「『お風呂に入ろう-全編-』シリル×ジラ(460氏)」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
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2007/04/05(木) 06:08:37 ID:tL5lvFAY
「やだ、やだぁ~。絶対やだぁ~シリルの意地悪ぅ~」
「意地悪で結構よ。それで身体洗うのが嫌いなジラをお風呂に入れられるんだから」
もうこの遣り取りを繰り返した回数を数えなくなって長くなるかもしれない。
それくらい私のパートナーであるジラは身体を洗うのが嫌なのだ。
ジラはピンク色の身体で長い耳もあるから可愛い兎みたいな見た目なんだけど
全然奇麗好きじゃない――やっぱり目が赤くなくて青いせいだろうか。
昔から、私がこれから洗おうとする素振りを少しでも見せようものなら断固拒否の姿勢を崩さない。
本棚の隙間を縫うように逃げ回ったり、天井裏に隠れたりと実に多彩な逃走劇を演じてくれる。
そういえば一度、火のついてない暖炉に逃げ込んだせいで灰を被って鼠のようになってしまった事もあった。
こんな風にいつも逃走を図るんだけど一度捕まえてしまえば
後は小さな手足を必死にジタバタとさせるだけの最後の徹底抗戦だから難しくない。
――むしろちょっと微笑ましいと思ってしまう私は嗜虐趣味でもあるのだろうか、と自分の性格を少し疑ってしまう。
「う…うぇ、うぇぇん……シリルぅ、お願ぃ……何でもするから許してご主人さまぁ…」
「ちょっと…どこでそんな芸風覚えたのよ」
不意にジラが突拍子も無い事を言うから、
呆気にとられて思わず身体を押さえていた手が緩みそうになる。
それをすんでの所で堪えると少し安堵の息を漏らした。
今、私とジラの身体洗い鬼ごっこの場は以前のイル村に借りていた家の中からジオフォート全体へと変わっているのだ。
ぎりぎりで逃げられた後の被害は比べ物にならない。
しかも脱衣場まで来ているのだから今逃げられるのだけは絶対に避けたい。
なにせまだ私が服を脱いでジラをお風呂場まで連れて行くという難所が待っているのだから。
「ねぇ、ジラ。そんな嫌な顔しないで我慢して? 出来るだけすぐに終わらせるから。
そうだわ、お風呂上がったら何か甘いスイーツでも食べましょうか。
ちょうどメーベルがラクトン村の苺をつかった美味しいショートケーキを作ってくれてるの」
本人にとってはまるで脱出の出来ない地獄の監獄のように感じているのだろう脱衣籠の中。
その中でうつ伏せになってごねているジラを引っくり返して仰向けにすると一気に攻勢に出る。
蒼い瞳を見つめて語りかけながら、
更に他のピンク色とは違うおの白い部分を親指で円を描く様に押して擽って上げる。
ジラのお腹は押すとプニプニとまるでプリンみたいに柔らかくて弾力があって気持ちいい。
このせいで私は少しの間だけプリンが食べられなくなったくらいだ。
「ん……んぅん……シリルぅ、それ反則だよぉ…」
どうやらジラもこうされるのが好きみたいで目を細めて小さな手足をムズムズとさせている。
かなり効いている、と踏んだのでダメ押しの最後の一押し。
「私の分の苺もあげるから、ね?」