第1章エピローグ4「影達の会議/妹を背負い」


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『サイショ作』

PM 0:00 場所不明

その円卓には影がいくつもあった。
六つの席に座る影、その中心の大きな席に座る小さな影。その周りに二つの影。

そんな中。一人の影がポソリと呟いた。
その席は緑色で影は少し陽気そうにしながら手元にある資料を手にする。

「で、結局のところ……。僕達が利用する組織はいまだ決まって無い。てことかな? それってさ」

意味無いじゃん、この会議。
そう楽しそうに呟き手にしていた資料を何処からか呼んだ風でズタズタに引き裂いた。

「まぁそう騒ぐな『天風将』。まだ連中の本質がわからねぇんだ。迂闊に動くわけにもいかないだろ」

「確かに、この『震陸将』も現状維持が好ましいと思いますぞ」

そう言い老人と男性、いや驚は笑う。
ニュアンスは全然違いのにその笑いは明らかに若輩者である天風将を馬鹿にしている笑いだった。

「だまりなよ『烈焔将』。僕になにかを言っていいのは姫と『鏡雹将』姉だけだよ? 次喋ったら、お前ズタズタに切り刻むから」

笑い声が止まった。
だが直ぐに驚から再び笑い声が聞こえた。最も先ほどとは違いそこには怒りが混じっている。
目の前のフザケタ事を抜かす糞餓鬼を焼きつくそうと言わないばかりの殺意をその場にいるものは全員感じた。

最も全員特に気にしている様子は無いわけだが。

暫くして、大きな席の横に立っていた影。冥矢が前に立つ。
そろそろ会議を終わらせるために最終確認をするためだ。

「……御託は終わりか? なら続けさせてもらう。まず今回共闘する組織を見送ったのは三つ理由がある。一つは」

「単純にその組織の目的が不明確すぎる……からね。フリーディア」

言おうとした冥矢だったが水色の席に座っている影『鏡雹将』に遮られてしまう。
まぁ、フォローとしてはいいか。と判断し彼はさらに次を読む。

「その通りだ、次に」

「貴方とお姫様がとある人物達に関与をしたため。ですよねフリーディア様」

今度は白い席、『閃煌将』に妨害されるように遮られる。
少し苛立ちを覚えるが何とか堪え冥矢は更に続きを読むことにした。

「……あぁ、最後に……」

「最高位様からの命令が無いから……違う? フリーディア様」

最後に黒い席、『絶冥将』が呟き冥矢を見る……。
もう冥矢は手にしていた書類を握りつぶすことしかしていなかった。

「……お前ら、私をおちょくっているのか?」

気がつけば口元が引きつっていた。
怒る一歩手前なのは言うまでもないだろう。

「「「違います(う)」」」

「…………はぁ、とにかく。現状維持という事は分かったはずだ。不用意に他の組織へコンタクトをしないように各自行動。それでいいな?」

実のところ女性の姿をしている人物が苦手な冥矢は深くため息を履いた。
そして暫くして顔を上げ……周りを囲んでいる六人に確認をとることにした。

「おう、了解だ」

「うむ、問題は無かろうて」

「はいはーい」

「えぇ、問題無いですわね」

「此方も了承です」

「もーまんたい……」

約数名ほど割と適当だったが確認は取れたと判断し冥矢はその姿を変える。
ギルティ以上に黒い鎧、バイザーからは紅く鋭い光が輝く。
それが、ネームレス・ソードブレイダーである時の彼の姿だった。

「では……最後に、『我らが望みは唯この世界に存在す事だけ。故に我らが悲願を邪魔するものは……』」

『「「「「「「最上位の名のもとに消すことを許される」」」」」」』

七人の声が一斉に重なる。
それと同時に円卓となっていた机と六つの席が消え失せ、後にはソードブレイダーと少女そしてメッセンジャーだけとなった。

すると少女……シンガーがソードブレイダーから冥矢としての姿に戻った彼の手を引っ張る。
それに気付いた冥矢は先ほどとは打って変わってどこかやさしそうな表情で膝を折った後シンガーの頭を優しくなでた。

「大丈夫だ、お前が気に入った男とその妹は襲わないように言っておいた。ただ……」

それだけを言うと一息を履いて何処か、シンガーに見えないようにそして聞こえないように、まるで汚らわしい物を見つけたような眼と声で呟く。

「そいつ等の周りにいる魔女……そしてその取り巻きは潰すがな。アレ等の行為は我らが悲願の成就達成を妨げる障害でしかない」

最後に……と、冥矢が言いかけたところでシンガーは再び冥矢の腕を引っ張った。
再び引っ張られた為、何事かとシンガーを見ると。どこか悲しそうな顔をしていたので冥矢は再び優しく微笑む。

