第2章第5話「偽りという名の仮面」

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AM 08:50 ボード学園高等部2年A組・教室 「志熊さん? あなた、護矢君と何かあったの?」 「えええっ!?」 回し蹴りがさく裂し、ダウンした晃輝を横目に、雅菜は京にそう聞いた。 「な、何もないですよ! あったら、もっと普通に話しかけてきませんか?」 「それもそうね……。ごめんなさい。野暮なことを聞いちゃって」 しかし、この会話を交わした後、京は誰にも聞こえない声で呟いた。 (ごめんなさいはこっちのほうですよ……草加さん) そして、ダウンしている晃輝の手の中には、京の書いたメモがあった。 『放課後の屋上で待ちます。 志熊 京』 そして、その騒ぎを冷ややかな目で見ていた一人の少女がいた。 豊桜 冥 ―またの名を『EASE・技の戦士:ソフォクレス』― (くだらない。一人の人気者に対する馬鹿騒ぎと、一人を口説こうとしたこの騒ぎ。  人間という生き物がくだらないことがわかる。) 「どうしたの? 豊桜さん、怖い顔しちゃって?」 雅菜が今度は冥に話しかけてきた。 しかし、冥はすぐに表情を変え、こう言った。 「いいえ。ちょっとこの騒ぎについていけなくなっただけよ」 「ああ……そうかもね」 (嘘という仮面は、どんな人間でも被れる物。しかし私が、被ることになるとは……) 同時刻・EASE:図書室― そこで、神藤 和子 ―またの名を『EASE・力の戦士:エウリピデス』― は、本を読んでいた。 それも人間では到底読めないような数を……。 「勉強熱心だね?」 そこに、エウリュディケがやってきた。 「いえ、好きでやっていることですから」 「もうすぐ、読めなくなるからかな?」 ピクリと、和子の手が一瞬止まる。 「分かっているね? 次の任務に失敗したときは……」 「分かっています。ライダーを倒し、我等の同志とするために」 (だけど、私には……私には……!!) 和子の思いは複雑だった。 以前に知った、ゼベイル=舞夜のデータを調べるうちに、人間への情が出来てしまったのだ。 この3日間、何度もゼベイルをチャンスを与えられながら、それをわざと失敗させた。 (私は……どうすればいい?) 同時刻・Dr.レッドリリーのアジト― 「まだ、動かれないのですか?」 「そろそろ良いころね。やりましょうか」 まるで、料理をするような感覚で、作戦を実行しようとしているDr.レッドリリー。 なんて物騒なんだ。 「15:00に、ボード学園で始めなさい」 「目標は?」 「今回の目標は……SB社製のライダー及び、BOARDのライダーよ」 「了解しました。……シグマはどうしますか?」 「今回は目標を優先させなさい」 「はい」 (そう。私の傑作に、まだ死は早すぎる……) ここにも、偽りの仮面を付ける者がまた一人。 物語は、仮面と共に動き出す。 ←[[第2章第4話「兄妹の悩み/影の初めの接触…失敗」]] [[第2章第6話「」]]→
執筆者:ユルカ AM 08:50 ボード学園高等部2年A組・教室 「志熊さん? あなた、護矢君と何かあったの?」 「えええっ!?」 回し蹴りがさく裂し、ダウンした晃輝を横目に、雅菜は京にそう聞いた。 「な、何もないですよ! あったら、もっと普通に話しかけてきませんか?」 「それもそうね……。ごめんなさい。野暮なことを聞いちゃって」 しかし、この会話を交わした後、京は誰にも聞こえない声で呟いた。 (ごめんなさいはこっちのほうですよ……草加さん) そして、ダウンしている晃輝の手の中には、京の書いたメモがあった。 『放課後の屋上で待ちます。 志熊 京』 そして、その騒ぎを冷ややかな目で見ていた一人の少女がいた。 豊桜 冥 ―またの名を『EASE・技の戦士:ソフォクレス』― (くだらない。一人の人気者に対する馬鹿騒ぎと、一人を口説こうとしたこの騒ぎ。  人間という生き物がくだらないことがわかる。) 「どうしたの? 豊桜さん、怖い顔しちゃって?」 雅菜が今度は冥に話しかけてきた。 しかし、冥はすぐに表情を変え、こう言った。 「いいえ。ちょっとこの騒ぎについていけなくなっただけよ」 「ああ……そうかもね」 (嘘という仮面は、どんな人間でも被れる物。しかし私が、被ることになるとは……) 同時刻・EASE:図書室― そこで、神藤 和子 ―またの名を『EASE・力の戦士:エウリピデス』― は、本を読んでいた。 それも人間では到底読めないような数を……。 「勉強熱心だね?」 そこに、エウリュディケがやってきた。 「いえ、好きでやっていることですから」 「もうすぐ、読めなくなるからかな?」 ピクリと、和子の手が一瞬止まる。 「分かっているね? 次の任務に失敗したときは……」 「分かっています。ライダーを倒し、我等の同志とするために」 (だけど、私には……私には……!!) 和子の思いは複雑だった。 以前に知った、ゼベイル=舞夜のデータを調べるうちに、人間への情が出来てしまったのだ。 この3日間、何度もゼベイルをチャンスを与えられながら、それをわざと失敗させた。 (私は……どうすればいい?) 同時刻・Dr.レッドリリーのアジト― 「まだ、動かれないのですか?」 「そろそろ良いころね。やりましょうか」 まるで、料理をするような感覚で、作戦を実行しようとしているDr.レッドリリー。 なんて物騒なんだ。 「15:00に、ボード学園で始めなさい」 「目標は?」 「今回の目標は……SB社製のライダー及び、BOARDのライダーよ」 「了解しました。……シグマはどうしますか?」 「今回は目標を優先させなさい」 「はい」 (そう。私の傑作に、まだ死は早すぎる……) ここにも、偽りの仮面を付ける者がまた一人。 物語は、仮面と共に動き出す。 ←[[第2章第4話「兄妹の悩み/影の初めの接触…失敗」]] [[第2章第6話「変わり始めた日常」]]→

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