第1章第20話「Another side」


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10:10 街中

詩姫と真姫は街中に出て情報収集を行っていた。ちなみに詩姫は支部を出た後、
いったん家に帰り、服を着替えたので、今は、白くひび割れを思わせる絵が描かれたデザインの半袖のシャツに
下はジーンズという私服を着ている。

「ラビリンスから妨害があるって事は、ノーハーツも相手をしなきゃいけないのか・・・・・」

と真姫が呟くと、それに対し詩姫は

「今回は、ノーハーツは出てきてないわよ」
「え?!」

と驚く真姫

「どうしたの?」
「いや・・・・・・・だってノーハーツが出て来てないって事は誰が妨害してるわけ」
「はぁ?」

詩姫は、訳がわからないといった顔をする。しばらくして何かを察したように

「真姫、あなた、ラビリンスについてどこまで知ってる?」
「え~と確か、何でも屋でしたっけ?」
「そうだけど、他は?」
「構成員はノーハーツって呼ばれているんですよね」
「確かに、構成員の大半はノーハーツだけど・・・・・・・」

この時、詩姫は、真姫の言動が妙な事に気づき

「ところで、真姫はノーハーツって何か知ってる?」

真姫は、特に変わった様子も見せず、普通に答える。

「ラビリンスの構成員の通称ですよね」

その答えに、詩姫は額に手を当て、どこかあきれた様子で

「間違ってるわよ。真姫」
「えっ?」

真姫もまた、わけのわからないといった顔をする。

「ノーハーツって言うのは、ラビリンスが開発した生体兵器のことよ」
「そうなんですか・・・・・・・・・」

顔を少々赤くし、どこか恥ずかしそうに答える。

「詳しくは、データベースを見れば判るわ。携帯端末、持ってるでしょ。暇な時
見ておいた方が良いわよ」

Gのエージェントたちには携帯端末が支給されている。これは通信機の役割をはたす他に
本部とのデータのやり取りが可能である。

「ともかく今は、13号を探す事に専念しましょう」

と詩姫が言った後、二人は情報収集を再開した。

12:10、雑居ビル屋上

ビルの屋上の中心にサーチャーが立っていた。彼女は眼鏡を外し、目を大きく見開き
宙を見ている。

「ウ・・・・・・・・・」

小さく、唸り声のようなものをあげると、直ぐに目を閉じ、眼鏡をつける。

「はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・・・・」

彼女は苦しそうな表情をする。

「ひと休みしたら?」
「アリシアさん・・・・・」

屋上には、いつの間にかアリシアの姿が、彼女は、“暗殺者”と別れた後、
昼前には支部に戻ってきていた(あの後、何があったは当人達のみが知ることである)

「そろそろ、昼食の時間よ」

二人は屋上を後にして、支部へと戻る。

「すいません、お役に立てなくて・・・・・・・・・」

と、サーチャーが、申し訳なさそうな様子だ。

「いいのよ、無茶を言ってるのは私の方だから。この街で千里眼が使いづらいのはわかっていたことなのに」

サーチャーは千里眼の持ち主である。千里眼は遠くの物を見たり聞いたりする事が可能であり、また物質の透視もできる。
彼女は屋上で千里眼を使い13号を探していたのだ。13号を見つけたら
あらかじめ渡された通信機で支部に連絡を入れる手はずになっている
千里眼はその特性上、屋内でも使えるのだが、外にわざわざ出るのは彼女の気持ち的なものだ。
なお彼女の千里眼は高い能力を持っているのだが、その分、使えば大きく体力消耗し
加えて暴走しやすい。
以上の理由により日常生活に支障をきたすので、普段は千里眼を抑える特殊な眼鏡をつけていて
普段からあまり使わないようにしている。(彼女は千里眼の能力抜きでも、高い調査能力をもっている)
加えて、特定の地域では千里眼が使いづらく、この街も千里眼で見る事ができる場所は少ない。
しかし無いよりかは、ましである。
なぜならラビリンスの妨害は、13号を逃がすにだけに止まらず、その痕跡さえも消している為、探すのが困難な状況
現在、エージェント達が動いてはいるものの、これまでの状況から考えて、良い結果が望めそうにない。
だからこそ、サーチャーの力が必要となったのである。

