第2章第14話「父と娘と」


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執筆者 深優



AM11:30 白姫邸・リビング

煌びやかな装飾品や明るく辺りを照らすシャンデリアに広々としたリビングに

無数の切り取られた画用紙に、クレヨンで描かれた犬や猫の絵が無数に散乱されていた。

無論、それを描いた本人しかそれが犬か猫か分からないというのが現状だ。

「ふ~ちゃん!ふ~ちゃん!」

その絵の中の中心で絵を描いていたフラウディアとお揃いのメイド服を着ている
シェネス・V(ヴェッター)・白鷺は、

つまらないといった面持ちで誰かを呼ぶ。

無論、彼女の言う「ふ~ちゃん」とはフラウディアであるが。

「いかがいたしましたか?シェネス様」

フラウディアは、床の掃除をしていたのかポモップを携えながら呼び声に直ぐさま現れる。

「ふ~ちゃん!パパはどこにいったの?」

シェネスは、頬を膨らませながらふて腐れているようだ。

その光景はさながら幼子その物だ。

「ですから、先ほども言いましたが「学校」という所に行かれていますよ。」

フラウは、シェネスの目線まで腰を落として言う。

腰を下ろしたフラウの興味は、周囲に散らかされたシェネスの描いた絵にあった。

その子供ながらの歪な絵は、彼女にとって興味深かった。

なぜなら、フラウディア自身が絵を描くとその桃の特徴を正確に捉え、
写真のような絵なる。構造は異なるが同じ人ではないシェネスがそのような人と同じ抽象的なものをかけることが不思議でしょうがなかった。

「なら、ネェスも「学校」にいく!」

「いけません。・・・緋色様も帰ってくるまでいい子で待っているように
いっていましたでしょ?」

フラウディアは直ぐに思考を切り替え、やさしくシェネスに言う。

「うぅぅ・・・。」

シェネスは何か納得をしていない顔をしているが、緋色の名前を出されると何もいえないようだ。

「ですから、もう少々お待ちください。
      • 少し早いですがもうお昼にしましょう。」

フラウディアは、そういうと部屋から出た。
無論、彼女が作るわけでもなく緋色が作っていった作り置きを暖め直すだけだが・・。

「うぅぅ・・・あ、でも。ちょっとだけ見に行く位なら大丈夫だと想いますの!
        • でも、普通にいったらばれてちゃいますの。」

シェネスはう~んと首をかしげながら考えていた。

「こうすればいいですの!」

シェネスは閃いたように、手をたたくとその姿が徐々に透けてゆき
その姿が完全に消えた。

「いってきますの!」

シェネスは誰に言うわけでもなくそうつぶやいた。


「・・・シェネス様が本機のセンサーから消えた?」

フラウディアは、調理場に向かっている最中、不意に自分のセンサーから消えたシェネス
が消えたため急いでリビングに戻ったのだが、そこには先ほどまでシェネスが書いていた絵が散乱しているだけでそこには、誰もいなかった。

「本機の全センサーすら掻い潜るステルス機能。
シェネス様にはわからないことが多すぎます。」

フラウディアは、そこから出たであろう開けられた窓から外を眺めながら、
シェネスの行方を追う為窓から飛び降りた・・・。



AM12:30 ボード学園 屋上

普段ならば、昼ごはんで賑やかなはずのこの場所も今日に限っては誰もいない静かで物悲しいものだった。

「そうか。」

結局、午前中の授業に出なかった緋色は、屋上で風が吹いていないことをいいことに
懐にしまっていた銃器を完全にばらして手入れをしながら肩で携帯電話をはさみながら
フラウディアの報告を聞いていた。

「はい。大変申し訳ございませんでした。」

電話越しのフラウディアはすまなそうな声を上げる。

「・・・別にいい。俺も手伝うか?」

緋色は、表面と内部部品に油を塗りつけながらたずねる。

「それにおいては大丈夫です。緋色様がお帰りになるころには終わらせます。
      • それでは捜索に戻りますのでそれでは。」

フラウディアはそう手短にいうと電話を切った。



「・・・あらあら、私達の製品はそんなに信用がないかしら?」

「・・・ジャミングとはいかなる自動式の連発銃には付き物だ。
たとえそれが名家であってもな。」

緋色は、いきなり背後に現れた久遠に驚いた様子もなく、ただ淡々と作業を行う。

「あっそ、フラウから話し聞いた?」

久遠は、緋色の話を興味がないようにばっさりと切った。

「ああ。」

緋色も別段気にした様子ではない感じで銃を組み立てる。

「最近、忙しかったからね。隕石騒動を隠蔽したりとか。」

久遠は、緋色を眺めるのをやめて、空をあおいだ。
シェネスの事を隠すために、元々。閑静な高級住宅街で目撃者も少なく
その他の情報もフラウの力で情報を隠蔽している為かあまり大きな騒ぎになっていない。

「そうだな。」

緋色も興味がないのか、組み立てた銃を戻すと、懐からナイフを取り出しそれに
さび止めを塗り始める。

「・・・いろいろ言いたいけど、まあいいわ。
      • そういえば、あんた吹奏楽部にいくんだって?」

久遠は緋色の行動に呆れながら気になったことを尋ねた。

「・・・ああ。」

緋色は、短く答えるとナイフをしまった。

「何でまた?あんたが弦楽器全般に引けるとか聞いたけど、
吹奏楽じゃほとんど使われないわよ?」

久遠は、ふと疑問に想ったことを尋ねる。
吹奏楽における弦楽器は。バイオリンやコントラバスがあるが正直使われることは珍しい。

「・・・少々、気になることがあってな。」

緋色は、やることがなくなったのか目を瞑りながら答える。

「そう。まあ、人に迷惑をかけなければなんでもいいわ。」

久遠はそういうと屋上から出て行った。

「・・・そうさせてもらう。」

緋色も久遠の後を追いかけるように、屋上を去った。





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