第1章第6話「それぞれの出来事」


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かつて、流派の異なる7人の退魔師たちが協力して、小さな事務所を立ち上げた。
表向きは便利屋として、活動し、裏では、退魔師たちが力をあわし、様々な脅威から人々を守っていた。
そして、ある事件をきっかけに、退魔師たちは一旦事務所を解散し、同時にある組織を結成した。
その名は「守護神機関」、「Guardian」の頭文字を取って通称「G」と呼ばれる退魔組織である。
現在、各国に支部を持ち事務所時代に比べ遥かに大きく成長している。
だが、その目的は、事務所時代と変わらない。なぜなら時代は変わり、人々の生活も、秩序すら
変わっていくが、人々に対する脅威は、形を変えつつも存在するからだ。


8月31日、某所、守護神機関本部

本部施設の一室に一人の女性がいた。その容姿はブロンドで長髪、眼鏡をかけ、
黒いスーツを身に纏っている。
女性の名はアリシア・ステイト、「予知者」という二つ名を持つ、守護神機関の上層部の
人間で高い権限を持っている
そんな彼女はパソコンを備え付けている机の前に座り、何かを待っているように時折、
時間を気にしている。
そして、突如、電子音が響く

「来た・・・・・」

そう呟くと、彼女はパソコンを操作する。
するとモニターの一角にウィンドウが開き、一人の女性が映し出された
備え付けのパソコンは通信機としての機能も持っている。
そしてこの女性はアリシアの部下の一人である

「どうしたの?」

すると、

「日本支部から通達がありまして、追跡対象が本部管轄地に入ったと、詳細はそちらに送っています」

アリシアは、パソコンを操作、モニターの一角にウィンドウが開き、その詳細が映し出される。
それに目を通すと

「確認した。例の組織の一件ね」

この夏、Gはとある秘密結社の壊滅に係わっていた。その組織は世界征服を企む
いわゆる悪の組織で、Gと長く対立関係にあった。だがある出来事をきっかけに
あっけなく壊滅してしまい、現在Gは、その後始末を行っていた。
組織の壊滅後、静かに暮らす元構成員に対しては何もしないのがGの方針である。
中には、社会復帰に向けての更生を行う事もある。
だがそんな人間は少なく、Gに対し攻撃を仕掛ける者や中には、身勝手に暴れまわる者が大半だ。
そういう者たちは個々に分散しており、その為、対処には結構手間がかかる
しかも今回の場合、少々厄介な事情があった。

「手間取っているようね」
「今回も、ラビリンスの妨害が酷いですからね。でもこの対象者を殲滅すれば終わりのようです」
「改造兵士実験体13号、神羅月菜か・・・・・・・・」

とアリシアはその対象者の名を呟いた
そしてパソコンに、その神羅月菜を追っている人間、即ちエージェント達のリストが表示された。
リストには、数人のエージェントの情報があるが、その大半は、任務中の怪我で活動不可と書かれており
活動可能な人間は3人、ただしそのうち一人は外部協力者で、正規のエージェントは二人だけだった

「今回はエージェントの増員が必要ね。そっちは日本支部に任せるわ」
「では指揮官と本部所属のエージェントの方は」

本来、Gの任務の際、エージェントの指揮はそれぞれの国の支部が行うのだが、
本部が指定している特定の地域での任務は本部が直接指揮をとる
その地域が、本部管轄地である。ここでの任務の場合、本部所属のエージェントが
最低一人は現地のエージェントと共に任務に当たる。
そして本部では、選ばれた指揮官を中心に任務の指揮を執る。

