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38 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00:43:37 ID:NGbYBcv8
『魅惑のヤンデロイド』

「おじいちゃん、メイドさんが欲しい!」
いつだったろう。小さな頃、僕は洋画が好きで、祖父にこんなことを口走っていた気がする。
日本では見かけない――最近は喫茶店にパチモノが横行しているが――メイドさんという存在。
僕は子供ごころながら、その魅力に取り付かれていた。
「だからって、学校で『エマ』を読んで良い理由にはならないわよ、高雅(こうが)」
「エマは良い。つつましやかなメイドの魅力がつまっている……!」
「だからって一巻につき三冊持って来て布教したら周囲にも不快だろうがだあほっ!!」
ごぼっ! 息がやばい! お前のパワーで俺がヤバイ!
俺、『高雅(こうが)』にスリーパーホールドをかけているこの乱暴者は、幼なじみの『恋(れん』。
オレの理想とするメイドとは似ても似つかないほどにがさつな女だ。正直、興味ないね。
メイド喫茶でバイトをしているらしいが、こんなやつの働く店には行く気にもなれん。
さらにいうなら、メイド喫茶の存在自体が俺にとってはあえて言おう、カスであると。
なんだ、あのカラフルなメイド服。なんだ、あのふりふりの媚びたエプロンドレス。なんだ、あの短いスカート。
つつましやかで、控えめで、御主人をたてる健気さがメイドの良さだろうが! 
それを勘違いした馬鹿どもは、われ先にと金儲けのためにあんな『わかってない』施設を作りやがる。
ったく、世の中くさってんな。
二次元の世界でも同様だ。
流行りだからって、メイドだしゃいいってもんじゃねーぞ。
まずはロングスカートじゃないやつ。そいつまず除外だからな。
さらに、ロングスカートを、武器を隠すためにつかっているやつ。もはやグレーだね。
俺くらい心が広くなければ、あれも即死だろう。メイドの道というのは、それほどにおくが深い。



39 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00:44:07 ID:NGbYBcv8
「さっきからなにアホなことぶつぶついってんの! もう放課後よ!」
おっと、トリップしていたようだ。恋に殴られたときには既に今日の授業すべてが終わっていた。
「さっさと帰るわよ、ほら、立ちなさい」
「あ、ああ」
恋に腕を引っ張られて無理矢理立たされる。
ああ、メイドさん欲しい。
恋は世話焼きだ。親が不在の俺をいつも気遣って、お越しに来てくれて、朝飯と、弁当を作ってくれる。
部屋だって片付けてくれる(これは余計なお世話だといえるかもしれないが)。
行動自体には感謝している。幼なじみとして、恋はすばらしい女だと言える。たぶん、誇って良い。
しかし、こいつのしている俺への世話は、極端に乱暴だ。
俺がこいつに抱いている不満はその一点。
メイドさんと同じような役割を果たしてくれているくせに、心はガサツな幼なじみ。
ここ、治らないかな?
「ちょっと、なに人の顔じろじろみてんのよ……」
恋はつんとして目をそらした。なぜか顔が赤い。
「いや、もうちょっとおしとやかなら良い女なんだがな……って思って」
「え……そう、かな……?」
ん、なんか変だな。てっきり「余計なおせわよ!」とか言って殴られるかと思ったが。
「やっぱり、あたし。乱暴、かな……。もっと、女の子らしくしたほうが良いかな……」
しゅんとして下を向く恋。まずい、悲しませてしまったか。



40 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00:44:43 ID:NGbYBcv8
急に罪悪感が沸いてくる。空気をよめないことで定評がある俺だが、他人を傷つけて平気なほど面の皮は厚くない。
「い、いや、そんな無理して変わる必要はないし、それに俺個人の意見だからさ! ……ほら、別に俺の好みってマイノリティだし、合わせても得はないぞ!」
「……あんたにあわせなきゃ、意味無いわよ」
ぽそりと呟いた恋。
俺にはその声は小さすぎて届かなかった。
恋はそれっきり黙りこくってしまった。
「と、とにかく。俺の家、あがれよ! 茶菓子くらいは出すからさ!」
俺の家の前についたとき、俺は意を決してそう提案した。
恋の機嫌をそこねると、俺の日常生活もやばい。
俺には全くといって良いほど生活力が無い。なんだかんだで、恋なしには生きていけない。
「最初からそのつもりよ。あんた、覚えてないの?」
「なにを……?」
「今日、あんたの誕生日でしょ! あたしがごちそう作ってあげるから、最初からあんたの家に上がるつもりだったっていってんの!」
「そ、そうか! そうだったな! なら、今日は久々にどんちゃん騒ぎに……」
家の扉のノブをつかむと、違和感があった。
「あいてる……?」
「あんた、また鍵かけわすれたの?」
「いや、そんなことは……まさか、泥棒か?」
「やだ、ちょっと、やめなさいよ」
俺は恋の制止を振り切って、ドアを開けた。
俺の家にはたくさんのメイドさんフィギュアが眠っている。価値を知らない素人に傷をつけられては大変だ。



