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作者 深優
19:05 廃ビル前
「なるほど、パワーに関しては申し分ないな。
だが、変身体になるのに理性が無くなるのは些かマイナス面が大きいな。
それにおっと・・・。」
戸隠山紅葉は、緋色の変身体がスパイダーゼストを惨殺していた所を気配を隠して
観察していた。
ゆっくりと監視していた緋色が時間切れを起こし、衣服をまとわない人の姿に戻り意識を失っていた。
「それに投薬を長い間行っていないからタイムリミットも短いか。
・・・・・マイナス面が多すぎるな。」
紅葉は、その一部始終を見つつ、簡単に感想を述べる。
「とりあえず、あれを回収するかな・・・・・っ!?」
紅葉はつまらなそうな声を上げながら緋色に近寄るが、突如煙を上げて飛来する物に飛び引いて避ける。
「ちっ、たかだか煙幕なんかに俺が・・・・・ちっ...」
紅葉はその煙を上げて飛来した物体が旅行鞄と確認し、煙から漏れる臭いに瞬時に口と鼻を手で覆い、直ぐさま目を瞑りながら後ろにさらに飛び引く。
その煙はほんの10秒くらいで止み、周囲の視界が完全に確保できるレベルまで晴れると
紅葉は目を開け、周囲を確認する。
「・・・・・ちっ」
紅葉は、舌打ちをすると誰もいないその空間をにらむ。
「なるほど、「電脳の女神」ならば、俺の種族を調べ上げて弱点も調べられるか・・・。」
紅葉は苦虫を潰した様な表情をすると、拳を壁に叩きつける。
『はぁ~い?・・・ってそっちも不機嫌そうね。』
玉藻は、おどけたような口調で紅葉が使っている通信機に通信を入れる。
「・・・・おかげさまでね。そっちも、良い知らせではなさそうだね。」
紅葉はいらいらした雰囲気を隠しもせずにいう。
『ええ、こっちも標的に逃げられた上に全滅させられたわ。』
「ほぉ、いくら俺が人員を借りたとはいえ
こちらがラビリンスの人形ごときに遅れはとらないとおもうが?」
紅葉は、玉藻の言葉に関心を抱いた声を上げた。
『それが今回の依頼はあの「死神」リサ・シュルフにも廻っていたみたいなのよ』
「なるほど・・・確かに、兵隊だけでは分が悪すぎるな。」
紅葉は納得した様子で頭を掻いた。
『それでも、今回は貴方があんな強引に人員をとらなければ分があったわよ。』
「どうだかね?死神が介入した時点で勝てないとおもうけどな。」
『うるさいわね。貴方だってひどく失敗したようだけど?』
「・・・途中まではよかったさ。」
『結果が残せなければ意味は無いと思うのだけど?』
「うるさいな・・・とりあえず、出来損ないの下見にしては上出来だよ。」
紅葉は鬱陶しそうに呟く。
『それで、どういった感じなの?』
玉藻も興味がわいた感じの雰囲気が声にもれた。
「とりあえず、判断力や思い切りの良さ、変身体のパワーその他云々は、Bクラスでもいいんだが・・・」
『だが・・?』
「変身体になると理性を無くして暴れているだけというのはマイナスすぎる。
あれじゃあ、血に飢えた獣と変わらないな。」
『そう。では詳しい経緯を知りたいから一度戻ってきてくれないかしら?』
「りょ~かい。・・・・だるいな、おい。」
紅葉は通信を切ると、かったるそうにあくびをしながら歩き始めた。
19:30 高級住宅街
「・・・ここは?」
緋色は、膝辺りが熱く感じ目を覚ました。
「おはようございます。緋色様。」
フラウディアは、緋色が目を覚ましたのを感じると首だけを傾けて言う。
要するに、彼女が自分を負ぶって来たことを実感した。
緋色よりも頭2個分は小さい少女に背負われているのは何とも滑稽だった。
「・・・・もういい。」
緋色は、そういうとフラウディアからおり、よろめきながら自分の足でたった。
「・・・・体調はいかがですか?」
フラウディアは、よろめく緋色を見ながら淡々と語る。
「・・・よくはない。」
「・・・本来ならば絶対安静と告げるところですが・・・。」
緋色をじっと見つめながらフラウディアはいう。
「・・・そんなことをしている時間など俺にはない。」
緋色はそのフラウディアの目をさらに射抜くような決意の色を目に浮かばせていた。
「・・・そうですか。ならば本機からいえることはなにひとつありません。」
フラウディアは、緋色の瞳からの言葉を汲み取るようにこくんと頷いた。
「・・・そうか。」
「あっ・・それでは一言だけ、いい忘れておりました。」
フラウディアは、思い出したように呟く。
「なんだ?」
「お帰りなさいませ。緋色様。」
フラウディアはちょこんと自分の服のすそをつかむと一礼を緋色に捧げた。