「今回は私が現地で指揮を執る」
「えっ!」

モニターに映っている女性は驚きの表情を見せる

「どうしたの?」
「いえ、その・・・・・・・・・」
「問題は無いはずよ」

本部で選ばれた指揮官が現地に向かう事は珍しい事ではない

「でも、この程度の任務に予知者が、しかもわざわざ出向く事はないと思うのですが・・・・・・・」

今回の任務は、手間取ってはいるが、そんなに大きなものではなく
一見、アリシアほどの人物がわざわざ出向くほどのものではないように思われた。

「いやそうでもないわよ。この本部管轄地は、今、いろいろと大変みたいだから」
「確かに、そういう情報が入ってきていますが」

神羅月菜がいる本部管轄地はボード学園の所在地であった

「ラビリンスの事もあるし、この任務が、大きな事件に発展する可能性があるわ。
そうならないためにも現地に向かいたいの」

と言った後

「それに場合のよっては騎士団との交渉も必要だと思うし」
「でも、統制者はなんと言うか」
「話は、私が付けておくから」

すると、モニターに映っている女性は

「判りました。指揮官は予知者で、あとは」

するとアリシアは

「ちょうど現地に本部所属のエージェントがいるわね」

するとモニターの女性は、困惑したような様子で

「まさか彼女を・・・・・・・・・・」
「大丈夫、私が行くんだから、問題は起こさせない」
「なら良いんですが」
「それと・・・・・・・・・」

アリシアは、少し考えるような素振りの後

「現地にいる協力者にも手伝ってもらうか」
「もしかして『具現者』ですか」
「彼女はもうエージェントじゃないわ」
「そうでしたね。」
「彼女には私から連絡を入れておくとして」

そしてアリシアは言った

「日本支部には現在の決定事項を伝えておいて」
「判りました。では」

すると女性が移っていたウィンドウが閉じ、通信は終わった。

「さてと」

この後、彼女はどこかに電話をし、それが終わると部屋の片隅から旅行鞄を持ってきて
中を確認する。
鞄の中には既に荷物が詰められており、旅支度は既に完了していた。



9月1日

夏休みが明けた、その日私は、いつもの様に学校に向かった。通学路の途中に十字路で
凪はいつも待っている。でもそこに凪の姿は無かった

「凪・・・・・・・・・・」

私は、しばらくそこで凪を待っていた。でも彼女は現れなかった。
そして、私は、このままでは遅刻しそうなので、その場を離れる事とした

(戻ってきてくれるよね・・・・・・・・)

そう思いながら、私はその場から立ち去った。そして学校に着くと

「おはよう、蒼崎さん」

と声をかけられた。
声をかけてきたのは、長く綺麗な黒髪の持ち主で、顔立ちも綺麗で清楚な雰囲気の感じる女性だった。

(この人は・・・・・・・・・・・)

声をかけられた時、一瞬誰だかわからなかったでも、直ぐに思い出した

(・・・・・・・・・・そうだ比良埼先輩だ)

比良埼藍、高等部の三年生で確か、何回か話をした事がある。
内容は覚えていないけど・・・・・・・

「おはようございます。比良埼先輩」

と返事をすると、先輩はそのまま立ち去った。
この後、私は教室に向かった。そしてそこに近づくにつれ、
私の中に凪が先に教室にいるんじゃないかという期待のようなものが生まれつつあった。
でも、教室に凪の姿は無かった。後から遅れてくるんじゃないかと思ったが
HRの時間になっても、彼女は姿を見せなかった。

(凪・・・・・・・・・・)

そして、HRが始まったようだけど、凪の事で頭がいっぱいになっていてHRの内容が
殆ど頭に入らず、転校生の紹介が行われていた事はわかったけど、誰がやってきたのかは気づかなかった

「蒼崎さん・・・・・・・」

その声で私は現実に戻された

「え?」
「同じクラスになれましたね」

そこにいたのは昨日会った少女、黒招霧恵だった。
彼女は私の隣の席に座った。(ちなみに私の隣の席はちょうど空いていた)
すぐに私は気付いた。今日やってきた転校生が彼女であること、そして彼女が私の隣の席になったことも。
昨日、彼女が、ボード学園の転校生だとは聞いていたけど、まさか、私のクラスで
しかも席が隣同士になるなんて


(偶然だよね・・・・・・・・・・・・・・)

思わずそう思ってしまった。




朝、登校し、教室に入った風瀬列は、突然

「おはよう、風瀬君」

と声をかけられた。

「?」

その声は聞き覚えの無い声で、声質は、女性か男性の判別か付かない声だ
声のほうを向くと、中性的で、女とも男とも見れるような顔立ちの人物がいた。
なお服装から見ると男だと言う事がわかる。
だが列は、その人物に見覚えは無かった。

(誰だっけ・・・・・・・・・転校生か)

列は今日、転校生がやってくる事を知っていたから、一瞬そう思ったのだが

(まてよ・・・・・・)

自分の事を知っているようなので違うように思える。
困惑していると、その人物が言った

「いくら付き合いがないからって、一応クラスメイトだよ。忘れないでほしいな」

次の瞬間、列は突然思い出した

「悪い、峠君」

この人物の名は峠総一郎、列のクラスメイトだが付き合いがほとんど無い。
列が記憶する限り、他のクラスメイトとの付き合いもないように思えた

「まあ、忘れられても当然か」

と総一郎が言うと、列は罪悪感のようなものが襲う

「その・・・・・・・・・」
「別にいいよ、それじゃ改めて、おはよう」
「おはよう」

そう言うと、列は逃げるようにその場から立ち去り、自分の席へと向かった

(いくら付き合いが無かったからって、クラスメイトを忘れるなんて酷いよな・・・・・・)