41 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00:45:13 ID:NGbYBcv8
「……だれか、いるのか?」
――もしくは、いたのか?
心の中でそう付け加えて、家の中に入る。
緊張する。他人の家みたいだ。
すり足で家の中を進む。あまり荒らされた印象は無い。
「お帰りなさいませ」
「びやああああ!!!!」
いきなり背中から声をかけられ、馬鹿みたいな大声をだしてしまった。
「ちょっと、高雅! どうしたの……!」
恋もどたどたと追ってくる。
「あわ……あわわ……」
俺は腰が抜けて動けない。
侵入者はそんな俺に徐々に迫ってくる。恐怖で目を開けられない。
「高雅!! このっ……高雅に、手を出すなぁ!!!」
恋が侵入者に飛び掛かった――っぽい音がした。
「きゃ!」
どたんと何かが投げ飛ばされて床におちる音がした。たぶん、恋だ。
「失礼。急に攻撃をかけられたので、反射的に」
……ん?
冷静になってみると、それは女の声だった。若くて、綺麗で、透き通った声。
少しずつ、目をあけて見る。
「……!?」
そこには、メイドが立っていた。
まぎれもない。否定しようがないその佇まい。
まさに、メイド。それ以外のことばでは表現できない。
メイドだった。



42 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00:45:44 ID:NGbYBcv8
「改めてご挨拶いたします。私は博士――あなたのおじい様によって製作された、人間型.Yarn.D.Ray.スーツ.オートタイプ『YDR-001A.コロナ』と申します。御主人様、お帰りなさいませ」
『コロナ』は、そう言うと床に三つ指ついて丁寧なお辞儀をした。
完全に計算された動作だった。
「とにかく、椅子に座ってくれ。俺らだけテーブルってのは、目覚め悪いだろ」
「しかし」
「いいから。頼む」
「御主人様の命令なら」
そう言って、コロナはテーブルの、俺のむかいの席に座った。
隣には、なぜかぴくぴくと額を震わせて怒りをこらえている恋。居心地悪い。
「つまり、あんたはじいちゃんが俺のために送り込んできたメイドロボってことなのか?」
「はい。誕生日プレゼントであるとのことで、先日ロールアウトされたばかりのワンオフ機である私を高雅様に」
「つまり……コロナは、俺専用の。世界で俺だけのメイドってことか……?」
「はい、そうなります」
コロナはいまいち感情の表されていない顔で頷いた。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」
「なんだよ、恋」
「なんであんたは普通に納得してんのよ! もっと疑いの心を持ちなさい!」
「疑いって、この状況でそれ以上に適切な説明があったか?」
「あるでしょうが! この人が泥棒が見つかった言い訳をしている可能性とか、ただのストーカーがあんたに近づきたいがためについた嘘とか!」
「まさか。俺らを倒したんだから、そのまま逃げてもいいだろう。それに、俺なんかにストーカーがつくかっての。アイドルじゃあるまいし」
「……なら、しょーこ見せなさいよ! コロナとか言ったわね。あんたがロボットだっていう証拠はあるの!?」
恋は、俺に話が通じないとみると、今度はコロナを指差してまくしたてた。
「証拠、ですか」



