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226 :天使のような悪魔たち 第3話 ◆UDPETPayJA [sage] :2008/10/20(月) 00:32:16 ID:xRLJ+/CC
結意の家は、一言でいうととても簡素だった。どうやら独り暮らしをしているようで、あまり物がない。
部屋自体の規模もあまり大きくなく、どこにでもあるありふれたアパートの一室だった。
結意は帰宅して早速晩飯を作る準備をしている。変なものを入れないよう見張っていれは、そこは問題ないだろう。
…歩き方がぎこちない内股ぎみになっていることに対しては、つい責任を感じてしまった。

「まっててね飛鳥くん!今日は飛鳥くんの大好きな焼き魚にするから!」
「あ、ああ。」
―――あれ?こいつにそのこと話したっけ? ……愚問か。87回も告白するようなやつが俺のことを調べててもおかしくはない。

「88回目だよ。」
「!?」
びっくりした…結意のやつ、実は読心術でも使えちゃうのか?
それにしても、実に手際いいな…。やはり一人暮らししてるだけあって料理も上手いんだな。
あっというまに食卓に焼き魚と白飯とその他いろいろが並べられた。明日香も料理はできる方だが…これはもう、どこに嫁に出しても恥ずかしくないレベルだ。

「だからぁ、飛鳥くん以外のとこにお嫁になんか行かないからね!」
「…なあ、さっきから俺の独白への的確なツッコミが気になるんだけど…。」
「飛鳥くんのことならなんでもわかるよ?」

と、まるで「地球が回ってるのは常識だよ?」と言わんばかりに当然のようにそう答えた結意。
そこまで清々しく言われたらなんだか反論する気もおきなくなってしまう。

「ふう…ごちそうさま。」
結意の作った飯は旨かった。魚の焼き加減も完璧だし、付け合わせの品もかなりの出来だ。変なものも入っていないようだし…これなら大丈夫だ。
満腹になったところで俺はシャワーを借りようと切り出した。

「なあ結意、風呂借りていいか?」
「うん、いいよ?廊下でて右だよ。」
「助かるよ。」



227 :天使のような悪魔たち 第3話 ◆UDPETPayJA [sage] :2008/10/20(月) 00:33:06 ID:xRLJ+/CC
…結意の家の風呂は意外に広かった。俺はついユニットバス風な造りかと思ってたからこれには驚いた。
しかし、やっぱり風呂は最高だな。こう…なんていうか、一日の疲れが吹き飛ぶというか…そんな感じがする。
と考えていると、突然ドアが開けられた。冷えた外の空気が入り込み、背中がぞくりとしてしまったが、さらなる侵入者への驚きでそれはすぐかき消された。

「えへへ……背中流してあげる。」
「なっ――――結意!?」
そう、結意が風呂場に入ってきたのだ。全裸で。なんだか目がヤバいような気がしないでもない。むしろヤバい。
あ、鍵かけられた。本日二度目の監禁っすよ。

「ほらほらぁ遠慮しないで♪」
「っく……」
だめだ。こんなときでも俺の相棒は空気を読めない。いや…あえて空気を読まない、通称えーけーわい か?
俺が振ればカラカラと音がしそうな自らの頭でそんなことを考えている間に結意はなにやらごそごそと動いて―――

むにっ むにむに…

突然のやわらかい感触に俺の思考はリアルに引き戻された。そしてそのまま異物はどうやら俺の背中を磨いている…?

「あのー、なにをしてらっしゃっるんでしょうか…?」
「なにって、背中洗ってるんだよ、おっぱいで。飛鳥くんこういうの好きでしょ?」

―――――誰か、宇宙人とコミュニケーションをとる方法を教えてくれ。あまりのぶっとび具合についていけそうにない。
結局、結意に背中のみならずあちこち洗われそうになったがなんとかやり過ごすことに成功した。…もうここの風呂を借りるのはよそう。

そのとき、洗面台の上に置いておいた携帯がぶるぶると震えていることに気づいた。着信だ…自宅…!?なんだこれ!

自宅 21:57  自宅 21:57  自宅 21:56…………履歴は、自宅からの着信で埋め尽くされていた。なんなんだ…これじゃあまるで、いつもの結意みたいだ。
とりあえず、電話に出てみる。


228 :天使のような悪魔たち 第3話 ◆UDPETPayJA [sage] :2008/10/20(月) 00:34:25 ID:xRLJ+/CC
「もしもし…?明日香か?」
『あ…やっとでたぁ…おにいちゃぁん…ひっく…』

電話越しの明日香の声は、震えているようだった。「お兄ちゃん」なんて言われたのは小学校以来だ。
俺が帰ってこなかったことがそんなにも不安だったのだろうか。

『お兄ちゃん…今どこにいるのよぉ…?』
「悪い悪い。今友達んちにいるんだ。晩飯ごちそうになったから、今日は俺の分はいいからな。」
まさか結意と一緒にいるなんてこと言えるわけがない。明日香の中ではおそらくたちの悪いストーカーと認識されてるだろうからな。
まあ、ついさっきまでは実際そうだったわけだが。