としばらく心の中で悔やんでいたが、それは、友人の晃輝との会話をしていくうちに
すっかり忘れてしまった。
しかし、この日の朝、クラスメイトの大半が列と同じ経験をしている事を彼はまだ知らない。
そして、朝のHRがあり、転校生の紹介が行われた後、教員から連絡事項があり
HRは終わる。
その後、生徒たちの興味はやってきた転校生達に向けられる。
このとき、列は

(何かへんだな・・・・・・・・・・・)

教室に違和感を覚えた。それはHRの時から感じていた。

「どうした、列」

と晃輝が声をかける

「いや・・・・・・・なんか・・・・・・」

次の瞬間

「あっ!」

と列は違和感の正体に気づき思わず声を上げた

「おい、一体・・・・・・・・・・!」

晃輝も気付いた

そして列は言った

「シン、お前、何でいるんだ」

その日、教室にシンがいた。彼は答える

「いたら悪いのか?」

列は

「いや、いるのが普通だよな・・・・・・・・」

この後、列は何を言っていいのか分からなくなってしまった。
シンは列のクラスメイトだが、サボりの常習犯で教室にいる事が少ない人物だ
普段、教室にいない所為か、逆に当たり前のように教室にいると違和感があるように思えてしまう。
そんなシンであるが何故かテストの点数はいいらしい。
ちなみにシンは、珍しくこの日は下校時間まで教室にいた。



一方、同時刻、中等部の3年A組でもちょっとした出来事が起きていた。
それはHRが終わった直後のことである。突如、廊下でものすごい音がした。
突然の事に、生徒の何人かは様子を見に、廊下に出た。
風瀬華枝も廊下に出る事は無かったが、教室の中から廊下の様子を見ていた

「イタタタタタ・・・・・」

廊下には一人の少女が転んでいた。状況から見て派手に転んだ事がわかる
少女は、ロングヘアーの髪型に、背は低めで、可愛らしい顔立ちをしていた
そして生徒の一人が声をかける

「大丈夫?」

すると少女は

「だいじょうぶです~~~~~~」

と可愛らしい声とどこか間の抜けたしゃべり方で答えながら立ち上がる
その姿に華枝は思わず

(かわいい)

と思った。これは彼女だけでなく周りにいた生徒たちも同様だった
でも、次の瞬間、華枝は

(でも、あの子、誰?)

と思ったが、直ぐに

(思い出した、確かC組の識神さん)

少女の名は識神都子、中等部3年C組の生徒で華枝との付き合いはほとんど無く
名前と顔を覚えている程度だった。
その識神都子はと言うと、たち上がった後

「お騒がせしました~~~~~~~~~」

と言って、顔を真赤にしながら立ち去った。



ここで、話は学生たちが登校している時間に戻る
ボード学園に向かう学生たちに混じって、一人の少女が上機嫌な様子で歩いていた。
少女の容姿はというと、髪は黒髪で髪型はポニーテール、顔立ちは整っていて悪くは無い
またボード学園の制服を着ていて、学園の生徒であることは間違いない

(今日は転校生が来るんだよね。楽しみだな~)

少女の名は蒼月真姫、高等部2年B組の生徒で志保の知り合いである
ちなみに転校生を期待しているようだが、彼女のクラスに転校生はいない。
そんな事は知らず、新しい出会いに期待を寄せる真姫
だが突然、彼女の携帯電話が鳴った。そして電話に出ると

「はい・・・・・・・・・そう・・・・いや、それだけは・・・・・・・・・・わかった」

そう言うと、電話を切り、何故か学校とは反対方向へと歩き始めた。





何処かの廃墟に一人の女性がいた。その格好は、髪型はショートで
髪の色を赤く染めていて、ボロボロのジーンズと
白いシャツに、少々派手な革ジャンを羽織っていて、全体的な印象は不良っぽい
この女性が神羅月菜、Gが追っている人物である

「昨日も獲物にありつけなかった・・・・・・・・・・」

と言いながら、壁を殴りつけていた

「早く・・・・・・・・・早く・・・・・・・・・・夜になれ・・・・・・・・」

その姿は、鬼気迫るようだった。

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