43 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00:46:14 ID:NGbYBcv8
「そう、証拠よ。ロボットなら、『らしい』ことができるでしょ。目からビームとか、大車輪ロケットパンチとか」
どこのマジンゴーだ。
「そういう武装はついていません。高雅様はそういうごてごてしたものがお嫌いとのことで、博士がなるべく人間らしく作ってくださいました」
「……なら、不審者じゃないって証明できないじゃないの」
「そこまで言うのなら……。恋様、『ターミネーター2』はご存知ですか?」
「当たり前よ」
「なら、その手法を使います。しばしお待ちを。包丁を用意します」
ここまできてやっと意味がわかった。
グロ注意ってことだ!
「ちょ、やめろって! コロナ、お前は俺が保証する! だからストップ! ウェイト! 分かるな!」
「御主人様の命令は特Aレベルの優先順位となります。よって、いかなる状況処理を無視してでも有効です。無論、従います」
ほっと胸を撫で下ろす。
いきなり腕の皮をはごうだなんて、マジ、やばい。
洋画でグロ耐性がついた俺でも、そういうのをリアルでみたらショック死しかねない。
「……まあ、いいわよ。高雅の誕生日を祝う人間が一人くらい増えても、ばちは当たらないもんね」
やっと恋は納得したようで、すっくと立ち上がった。
「もういいわ。とりあえず、誕生祝いのおいしい料理、つくったげる。待ってなさい」
そう言って、恋は俺の家におきっぱのエプロンをつけた。
「その必要はありません」
「……どういうことよ」
恋がコロナをキッと睨んだ。あまり良い感情を持っていないようだ。
「既に作ってあります。勝手ながら、御主人様が帰ってくる時間にあわせて料理を完成させていただきました」
コロナはキッチンにすたすたと入ると、その二秒後にお盆に大量の皿を載せて帰ってきた。
「……」
恋はあんぐりと口をあけて、言葉を失っていた。
俺もおなじだったろう。



44 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00:46:45 ID:NGbYBcv8
「御主人様、お口に合うでしょうか」
「ああ、美味い! ロボットが作った料理ってどんなもんかと思ったけど、すげーよ! 恋とはえらい違いだ!」
「……くやしいけど、確かにすごいわ」
恋は悔しそうにしていたが、箸は進んでいた。
恋も料理は下手じゃない。むしろ、上手なほうだろう。しかし、コロナはその遥に上を行っていた。
「御主人様の賛辞が、私には最大の喜びです」
コロナはそう言ったが、顔は喜んでいない。最初から最後まで、全く同じ、作られたかのような綺麗な顔。
無表情。まるで、彫刻かなにかのようだ。
「他にも、御主人様のお部屋の掃除、庭の水やり、洗濯、お風呂掃除。全て完了しています」
「まじかよ。すげぇな」
そう言えば、妙に家がぴかぴかしている。
これがコロナの実力か。
全てが、恋とは違う。
「ははっ、こりゃ、もう恋はお払い箱ってやつか?」
「ぇ……」
恋が俺を見つめた。
その顔の衝撃を、俺は一生忘れないだろう。
「それ、ほんとう……高雅……?」
絶望。
その顔には、絶望という言葉そのものを形にしたようなものが表れていた。
まずい。まずいまずい。
恋は、いままでにも何回かこの状態になったことがある。
まずい。過去のトラウマが呼び覚まされる。
あれは、俺がクラスの可愛い子についていろいろ褒めていたときだったか。
「あたしは、もう、いらないの……?」
光を失った目で、そう呟いた。
そう、あのときと今は、全く同じ。



45 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00:47:15 ID:NGbYBcv8
「い、いや、そういうわけじゃ……」
「そのとおりです」
――いや、違う。
コロナが口を挟んだ。そう、今はコロナがいたのだった。
「恋様。あなたは御主人様のお世話をしていただいて、感謝しています。しかし、これからは私がその任務を引き継ぎます。あなたは、もう用済みということです」
一瞬、耳を疑う。
コロナは、恋に追い討ちをかけた。
馬鹿な。
「これからは、御主人様の全てが私に。私の全てが御主人様のものとなります。ですから、あなたはもう必要ないのですよ」
「そんな……そんな……あたしは……高雅の……」
恋は頭を抱え込み、ガタガタと震えだした。
「お、おい、恋。落ち着け……」
「高雅の……高雅が……全てだったのに……あんたなんかに……」
恋は震える手でキッチンに置いてあった包丁を握り、コロナに向けた。
虚ろな目。焦点が定まっていない。
「理解、できませんね。人間というものは。能力の無いものが捨てられるのは当たり前のことですが、それすら理解できないのですか?」
「あたしは……ロボットじゃない……! あんたとは、違う……!」
コロナは恋の唐突な暴走にさらに拍車をかける。
「違うのは当然のことです。私は御主人様のために存在するロボット。あなたとは違います。あなたのような役立たずとは」
「言うな……言うな……」
「おい、やめろ、コロナ!」
「……はい」
コロナはそれきり黙った。
が、包丁を持って興奮しきった恋は、収まりのつかない感情を暴走させたままだ。
「あたしは、高雅の……!」
包丁を突き出し、コロナに迫った。



