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13:48 ボード学園付近
視点:カシス・S・時雨
この場は確かに優勢だった。
敵はオブディアと名乗ったライダーと、燕を模したような怪物。
味方は怪物にギルティと呼ばれたライダーと……認めたくないがデルティー。
優勢だと思った理由は、明らかにこっちが強いと思っただけだった。
一分の間にそれは逆転した。
「北崎さん!!」
京の悲鳴が響く。
燕の怪物の相手はギルティがしているが……先程の戦いが嘘の様に劣勢だった。
そして、デルティーはオブディアに必殺技であるルシファーズハンマーを使ったのだが、
有り得ぬ事にオブディアはそれを跳ね返し、デルティーに大ダメージを与えたのだ。
逃げようと思ったことなど、頭の中から吹っ飛んで……今は恐怖だけが残った。
メガロドンオルフェノクになっても、勝てそうに無い気がした。
「倒さなきゃ……」
「え?」
俺はそれが京から発せられた声だということに気付くのに時間がかかった。
「倒さなきゃ……倒さなきゃ……倒さなきゃ……倒さなきゃ……倒さなきゃ……
倒さなきゃ……倒さなきゃ……倒さなきゃ……倒さなきゃ……倒さなきゃ……
倒さなきゃ……倒さなきゃ……倒さなきゃ……倒さなきゃ……倒さなきゃ……
倒さなきゃ……倒さなきゃ……倒さなきゃ……倒さなきゃ……倒さなきゃ……
倒さなきゃ……倒さなきゃ……倒さなきゃ……倒さなきゃ……倒さなきゃ……!!」
「け、京!?」
「京……ちゃん……?」
「方法……手段……いや、力なら……」
その時、京の意識があったのか無かったのか俺にはわからなかった。
「ここにあった」
京の左手が腰の左側に添えられ、右手は指を真っ直ぐにして左斜め上に突き出していた。
その右手でΣの文字を描き、左手に添える。そして……
「変、身」
そう言った瞬間に、京は姿を変えた。
緑色の、仮面ライダーに!!
『ライダーだと!? バカなっ! ええいっ!! ギルティの相手などシテル場合ではナイ!!』
燕のような怪物……あのギルティはネームレスと呼んでいたが、
そいつがギルティの相手に見切りをつけ、京が変身したライダーに向っていった。
(ギルティはなんか気絶してたように見えたが、そんなことはどうでもいい)
だが。
『ゴガッ!?』
一瞬にして繰り出されたパンチが、燕のネームレス(便宜的にそう呼ぶことにする)の顔面にヒットしていた。
そして次の瞬間には……
「スカーテッド・キック」
『グガッ!!!』
必殺のキック(多分そうだろう。わざわざ名乗り上げてたし。しかもハイキック)で
燕のネームレスは爆発四散した……。
「……興冷めだ。未覚醒のうちに始末しておこうと思ったが、状況が変わった。また会おう」
そう言うと、オブディアは掻き消す様に消えてしまった。
と、同時に……。
バタッ…………
「京!」
「京ちゃん!?」
緑色の仮面ライダーは京へと戻り、マリオネットの糸が切れたように倒れた。
「くそっ! おいそこの……え……?」
そして、あのギルティは影も形も無くなっていた。
―これが、長い戦いの始まり、だったのかもしれない。
←[[第1章第16話「彼女達の葛藤」]][[第1章第18章「変身・立ち上がるは白き騎士」]]→
13:48 ボード学園付近
視点:カシス・S・時雨
この場は確かに優勢だった。
敵はオブディアと名乗ったライダーと、燕を模したような怪物。
味方は怪物にギルティと呼ばれたライダーと……認めたくないがデルティー。
優勢だと思った理由は、明らかにこっちが強いと思っただけだった。
一分の間にそれは逆転した。
「北崎さん!!」
京の悲鳴が響く。
燕の怪物の相手はギルティがしているが……先程の戦いが嘘の様に劣勢だった。
そして、デルティーはオブディアに必殺技であるルシファーズハンマーを使ったのだが、
有り得ぬ事にオブディアはそれを跳ね返し、デルティーに大ダメージを与えたのだ。
逃げようと思ったことなど、頭の中から吹っ飛んで……今は恐怖だけが残った。
メガロドンオルフェノクになっても、勝てそうに無い気がした。
「倒さなきゃ……」
「え?」
俺はそれが京から発せられた声だということに気付くのに時間がかかった。
「倒さなきゃ……倒さなきゃ……倒さなきゃ……倒さなきゃ……倒さなきゃ……
倒さなきゃ……倒さなきゃ……倒さなきゃ……倒さなきゃ……倒さなきゃ……
倒さなきゃ……倒さなきゃ……倒さなきゃ……倒さなきゃ……倒さなきゃ……
倒さなきゃ……倒さなきゃ……倒さなきゃ……倒さなきゃ……倒さなきゃ……
倒さなきゃ……倒さなきゃ……倒さなきゃ……倒さなきゃ……倒さなきゃ……!!」
「け、京!?」
「京……ちゃん……?」
「方法……手段……いや、力なら……」
その時、京の意識があったのか無かったのか俺にはわからなかった。
「ここにあった」
京の左手が腰の左側に添えられ、右手は指を真っ直ぐにして左斜め上に突き出していた。
その右手でΣの文字を描き、左手に添える。そして……
「変、身」
そう言った瞬間に、京は姿を変えた。
緑色の、仮面ライダーに!!
『ライダーだと!? バカなっ! ええいっ!! ギルティの相手などシテル場合ではナイ!!』
燕のような怪物……あのギルティはネームレスと呼んでいたが、
そいつがギルティの相手に見切りをつけ、京が変身したライダーに向っていった。
(ギルティはなんか気絶してたように見えたが、そんなことはどうでもいい)
だが。
『ゴガッ!?』
一瞬にして繰り出されたパンチが、燕のネームレス(便宜的にそう呼ぶことにする)の顔面にヒットしていた。
そして次の瞬間には……
「スカーテッド・キック」
『グガッ!!!』
必殺のキック(多分そうだろう。わざわざ名乗り上げてたし。しかもハイキック)で
燕のネームレスは爆発四散した……。
「……興冷めだ。未覚醒のうちに始末しておこうと思ったが、状況が変わった。また会おう」
そう言うと、オブディアは掻き消す様に消えてしまった。
と、同時に……。
バタッ…………
「京!」
「京ちゃん!?」
緑色の仮面ライダーは京へと戻り、マリオネットの糸が切れたように倒れた。
「くそっ! おいそこの……え……?」
そして、あのギルティは影も形も無くなっていた。
―これが、長い戦いの始まり、だったのかもしれない。
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