第1章第31話「遭遇と決意」

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仮面ライダーintertwine 第1章第31話「遭遇と決意」 作者:ユルカ PM19:15 工業団地 路上 ゼベイルが踵を返し、その場から離れようとした時だった。 「警戒を怠ると、あっという間に死に直面する……」 「!?」 ゼベイルが慌てて振り返ると、そこにはここまで追いかけてきていたエウリピデスの姿があった。 先ほど力を行使したばかりで、まだ得物である巨大剣を持っている。 「あなたも私を捕まえに来たの!?」 「おとなしくなさい。無闇に動けば、怪我をする事になるわ」 エウリピデスは巨大剣の代わりに大砲を取り出すと、ゼベイルに向ける。 「絶対……逃げきってみせる!」 ゼベイルは距離をとる振りをして、あえてエウリピデスへと近づき攻撃を仕掛けた。 大砲の攻撃範囲ならば、距離を離すより近づくほうが得策だと考えたからである。 だが、すぐに近づくのであれば再び巨大剣に得物を変更されるかもしれない。 そこで、いったん距離をとったように見せかけて大砲で狙わざるを得ないようにしたのだ。 「このっ!」 「っ!!」 とっさのことで狙いがつけられず、エウリピデスは防御の姿勢をとる。 ダメージは入らなかったが、ゼベイルを見失ってしまった。 だが、エウリピデスは怪しい笑みを浮かべていた。 「風瀬 舞夜。風瀬 華枝とは別の人格であり、ゼベイルに変身する。  彼女が生まれた原因は……白の魔女……なるほどね」 エウリピデスはゼベイルの体に一瞬触れたことで、彼女の情報を読み取っていた。 「今は情報を集める時……また会いましょう、ゼベイル」 同時刻 時雨養護施設・京の部屋 少し前から目覚めていた京は、自分の体に何が起こったかを明確に感じ取っていた。 「私は……オルフェノクとは違う化け物なんだ……」 カシスや木場社長を見ていたので、京は二人がオルフェノクであることは知っていた。 だが、自分に感じた力はそれとは全く別の異質な力だった。 「ここにはいられない……みんな私の力を恐れて……」 「誰がここにはいられないだって?」 「!?」 京の独り言は途中からカシスが聞いていたようだ。 「だって、だって!!! 今日は平気だったかもしれない、けど!」 「お前は、自分が怪物だって言ってる根拠は何だよ?」 いきなりの質問にちょっち戸惑う京。 「そ、それは、私がそう思っているから……!」 「……人間って言うのはな、自分が人間だと思ってれば人間なんだよ。  お前が自分の事を怪物だと思っているのと同じようにな……」 「!!!」 「重要なのは人からの答えじゃなくて、自分で決めた答えなんだよ」 「自分で決めた答え……」 一息ついて、カシスは言う。 「お前は、何だ? 京!!」 「私は……私は人間でいたい!!」 「じゃあ、それでいいじゃないか」 しかしながら京の表情は暗いまま。 「……ねぇ、カシス君。もし私が暴走したら、私を……こ」 「それ以上言うんじゃない。もしお前が暴走したら、俺はお前を連れ戻す」 「…………ありがとう……」 自分はなんて恵まれているのだろうと、京は思った。 そして、決意した。 この力がどんな力であろうとも、私は人を助けるために使いたいと。 そう、仮面ライダーシグマの力を…… ←[[第1章第30話「人ならざる者達」]][[第1章第32話「拾うは不思議なスケッチブック/ただ影は月夜に照らされ」]]→
仮面ライダーintertwine 第1章第31話「遭遇と決意」 作者:ユルカ PM19:15 工業団地 路上 ゼベイルが踵を返し、その場から離れようとした時だった。 「警戒を怠ると、あっという間に死に直面する……」 「!?」 ゼベイルが慌てて振り返ると、そこにはここまで追いかけてきていたエウリピデスの姿があった。 先ほど力を行使したばかりで、まだ得物である巨大剣を持っている。 「あなたも私を捕まえに来たの!?」 「おとなしくなさい。無闇に動けば、怪我をする事になるわ」 エウリピデスは巨大剣の代わりに大砲を取り出すと、ゼベイルに向ける。 「絶対……逃げきってみせる!」 ゼベイルは距離をとる振りをして、あえてエウリピデスへと近づき攻撃を仕掛けた。 大砲の攻撃範囲ならば、距離を離すより近づくほうが得策だと考えたからである。 だが、すぐに近づくのであれば再び巨大剣に得物を変更されるかもしれない。 そこで、いったん距離をとったように見せかけて大砲で狙わざるを得ないようにしたのだ。 「このっ!」 「っ!!」 とっさのことで狙いがつけられず、エウリピデスは防御の姿勢をとる。 ダメージは入らなかったが、ゼベイルを見失ってしまった。 だが、エウリピデスは怪しい笑みを浮かべていた。 「風瀬 舞夜。風瀬 華枝とは別の人格であり、ゼベイルに変身する。  彼女が生まれた原因は……白の魔女……なるほどね」 エウリピデスはゼベイルの体に一瞬触れたことで、彼女の情報を読み取っていた。 「今は情報を集める時……また会いましょう、ゼベイル」 同時刻 時雨養護施設・京の部屋 少し前から目覚めていた京は、自分の体に何が起こったかを明確に感じ取っていた。 「私は……オルフェノクとは違う化け物なんだ……」 カシスや木場社長を見ていたので、京は二人がオルフェノクであることは知っていた。 だが、自分に感じた力はそれとは全く別の異質な力だった。 「ここにはいられない……みんな私の力を恐れて……」 「誰がここにはいられないだって?」 「!?」 京の独り言は途中からカシスが聞いていたようだ。 「だって、だって!!! 今日は平気だったかもしれない、けど!」 「お前は、自分が怪物だって言ってる根拠は何だよ?」 いきなりの質問にちょっち戸惑う京。 「そ、それは、私がそう思っているから……!」 「……人間って言うのはな、自分が人間だと思ってれば人間なんだよ。  お前が自分の事を怪物だと思っているのと同じようにな……」 「!!!」 「重要なのは人からの答えじゃなくて、自分で決めた答えなんだよ」 「自分で決めた答え……」 一息ついて、カシスは言う。 「お前は、何だ? 京!!」 「私は……私は人間でいたい!!」 「じゃあ、それでいいじゃないか」 しかしながら京の表情は暗いまま。 「……ねぇ、カシス君。もし私が暴走したら、私を……こ」 「それ以上言うんじゃない。もしお前が暴走したら、俺はお前を連れ戻す」 「…………ありがとう……」 自分はなんて恵まれているのだろうと、京は思った。 そして、決意した。 この力がどんな力であろうとも、私は人を助けるために使いたいと。 そう、仮面ライダーシグマの力を…… ←[[第1章第30話「人ならざる者達」]][[第1章第32話「拾うは不思議なスケッチブック/ただ影は月夜に照らされ」]]→

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