46 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00:47:46 ID:NGbYBcv8
「――ぁっ!」
俺が反応して叫ぶより早く、コロナは機械的反射速度で対応していた。
包丁を指ではさみこんで止め、そのまま奪い取り、空いた手で恋をつかんで床に組み伏せ、鎮圧。
そのまま包丁を突きつけた。
「やはり、あなたは御主人様には相応しくない。廃棄処分です」
そのまま包丁を振り上げる――まずい!
飛び込む。
「……間に合ったか」
「……こう、が……?」
「御主人様、なぜ……」
ギリギリで、恋に振り下ろされた包丁を掴んで止めることができた。
手のひらから血が大量に流れている。痛い。
けど、今は恋を守れたことに安堵を感じていた。
「恋……良かった」
「馬鹿、あんた、なんで、あたしなんか……!」
恋の目から涙が零れ落ちる。
ああ、わかったよ。はっきりいってやる。
俺だって、今始めて分かったことだ。
「俺はな、お前をメイドだとか家事手伝いだとか、そんな役割求めてねぇんだよ。……お前は、お前だろ。俺の幼なじみで、ちょっと乱暴だけど、時々可愛くて……俺の好きな女だ。恋、お前はそれでいいだろ……?」
「ぇ……?」
恋は涙でぐしゃぐしゃになった目を見開き、俺を見つめた。
「ほんと……? こーが、それ、嘘じゃないよね?」
「ああ、恥ずかしいけど、今気付いた。本心だよ」
「……う、うぅ……」
恋の目からさらに大量の涙が追加された。
「な、泣くほど嫌かよ……」
「ちがうよぉ……うれしいの……高雅に好きっていってもらえて、うれしいんだよぉ……」
それだけしぼりだして、恋はわんわんと泣き始めた。
ああ、めんどくさい女だ。
でも、なんでこんなにほっとけなくて――可愛いんだろうな。



47 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00:48:16 ID:NGbYBcv8
「……すみませんでした」
泣き喚く恋をとにかく帰らせて、俺はコロナに手を治療してもらっていた。
「いや、かまわねーよ。俺があいつにとってた態度が悪かった。お前は、それを気付かせてくれたんだからな」
「……」
コロナは顔を暗くした。
とはいっても、少し角度を下げただけの、微細な変化。表情は変わっていない。
それでも、俺にはわかった。
コロナは、ただのロボットじゃない。俺達と同じ、感情がある。
なら……。
「反省してるなら、これからは恋にも優しくしてくれ」
「……」
コロナはこくりと頷いた。
「今日は、その傷ではお風呂には入れませんね。私が、身体をお拭きします」
「いや、いいって。自分でやるから」
「そうはいきません。ただでさえ身の回りのお世話は仕事ですから、この件は私の責任であって、これは絶対に私がやらなければならないことです」
――俺の指示、したがってねーじゃん。
そう思いつつも、ここはコロナの仕事を遂行させてやろうという、一種の親心が勝った。
たぶん、それを見抜いたからコロナも断行しようとするんだ。
「では、上着を脱がせます。両腕をお挙げください」
「わかったよ」
丁寧に、しかしすばやく上着が脱がされ、俺は上半身裸になる。気恥ずかしい。
が、コロナはロボットだ。別に俺の身体が貧弱だろうが、メタボだろうが醜いなどとはおもわないだろう。
それに、俺は身体は鍛えている。自身はあるし、人に見せてもそうそう馬鹿にしたもんじゃない。
コロナは温めたタオルで俺の身体をこすった。絶妙な力加減だ。



48 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00:48:46 ID:NGbYBcv8
「痛くないでしょうか」
「ああ、丁度いい」
「何よりです」
丁寧だというのにすばやく完了した。
「では、次は下を」
「そ、それは……」
「お願いします」
コロナの目をみると、断れなかった。
無表情だからかはわからないが、強い意志を感じる。自分の仕事に誇りを持っている。
「……」
俺はズボンを脱ぎ、椅子に座った。
「では、足をお拭きします」
タオルで片足ずつ拭いていく。鍛えて、筋肉がついた足。
妙にゆっくり、丁寧になぞっていくもんだから、なんだか俺も変な気分になる。
「終わりました」
不覚。妙な気分のままトリップしたのか、いつのまにか終わっていた。
「ああ、ありが――」
「では、トランクスも失礼します」
「――とぁ!?」
さすがにそれはないだろ! と、拒絶する前にコロナは素早く俺のトランクスを取り去った。
ああ……俺の股間のベストフレンドが、見られている……!
コロナは無表情にそれをみて、タオルでいきなり触れた。
「――ぃ!?」
「御主人様、どうしました?」
「ちょ、おま……!」
「性器は最も大切な部位のひとつです。メンテナンスは念入りにせねばなりません」
メンテナンスって、そんな、俺は機械じゃないっすよコロナさん!?
コロナが俺のマグナムをタオル越しの手で掴み、擦りあげる。