『そういうことを聞いてんじゃないのよ!!ばかぁ!』
―――耳がイカれるかと思った。明日香め、いきなりでかい声出すなよ。

『私がどれだけ心配したと思ってるのよ…。まさかあの女に捕まって監禁されて××されたり×××されてんじゃないかって…心配だったんだからぁ!
お兄ちゃん…早く帰ってきて…。私…お兄ちゃんがいないと…ねえ……お願い…うぁぁぁぁん……。』
訂正。どうやらうちの妹は極度のブラコンだったようだ。

「…わかった、すぐ帰るよ。だから、大人しく待ってるんだぞ?」
そう言ったとたん、ぴたりと泣き止んだ。よほどうれしいかったんだなぁ。

『うん…待ってるから!早く帰ってきてね!』

――ふう。仕方ない、帰るか。
電話を終えた俺はそそくさと衣服を身につけ、かばんを持って玄関へと向かった。靴を履き、ドアノブへ手をかける。

刹那―――風を切る音がした。

「どこいくの、飛鳥くん?」


230 :天使のような悪魔たち 第3話 ◆UDPETPayJA [sage] :2008/10/20(月) 00:35:21 ID:xRLJ+/CC
振り向くとそこには結意がいた。本来なら目も眩むような魅力的な笑顔の下からは、般若のような冷やかなオーラを感じる。
どこから引っ張り出したのかはわからないが、木刀を構えて氷のように冷たい声で俺にそう問いかけている。一言でいうと…怖い。

「いや…その…」
「ど こ い く の ?」
「ひっ―――!?」
「外に出ちゃだめって言ったよね?飛鳥くんの為なんだよ?外に出たらこわいお兄さんに襲われちゃうよ?」
「だから、いいかげんその発想から離れ――(ヒュンッ)――うわぁっ!?」
名人も真っ青なほどの神速で木刀を振りぬいてきた。あんなもの食らったら男の俺でもただでは済むまい――――っ!?

「飛鳥くん…ごめんね。」

―――時が止まって見えた。結意は木刀をゆっくりと俺めがけて振り下ろそうとしている。俺は、それをただぼうっと見ていることしかできなかった。
それはまるでスローモーションで再生されたムービーのような光景だった。
ばきっ、と鈍い音が響いた。その瞬間、襲いかかった激痛に俺は意識を手放した。

次に目を覚ましたとき、俺は即座に自分が絶対的なピンチに陥っていることを悟った。

まず、両手を後ろにまわした状態でおそらく縛られている。
両足も同じく。足首と、膝元を縄できゅうきゅうに固められていた。そのような格好で俺はベッドに横たわっている。ちなみに服は着たままだ。
肩からは先程の打撃の痛みがずきずきとしみてくる。

「具合はどう?」と結意が尋ねてきた。
「いいわけないだろう。さっさとほどいてくれないか?」
「だめ。だってほどいたら飛鳥くん、出ていっちゃうでしょ?外は危険なんだよ?ここで朝までゆっくりしていきなよ、ね?」
と、あどけない笑顔でそう告げる。普通に考えたら外より今のこいつの方が数倍危険なんだけどな…。

「離してくれ。俺は帰らなくちゃいけないんだ。」
そうだ、家で明日香が待ってるんだ。余計な心配かけちまったからな。早く安心させてやりたいんだ。

「…さっきの電話の女のとこに行くの?そんなにその子がいいの?……私じゃ、足りないの?」
「あのなぁ、明日香は俺の妹だ。足りる足りないとか、そういうもんじゃないだろう。」
「知ってるよ。あの雌猫ったら、私の飛鳥くんになれなれしくして……そのうちひどい目にあわせてあげるわ。それより…」
そう切って、俺のもとに歩み寄る結意。思わず背筋がぞくりとしてしまった。


231 :天使のような悪魔たち 第3話 ◆UDPETPayJA [sage] :2008/10/20(月) 00:36:21 ID:xRLJ+/CC
「飛鳥くんが他の女のことを考えてるのが許せないなぁ。そういうのって、すっごく失礼だよ?飛鳥くんは私のことだけ考えてればいいの。」
結意は俺のズボンのチャックに手をかけようとしていた。俺はとっさに身をよじってかわす。が、縛られているせいでうまく動けない。結果、俺はベッドからずりおちた。
そのまま、馬乗りの形で結意に押さえつけられてしまった。

「すぐ気持ちよくしてあげるからね?大丈夫、飛鳥くんのためにちゃんと勉強したから。」
なにをどう、とは言わなかった。結意の次の行動がそれを示したからだ。いつのまにかズボンは膝までおろされ、わが分身が情けなくあらわにされた。
結意は、それをうれしそうにほおばった。

「ん……ちゅっ…ちゅぱ…あひゅかくんの…おいひぃよ…んぐ……」
「っ、ああっ…やめろ……!」
初めて味わう生暖かい感触から注ぎ込まれる快楽の波に、俺は早くも限界を感じていた。

