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―僕の名前はエンド
―いや、今の名前は一之瀬 裕輔
―ボード学園高等部 2年D組に在籍
―任務内容…極秘事項
―現在20××年9月1日、時刻はまもなく午前7時
―そろそろ登校時間だ
「・・・・・・・・・」
ボード学園の制服を着た少年がリビングの入り口で立ち尽くしていた。
何故かというと…
「むにゃ…むにゃ…」
ソファーの上であられもない格好の女性が酒瓶を抱えて寝ているからだ。
ほんのり赤く染まった寝顔と見えそうな胸元、逆に大胆に見える白い太もも。
正直、かなり際どい。
「…酒が足らぬぞ…もっと持って来い…」
幸せそうな顔で寝言を呟く女性。
しかし少年は眼前の光景にまったく動じる事無く、逆に呆れた表情をする。
「鈴菜さん…また遅くまで飲んでましたね」
少年は呆れながらも既に慣れたといった感じで、手早く毛布を用意すると女性に掛けてあげる。
「それでは、いってきますので…」
少年は眠っている女性に一礼すると、そのままマンションの自宅を出た。
ボード学園高等部2年D組教室
少年…『一之瀬 裕輔』は新学期最初のHRをただ黙って聞いていた。
担任の話は「またお前たちの無事な顔が見れて嬉しいぞ」や「誰一人欠ける事無く全員揃ったな」などが殆どだった。
確かにここ最近、街では行方不明者が急増している。警察も動いているが、解決の目途は未だに立たない。
それ以外にも『怪物が出た』『仮面ライダーが出た』など都市伝説のような話もよく聞くようになっている。
(…ここ最近は特に目立った事件はない。しかし逆に増えたのが『仮面ライダーの目撃情報』。その数から逆算してもこの街には最低3人は居る)
裕輔は担任の話を聞きながらも考えを巡らせていた。
自分の主人である一ノ宮 薫子から伝令で、カンケルが出現する可能性があるとして現在の街の状況を精密かつ正確に纏めなければならないのだ。
(さらに別の要因として“騎士団”や“守護神機関”の介入の可能性あり。ただし両組織は特に問題ではない。問題はそれ以外の組織…これ等は不確定要素になる危険あり)
ここで裕輔の脳裏を薫子の言葉が過ぎった。
それはカンケルについての事である。
―世界征服とか世界の支配者とか、そんなお話をしている場合じゃないのに
―そんな事はね、後から話し合いか戦争でもして決めれば良いのよ
―私たちがやらなきゃならないのはカンケルを倒す事
―そうしないと世界が…
「よーし、それじゃあ今から転校生を紹介するぞ」
「!」
転校生という言葉で裕輔は現実に引き戻される。
新しい生徒の把握も任務の一環なのだ。
「それじゃあ入ってきてくれ」
ガラッ…
担任が廊下の方に声をかけると、転校生が教室に入ってきた。
と同時にクラスが…主に男子が色めき立った。
裕輔は無反応だったが…
入ってきたのは女の子だった。それもかなりの美少女。
少し緊張しているのか動きがぎこちない。しかしそんな動作も可愛く見えるのが美少女である。
男子がさらに色めき立つ。
「じゃあ自己紹介を…」
「は、はい!わ、私は白鷺 葵と言います!よろしくお願いします!」
ガクガクとロボットのように礼を繰り返す葵。
それを見ていて裕輔は思わず吹き出した。
(面白い子だな、新学期は楽しくなるかも…)
裕輔は一瞬任務を忘れ、素直にそう思った。
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―僕の名前はエンド
―いや、今の名前は一之瀬 裕輔
―ボード学園高等部 2年D組に在籍
―任務内容…極秘事項
―現在20××年9月1日、時刻はまもなく午前7時
―そろそろ登校時間だ
「・・・・・・・・・」
ボード学園の制服を着た少年がリビングの入り口で立ち尽くしていた。
何故かというと…
「むにゃ…むにゃ…」
ソファーの上であられもない格好の女性が酒瓶を抱えて寝ているからだ。
ほんのり赤く染まった寝顔と見えそうな胸元、逆に大胆に見える白い太もも。
正直、かなり際どい。
「…酒が足らぬぞ…もっと持って来い…」
幸せそうな顔で寝言を呟く女性。
しかし少年は眼前の光景にまったく動じる事無く、逆に呆れた表情をする。
「鈴菜さん…また遅くまで飲んでましたね」
少年は呆れながらも既に慣れたといった感じで、手早く毛布を用意すると女性に掛けてあげる。
「それでは、いってきますので…」
少年は眠っている女性に一礼すると、そのままマンションの自宅を出た。
ボード学園高等部2年D組教室
少年…『一之瀬 裕輔』は新学期最初のHRをただ黙って聞いていた。
担任の話は「またお前たちの無事な顔が見れて嬉しいぞ」や「誰一人欠ける事無く全員揃ったな」などが殆どだった。
確かにここ最近、街では行方不明者が急増している。警察も動いているが、解決の目途は未だに立たない。
それ以外にも『怪物が出た』『仮面ライダーが出た』など都市伝説のような話もよく聞くようになっている。
(…ここ最近は特に目立った事件はない。しかし逆に増えたのが『仮面ライダーの目撃情報』。その数から逆算してもこの街には最低3人は居る)
裕輔は担任の話を聞きながらも考えを巡らせていた。
自分の主人である一ノ宮 薫子から伝令で、カンケルが出現する可能性があるとして現在の街の状況を精密かつ正確に纏めなければならないのだ。
(さらに別の要因として“騎士団”や“守護神機関”の介入の可能性あり。ただし両組織は特に問題ではない。問題はそれ以外の組織…これ等は不確定要素になる危険あり)
ここで裕輔の脳裏を薫子の言葉が過ぎった。
それはカンケルについての事である。
―世界征服とか世界の支配者とか、そんなお話をしている場合じゃないのに
―そんな事はね、後から話し合いか戦争でもして決めれば良いのよ
―私たちがやらなきゃならないのはカンケルを倒す事
―そうしないと世界が…
「よーし、それじゃあ今から転校生を紹介するぞ」
「!」
転校生という言葉で裕輔は現実に引き戻される。
新しい生徒の把握も任務の一環なのだ。
「それじゃあ入ってきてくれ」
ガラッ…
担任が廊下の方に声をかけると、転校生が教室に入ってきた。
と同時にクラスが…主に男子が色めき立った。
裕輔は無反応だったが…
入ってきたのは女の子だった。それもかなりの美少女。
少し緊張しているのか動きがぎこちない。しかしそんな動作も可愛く見えるのが美少女である。
男子がさらに色めき立つ。
「じゃあ自己紹介を…」
「は、はい!わ、私は白鷺 葵と言います!よろしくお願いします!」
ガクガクとロボットのように礼を繰り返す葵。
それを見ていて裕輔は思わず吹き出した。
(面白い子だな、新学期は楽しくなるかも…)
裕輔は一瞬任務を忘れ、素直にそう思った。
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