49 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00:49:21 ID:NGbYBcv8
「ぐっ……ぁ……」
むくむくと、だらしのない俺のマグナムは硬化して天をさした。
「これは……」
「い、いや、違うんだ、これはなんていうか、人間としてしかたのないことであって……」
「存じています。勃起という現象です。陰茎が性交を求めるときに形態を変化させるものですね」
コロナは冷静にそこを凝視しながら、タオルを取って――急に素手で触った。
「おぉっ!? こ、コロナさん!?」
「御主人様の性処理も、私の仕事のひとつですから」
「ぉ……ぉあ……!」
冷たい手でしこしこと扱きはじめる。
そう、コロナの手は冷たかった。しかし、肉感はあり、人間味はある。
そのギャップが、また快感を促進する。
「これは……カウパーというものですね」
いつのまにやら、俺の我慢汁が溢れていて、コロナの手を汚していた。
上下に動かすたびにぐちゅぐちゅと卑猥な音がする。
ああ、やばい……。やばすぎるぜ……。
ぺろり。
「――っ!?」
俺の身体が跳ねた。
コロナさん、何舐めてんすか!? 汚いっすよ!?
「いえ、御主人様の体液が私の一番の好物となるように、味覚が設定されています」
そう言って、コロナは俺のモノをくわえこんだ。
おいおい、マジやばいって。口の中、あったかくて、濡れてて、やばい……。
ぐちゅ、ぐちゅ。
リズミカルに頭を上下させ、コロナは俺のマグナムを口で喜ばせていた。
口の中では、舌が活発に動いて舐めあげ、カウパーを一滴残らずに掠め取る。
「まずい……もう、出るから、やめ……!」
って、やめてって言って、やめてくれる雰囲気じゃないっすよね。ははっ……。もう、諦めたぜ。



50 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00:51:11 ID:NGbYBcv8
「はい、やめます」
って、おい!!
逆にビビるわ! この展開なら、エロマンガとかだとごっくん路線だろ!
「私の擬似性器の性能テストも兼ねて、御主人様にはこの中で射精してもらいます」
コロナは俺を強引に押し倒し、床に押さえつけて馬乗りになった。
そして、ロングスカートを両手で上げる。
「……!?」
俺は、信じられないものを見ていた。
完全な人間の身体が、目の前にあった。
っていうか、コロナさんパンツはいてないんっすか?
「私は、骨格こそメカですが、外皮はほとんど人間と同じです。性器も、その生殖機能以外はほとんど精巧に再現されています。……失礼、再現されている、『はず』です。テストプレイも行わず、ここで性能テストするのですから」
そう、完全な人間の身体。いや、俺は童貞だから正直初見だが。
知識にあるそれとは同じ。
俺の目の前に晒されているコロナの股間には、確かに無毛のピンクの割れ目があったし、そこからは液体が流れて俺の服にしみを作っていた。
「では、始めます」
「お、おい……!」
有無を言わさず、コロナは俺のモノを掴んで固定すると、そこに一気に腰をおろした。
「……うぐっ」
コロナが始めて表情をゆがめた。一瞬だけだったが、痛みに顔をゆがめたのだ。
「おい、血が……」
「そうですね。擬似血液ですから、行為に支障有りません」
つらそうな顔をしていうなっての。
「では、続行します」
俺の上に乗っかったまま、コロナは腰を上下させ始めた。
やばい、やばすぎる。俺の股間に、全身に、すさまじい快感が走る。
ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ。
コロナが身体を上下させるたびに、卑猥な水音が響く。



