第1章第1話「セブンズ・ペイン」


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深優

満月が輝き、その光が屋敷の一室を淡く照らすある夜のこと。


「パパ!パパっ!今日は何して遊ぶですの!?」


新たにこの屋敷の住人となった正体不明の少女シェネスは、
すりこみで親と認識した緋色と共に部屋にいる。
既に、壁から天井まで訳の分からない抽象絵で埋め尽くされているのは、
彼女の精神的幼さと寂しさを紛らわす代償行為である。
そんな彼女は、目をきらきらさせてベットの中にいる。


「良い子はもう寝る時間だ。」


無論、緋色はそれをしらないし興味がない。
今、この場にいることだって所詮、双子の姉である葵に頼まれたからだ。
仕方なしと言う感じに、部屋にあったソファーに座る。


「うぅ~、お昼寝いっぱいしたから眠たくないですの!」


シェネスは、頬を膨らませて上目遣いで緋色を見つめる。


「そういうことなら、姉さんに構ってもらえ。」


緋色は、めんどくさそうに吐き捨てる。


「あ~ちゃんは、まだ子供だからおねむの時間ですの。
それに、今日はパパと一緒にいたいですの。」


あ~ちゃんとは、もちろんのことながら葵の事である。
双子のはずなのに、子供に子供扱いされる葵はまあ見た目と普段の行動の行いだろう。


「それで?何をするんだ?トランプも花札もTVゲームも、
勝てないからすねるじゃないか?」


緋色も緋色で子供相手に手加減を一切しないのだから
子供といえば子供である。


「うぅ、・・・・じゃあ、お話しして!」


シェネスは、ひとしきり考えたようなそぶりをすると、
閃いたように、手を叩きながら言う。


「話?ならその辺から何か本でも持ってくる・・・。」


そういうと、部屋からでようとする。
こういった場合、本を読むのは緋色ではなく、
フラウディアにたのみ彼女がが本を読む役目になっている。


「駄目ですの!!パパはいつもそうやって逃げますの!
それに、ここにある本は全部読んで覚えていますの!」


そのパターンを流石に覚えているシェネスはそれを許すわけがなかった。
それと、彼女の言ったことは事実そうである。
この屋敷にある童話からはたまた彼女の興味は別として厳重に管理されてる機密文章まで
彼女は、既に「記憶」しているのだ。
シェネスとしては、ただ緋色と一緒にいたいだけなのだが
彼にはまだ到底理解できる範疇ではないのだ。


「ならどうしろっていうんだ?」


緋色は、心底めんどくさそうにため息を吐く。


「パパの昔話が聞きたいですの。」


シェネスは、そんな緋色をしってか知らずか
ニコニコしながら緋色を見る。


「昔話ね・・・・。生憎、聞かせるほどおもしろい人生は歩んでないぞ。」


緋色は緋色で更に面倒な表情をする。


「面白いかどうかは、ネスが決めるです。」


シェネスは、音も立てない軽やか身のこなしで緋色の膝の上に乗った。


「...全く・・。・・・そうだ。ネス。お前は「セブンズ・ペイン」ってしっているか?」


緋色は、やれやれといった感じに、苦笑する。


「「セブンズ・ペイン」・・・本人達が呼ぶわけもなく、ただそう呼ばれた存在。
故に謎も多く、「セブンズ」といいつつも、おおよその人数は不明。
個々に持つ信念に基づいて行動する為、組織というわけではない。
そして、一人一人に強大な力を持つ為に様々な組織に追われているが、
彼らに出会うこいとにより、引きつけられ魅了された人々により
後援組織も数多く存在する。
故に、「破壊による傷よりも質が悪い」為に聖書に登場する悪魔にちなんで「七つの痛み」と称される。
ちなみに、この屋敷もその彼らの為に建てられた物・・・・・ですの!」


シェネスは、ピコピコと耳を動かしながら尻尾を規則正しいリズムでふる。


「よくそこまで知っているな・・・。」


緋色は、珍しく驚いた表情を見せる。


「えっへん!ですの。」


シェネスは、胸を張りながら誇らしげな様子だった。


「よしよし。」


緋色は何となくシェネスの頭をなでた。


「えへへっ~。」


シェネスは、気持ちよさそうに目を細めながらピコピコと更に耳を動かした。


「話がそれたな。・・・この屋敷に来る前に、フラウとの出会いとその「セブンズ・ペイン」と称した奴らに会ったことがある話でもしようか・・・。」


緋色は、遠い日の思い出を思い返すのように遠くを見つめながらシェネスの頭を撫でる。


「そうだな。・・・あれは、一月前・・いや、数ヶ月前の話だったかな・・・」
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