intertwine @ ウィキ
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ja
2011-04-30T09:18:08+09:00
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過去ログ第2章
https://w.atwiki.jp/intertwine/pages/143.html
ここは、リレー企画「仮面ライダーintertwine」に関することをいろいろ話し合ったことを保存しておく過去ログです。
章が次に移るたびにまとめておきます。
***仮面ライダーintertwine 第2章 筆記順
1番:イシス
2番:プラスマイナス
3番:岡島
4番:サイショ
5番:ユルカ
6番:空豆兄
7番:深優
- 2章が始まる前に、2章で自分のやりたい事をネタバレしない程度に宣言しておきます。それとなく話しておけば、そういう流れになるよう協力してもらえるかな・・・と期待して。 -- 空豆兄 (2009-11-18 09:01:26)
- 学園ではとりあえず、新聞部における問題を見せたいと思います。具体的には生徒会副会長の彼の登場です。彼の要求に対して、新聞部が揺れる、その為に独断で動く部長、それを助けるために動く列・・・という感じで -- 空豆兄 (2009-11-18 09:04:59)
- 華枝は吹奏楽部に見学へ。水美は学園の校門で生徒数を監視する怪しい人になっています。理由は・・・前回のオチから繋がる彼女なりの責任感というかw -- 空豆兄 (2009-11-18 09:26:36)
- 私も、空豆兄様と同じくやりたいことを宣言しておきます。 -- 深優 (2009-11-18 23:26:50)
- 学園では、緋色君が三日ぶりに登校します。素っ気なさと雰囲気はそのままで格好も制服を大幅に改造しており、上下の袖口がだぼだぼ状態になっており、季節的におかしい黒の厚着に肩にバイオリンケースを担いでいる怪しさです。 -- 深優 (2009-11-18 23:33:19)
- そのまま、吹奏楽部に仮入部し、一曲披露して華枝をいぶかしげに睨みつけて怖がらせます。 -- 深優 (2009-11-18 23:37:06)
- 後は、次章の中心新キャラに翻弄される為、その人物の行動に緋色以外の学園生を驚かせる予定。長くなりました失礼 -- 深優 (2009-11-18 23:41:27)
- 私は……京が晃輝も仮面ライダーだと確信して協力を申し出ようとしますが、なかなかうまくいきません……。 -- ユルカ (2009-11-19 07:23:18)
- 自分は華枝と話し辛くて逃げるようにする命李
2011-04-30T09:18:08+09:00
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第1章第1話「セブンズ・ペイン」
https://w.atwiki.jp/intertwine/pages/142.html
深優
満月が輝き、その光が屋敷の一室を淡く照らすある夜のこと。
「パパ!パパっ!今日は何して遊ぶですの!?」
新たにこの屋敷の住人となった正体不明の少女シェネスは、
すりこみで親と認識した緋色と共に部屋にいる。
既に、壁から天井まで訳の分からない抽象絵で埋め尽くされているのは、
彼女の精神的幼さと寂しさを紛らわす代償行為である。
そんな彼女は、目をきらきらさせてベットの中にいる。
「良い子はもう寝る時間だ。」
無論、緋色はそれをしらないし興味がない。
今、この場にいることだって所詮、双子の姉である葵に頼まれたからだ。
仕方なしと言う感じに、部屋にあったソファーに座る。
「うぅ~、お昼寝いっぱいしたから眠たくないですの!」
シェネスは、頬を膨らませて上目遣いで緋色を見つめる。
「そういうことなら、姉さんに構ってもらえ。」
緋色は、めんどくさそうに吐き捨てる。
「あ~ちゃんは、まだ子供だからおねむの時間ですの。
それに、今日はパパと一緒にいたいですの。」
あ~ちゃんとは、もちろんのことながら葵の事である。
双子のはずなのに、子供に子供扱いされる葵はまあ見た目と普段の行動の行いだろう。
「それで?何をするんだ?トランプも花札もTVゲームも、
勝てないからすねるじゃないか?」
緋色も緋色で子供相手に手加減を一切しないのだから
子供といえば子供である。
「うぅ、・・・・じゃあ、お話しして!」
シェネスは、ひとしきり考えたようなそぶりをすると、
閃いたように、手を叩きながら言う。
「話?ならその辺から何か本でも持ってくる・・・。」
そういうと、部屋からでようとする。
こういった場合、本を読むのは緋色ではなく、
フラウディアにたのみ彼女がが本を読む役目になっている。
「駄目ですの!!パパはいつもそうやって逃げますの!
