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642 :名無しさん@ピンキー [sage] :2007/02/26(月) 15:24:50 ID:H1OhoL/W
夜中の二時に目が覚めた。

悲しくて悲しくて悲しくて目が覚めた。

夢を見ていた。

あの人が私をおいていく夢。

私のことなんか振り返りもせず、一心に自分の望む未来に向けて努力するあの人。
なんど無理だって言われても、諦めるべき現実を突き付けられても必死に向かって行く。
私はそれを笑顔で応援する。時に一緒に苦しみ、時に明るく励ます。
笑顔の下で泣きながら。私を見て、と。
私のいない未来なんて追わないでと。
そしてあの人は私のいない望んだ通りの未来を手に入れて行ってしまう。

多分これは正夢。

現実でもあの人は未来を追っている。私のいない未来を。
私は一番近くでそれを見ている。必要ならば支えながら。
目が覚めても悲しくて悲しくて悲しくて泣いた。
この夢はただの夢じゃない。
実現する可能性の高い未来。

嫌だ、と初めて明確に思った。

あの人の未来なんて叶わなければ良い。

……なんて醜い思考だろう。




643 :名無しさん@ピンキー [sage] :2007/02/26(月) 15:25:48 ID:H1OhoL/W
本当になんて醜いんだ。

あはは、あは、あはははははははははははは、は、は、は、、、、

笑いがこみ上げてくる。だって滑稽だ。これじゃ道化だ。
私はずっとこんな醜い感情であの人のそばにいたんだ。
あの人を騙して自分を騙して周りの全部を騙して。
そんなの全部間違ってた。

行かないで、そばにいて、私を見て、愛して、近くで笑って、手を握って、
声を聞かせて、明日も会って、出来れば私の話も聞いて、一緒に生きて、欲しい。

そうでないなら、嫌。

笑いが止まらない。なのに涙も止まらない。

明日、あの人に言おう。
行かないで、と。愛して、と。
きっとあの人は拒絶する。それは無理だと言う。
そしたらいったいどうしよう。
殺してしまおうか。手に入らないならいっそ。
それとも目の前で自殺してみようか。私のことを決して忘れないように。

ピピピピピピピピ

そこまで考えた時、電話が鳴った。

ピピピピピピピピ

こんな時間に……表示窓にはあの人の名前。

ピピピピピピピピ

出なくちゃ……

ピピピ

「もしもし…?」

恐る恐る電話を取った。




644 :名無しさん@ピンキー [sage] :2007/02/26(月) 15:28:42 ID:H1OhoL/W
夜中の二時に目が覚めた。

悲しくて悲しくて悲しくて目が覚めた。

夢を見ていた。

俺が未来を掴む夢。

じゃあ何が悲しかったんだ。考える間もなくすぐにわかった。あいつだ。
いつも俺のそばにいて、俺を助けてくれるあいつ。
諦めそうになれば俺の代わりに苦境を笑い飛ばし、一緒に打開しようとしてくれる。
あいつが泣いていた。夢を掴んだ俺を祝いながら、心から笑いながら泣いていた。
全身で悲しがっていた。
夢の中の俺は気付かず、あいつをおいて進んでいった。

この夢はなんだ。

実現する可能性のある未来だ。それも俺の望んだ未来だ。
じゃあなぜ、俺は悲しい。なぜ、あいつはあんなに悲しそうに泣く。
一番近くで俺を見ていたあいつなら喜んでくれるはずだ。
わからない。
わからないわからないわからない。

ああ。唐突に何かがわかった。

あいつ俺のこと好きなのか。
だから悲しそうだったんだ。

俺、あいつのこと好きなのか。
だから悲しかったんだ。

……なんて簡単なことだろう。




645 :名無しさん@ピンキー [sage] :2007/02/26(月) 15:29:49 ID:H1OhoL/W
本当になんて簡単んだ。

あはは、あは、あはははははははははははは、は、は、は、、、、

笑いがこみ上げてくる。だって滑稽だ。これじゃ道化だ。
俺はこんな簡単なことにも気付いて無かったのか。
あいつが一緒にいてくれるのは単にいい奴だからと、俺とあいつは友人だと思ってた。
そんなの全部間違ってた。

これからもずっと、そばにいて、顔を見て、愛して、近くで笑って、手を握って、
声を聞いて、明日も会って、出来れば抱き締めて、一緒に生きて、いたい。

そうでないなら、嫌だ。

笑いが止まらない。なのに涙が溢れてくる。

あいつに言おう。今すぐ。
一緒に生きてくれ、と。愛してる、と。
きっとあいつは驚く。泣き出すかもしれない。
そしたらいったいどうしよう。
今から会いに行くと言おうか。抱きしめたいから。
俺も泣いていると告げてみようか。俺の方が嬉しいから。

ピピピピピピピピ

電話のコールが鳴る。根拠は無いがあいつは出るだろう。

ピピピピピピピピ

こんな時間に電話するのは初めてだ。

ピピピピピピピピ

早く出ろ……

ピピピ

「もしもし…?」

恐る恐るあいつが応えた。