「……何度も言うが大丈夫だ。私も六将もそして全てのネームレスも必要最低限、生きる為以外には人間を狙わない。私が嘘をついた事があるか?」

「……」

フルフルっと首を横に振るシンガーを見て冥矢は満足そうに頷き立ち上がる。
そしてそばにいたメッセンジャーに後を任せたと言いその場を後にした。

「…………」

「分かっています。また後日あの人間と会いたいのですね?」

コクリとうなづくシンガー。
それを見たメッセンジャーは男性が見れば間違いなく魅了されそうな妖艶でありながら優しさを感じさせる笑みを浮かべる。

「えぇ、貴方様の為ならばどの様な命でも承ります。ブレイダー様には悪いですが……また破らさせていただきましょう。禁則を」

「…………」

不安そうにするシンガー。
恐らく怒られるのが嫌なのだろう、だがメッセンジャーはそんな彼女の不安を打ち消すようにシンガーの頭を優しくなでる。

「大丈夫です。ああは言いながらも貴方様が怪我をなさらない限りは許してくださるでしょう。以外と甘いのですよ、ブレイダー様は」

「……!」

「えぇ、それでは後日。また外に行きましょうねシンガー様」

嬉しそうにするシンガーを見ながらメッセンジャーは答える。


それを知るのは……物言わぬ椅子だけだったのはもはや語るまでもないだろう。


PM 21:00

彼、晃輝は割と疲れていた。

戦いでの疲れは比較的早く取れたのだが、その疲れに続いて、
妹を保護していた警官から事情聴取をされたのだ。
とはいえど中学生は割と家出をしやすい年、次から妹の事をよく見ておいてくださいね。といわれてその場は終わった。

とはいえど割と長い説教を言われていたのでここまで遅れたのだ。

「……たく、心配させるな」

はぁ、とため息を履いて晃輝はスヤスヤと眠っている妹を負んぶしている。
あの後、晃輝は再度列と連絡を取ったところどうやら列も妹を見つけたらしい。そう知ってやっと肩の荷が下りた感じがする晃輝だった。

「それにしても……華枝ちゃんと同時に俺の妹も……事件確定か?」

最悪だなぁ、と呟く。
それは巻き込まれることに対してじゃない妹や友人が巻き込まれる事に対してだ。

別に彼自身は事件に巻き込まれても平気なのだ、なぜなら解決できる力があるから。
だけど妹や妹の友人、そして自分の友人は違う。だからもし自分の力が足りなくて誰かが傷ついたら……それは恐怖でしかない。

『ならば、あのライダーへと変身した女と共闘すればいいだろ?』

ズォっと影が蠢きギルファリアスへと姿を変える。
とはいっても晃輝以外には何も変わって無いように見えるだろう。それが普通なのだから。

「……明らかに初めて変身したような雰囲気だった。それに……俺一人で事件を解決したい」

『……巻き込まないためにか? 不可能だな』

ギルファリアスが笑う。
当然晃輝だってそれが理想だが不可能だとわかっている。
だから別段ギルファリアスに対して怒りは特に湧かなかった。

「だとしても、だ。もう、誰も傷つけたくないんだよ。誰かが傷つくところを見たくないんだよ」

『……好きにしろ。最もあの女は巻き込まれる事は避けられぬ運命。それならば……貴様がそばにいて様々なアドバイスをすればいいだけではないか?』

「……、ホント最悪だな。お前」

まるで転校生を道具のように言うギルファリアスに対して少し毒を吐く晃輝。
だがギルファリアスはクッと悪魔の顔をゆがませて笑う。

『褒めるな、闇を』

それだけを言うとギルファリアスは再び影に消えた。
後に残るのは少しくらい表情の晃輝とやはりまだ寝ている妹の命李。

「闇……か、何で俺は選ばれたんだ? お前に」

返事は無い。
それはお前が気にする必要は無いと遠回しに言っていた。

だからなおさら晃輝は苛立ちを覚える。

「……気にするな、ってか? なおさらムカツクな」

返事は無い。

「ならいい、俺は俺の好きなようにやるだけだ」

返事は無い。
晃輝は暫く返事を待つが返事が来ないとわかると溜息を再び吐いた。

「まっ、これからもよろしくな。相棒」

『……あぁ、頼むぞ主』

帰ってきた返事にこたえることも無く、晃輝はまっすぐと我が家へと向かう事にするのだった。



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