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作者 深優
19:05 廃ビル前
「なるほど、パワーに関しては申し分ないな。
だが、変身体になるのに理性が無くなるのは些かマイナス面が大きいな。
それにおっと・・・。」
戸隠山紅葉は、緋色の変身体がスパイダーゼストを惨殺していた所を気配を隠して
観察していた。
ゆっくりと監視していた緋色が時間切れを起こし、衣服をまとわない人の姿に戻り意識を失っていた。
「それに投薬を長い間行っていないからタイムリミットも短いか。
・・・・・マイナス面が多すぎるな。」
紅葉は、その一部始終を見つつ、簡単に感想を述べる。
「とりあえず、あれを回収するかな・・・・・っ!?」
紅葉はつまらなそうな声を上げながら緋色に近寄るが、突如煙を上げて飛来する物に飛び引いて避ける。
「ちっ、たかだか煙幕なんかに俺が・・・・・ちっ...」
紅葉はその煙を上げて飛来した物体が旅行鞄と確認し、煙から漏れる臭いに瞬時に口と鼻を手で覆い、直ぐさま目を瞑りながら後ろにさらに飛び引く。
その煙はほんの10秒くらいで止み、周囲の視界が完全に確保できるレベルまで晴れると
紅葉は目を開け、周囲を確認する。
「・・・・・ちっ」
紅葉は、舌打ちをすると誰もいないその空間をにらむ。
「なるほど、「電脳の女神」ならば、俺の種族を調べ上げて弱点も調べられるか・・・。」
紅葉は苦虫を潰した様な表情をすると、拳を壁に叩きつける。
『はぁ~い?・・・ってそっちも不機嫌そうね。』
玉藻は、おどけたような口調で紅葉が使っている通信機に通信を入れる。
「・・・・おかげさまでね。そっちも、良い知らせではなさそうだね。」
紅葉はいらいらした雰囲気を隠しもせずにいう。
『ええ、こっちも標的に逃げられた上に全滅させられたわ。』
「ほぉ、いくら俺が人員を借りたとはいえ
こちらがラビリンスの人形ごときに遅れはとらないとおもうが?」
紅葉は、玉藻の言葉に関心を抱いた声を上げた。
『それが今回の依頼はあの「死神」リサ・シュルフにも廻っていたみたいなのよ』
「なるほど・・・確かに、兵隊だけでは分が悪すぎるな。」
紅葉は納得した様子で頭を掻いた。
『それでも、今回は貴方があんな強引に人員をとらなければ分があったわよ。』
「どうだかね?死神が介入した時点で勝てないとおもうけどな。」
『うるさいわね。貴方だってひどく失敗したようだけど?』
「・・・途中まではよかったさ。」
『結果が残せなければ意味は無いと思うのだけど?』
「うるさいな・・・とりあえず、出来損ないの下見にしては上出来だよ。」
紅葉は鬱陶しそうに呟く。
『それで、どういった感じなの?』
玉藻も興味がわいた感じの雰囲気が声にもれた。
「とりあえず、判断力や思い切りの良さ、変身体のパワーその他云々は、Bクラスでもいいんだが・・・」
『だが・・?』
「変身体になると理性を無くして暴れているだけというのはマイナスすぎる。
あれじゃあ、血に飢えた獣と変わらないな。」
『そう。では詳しい経緯を知りたいから一度戻ってきてくれないかしら?』
「りょ~かい。・・・・だるいな、おい。」
紅葉は通信を切ると、かったるそうにあくびをしながら歩き始めた。
19:30 高級住宅街
「・・・ここは?」
緋色は、膝辺りが熱く感じ目を覚ました。
「おはようございます。緋色様。」
フラウディアは、緋色が目を覚ましたのを感じると首だけを傾けて言う。
要するに、彼女が自分を負ぶって来たことを実感した。
緋色よりも頭2個分は小さい少女に背負われているのは何とも滑稽だった。
「・・・・もういい。」
緋色は、そういうとフラウディアからおり、よろめきながら自分の足でたった。
「・・・・体調はいかがですか?」
フラウディアは、よろめく緋色を見ながら淡々と語る。
「・・・よくはない。」
「・・・本来ならば絶対安静と告げるところですが・・・。」
緋色をじっと見つめながらフラウディアはいう。
「・・・そんなことをしている時間など俺にはない。」
緋色はそのフラウディアの目をさらに射抜くような決意の色を目に浮かばせていた。
「・・・そうですか。ならば本機からいえることはなにひとつありません。」
フラウディアは、緋色の瞳からの言葉を汲み取るようにこくんと頷いた。
「・・・そうか。」
「あっ・・それでは一言だけ、いい忘れておりました。」
フラウディアは、思い出したように呟く。
「なんだ?」
「お帰りなさいませ。緋色様。」
フラウディアはちょこんと自分の服のすそをつかむと一礼を緋色に捧げた。
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