ニセちゃんの本名の謎


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(ID島ルーレットスレ掲載分から転載 2009-10-07)                    

「アンタップ、アップキープ、ドロー、メイン入ります」
凛とした、それでいて柔らかな声がバーに響き
白魚の如く白く、そしてか細い指が綺麗にカードを机に並べていく

「”ちくわ縛り”プレイ、その後”ちくわの壁”をプレイしてターンエンド」


「”ちくワイト”と”ちくわゴーレム”で攻撃」

『投了だぞ俺、これじゃ間に合いそうにないぞ俺』
ジョッキの残りを飲み干すと二人はカードをシャッフルし始める

『昼間から五月雨ちゃんと酒を飲みながらカードゲームとは幸せだぞ俺』

「ランチさえ終われば軽い掃除と食器洗いだけ
残りの仕込みは夕方で間に合いますし、こうしてカードで暇を潰していたら
今度大会があるって話を聞いて、宣伝を兼ねて参加したいと思いまして」

『あからさまにあいでぃちゃん(赤単)や
カソリーヌ(黒単)のデッキをメタっている様に見えるぞ俺』

「ニセちゃんが言うには、あの2人にだけは負けられないって話ですし
ニセちゃんと1、2フィニッシュすれば、もっとここの宣伝になるかなって」

『成る程だぞ俺、そう言えばそのニセちゃんの姿が見えないんだぞ俺』

「チラシ配り&野試合だと思いますよ、デッキ持っていきましたし」
新しいジョッキを持ってきつつ五月雨が答える

『つまりだぞ俺、このバーには五月雨ちゃんと俺だけだぞ俺?』
二度目の乾杯を終え(五月雨ちゃんは昭和炭酸娘印のソーダ)ながらとしあきは聞く

「ですね、あ、襲おうとしたらアナルちくわの刑です、2桁は覚悟して下さい」

『判っているぞ俺、此間のニセちゃんの無残な姿見れば判るぞ俺
丁度聞きたい事があったんだぞ俺』

「なんですか?BWHは公表してないですよ、後は年齢も」

『五月雨ちゃんの事じゃないぞ俺、俺が聞きたいのはニセちゃんの事だぞ俺』

「……それは、質問次第で”黒き巨眼魔”と”巨眼魔の娘”をリアル召還ですよ」

『信用されてない様で悲しいぞ俺、俺が聞きたいのはニセちゃんの本名だぞ俺』

「本名……ですか?」

『例えばバカ○ンのパパだってバ○ボンが産まれる前からその名な訳じゃないだろ俺?』

「例えは微妙だけど、気が付いちゃいましたか」

『”あいでぃちゃんの偽者”になる前はどうしていたのか気になるぞ俺
これはひょっとして恋かと思ったけど俺、只の好奇心だったぞ俺』

短い、それでいて長く感じる沈黙

「聞く覚悟……ありますか?」
五月雨ちゃんが憂いを帯びた表情で静かに尋ねる

『なにか深刻な事情があるのか俺?』

胡瓜詰め竹輪と三杯目が置かれ、再び二人は向かい合わせに座る
「これは、とある紳士から聞いた物の考え方なんですが
逆に考えるんです、何故彼女はニセちゃんに甘んじているのか考えるんです」

『そう言やニセちゃんって普通に呼んでも怒らないよな俺
漫画やゲームなら”偽者って呼ぶなー”とか言ったりもする事が多いけど俺』

「彼女にとっては”その方が都合が良い”んですよ、きっと」

『別にあいでぃちゃんの名を語ったり取って代わったりしようともしないな俺』

「だからあいでぃちゃんが居て、その影……つまり偽者じゃないと
素の自分に戻ってしまうのが嫌なんだと思いますね、これは私の考えですが
だから、この事を知る事は彼女の隠している事に触れる事になります」

『満足だぞ俺、これ以上知ろうとは思わないぞ俺、御馳走様だったぞ俺
じゃ、後はこれらもデッキに入れて試してみるといいぞ俺』
勘定と何枚かのカードを置き、としあきは帰り支度をする

「お粗末さまです、じゃあこれらもデッキに入れてプレイしてみますね」
(まあ、私も知らなかったんだけどね、助かったわー)
五月雨ちゃんはどちらかというと貧乳ポジションキャラで
あるかはさておき、こっそり胸を撫で下ろすのであった

……

『ただいまー、チラシ全部配ってきたよ』
『こんばんわなのだー、まだ開店してないから過疎なのだー!』
二つの小さな影が裏口から入ってくる

「お帰りニセちゃん……、って、あれ?その子は」
仕込みの手を止めて五月雨が尋ねる

『お客さん……候補、カードで戦って勝ったので連れて来たのよ』

『名は張飛、字は翼徳、真名は鈴々、鈴々って呼んでくれなのだー
沢山呑んでいくのだ、そして明日もカードゲームで勝負するのだー』
桃色でショートカットのボーイッシュな女の子は元気に叫ぶ

「そう、私は五月雨、これからもよろしくね」

『そう言えばニセちゃんの本名を聞いてなかったのだー』

「あ……それは」
あまりにも急な話と、もしかして自分の嫌な予想が当るのじゃないかと固まる五月雨

『あれ?言ってなかった?私の苗字はニセフォールよ、略してニセちゃんで良いわ
でも魔法使いの端くれだから、名前や真名はそう易々とは明かさないわ
鈴々、知りたければ勝負に勝ちなさい、でも負けたらまたここで呑んで貰うわよ』
しれっと言うニセちゃん

『むー、他人行儀なのだー、絶対明日こそ勝って名前教えて貰うのだー
脱衣麻雀に嵌った人みたいにはならないのだー』

「そんな名だったんだ……ニセちゃん」

『ちょ!、五月雨、貴方には一応教えてなかったっけ?
もしかして、酔ってた時だったのかもね、まあいいわ
五月雨、この子にビールをジョッキでお願い、後すぐ出せるものを準備して!』
暖簾を持って外に出、開店準備をするニセちゃん

「なーんだ、判ってみれば簡単なからくりでしたね」
小さく呟きながら、ビールをジョッキに注ぐ五月雨

だが彼女はまだ知らなかった
この後、ニセロボとニセカソリーヌの謎に行き当たる事を

そしてこの連れてきた鈴々の酒癖が凄く悪かった事を
(その後ちくわ30本ぐらい挿入して無事解決)

『このちくわ入り煮込み雑炊をくれなのだー』

「すいません、それ来月からなんですよー」
今日も長屋バーは絶賛過疎営業中である

おはり                    


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