51 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00:51:50 ID:NGbYBcv8
「……御主人様、快感を感じますか?」
「……不覚にも、ロボットに欲情しちまってるよ、俺。情けない限りだ……」
「そうですか。嬉しい、です」
コロナの腰がピクリと震え、きゅうきゅうと膣がしまった。
「今、軽いオーガズムに達しました。私の感度は高めみたいですね」
無表情。息が若干速くなっている程度の変化。
しかし、その頬は確実に赤く染まっており、その身体は熱を帯びていた。
コロナの性交の機能は、精巧だ。駄洒落じゃないが。
「しかし、まだ御主人様の番はまだです。続行します」
そうだな。なぜか、俺はなかなか射精できなかった。
メイドさんの同人誌で散々オナニーした時はこうじゃなかったが。なぜだ。
……もしかして。
「……んぁ!」
やっぱり。
今、俺は腰を突き上げて自分からコロナの奥に挿入した。俺の快感は上がった。
やはり、能動的にならないとだめだったか。
しかし、不可解なのは、コロナが嬌声を上げたこと。
さらに激しく攻め立てる。
「ぁっ、あぁ! ……御主人様、はげしっ……! そんな……! だめっ……だめじゃない、訂正します、だめじゃないですっ!!!」
連続で突き上げられてよがっているコロナは、さっきまでとは全く違う、表情豊かに喘いでいた。
「そんな、私が、こんなっ……はしたないっ! ……私は、メイドロイド……こんな……!」
「そんなことないぞ。お前も、可愛いよ」
「……っ!? ひぁ……ん、ああああああああああああああ!!!!!」
俺の声が起爆剤になったのか、コロナは盛大に叫びながら身体を逸らし、びくびくと振るえた。
「あ……あぁ……また、御主人様より先に……申し訳、ありません……」
涙と涎(のような液体)で顔をぐしゃぐしゃにぬらしながら、コロナは俺に何度も謝った。



52 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00:52:20 ID:NGbYBcv8
「いいって、そのほうが人間らしくて可愛いぞ」
「か、可愛い……? 私が、ですか? 恋様ではなく?」
「……恋も、お前も、違うだろ。それぞれ必要な部分はあるし、可愛いとこも違う」
「……」
コロナは、無言になって一瞬硬直した。
「御主人様、恋様と、恋仲になるおつもりですか?」
「それは、まだよくわからない」
「なら、恋様は諦めてください」
「……?」
「この行為の全部は私の中で映像としても、音声としても残っています。ロボットに欲情したという事実を、私は誰にでも公開することができます」
「……お前」
「言ったはずです、私は御主人様の全てであり、御主人様は私の全てです。恋様……いえ、あんな雌猫は、必要ないのです」
「コロナ、お前、一体……」
「このデータを公開すれば、御主人様の社会的な評判は一気に落ちるでしょう。ロボットと性交など、獣姦と変わらないですから。ですから、これを秘密にして欲しければ、私以外と絶対に性行為をしないでください」
「ど、どうして……!」
「私とて、御主人様の信用が失墜するのは耐えかねます。しかし、御主人様がずっとこの家にいてくださるということは、私の存在価値が完全に発揮されるということですから」
コロナはゆっくりと、つながったままの性器同士をまたこすりあわせ、上下運動を始めた。
「私にはどう転んでもよいのです。御主人様が私のものになってくださるか、御主人様が私以外の全ての他人から軽蔑されてしまうか。それだけの違いです。私は、そのどちらの未来でも御主人様を唯一支える存在となります。選ぶのは、もちろん御主人様です」
ぐちゅぐちゅと、また激しく動きはじめる。
上着のボタンをはずし、胸も露出した。大きく、肉感的だ。
上下するのにあわせて、ぶるぶると揺れる。



53 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00:52:52 ID:NGbYBcv8
「さあ、はやく私に射精してください……♪ これで、御主人様は私のもの……」
あたまが、痛い……。
どうして、こんなことになったのだろうか。
わけわかんねーよ。
でも、気持ちいい。コロナを選んでしまっても……。
いや、コロナを選ばなければ、俺の人生は終わる。
どうする……。
コロナが全てを公表したとしたら、俺を今までどおり扱ってくれる優しいやつなんて殆どいなくなるだろう。
恋は……受け入れてくれるかわからない。とても怖い提案だ。
そして、もうひとつの案は、魅力的だった。
コロナ意外とセックスさえしなければ、俺はいつも通りの生活。
本当に、簡単な話。
恋とやっと好きだって伝え合った事実から目を逸らさなければならない。
しかし、恋のためにも、俺のためにもこちらがしあわせだ。
……どうする。
どうするんだよ。
「あ、ああああ! 御主人様の、熱いです……! コロナのいやらしいロボットおまんこの中に、いっぱい、いっぱい……!」
出しちゃったよ。
「はぁ……はぁ……では、選択してください」

「御主人様、私はずっとあなたの味方ですから」