでもつながりあえて、幸せだった。
……できれば、知りたくなかったよ。でももう遅い。僕は三神 光じゃない。
晶なんだ。君の妹なんだよ。
だけど、約束して? 今度生まれ変わったら…ううん、何度生まれ変わっても、僕をみつけてくれるって。
何度生まれ変わっても僕を愛してくれるって。
約束だよ……?

ザクッ―――――――

「………どうして?」
「光……」

刃は、僕ではなく歩に突き刺さっていた。

「どうして!?僕は君とは愛し合えないんだよ!?だったら…もう生きてい
たくないんだよ…!?」
「…ばかやろう。そんなの、俺だって同じだ。……お前がいなきゃ、だめなんだ。
好きだ、光…。誰より……愛して…る…」

ドサッ

「あ……歩?………お兄ちゃん……?お兄ちゃんっ!いや、いやぁ―――――!!」

「光ちゃんっ!いったい…歩くん!?」
「あ…せんぱい…?歩が…あゆむがぁっ……おにいちゃんがぁ…」
「光ちゃん!気をしっかり!」

―――ここは…どこだ?
…とうさん?
そこにいるのは……光か?
『…っ……!!』

なんで母さんの名前を呼ぶんだ?俺は歩だ。

『く…はっ……』

―――お兄ちゃん、大丈夫?―――

光…?お前、いったい何を…

―――お兄ちゃんをいじめるやつも、お兄ちゃんをゆーわくするやつも、
みーんなころしたよ?だから、もうだいじょうぶ―――

ちがう…。お前は……晶…。

―――お兄ちゃん、聞こえる?

晶?どうしたんだ?

―――あたし、嬉しかったよ。光を通してだけど、お兄ちゃんに愛されて。
だから、もういいの。光を、もう一人の私を…いっぱい愛してあげてね?

まてっ…晶、あきらっ…

「――――っ!」


787 :もう何も信じない 第13話B ◆KG67S9WNlw [sage] :2008/10/09(木) 07:57:25 ID:c48KZVjY

目を開けると、まず白い天井が視界に入った。そして………

「あゆ…む…?あゆむっ!気が付いたんだねっ!?」
「…光?俺は…」
「っ…よかった…よかったぁぁ…あぁぁぁぁん……」

光が、泣きながら俺を抱きしめる。俺は、そっと抱きかえす。
どうやら、助かったみたいだな、俺は。

「光…俺、全部思い出したんだ。」
「えっ…?」

俺は、思い出したことを全て話した。

あの日父さんが俺のなかに母さんを見て、俺を求めてきたこと。
それを見た晶が父さんを止めようとしたこと。
俺にいつか愛されるために、兄妹でなくなるために、晶が"本物の三神 光"を殺し、すり変わったことを。

そして、晶はもう"いない"ことを。

「うん…そうだね。もう僕のなかに晶はいない。でもいいのかな…。僕はしょせん偽物なのに……。」

「…そんなことは関係ない。光、お前はお前でしかない。
晶も、"本物の三神 光"も、お前にはなれないんだ。…俺は、そんなお前を愛してるよ。」

「………っ!だめだよ!僕は、君の妹なんだよ!?そんなの、だめだよ……!」
「…大丈夫だよ。お前は、俺がただひとり愛した女。三神 光だ。…それで、いいじゃないか。」
「…いいの!?本当に、それでいいの?」

「ああ、誰になんと言われようと構わない。俺は………

もうお前しか愛さない。」


788 :もう何も信じない 第13話B ◆KG67S9WNlw [sage] :2008/10/09(木) 07:59:46 ID:c48KZVjY
1ヶ月後、俺はなんとか退院できるまでに回復していた。そして、今日がその日。

「…本当に、これでいいんだな?佐橋。」
「当たり前だ。……右京、感謝してるよ。」
「気にするな。これくらい、友人のためならなんてことない。」
「いや…なんてことあると思うが…」

右京は、今回の事件をうまく揉み消してくれた。
病院にも金を渡し、俺と光は"たまたま"同じ血液型だってことにしてくれたらしい。
ほんと、ミステリアスなやつだよ。ただの高校生じゃないだろ、お前。あえて言わないが。

「それに……お前の気持ちもよく分かるよ。俺も…いや、俺の方がひどいかな。知ってて好きになったんだから……。」

最初、右京に打ち明けられたときは本当に驚いた。いや、ぶっとんだ。
右京は、実の姉の左京先輩に惚れてたんだそうだ。ちなみに、まだ本人には打ち明けてないとか。
―――まあ、そう遠くない未来、二人は結ばれるだろうな。

「それを言うなら俺だってそうさ。……俺は、実の妹を捨てたんだから…。」
「でも、後悔してないんだよな?」
「ああ。後悔なんかしてたら、あっち逝ったときに晶にぶっ飛ばされるよ。」

ふと見ると、出入り口に見慣れた人影が一つ。

「お―――い!あ―ゆ―む―!」
「噂をすれば、だ。じゃあ、俺はこれで……。」
「ありがとう、右京。」
「ああ、退院、おめでとう。」


789 :もう何も信じない 第13話B ◆KG67S9WNlw [sage] :2008/10/09(木) 08:00:44 ID:c48KZVjY
ガチャ キィィ……

「「ただいま。」」

ああ、懐かしの我が家。生きててよかった―――
「えいっ!!」
「ぐわっ!?」

ドサッ

「光!?いきなりなんだ!?」
「…はぁはぁ。歩…あゆむぅ…もう、がまん…できないよ……。
1ヶ月なんて…長すぎるよ……せつないよ……はや、くぅ…んっ…」
「――――っ!」

こいつ、すでにヤル気満々か!?

がちゃっ☆

「お前っ…また手錠…」
「ふふ…にがさないよ……あゆむ…」
「…逃げやしないよ。ほら、おいで…。」

がばっ

「あゆむっ!だ―――いすきっ!!」


ああ――――俺は、幸せ者だな。
もう、こいつにに病みつきだ。

愛してるよ、光。


―――Happy end――――