「ゆいっ…やめろ…もう、でるっ……!」
が、結意は離れなかった。むしろ今の言葉を合図により一層激しさを増した。獣のように俺にむしゃぶりつく結意の姿に、俺はさらに興奮した。

――――我慢できなかった。俺は結意の口のなかに迸りを放った。

「えほっ…ごほごほっ……」
結意は苦しそうにせき込んだ。瞳からはうっすら涙が滲んでいる。が、口の中のものを軽く咀嚼し……飲み干した。

「ん…あんまりおいしくないね……。やっぱ、漫画ってあてにならないなぁ……」
「お前は普段どんな漫画を読んでるんだ!?」
「えっと、(検閲により削除)とか(検閲により削除)とか、あと(検閲により削除)かなぁ。」
「……もういい、訊いた俺がバカだった。で、用は済んだだろ?さっさとほどいて…」

――――――♪♪♪♪♪♪

日本語で"飲み下せ"という意味の曲名の、某スタイリッシュアクションゲームの主題歌の着うたが流れた。
なんていうタイミングだ。このすさまじい皮肉に俺は一気に脱力した。マナーモードを解くんじゃなかった。
なぜか結意のポケットから聞こえているが、このさい考えるのもあほらしい。
まてよ…この着信は確か……自宅だ。まさか、明日香!?ほんっと、なんつータイミング!


232 :天使のような悪魔たち 第3話 ◆UDPETPayJA [sage] :2008/10/20(月) 00:38:23 ID:xRLJ+/CC
ピッ―――

「もしもし?」
『お兄―――だれ?』
「あ、申し遅れました。私、飛鳥くんの彼女の織原 結意っていいます。よろしくね?」
『…どういうことよ。あんた、まさか例のストーカー女!?兄貴に何したのよ!』
「何って……ナニかな?」
『――――あんたねぇ!あたしの兄貴を汚したわね!?』
「汚したなんて……飛鳥くんのほうからシテきたのよ?」
『…うそ!そんなのうそよ!兄貴がそんなことするわけないわ!』
「本当よ。私がやめてって言っても聞いてくれなかったわ。おかげで私、腰が立たなくなっちゃって飛鳥くんにおんぶしてもらっておうちまで連れてってもらったのよ?」

俺は思った。女って、恐ろしい。まさかこの天然系変態美少女からこんな、相手を的確になじるようなせりふが出てくるなんて。
織原結意……恐ろしい子!

バキン!!

ふと、なにかが砕けるような音がした。床には青い破片がいくつか散らばっている。これは…なんだ俺の携帯じゃないか。
「ってオイ!!なに人の携帯をこんな見事に粉砕してくれちゃってんだよお前!」
「だって…あの女むかつくんだもん。飛鳥くんは私のものなんだよ?なのに自分のものみたく主張しちゃって……だから、ついやっちゃった。てへっ☆」
「てへっ☆じゃねえ!このバカ!」
「…飛鳥くん、もうあの娘と話しちゃ駄目だよ?飛鳥くんには私がいるんだから。」
「無茶言うな!あれは俺の妹だ!そんなこと―――」
「 わ か っ た ? 」

結意は俺に木刀を再び差し向け、そう言った。くそう……木刀なんて、だいっきらいだ!
だけど…そんなこと言われて黙ってなんかいられない。

「…そんなことできない。明日香は、俺の大事な妹なんだ…。」


233 :天使のような悪魔たち 第3話 ◆UDPETPayJA [sage] :2008/10/20(月) 00:39:11 ID:xRLJ+/CC
―――がしかし、次に結意の口からでた言葉はあまりに俺の予測を度外視していた。

「ねぇ…どっちだと思う?」
意味がわからない。なにが、「どっち」なんだ。俺は結意にそう尋ねた。すると結意の回答は……

「私の…ううん、私たちの赤ちゃん!男の子かな?女の子かな?わくわくするね!」
世界が凍りついた。俺の頭の中は「絶望」の二文字で埋め尽くされた。予測してはいたが…実際こうして言われるとダメージがでかい。
もう俺は結意に完璧に囚われた。一生逃げられないのだろうか…?

「今日、いっぱい中に出してくれたよね?だから絶対、飛鳥くんに似て元気いっぱいの赤ちゃんが産まれるよ!」
「―――――くっ…」
もう俺には抵抗する気力もなかった。それを悟ったのか、ふいに結意は俺の手足の枷を解いた。が、最強(凶)の枷をはめられた今の俺には、ロープなんざおもちゃ以下だ。
もはや逃げる気も起きない。俺は死んだも同然だった。そんな俺に結意はさらなる追い討ちをかけてきた。

「でも、元気な赤ちゃんを産むためにはいっぱい栄養が必要だよね!だから…頑張ってね、お と う さ ん !」
そう言いながら服を脱ぎだす。脱ぎながら、結意の手が俺の相棒をさする。こんなときでも相棒は敏感に反応した。この空気の読めなさを俺も見習いたいよ。

…とりあえず、朝になるまで俺は解放されなかったとだけ言っておこう。