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118 :シンデレラアンバー [sage] :2008/11/20(木) 08:55:38 ID:AhhRok0B
 昔々、ある所に、それはそれは可愛らしいお姫様がいました。性格はとっても無邪気で誰に対してでもにこやかに笑う女の子。その笑顔は国中の皆を明るく照らしました。お姫様は国一番の人気者になりました。
 ただ、お姫様は『大切なもの』を『宝箱』に入れるという難癖を持っていたのです。
 見かねた王様はお姫様にこう言いました。
「姫よ、なぜ森のお友達を殺してしまうのだい?」
「私がいつ、お友達を殺したのですか?」
 王様は従者を呼んで彼女の『大切なもの』を持ってこさせました。
「それじゃあ、なぜ友達を剥製にしてしまうのだい?」王様は『大切なもの』の中から一匹の子じかの剥製に指を向けました。
「私たちが永遠に仲良しになるための方法です。私も剥製になりたいのですが、お姫様としての『お仕事』がまだ終わっておりませんので」
 王様はこれ以上口を挟むことが出来ませんでした。王様は天を仰ぎ、お姫様の顔から逃れました。王様は怖がっているのです。姫様が賢く、そして王様を姫様自身を恨んでいることが、お姫様の歪みきった口元から窺えたからです。
 王様はお姫様に意趣返しをするようにこんな提案を持ち出しました。
「そんなに言うのなら、お前を隣の国の王子の下へ嫁がせようぞ」
 お姫様は難なくその提案に答えました。

 お姫様は隣の国に行く前の夜に部屋から抜け出しました。そして、待ち合わせ場所の薄暗い森へと足を運びました。
 ほんのりと明かりが点いていたのでお姫様は少しあせりました。
「遅れてしまいましたか?」明かりと共に切り株に座っていた少年がお姫様に気づきました。
「いや、先ほどきた所ですので」
 そうですか、とお姫様は返事をして少年の隣に座りました。
「私はこの星たちが消えてしまうとお嫁に行かなければなりません」
 少年は驚きはしたものの、肩をおろして、「そっか……」と呟きました。
 少年はおもむろに服を脱ぎ始めました。
「お姫様、私にあなたの操をいただけないでしょうか? さすれば私はあなたの『永遠』に成れると思うのです」
 お姫様は目からポロポロと涙を流しました。
 お姫様は嬉しかったのです。
 この、この少年だけが私の真の理解者だったのだ。本当のお友達なのだ。
 いままで、お友達だと思っていた人間にお姫様は『永遠』を理解してもらえなかったのだ。
 ただ、この少年は私の『永遠』に理解をしてくれた。一緒にお友達を『永遠』にしてくれた。
 今も、これからも、少年だけが私の理解者なのだろう。
 お姫様は少年の手を握り、首を縦に、小さく振りました。
 


119 :シンデレラアンバー [sage] :2008/11/20(木) 08:56:52 ID:AhhRok0B
 隣の国の王子様は憂鬱でした。
「なぜ、彼女は私に心を開いてくれないのだろう」王子様はたいそうお姫様のことを気に入っていたのです。
 そこに、王子様の友達である騎士が答えました。
「姫さまは異常だからです。きっと悪魔にでも取り付かれるているんでしょう」
 騎士の口調はたいそうまじめな物でした。しかし、王子様は頭を抱えて声を振るいだします。
「私はそれでも姫のことが好きなのだ」
 騎士は大声を上げて王子様に言いました。「王子様はあれをごらんになされたのですか!? あの、あの、死体部屋を! ああ、忌まわしい……」騎士は余りの恐ろしさに体を震えさせました。
 しかし、王子様は俄然と答えます。
「見たよ」
 騎士は耳を疑い「それならば、なぜ!」尋ね返しました。
 王子様は少し考え、騎士にこう告げました。

「私は姫の心にほれてしまったのだ。例え、家来の前でも、子供の前でも、国民の前でも、そして、私の前でもはがす事のないあの鉄の仮面。私はその鉄の仮面の下に見える狂気にほれてしまったのだよ」

 騎士は呆然としました。そして、踵を返すや否や、騎士は城の頂上から飛び降りて死んでしまいました。

「王子は悪魔に呪われてしまった。この国はもう長くはない」

 『絶望』という悪魔が騎士を呪ったのです。

 それから長い年月がたち、お姫様と王子様はおばあさんとおじいさんになりました。
 姫は相変わらず『宝箱』を覘いては『大切なもの』を可愛がり、床に伏すまで幸せな時間を過ごしました。
 ただ、王様は相変わらず憂鬱な顔持ちでお姫様に焦がれていました。
 そして、王子様よりも先にお姫様は死に、王子様はお姫様が残した遺言書通りに彼女を『永遠』にしました。

「私は、私は王女のそばに眠りたい!」

 王子様はとある決断をしました。
 早速、それを実行すべく重臣と息子たちを呼び寄せてこういいました。

「あの『大切なもの』を焼き払い、私を王女の『大切なもの』にしてくれ」

 周囲の咎める声を聞きながら、王子様はおもむろに腰につけた短剣を胸に突き刺しました。

「たのんだぞ……」


 更に長い年月が経ち、わたしたちの時代に足した時も、相変わらずお姫様の『宝箱』は永遠を保ち続けました。
 
 ただ、『ある者』を除いて……


 めでたし、めでたし