それに、ここにある本は全部読んで覚えていますの!」
そのパターンを流石に覚えているシェネスはそれを許すわけがなかった。
それと、彼女の言ったことは事実そうである。
この屋敷にある童話から
2011-02-13T18:37:29+09:00
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第1章第1話「」
https://w.atwiki.jp/intertwine/pages/141.html
深優
満月が輝き、その光が屋敷の一室を淡く照らすある夜のこと。
「パパ!パパっ!今日は何して遊ぶですの!?」
新たにこの屋敷の住人となった正体不明の少女シェネスは、
すりこみで親と認識した緋色と共に部屋にいる。
既に、壁から天井まで訳の分からない抽象絵で埋め尽くされているのは、
彼女の精神的幼さと寂しさを紛らわす代償行為である。
そんな彼女は、目をきらきらさせてベットの中にいる。
「良い子はもう寝る時間だ。」
無論、緋色はそれをしらないし興味がない。
今、この場にいることだって所詮、双子の姉である葵に頼まれたからだ。
仕方なしと言う感じに、部屋にあったソファーに座る。
「うぅ~、お昼寝いっぱいしたから眠たくないですの!」
シェネスは、頬を膨らませて上目遣いで緋色を見つめる。
「そういうことなら、姉さんに構ってもらえ。」
緋色は、めんどくさそうに吐き捨てる。
「あ~ちゃんは、まだ子供だからおねむの時間ですの。
それに、今日はパパと一緒にいたいですの。」
あ~ちゃんとは、もちろんのことながら葵の事である。
双子のはずなのに、子供に子供扱いされる葵はまあ見た目と普段の行動の行いだろう。
「それで?何をするんだ?トランプも花札もTVゲームも、
勝てないからすねるじゃないか?」
緋色も緋色で子供相手に手加減を一切しないのだから
子供といえば子供である。
「うぅ、・・・・じゃあ、お話しして!」
シェネスは、ひとしきり考えたようなそぶりをすると、
閃いたように、手を叩きながら言う。
「話?ならその辺から何か本でも持ってくる・・・。」
そういうと、部屋からでようとする。
こういった場合、本を読むのは緋色ではなく、
フラウディアにたのみ彼女がが本を読む役目になっている。
「駄目ですの!!パパはいつもそうやって逃げますの!
それに、ここにある本は全部読んで覚えていますの!」
そのパターンを流石に覚えているシェネスはそれを許すわけがなかった。
それと、彼女の言ったことは事実そうである。
この屋敷にある童話からはたまた彼女の興味は別として厳重に管理されてる機密文章まで
彼女は、既に「記憶」しているのだ。
シェネスとしては、ただ緋色と一緒にい
2011-02-13T18:33:49+09:00
1297589629
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外伝
https://w.atwiki.jp/intertwine/pages/140.html
**外伝 バックナンバー
[[第1章第1話「セブンズ・ペイン」]]
[[第1章第2話「」]]
[[第1章第3話「」]]
[[第1章第4話「」]]
[[第1章第5話「」]]
[[第1章第6話「」]]
[[第1章第7話「」]]
[[第1章第8話「」]]
[[第1章第9話「」]]
[[第1章第10話「」]]
[[第1章第11話「」]]
[[第1章第12話「」]]
[[第1章第13話「」]]
[[第1章第14話「」]]
[[第1章第15話「」]]
[[第1章第16話「」]]
[[第1章第17話「」]]
[[第1章第18話「」]]
[[第1章第19話「」]]
[[第1章第20話「」]]
[[第1章第21話「」]]
[[第1章第22話「」]]
[[第1章第23話「」]]
[[第1章第24話「」]]
[[第1章第25話「」]]
[[第1章第26話「」]]
[[第1章第27話「」]]
[[第1章第28話「」]]
[[第1章第29話「」]]
[[第1章第30話「」]]
[[第1章第31話「」]]
[[第1章第32話「」]]
[[第1章第33話「」]]
[[第1章第34話「」]]
[[第1章第35話「」]]
2011-02-13T18:35:14+09:00
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第2章第16話「世界を蝕む病」
https://w.atwiki.jp/intertwine/pages/139.html
