「第0章「運命(さだめ)、動き出す時」」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
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―5年前、私は一つの禁忌を犯した。
「これが、私達の……」
「そうよキール。私達の子……」
―ホムンクルス(人造人間)を作り出すことを……
「京をそんな事の為に作ったんじゃない!」
「でも喜んでやっていたじゃない?」
「仮面ライダーとして戦うことを運命付けるだなんて!!」
―運命の歯車を変えたかった
「この研究所は爆発するわ。研究成果もみんな終わりよ」
「私は諦めない! 他を圧倒し、全てのライダーを倒すライダーを作るまで生き続ける!!」
「なら勝手にしなさい!!」
―あの子は純真な天使のままで良いと、そう思っていた。
―時雨養護施設
「……ボード学園に編入?」
この施設の責任者であるキール・B(ボナール)・時雨が眉を吊り上げて言う。
「ええ、一般教養レベルまで京ちゃんは達していると思うんですけど、人間関係を築く事は結構難しいと思うので」
SB社社長・木場夕菜はそう言うが、その志熊 京本人は、あまり浮かない表情である。
「京ちゃん」
「は、はい!」
鋭い目で夕菜は京を見る。
「ずっと閉じこもってばかりいても、成長はしません。あなたはもっと多くの世界を学ぶべきです」
「ちょっと待てよ、社長さん」
そこに、責任者の弟であるカシス・S(シルヴェストル)・時雨が割って入る。
「なんで俺……僕まで一緒に編入しなきゃいけないんです?」
「ついでです」
きっぱり言い放った。
「編入は9月1日の月曜日。必要なものは既に揃えているので、よろしく」
「……先生、良いんでしょうか?」
京がキールのほうを見て言う。
「まぁ、良いんじゃない? ご好意に甘えさせてもらうのも悪くは無いわ。」
「俺大学を飛び級で卒業したのに、何で高校に行かなきゃならないんだ……?」
こっちはこっちでブツブツ言っていた。
―同じ頃、別の場所
とある、暗い部屋で一人の人物がモニターを見ている。
モニターの1つには志熊 京が写り、
また別のモニターには町の喧騒が映し出されていた。
「ただいま戻りました」
「お帰り、ソフォクレス。ボード学園への編入手続きは?」
細目の少女=ソフォクレスはモニターを見ていた人物に話しかけられる。
「9月1日より、ボード学園高等部への編入手続きは済みました」
「なんて偽名を使ったんだい?」
「豊桜 冥(ほうおう めい)と」
「センスは十分だね」
そういって、再びモニターを見始める。
「また、飽きずにモニターの監視ですか? エウリュディケ様」
「まぁね」
エウリュディケと呼ばれた人物は肩をすくめながらこう言う。
「こうしてみるとやはり人間はこの星の支配者じゃダメだと思うよ」
「では、やはり?」
「ああ、ボクはやるよ。アイスキュロスとエウリピデスを連れてきてくれるかな?
まずはデータを集め、そして……ライダーを葬らねばならない」
―同じ頃、また別の場所
「ドクター、準備は整いました」
上から下まで黒でまとめた女性が白衣を着た女性に話しかける。
「オブディア。貴女は何?」
白衣を着た女性は紅いマスクをつけており、黒尽くめの女性=オブディアに聞く。
「私はオブディア。仮面ライダーであり、仮面ライダーを滅する者です」
「よく出来ました。では私は誰?」
オブディアは跪き、こう言った。
「貴女様は私の創造主。Dr.レッドリリーでございます」
「言語能力に問題は無いわね。オブディア、まずはライダーを見つけなさい。
変身して、敵を倒したところ見計らって攻撃するのよ。
万が一、敵の方が強い場合はあなたが倒した後に、ライダーを始末しなさい。わかった?」
「ミッション、了解しました」
オブディアは外に出て行く。
「……この世界の支配者は……私でなくてはね……フフフ……」
―運命は心臓と同じかもしれない
一度動き続けたら死ぬまでずっと動き続ける
止めようとしても、一度止めたら動くことはまず無い―