第1章第4話「闇のつぶやき」


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今日は転校生が来る日。
晃輝は素直にツッコミたかった。

「……いや、なんで2-Aに転校生異常増加? 田中(仮名)とかが転校したり別のクラスになった原因って間違いなくこれだしな」

…だからと言って正直如何でもよかったわけだが。

どちらにしても妹にも優しく接してくれる奴が来てくれると嬉しいな、と妹馬鹿の彼は考えていた。

「で、毎度お馴染のフラグ建築家、列よ。お前としてはどんな転校生がいいんだ?」

クルリと晃輝は少し楽しそうに列へと顔を向ける。
話を振られるとは思っていなかった列は少し驚いた顔をするが直ぐに呆れたように晃輝を見た。

「なんだよ、その変なあだ名……。この間は『ミスター・フラグメン』とかわけわからない名前で呼んでたし。お前何か俺に恨みでもあるのか?」

変なあだ名はやめてほしい、そう呟く列だったが。
晃輝からすればそのあだ名が最も彼を説明できる名称なのだ、やめるつもりは今後ともないだろう。

「いや、しいて言うなら『楽しいから』だな。だいたいフラグとか言っても神歌と……なんでもない」

そのままとある人物の名前を言いそうになる晃輝だったが、
その当の本人が「行ったら殺す」と言わないばかりの殺意をもった目で睨んできたので言うのをやめておいた。

「で、冗談はさておいて。このご時世に転校生が大増加。なんかあるとお前は思わないのかよ」
「いや、そりゃなんかあるとは思うけどな。あんまり個人の事情に首を突っ込むわけにはいかないだろ」

全くの正論を言う列だったが晃輝からすれば「つまらない答え」でしかなかった。

「たく……。お前はたしか新聞部の部員なんだろ? マスコミ根性とかないのかよ」
「無いからな……そんな嫌な根性は」

ハハハと苦笑する列。列を見ながら笑う晃輝。そんな彼を他所に朝のHRが始まり転校生が紹介された………。

ちなみに第一印象はというと……。

『なんか不機嫌な不良』
『少し人見知り感がありそうな少女』
『性格がキツそうな女性』
『ごく平凡ぽい少年』

である。
特に彼が気になったのは人見知り感がありそうな少女と気にならないはずなのに気にある平凡ぽい少年だった。
……まぁ、後で話をすればいいか。と彼は思う事にして少女たちの自己紹介を聞くことにした。

一方。
そんな彼……晃輝の後ろで突然気配が現れた。
しかしそれは晃輝以外見えないようにしている存在。
自然の声にして地球を守護するために生まれた存在……闇の精霊『ギルファリアス』である。

その姿は悪魔の翼を生やした魔王というにふさわしい姿だった。
少なくとも気が弱い人が見れば竦み上がることは間違いない。そう考えれば今誰にも見えないのは良かったことなのだろう。

『ほぉ、中々に面白い奴等がいるな』

ックと口元を歪ませてギルファリアスは転校生達を見ながら呟く。

「(うぉ……ギルファリアスか。何度も言うけどいきなり喋るなよ)」

存在に気づいた晃輝は後ろを見ないがギルファリアス以外にいないと判断し念話で何時も注意していることをまた注意する。
次からしないでほしいと思うが、無駄だろうな。そう晃輝は思ってしまうほど今さらだった。

『ふっ、それは悪かった。次から気をつけよう』
「(お前それで今まで1~2回注意するだけで直ぐに忘れるよな?)」
『………気にするな』

図星を付かれたのだろう、彼はその姿を逃げるように消した。
晃輝は「逃げたか」と呟き再び転校生達の自己紹介を聞くことにした。



……そして逃げたギルファリアスはというと。屋上にいた。

『……っふ、真坂エウリュディケと繋がるものが来るとは。
蝕む者『ネームレス』を全て排除した後は晃輝にあることない事を教え駆逐してもらうか……』

そう呟きながら太陽へと手を向ける、透けている体は太陽の光を素通しするが彼には関係無かった。

『それに騎士団の一人に改造人間……コイツ等は別に放っておいても問題はないな…が』

彼は眼をつむる、映し出されるのは最後の晃輝曰く人見知り感がありそうな少女であった。

『……アレは……。作られた存在、だがその力はネクシアスと同等かもしれん。
いざという時『ネームレス』を排除するのに役立つかもしれんな……。晃輝には仲良くしておくように言っておくか……』

呟きながら彼は中等部の方へと顔を向ける。
そこには恐らく今も授業を受けている少女、命李がいるはずだ。
だが彼は命李ではなく彼女の中にいる存在を心配していた。

『……ネクシアス。お前が目を覚ます時が来たかもな……そしてその時が……』

再び太陽を…否。太陽ではない何かを睨む彼。

『……この全ての舞台の役者が集まった、継接ぎだらけの劇場から開幕のベルが鳴るのだろうな』

その呟きは誰にも聞こえることなく、ただ彼が再認識するだけだった。
即ち………『劇がそろそろ始まる』と……。





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