俺とおっぱい


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(ID島ルーレットスレ掲載分から転載 2009-06-09)                    

ふたばタウンからの帰りの一人のとしあき、彼の挙動は非常に不審であった
「誰かに見られているぞ俺!邪気眼じゃないぞ俺!厨二病設定でもないぞ俺!」
碌でもない事を叫びつつも振り向いたが、視線の先には誰も居ない

(さっきから誰かに見られている気がするぞ俺)
気のせいだろうって俺?
(いや、そんな訳はない、確かに気配はするぞ俺)

ぽにゅ

後ろ足に柔らかい何かが当たった感触がある

「うわわ!だぞ俺」
驚いて情けない声をあげながらも、視線を下に向ける

女性の胸部の片方に小さな足を付けた様な生物
その名は”おっぱい”、なんの捻りも無いネーミングだ
対になる生物も居て、そっちの名はマ【検閲】、矢張り捻りが無い

なんとなくコイツには見覚えがある気がする
おっぱいの形状なんてどれもこれも似たり寄ったりなのだが
そのおっぱいには小さな三角形の黒子があった

としあきは先程の事を思い出す……

彼がその穴に気がついたのは偶然であった
前に誰かが仕掛けた落とし穴、落ちたのは五月雨ちゃんだった
埋めた筈だったが、最近のビール雨のせいか崩れたらしい
彼がその穴を覗き込んだのは偶然であった

覗いた穴には、おっぱいが落ちていた
人間であるとしあきにとっては膝程度の高さでしかない穴だが
おっぱいにとっては大穴である、そもそも落ちたら上がれる形状じゃない
としあきがおっぱいを持ち上げて助けてやる

「これからは気をつけるんだぞ俺」

ちょこちょこ
としあきが歩くと、とりあえず後ろを付いてくる
(困ったぞ俺、こんなの連れ回してたら変態だと思われるぞ俺)

なんか懐いている様だし、付いてくるなとも言いにくい
(そもそもこの生物が人語を解すかどうかもわからない)

必死に走って振り払うのは疲れるから嫌だ

としあきは良い事を閃いた
ビール湖に停泊していたボートに乗って沖に出る
おっぱいの形状では流石に泳げないだろうし、追うのを諦めるだろう
クタクタになるよりはノンビリとボート漕ぎがマシ、そういう判断だった

「向こう岸に渡って、後はさっさとトンズラしてしまうぞ俺
それにしてもこんな所に停めっぱなしとはラッキーだぞ俺」

しかし、暫く漕いでいると足下からボコボコと音が聞こえてきます
見てみると応急処置と思われる板が剥がれて
船内にビールが入り込んできているのです

「うわわ、俺は泳ぐのが苦手なんだぞ俺」
そう、このとしあきは泳ぎが苦手だったのです

慌てて穴の上に座り込んで岸に戻ろうとしますが
ビールがじわじわと入り込んできてスピードも出ません
このままでは戻る途中で確実に沈没

としあきは岸への距離を考えると気が遠くなってきます

10分後
特に運動をしている訳でもない
無職童貞引きこもりのとしあきではついに限界が訪れました
船の沈む速度は更に上がっていきます

(泳ぐしかもうないけど、多分駄目だぞ俺)
ちなみに彼は下戸って程でもありませんが酒には弱い方です
顔をくしゃくしゃにして半泣きのとしあき
(落ち着け、落ち着くんだぞ俺)

残り僅かな時間を惜しむように、岸辺を見て距離の目星を付けていると
何かがこっちに向かってきています

「あ、あれはもしかしてさっきのアイツだぞ俺!」
小さな足を必死に動かし、おっぱいはとしあきの方向に向かってきます

「お前、俺を追ってきたのか俺」
シャツとズボンを脱ぎ、沈みゆくボートから意を決して飛び込むとしあき

としあきは人嫌いなを公言する癖に寂しがり屋であり
人間最期が迫っていると、どんな相手でもそばに寄り添って欲しいと願う
それは例えとしあきでも例外ではないようです

(俺が持ったら沈むかも知れないぞ俺)
おっぱいに近づき、恐る恐る捕まるとしあき
だがそれは体重を掛けても沈む事はなく、ぷかぷかと浮き続けました

ぱぁっととしあきの表情が明るくなり、ぎゅっとおっぱいを抱きしめます

おっぱいは基本的に脂肪の塊であり
肥満体型が殆どのとしあきですら相手にならない脂肪率です

子供の頃の水泳の授業で使ったビート板みたいに
捕まってさえいれば沈まない事は、としあきに希望を湧かせました
彼はバタ足で岸に向かいはじめます

その時、吊り橋理論って言葉が、ふと脳裏を過ぎりました
(命の危機を感じたら、恋愛感情が起こり易くやすく、それらは覚め易い)
だけど助かったのはコイツが居たから、それは理論ではなく事実です

「お前は俺の命の恩おっぱいだぞ俺」
自分でも驚くほど素直にお礼の言葉が出ました
心なしかおっぱいも紅潮している様です

岸に向けて泳いでいるうちに喉が乾いてきました
でもビールを飲んで酔ってしまう訳にはいきません
ビールに全身が浸かった状態なので、既に酔いが回り始めているのです

「お前はおっぱいだし、やっぱり母乳出るのかだぞ俺」
彼は酔っている事もあり、半ば冗談のつもりでそう言いました

じわり

上を向いている乳首から白い液体が溢れてきたのです
極限状況がなす業でしょうか、それとも赤子の頃からの本能なんでしょうか
迷う事無く乳首に吸いつきました、口内は忽ち甘い味に満たされます

ちゅーちゅー
 ちゅーちゅー

不思議な事にそれを飲むと、グングンと体に力が沸いてきました
酔いも醒めてしまい、スッキリとした気分です

あいでいちゃんの研究によれば、おっぱいはその相手次第で
乳首から色々な効果を持つ液体を出す事が可能だそうです

大概の場合は毒液やマズい液体な事が多いそうですが
稀にエリクサーやアムリタ等の霊薬の材料を出す事があり
彼女はそれらを集めて、家の大鍋で加工したりもしているのです

彼は再び岸を目指して泳ぎ始めました

数分後

彼は岸で通報を受けて駆けつけてきた、島ぽりすらに救助され
事情聴取をされていました
「で、無事戻ったと、聞き取りは終わりだ、疲れただろうし家に戻って休め」
「それにしてもおっぱいに助けられたとはな、まあ礼ぐらい言っとけ」
二人は事情聴取も終わり、パトカーに乗って帰ります

「ありがとうだぞ俺」

ぷるるん
ゆっくりと身体をふるわせ、頷くおっぱい

そのまま振り向いて去ろうとします
何となくその後ろ姿には哀愁が漂ってました

普段のボソボソとした喋りと違い、としあきは大声で叫びます
「待ってくれだぞ俺!お前さえ良ければだぞ俺!俺の家に来いだぞ俺!」

ピタッとその動きが止まり、やがておずおずと振り向くと
ちょこちょこと向かってくるおっぱい

「これからよろしくだぞ俺!」
としあきは嬉しそうに抱きしめます

「おい!その娘に良い名前、付けてやれよな!」
走り去っていくパトカーからマイクで
カマキリ巡査長がとしあきを冷やかしました

おしまい                    


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