「ごめんなさいね、もうエージェントじゃないのに、苦労をかけて」

今度はアリシアが申し訳なさそうな表情をする。そんな彼女にサーチャーは

「いいんですよ。Gを離れたとは言え、今も人々を守りたいと言う思いは変わりません
エージェントとして活躍するのは無理ですけど、手伝う事は出来ますから・・・・・・」

と言った後、

「だから気にしなくていいんですよ」

と言いサーチャーは笑顔を見せた。

「そう言ってくれると、助かるわ」

とアリシアは答える。
ここで、サーチャーが何かを思い出したように、
懐から一冊の本を取り出す。その本の表紙には無にも書いておらず、更には鍵までついている。

「それは・・・・」

アリシアはその本に見覚えがあった。

「前からあなた達に渡そうと思っていました」

と言って本をアリシアのほうに突き出す。

「これは、もう私には必要ありません。」

するとアリシアは一度、眼鏡をはずし、再び着けなおすと言う動作をした後
鋭い目つきをし、どこか冷たく厳しい言い方で

「受け取れないわ」

と言い放つ。サーチャーは

「でも私が持っていても宝の持ち腐れで」

アリシアは口調を変えることなく

「そう思うなら、あなたがジェフティの後継者を選びなさい。それが使い手の義務だと私は思う」
「私が・・・・・・」

そして、アリシアは再び眼鏡を外し、かけ直すという動作をした後
今度は穏やかな表情と口調で

「だから、その時まで、大事にしておいて」

同時刻、市内公園

真姫と詩姫の二人は情報収集を続けていたものの、有力なものは見つからず、昼になったので
一旦、区切り付けて公園で近くのコンビニで買った昼食をとりつつ一休みしていた。
その最中、真姫は、携帯端末(真姫はナビという名前をつけている)をとりだし、
データベースにアクセスする。

「ノーハーツ・・・・・人造兵士か」

ノーハーツとは別名、人造兵士と呼ばれるラビリンスが開発した生体兵器である。
複数の人間の遺伝子をかけ合わせ生み出された素体に、様々な能力を付加し作られる兵士
付加できる能力の豊富さと、素体自体も複数のパターンを持つ為、完成するノーハーツの
バリエーションは肉体を強化しただけのものから、変身体を持つ怪人までと多い。
しかも、一体作れば、後はクローン技術で何体も同様のものが作る事ができる。
ただし、生産に掛かる時間とコストは能力に比例するため、怪人体を持つようなノーハーツの大量生産は難しい。
また、その知能は人並みで、状況に応じた臨機応変な活動を行う
そしてノーハーツ、最大の特徴はその名の通り心を持っていないことである。
これは、自我が極端に弱い事を意味しており、それ故に命令には絶対服従で決して裏切らない。
そしてノーハーツは、ラビリンスの戦力であると同時に主力商品でもある。
先に述べた特徴が、一部の闇の組織たちの間で評判となり、ノーハーツを導入している組織も少なからずいる。

「なるほど、なるほど・・・・・・・・」

どこか満足げな様子な真姫、そして

「先輩」
「何?」
「データベースを見たんですが、私の言った事もあながち間違いじゃないと思うのですが」

ノーハーツの項目には、
「ラビリンスの構成員の大半はノーハーツである推定される」
と書かれていた。

すると詩姫は

「そうかもしれないけど。でもラビリンスの構成員の全員がノーハーツって訳じゃないわよ。今回妨害している奴だって、ノーハーツじゃないし」

ここで真姫が、何かを思い出したように

「そう言えば、今回妨害している奴って?」

すると詩姫は額に手を当て、あきれた様子で

「予知者の話、聞いてた?」

真姫は

「えーーーーーーーと・・・・・・・・言ってましたっけ?」

真姫は気まずそうな様子を見せる。
実は、アリシアはラビリンスの妨害についての説明の際に、妨害を行っている者についての説明があった。

「敵はラビリンスの『正規メンバー』の一人で、名前はフロスト、詳しくはデータベースで確認して」

正規メンバーとはGがラビリンスのノーハーツ以外の構成員に対し勝手につけている名称である。
真姫は、データベースのフロストに関する情報を見る。そして

「ついでだから、他のも見ておくか」

真姫はラビリンスに関する様々な情報を呼び出した。

「あれ?ウィザソーダーってラビリンスだったんだ・・・・・・・・・」

真姫は、また訳がわからないという顔で首を横にかしげた。それを見た詩姫は

「どうしたの?」

と聞くと、真姫はナビのモニターを指差しながら

「以前、こいつと戦ったことがあるんですが、その時、コイツ別の組織にいたような」

と言うと

「えっ?」

一瞬、訳がわからないと言った顔をしたと思うとすぐに

「その組織名は」

と詩姫が聞き、真姫が組織名を言う。すると詩姫は、納得したように

「その組織も、ラビリンスの取引先よ。たしか奴らは組織の作戦代行とかしてたと思うから」
「なるほど、なるほど」

と真姫は納得したといった顔で何度か頷く。この後、真姫は、そのウィザソーダーとの戦いを思い出す。

(なんかアンバランスな奴だったな)

