ちくわ事件


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(ID島ルーレットスレ掲載分から転載 2009-05-30)                    

『よいしょよいしょ……、ちゃんと綺麗にしておかないと
大家さんが帰ってきた時に怒られちゃいますからね』
せっせと雑巾掛けをしている五月雨ちゃん

「帰ってくると思うの?もう何ヶ月になるのよ
サッサと諦めて、気持ち切り替えようよ!」
器を洗いながらボヤくニセちゃん

『でもこうやってちゃんと待っていれば
いつか帰ってきた時に喜んでくれると思いません?』

「あー、そうねー、戻ってきたらねー」
毎回話が通用しないので慣れたせいか
話の切り替えも早いニセちゃんである

「ところで五月雨、この長屋バー(仮)の名前って決まったの?」
洗った器を拭いて棚に戻しつつ、ニセちゃんが問う

『実はまだ悩んでいるんですぅ、3つには絞ったんですけど……』

「へぇ、じゃあアタシもそん中から選んでやるわよ、言ってみて」

『1”ちくわ屋”、2”ちくわ亭”、3”ちくわ庵”』

(うわぁ、取り敢えず全部竹輪なんだ……)
「あー、確かにどれを選ぶか迷うかもねー、うんうん」
再び何事も無かったかの様に作業に戻るニセちゃん

『そろそろ、まかない飯の時間ですね、今日はちくわと何にしようか?』

「ねえ五月雨、ちょっと聞きたいんだけど
毎回おかずに大量の竹輪ってどう思うの?主食よりも多いのよ!」
今まで抑えてきた好奇心がそろそろ限界に達してきたニセちゃん

『え?おかず……って、ちくわがですか?……ちくわは主食ですよね?』
きょとんとした表情で聞き返す五月雨ちゃん

「はぁ?米やパンが主食なら判るけど、竹輪は所詮おかずじゃない」
プイと呆れてそっぽを向く、それがニセちゃんの今日最後の言葉だった



『所詮……?』

ぶち

何かが切れる音が聞こえた

『ちくわが……?』

ゆらり

何かが揺らめいた気がした



「どうやらガイシャは生きているようですね、巡査長」
『咥えているのが大量の竹輪だからな、穴から呼吸は一応出来たんだろう』
「なんか漫画で忍者が水中で竹筒咥えてるのを思い出しました」
ニセちゃんの惨事を困った表情で見ながら
カマキリ巡査長と喋りつつも、すらすらと調書を書く島ぽりす

「少女の口に肉棒だぞ俺、なんてエロい状態なんだぞ俺」
「おかずが違う意味でもオカズだぞ俺」
「今夜は大事に仕舞っていた”クリアちくわ”使う時だぞ俺」
「どうせなら別の口にも……、いやお巡りさんなんでもないだぞ俺」
周囲には既に野次馬のとしあき達が集まっている

一つの影がその場を去っていく
つい先ほど通報を終えた、かつてのここの大家である
「さて、シナリオは始まり、冒険者達も集った、後は宴が始まるだけ」

事件は、彼の持つ”能力”が原因であった
”彼が立ち寄る場所に事件が起こり、解決する為に必要な人員が自然に集う”
ある意味、因果律を操作する強力な能力だが
彼自身の意思では殆ど制御できないのが玉に瑕だ

ビール火山の山頂からスタートし、泥酔状態で島中を
まるで某忍者漫画のファミコンソフトのボーナスステージよろしく
竹輪と近くにある物を投げつつ、逃げ回る五月雨ちゃんと
追うカマキリ巡査長&島ぽりす&住民らの大騒動が始まるのを尻目に

「けれどもそれは、また別のお話、いずれまたの機会に語られるだろう」
銅色で、二匹の蛇が互いの尾を咥えた装飾の本の一説を呟きつつも
大家は港に向けて歩きだす、また新たな冒険を創り出す為に

ちなみに風の噂では、この後ニセちゃん
五月雨ちゃんの竹輪主食説に、暫く異論を唱えなくなったとさ

おしまい                    


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