第2章第12話「もうとっくに、覚悟は出来ていた」

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第2章第12話「もうとっくに、覚悟は出来ていた」」(2010/04/15 (木) 20:30:35) の最新版変更点

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執筆者:ユルカ PM16:19 某超高層ビル屋上 「あの……何時になったら動くのでしょうか?」 『まだよ、揺らぎが見えないのよ。もうちょっと待って』 オブディアがDr.レッドリリーと通信をしている。 15:00に動くはずだった。 しかしながら、待ったをかけられてしまい、今に至る。 そもそも、最初の目的であったSB社製のライダー及び、BOARDのライダーは、15:00には学園にいなかった。 そのため、目的を大幅に変更し、シグマ狙いで行くことになったのだ。 なんて本末転倒なのだろう!! 「そうは言っても、もう1時間20分も待たされたのです。私はもう待てません!」 『ええ、待った甲斐はありそうよ。揺らぎが見えたわ。ボード学園の屋上よ』 「オブディア、参る!」 オブディアはそう言って、ボード学園の屋上へと降り立った。 ---------------------------------------------------------------------------- PM16:20 ボード学園屋上 私も帰ろうかなと、考えていた時だった。 突然、空から人が降りてきた。 「あ……!!」 「我が主の命により志熊 京、貴様を排除しに来た」 私の前にあのオブディアが立っていた。 「っ……!」 「貴様が揺らいだのは分かっていた。今の貴様では私には勝てまい」 「揺らいだ……!?」 ―心が揺らいだら、勝てない……!? ―いや……。 「確かに、心は揺らいだ」 ―けどね。 「もうとっくに覚悟は出来ていたんだよ」 ―だから、負けない。 ―絶対に! 右腕を斜めに上げ、Σの形に手を動かし、 既に左腰に添えてあった左腕に右腕を重ね、京は叫んだ。 「変身!!」 右腕を右腰へと動かし、京の姿が変わる。 翠色の体色をした仮面ライダー。仮面ライダーシグマである。 「変身……!」 オブディアもライダーの姿へと変わる。 「オブディア、私はあなたに勝つ!」 「やれるものならば、やってみるがいい!!」 ---------------------------------------------------------------------------- 同時刻・ボード学園屋上踊り場 京にああ言って屋上を去ってみたものの、急に嫌な予感がして戻ってみたら、 京は変身し、この間のライダー:オブディアと戦闘中だった。 「今更考えるまでもないさ。あいつは既に答えを出していたのさ」 晃輝の後ろからカシスが話しかける。 「悪いが、さっきの会話は聞かせてもらった。  京に言ったことはそのままお前に当てはまるんじゃないか?  護矢 晃輝!」 「……否定はしないがな……」 「そうか。だが、一つ言える。  あいつはあれだけのことを言われても変わらない」 「…………」 カシスは変わった形の携帯端末を取り出すとこう続けた。 「人を変えようとするならまずは自分が変わることだ。  ちなみにあいつは、お前と一緒に戦う気満々だったぜ」 手に持った携帯端末にコードを入力するカシス。 『9・3・1、Standing by』 「変身!!」 『Complete』 腰につけていたベルトに携帯端末を差込み、 カシスは仮面ライダークスィーへと変身した。 「あいつは言ってたよ。『暴力』を『正義』に置き換えたくないって。  『正義』じゃなくて『倫理(モラル)』で戦うって。  俺からも言える。これが分からないような奴はただの怠慢な奴だ」 「…………!!!」 「だが、俺たちはお前を待っている。  甘いと言われようが、俺たちの決めた道だ。  茨の道なのは分かってるが、ついて来れるか?」 それだけ言って、カシスは京の加勢に向かった。 晃輝は何も言い返せなかった。 ---------------------------------------------------------------------------- 同時刻・EASEモニタールーム 『揺らがないね、彼女は』 「私には分からないのです」 エウリュディケの呟きにアイスキュロスが発言する。 「心が揺らがない人間がいるのですか?  人間は心の弱い生き物です。  それなのに、シグマは何故揺らがないんですか?」 『いいや、あれでもずいぶんと揺らいだよ。  だからオブディアはシグマに戦闘を仕掛けたんだ。  あいつは他人が揺らいだ所で仕掛けるタイプらしい。  だが、彼女は自分を信じて戦っている。  今の彼女はそう簡単に負けないよ』 アイスキュロスの問いにエウリュディケはそう答える。 そして、こう付け加えた。 『まぁ、それでもこの僕に勝つことはできないけどね』 エウリュディケはそう言って怪しい笑みを浮かべた。 ---------------------------------------------------------------------------- PM16:23 ボード学園屋上 「カシス君!」 「貴様、邪魔をするな!」 「嫌だね」 シグマとオブディアとの戦闘に介入するクスィー。 オブディアの黒曜剣デュッセルをクスィーはクスィートライデントで受け止めている。 「私だって、そう簡単に負けるわけにはいかないの!!」 そう叫んだシグマの右腕に、大きな鋏のアタッチメントが出現した。 シグマの能力の一つ・大鋏(おおばさみ)である。 「オブディア、あなたやあなたのご主人の思い通りになんてさせないから!!」 戦いは激化していく……。 ←[[第2章第11話「変わろうとする妹/揺らぐ兄」]] [[第2章第13話「」]]→