ウィザソーダーは悪魔を思わせる頭部を持ち、体は西洋の甲冑を纏ったような姿をしていて、そして武器として日本刀を携える。
姿は西洋風だが武器が日本刀と言う部分が真姫には印象的だった。
なおその時、彼女は一人で戦ったのではなく、トオルと一緒で、ウィザソーダーも別の怪人と一緒だった。

(確か、こいつ、トオル君と因縁があるみたいだったけど)

更に真姫はラビリンスに関する情報を読み進めていく、するとモニターに黒いローブを纏い、
頭部はフードを深々とかぶった者の写真が映された。その姿ゆえに体格や顔は
わかりづらいが、かなりの長身である事はわかる。

「デスサイズ・・・・・コイツはあの時ウィザソーダーと一緒にいた奴ね。それと・・・・・」

モニターにある情報が映し出された

「アトラク・ナクア、通称A・N、諜報活動と暗殺を得意とする。その他詳細は不明か・・・・・」

すると、詩姫が

「真姫、知ってる?Gでそいつと直接会ったことがあるのは一人だけなの」
「そうなんですか」
「日本支部所属のエージェントで、あなたがよく知ってる人よ」

真姫は直ぐに、その人物に思い当たった。

13:48、ボード学園付近

さて、そのA・Nはと言うと、相変わらず京たちの監視を続けていた
そして、オブディアが、デルティーのルシファーズハンマーを跳ね返すところを見て
興味深そうな様子で

「戦う価値があるかも知れない」

と呟く。
その後の展開はと言うと、この後、京が仮面ライダーに変身し、ネームレス・スワローを撃破、
その様子を見たオブディアは撤退し、その後、京は元の姿に戻り地面に倒れる。
ここまでの様子を、監視していたA・Nは

(これ以上、収穫はないか・・・・・)

A・Nは、通信機で連絡をとる。

「こちらA・N、これ以上データは取れそうに無いので、監視を終了したいのですがよろしいでしょうか」

相手は

「構わないわ」

と答え

「これにて監視を終了します」

と返事をする。
後は、この場から撤収するだけである。ここで

「あっ・・・・・」

オブディアや京の方に集中するあまり、ギルティの事をすっかり忘れていた事に気づく
だが、とき既に遅く、ギルティは既にいなくなっていた。



16:23、蒼崎邸付近

神月トオルは一人で情報収集を行っていた。彼もまた、有力な情報が見つけられずにいた。
腕時計で時間を確認する。

「もうこんな時間か・・・・・・・・早くしないと」

夕刻が迫るにつれ、焦りが出てくる。夜になれば13号が本格的な活動を開始するのだから
突如彼は足を止め、懐から小さなブリキの缶を取り出す。蓋を開けると中はチョコ菓子が詰まっていて
それを、一つ取り出すと口に入れる。彼は甘い物好きでいつも甘いものを食べる事で
気持ちを落ち着ける
だが彼は、険しい顔で小刻みに震えながら食べていて、甘いものを食べているようには見えない。
食べ終わると、

「ふう・・・・」

と溜息をつき情報収集を再開する。その途中、彼はとある家を前にして再び足を止めた。

「ここは・・・・・・・・・」

そこには大きな日本家屋があった。表札には「蒼崎」と書かれている。そうここは志保の家だ。
そこを前にして、彼は強い懐かしさを感じ、彼は焦りも自分の任務さえも忘れた。
トオルは家の前に立つと、目を閉じ、何かを思い出す、そして目から一筋の涙がこぼれ

「師匠・・・・・・・・」

と呟く。

「あれ?トオル君」

突然、声をかけられ目を見開くトオル、この瞬間彼は一気に現実に戻された。
そして、声をした方を向くと、そこには、声の主である蒼崎佐由理の姿があった。

「やっぱりトオル君だ。久し振りじゃない」
「佐由理さん・・・・・・・・」

この時、佐由理はうれしそうな様子だが、トオルは困惑した様子だ
次の瞬間、トオルは逃げるように、その場から駆け出した

「えっ?」

突然の事に、佐由理は呆然となった。その後、彼女は鼻歌交じりに料理を作る幹也を見ているうちにこのときの事を忘れた。


16:27、中央公園付近

ローブを身に纏い深々とフードをかぶった長身の人物、即ちデスサイズが華枝たちを監視していた。
やがて、怪物の襲撃、仮面ライダーカブリエルの乱入、これらをデスサイズは黙々と監視を続けていた。
やがて華枝と命季の二人が逃げ出し、公園から出ていく

