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魔法少女マジカルあいでぃちゃん(自由帳掲載分から転載 2008-11-25)
口ずさむメロディーが彼女を輝かせていた。
歌うように続く呪文詠唱。
井出島さんの放つ光で夜の校庭ははっきりした輪郭を取り戻す。
やがて風を巻き起こし、彼女は宙に浮かんでいく。
ヘリコプターのような風に俺は飛ばされそうになりながらも彼女を見つめていた。
風にはためく制服のスカート。そして宙に浮かんでいく彼女。
丸見えだった。パンツじゃないから恥ずかしくないとかそんなレベルではない。
あの布の質感はパンツそのものだ。
「マジカル・チェーーンジ!!」
彼女が叫ぶと、彼女はもう一つの満月となった。
強烈な光に目がくらむ。
制服のポロシャツとスカートは虹色に変わり消えていった。
俺は目を見開いてその様を見ようとしたが、まぶしさにこらえきれずに腕で光をさえぎった。
気がつくと彼女の変身は終わって、あたりは静けさを取り戻していた。
グランドは新月が近い、控えめな月明かりが照らしているだけだった。
風も止み、雑木林から虫の音が聞こえていた。
彼女の裸体はすでに紫色のワンピースに包まれていた。そしてトレードマークの赤い帽子と「ID」の文字の装飾。
「どうしたの?とっしー」
魔法少女マジカルあいでぃちゃんとなった井出島さんが見上げていた。
「な、なんでもないよ」
俺は下心を見透かさたかと思ってドキリとしたが、彼女の幼さ残る無邪気な表情を見ていると逆に罪悪感が頭をもたげるくらいだった。
「それよりも早く行こう。カソリーヌたちが危ない」
「うん、わかった。とっしー」
彼女は頷くと、高く澄んだ口笛を吹いた。
ぴゅう、と音は闇夜に響き、やがて吸い込まれた。
しばらくしてガサガサと雑木林がざわめき、いもぎがやってきた。
いもぎはジャガイモなのかうさぎなのかいまだわからない謎の生物である。
耳で逆立ちをし、それを足のように使って進むのだ。
駐車場からはエンジン音が聞こえた。こちらはIDロボだ。
あいでぃちゃんが「こっちだよー」と声をかけると、IDロボはグランドに乗り入れ、こちらへスルスルとやってきた。
IDロボは巨大な掃除機といった外観で、なかには人も乗ることができた。
島の工場で製造されたらしいが、今はいもぎと一緒に、彼女の使い魔となっている。
高性能の人工知能を持っており、関西弁を話す。
「なんやとしあきはん、夜の校庭で逢い引きとは隅におけないんやな..........」
ロボは掃除機の吸い取り口みたいな頭をもたげて俺を覗き込んだ。
俺はボディを蹴飛ばしてやった。
「痛いんやなwでも反撃はできないんやなwロボット三原則は悲劇やな..........」
「あたしはいもぎに乗るから、とっしーはロボでね」
あいでぃちゃんはそう言っていもぎの背中に飛び乗ると先に出発していった。
グランドには俺とIDロボが残された。
「わいは女性専用車両なんやな..........」
ロボは言う。
「やなやなうっさい。ハッチを開け」
俺はもう一度蹴飛ばしてやる。
ロボはやれやれといったように背中のハッチを開いた。
ロボのコクピットはあれこれ計器やハンドルがついているが、それは開発者のたんなる懐古趣味らしく何の意味も持たない。
実際は搭乗者の思考を読み取り自在に動くのだ。
そして生意気にも全周囲モニターだ。
「行き先はFSM教会」
俺は気分を出すために言う。
「としあき、いっきまーす!!」
ロボが答える。
「アニメの見すぎなんやな..........」
#right(){to be continue...&space(20)}
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#right(){(自由帳掲載分から転載 2008-11-25)&space(20)}
口ずさむメロディーが彼女を輝かせていた。
歌うように続く呪文詠唱。
井出島さんの放つ光で夜の校庭ははっきりした輪郭を取り戻す。
やがて風を巻き起こし、彼女は宙に浮かんでいく。
ヘリコプターのような風に俺は飛ばされそうになりながらも彼女を見つめていた。
風にはためく制服のスカート。そして宙に浮かんでいく彼女。
丸見えだった。パンツじゃないから恥ずかしくないとかそんなレベルではない。
あの布の質感はパンツそのものだ。
「マジカル・チェーーンジ!!」
彼女が叫ぶと、彼女はもう一つの満月となった。
強烈な光に目がくらむ。
制服のポロシャツとスカートは虹色に変わり消えていった。
俺は目を見開いてその様を見ようとしたが、まぶしさにこらえきれずに腕で光をさえぎった。
気がつくと彼女の変身は終わって、あたりは静けさを取り戻していた。
グランドは新月が近い、控えめな月明かりが照らしているだけだった。
風も止み、雑木林から虫の音が聞こえていた。
彼女の裸体はすでに紫色のワンピースに包まれていた。そしてトレードマークの赤い帽子と「ID」の文字の装飾。
「どうしたの?とっしー」
魔法少女マジカルあいでぃちゃんとなった井出島さんが見上げていた。
「な、なんでもないよ」
俺は下心を見透かさたかと思ってドキリとしたが、彼女の幼さ残る無邪気な表情を見ていると逆に罪悪感が頭をもたげるくらいだった。
「それよりも早く行こう。カソリーヌたちが危ない」
「うん、わかった。とっしー」
彼女は頷くと、高く澄んだ口笛を吹いた。
ぴゅう、と音は闇夜に響き、やがて吸い込まれた。
しばらくしてガサガサと雑木林がざわめき、いもぎがやってきた。
いもぎはジャガイモなのかうさぎなのかいまだわからない謎の生物である。
耳で逆立ちをし、それを足のように使って進むのだ。
駐車場からはエンジン音が聞こえた。こちらはIDロボだ。
あいでぃちゃんが「こっちだよー」と声をかけると、IDロボはグランドに乗り入れ、こちらへスルスルとやってきた。
IDロボは巨大な掃除機といった外観で、なかには人も乗ることができた。
島の工場で製造されたらしいが、今はいもぎと一緒に、彼女の使い魔となっている。
高性能の人工知能を持っており、関西弁を話す。
「なんやとしあきはん、夜の校庭で逢い引きとは隅におけないんやな..........」
ロボは掃除機の吸い取り口みたいな頭をもたげて俺を覗き込んだ。
俺はボディを蹴飛ばしてやった。
「痛いんやなwでも反撃はできないんやなwロボット三原則は悲劇やな..........」
「あたしはいもぎに乗るから、とっしーはロボでね」
あいでぃちゃんはそう言っていもぎの背中に飛び乗ると先に出発していった。
グランドには俺とIDロボが残された。
「わいは女性専用車両なんやな..........」
ロボは言う。
「やなやなうっさい。ハッチを開け」
俺はもう一度蹴飛ばしてやる。
ロボはやれやれといったように背中のハッチを開いた。
ロボのコクピットはあれこれ計器やハンドルがついているが、それは開発者のたんなる懐古趣味らしく何の意味も持たない。
実際は搭乗者の思考を読み取り自在に動くのだ。
そして生意気にも全周囲モニターだ。
「行き先はFSM教会」
俺は気分を出すために言う。
「としあき、いっきまーす!!」
ロボが答える。
「アニメの見すぎなんやな..........」
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