執筆者:ユルカ PM16:19 某超高層ビル屋上 「あの……何時になったら動くのでしょうか?」 『まだよ、揺らぎが見えないのよ。もうちょっと待って』 オブディアがDr.レッドリリーと通信をしている。 15:00に動くはずだった。 しかしながら、待ったをかけられてしまい、今に至る。 そもそも、最初の目的であったSB社製のライダー及び、BOARDのライダーは、15:00には学園にいなかった。 そのため、目的を大幅に変更し、シグマ狙いで行くことになったのだ。 なんて本末転倒なのだろう!! 「そうは言っても、もう1時間20分も待たされたのです。私はもう待てません!」 『ええ、待った甲斐はありそうよ。揺らぎが見えたわ。ボード学園の屋上よ』 「オブディア、参る!」 オブディアはそう言って、ボード学園の屋上へと降り立った。 ---------------------------------------------------------------------------- PM16:20 ボード学園屋上 私も帰ろうかなと、考えていた時だった。 突然、空から人が降りてきた。 「あ……!!」 「我が主の命により志熊 京、貴様を排除しに来た」 私の前にあのオブディアが立っていた。 「っ……!」 「貴様が揺らいだのは分かっていた。今の貴様では私には勝てまい」 「揺らいだ……!?」 ―心が揺らいだら、勝てない……!? ―いや……。 「確かに、心は揺らいだ」 ―けどね。 「もうとっくに覚悟は出来ていたんだよ」 ―だから、負けない。 ―絶対に! 右腕を斜めに上げ、Σの形に手を動かし、 既に左腰に添えてあった左腕に右腕を重ね、京は叫んだ。 「変身!!」 右腕を右腰へと動かし、京の姿が変わる。 翠色の体色をした仮面ライダー。仮面ライダーシグマである。 「変身……!」 オブディアもライダーの姿へと変わる。 「オブディア、私はあなたに勝つ!」 「やれるものならば、やってみるがいい!!」 ---------------------------------------------------------------------------- 同時刻・ボード学園屋上踊り場 京にああ言って屋上を去ってみたものの、急に嫌な予感がして戻ってみたら、 京は変身し、この間のライダー:オブディアと戦闘中だった。 「今更考えるまでもないさ。あいつは既に答えを出していたのさ」 晃輝の後ろからカシスが話しかける。 「悪いが、さっきの会話は聞かせてもらった。  京に言ったことはそのままお前に当てはまるんじゃないか?  護矢 晃輝!」 「……否定はしないがな……」 「そうか。だが、一つ言える。  あいつはあれだけのことを言われても変わらない」 「…………」 カシスは変わった形の携帯端末を取り出すとこう続けた。 「人を変えようとするならまずは自分が変わることだ。  ちなみにあいつは、お前と一緒に戦う気満々だったぜ」 手に持った携帯端末にコードを入力するカシス。 『9・3・1、Standing by』 「変身!!」 『Complete』 腰につけていたベルトに携帯端末を差込み、 カシスは仮面ライダークスィーへと変身した。 「あいつは言ってたよ。『暴力』を『正義』に置き換えたくないって。  『正義』じゃなくて『倫理(モラル)』で戦うって。  俺からも言える。これが分からないような奴はただの怠慢な奴だ」 「…………!!!」 「だが、俺たちはお前を待っている。  甘いと言われようが、俺たちの決めた道だ。  茨の道なのは分かってるが、ついて来れるか?」 それだけ言って、カシスは京の加勢に向かった。 晃輝は何も言い返せなかった。 ---------------------------------------------------------------------------- 同時刻・EASEモニタールーム 『揺らがないね、彼女は』 「私には分からないのです」 エウリュディケの呟きにアイスキュロスが発言する。 「心が揺らがない人間がいるのですか?  人間は心の弱い生き物です。  それなのに、シグマは何故揺らがないんですか?」 『いいや、あれでもずいぶんと揺らいだよ。  だからオブディアはシグマに戦闘を仕掛けたんだ。  あいつは他人が揺らいだ所で仕掛けるタイプらしい。  だが、彼女は自分を信じて戦っている。  今の彼女はそう簡単に負けないよ』 アイスキュロスの問いにエウリュディケはそう答える。 そして、こう付け加えた。 『まぁ、それでもこの僕に勝つことはできないけどね』 エウリュディケはそう言って怪しい笑みを浮かべた。 ---------------------------------------------------------------------------- PM16:23 ボード学園屋上 「カシス君!」 「貴様、邪魔をするな!」 「嫌だね」 シグマとオブディアとの戦闘に介入するクスィー。 オブディアの黒曜剣デュッセルをクスィーはクスィートライデントで受け止めている。 「私だって、そう簡単に負けるわけにはいかないの!!」 そう叫んだシグマの右腕に、大きな鋏のアタッチメントが出現した。 シグマの能力の一つ・大鋏(おおばさみ)である。 「オブディア、あなたやあなたのご主人の思い通りになんてさせないから!!」 戦いは激化していく……。 ←[[第2章第11話「変わろうとする妹/揺らぐ兄」]] [[第2章第13話「八枷 庵という男」]]→

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