「・・・・・・・・・」

すると、デスサイズの傍らに、もう一体のデスサイズが姿を見せる。それは背格好がまったく同じのいわば分身である。
一体は、二人を追い、もう一体は、その場に残りカブリエルの監視を続けた。
この後、仮面ライダーネクスがネームレスを捕まえて、華枝の前から去った時も
同様に、分身が出現し、一体はネクスを追い、もう一体は華枝の監視を続けた。

17:27、中央公園付近

華枝は、先ほどまでの出来事が尾を引いているのか、唖然としたままで
デスサイズはその様子を監視していた。そこに通信が入る

「デスサイズ、どういうつもりなの?」
「ローレライ様・・・・・」

相手はローレライである。デスサイズは彼女の直属の部下だった

「ライダーの監視の方に分身を使うなんて・・・・・・」

カブリエルの監視を行っているのも、ネクスを追っているのも分身で
華枝を監視しているのが本体である。
デスサイズの分身は、同じ質量で同じ動き、さらには同じ気配を持っているため、
機械はおろか、特殊な力を持ってしても見破るのは不可能である。
でも絶対に見破れないわけではない。
それは、実は分身の方には幾つか本体に劣る部分があるからである。その一つが情報収集の能力であった。

「ライダーの監視のほうが優先事項のはずよ。どうして」

ローレライの問いに、デスサイズは、

「気になったから・・・・・」

と感情が入っていない声で淡々と答える。





19:07、十字路付近

志保が変身した姿、即ちフェイトは13号と対峙していた。
13号は異形の左手で攻撃するもフェイトの両手に短剣(双剣)が出現し片方で攻撃を受け止め

「何!」

そしてもう片方で、一瞬のうちに13号の体を切り裂いた。

「ギャアアアアアアアアアア」

切り付けられたその体から血が噴出し
13号は一瞬たじろぐが、すぐ体勢を整え、異形の左手で反撃する。
だが次の瞬間には、フェイトに左手を腕ごと切り落とされる。

「!」

凄まじい痛みに、悲鳴さえ出ない。

「クソ・・・・・・・・・・・・・」

13号は地面を蹴り、間合いを取る。
痛みと、それ以上の屈辱が13号を襲う。それゆえに恐怖は二の次となり
怒り感情でいっぱいとなる。それは13号に逃げるという選択を忘れさせた。
13号は口を大きく開きフェイトに向ける。口の中に炎が宿る。
フェイトの方は、双剣が消え、両腕にはガントレット。両足にはアンクレットが出現する。
そして、13号の口から火球が放たれる

「・・・・・・・・・・」

フェイトはそれを、拳で打ち消した。

「な!」

次の瞬間、フェイトは一気に間合いをつめ、そして、13号の体に無数のパンチを叩き込んだ。

「グガガガガガガガガガガ!」

そして、止めと言わんばかりにフェイトの回し蹴りが13号に炸裂する。

「グハ!」

路地の奥へと吹っ飛ぶ13号

(殺される・・・・・・)

ここに来て13号はフェイトに対し恐怖を覚えた。そのフェイトは、ゆっくりと13号へと近づく
背後は行き止まりで、少し前へ進めば曲がり角があるが、恐怖で前進できず
後ろの壁を飛び越えるだけの力も残っておらず、逃げ場はない。

(ここまでかよ・・・・・・)

その時、13号は側にマンホールがある事に気付く

「!」

13号は最後の力を振り絞って、蓋をこじ開け、中に飛び込んだ。
一方、フェイトは言うと、突然動きを止めたと思うと、変身が解け、フェイトは志保に戻る。
今までの状況を呆然と見ているだけ霧恵は志保に声をかけた。



気付くと、怪物の姿はなかった。

(私の中で何かがはじけた様な感じがして)

それからの事は、はっきりと覚えてはいない。何かをしていたような気がする

「蒼崎さん・・・・・・・」

黒召さんの声がする。私は、声の方を向き返事をしようとしたけど
体はうまく動かないし、声も出ない。
疲れのようなものが私の体を襲い、意識が遠のいていくのを感じ、
そのまま私の目の前は真っ暗となった。

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