AM.08:50 繁華街
早朝の繁華街は一瞬にして地獄へと変貌を遂げ、漆黒の異形は群れを成して際限なく押し寄せる。
さらにそれと戦い続ける三者の姿。
その光景を近すぎず、そして遠すぎない距離にあるビルの屋上から観察する女の姿があった。
その女の名はアリス。地面に達するほど長い金髪と漆黒の服装をした容姿端麗な美女だ。
しかしその表情は驚くほど冷たく、人間らしい温かみをまったく感じさせない。「氷のような」という表現がこれほど納得できるのも珍しい。
アリスの視線はただ一つ。漆黒の異形、キャンサーにのみ集中している。
キャンサーの行動は実にシンプルなものだった。
対象目掛けて前進、攻撃。これだけである。既に数え切れないほどのキャンサーが繁華街の通りを蠢いているが、その全てがこのパターンを繰り返している。
たった一匹の例外も無く、動きに乱れが無い。
その完璧なまでの動きは、どこか滑稽でもあり同時に不気味でもあった。
「こんな所で貴女に会えるなんて驚きですね、Dr.アリス」
後ろから声をかけられ、アリスは振り返る。しかし表情は無関心かつ無気力といった具合だ。
そんなアリスを見て、声の主の表情が逆に強張る。声の主は意外な人物だった。
ラビリンス首領。
早朝からある目的の為に外出していた彼女は、偶然にも刹那を見かけ、なおかつ今回の騒動に遭遇したのだ。
そして興味本位で刹那の跡を追い、これまた偶然にも戦況を見守るアリスを発見し声をかけた。という次第である。
「何でも屋さんが私に何の用かしら?」
アリスはやはり無関心そうな声でラビリンス首領に話しかける。彼女もラビリンスやラビリンス首領の事は知っていた。裏社会よりも深い部分、“闇社会”とでも言えばよいのか、そういった世界の住民は広く情報を収集しているものである。
尤も、情報を集めたのは彼女の配下である異能怪人たちで、アリス自身はラビリンスには微塵の興味も無い。ただ以前にラビリンスの技術を研究した事があり、その時に資料に眼を通した事があった。故にアリスはラビリンスを膨大な知識の片隅に置いているのだ。
ラビリンス首領からすれば、これは意外だったようだ。
「ふふふ…私共の組織をご存知とは光栄です。貴女のお噂もよく耳に入りますわ、Dr.アリス」
「…………」
2010-07-03T01:33:15+09:00
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第2章第17話「慌ただしき人々」
https://w.atwiki.jp/intertwine/pages/138.html
執筆者:岡島
8:40 繁華街付近
現在、Gのエージェントは二手に別れて13号の探索を開始していた。
一方は、13号が逃げたと思われる下水道での探索、もう一方は13号が地上に出ている
可能性からの地上での探索である。もっとも下水道での探索の方に人手が割かれており
地上での探索を行っているエージェントは少ない
その中に神月トオルの姿があった。彼は最初の探索の際に、下水道で倒れたこともあり
以降、地下で探索する事もあったが、地上での探索を中心としていた。
そして現在、トオルは繁華街の付近に居たのだが、突然、彼は足を止めた。
(この感じは・・・・・)
突然、得体のしれない、いやな感じが彼を襲う
(まずい)
そう思った、次の瞬間、遠くで爆発音がしたかと思うと、しばらくして多くに人々が、
ちょうど繁華街の方から恐怖で顔を歪めながら、ちょうどトオルのいる辺りに向かってきた。
「まさか13号か、いや違うか・・・・・・・」
だが異常事態が起きていることには間違いはない。トオルはポケットからベルトのバックルの様なものを取り出しつつ
通信機で支部に連絡を取りながら、逃げる人々とは逆の方向、
何かが起きていると思われる場所、すなわち繁華街へ向かっていく。
8:50 G本部管轄地支部、作戦室
作戦室と呼ばれる部屋は、各種情報が映し出される巨大なモニターが備えつかられ
数人のオペレーターが常駐しており、ここでエージェントの後方支援が行われる。
また指揮官であるアリシアもこの部屋で指揮を執っている
そして現在、トオルを含む数人のエージェントから繁華街での異変ついての連絡が入ってきていた。
「13号でしょうか?」
オペレーターが言うと、アリシアは、冷静に
「いや、今の時間だと13号は変身できないはずよ。それにこれまでの彼女の傾向だと
変身が出来ない状況で、こんな騒ぎを起こした事はない」
「それでは・・・・・」
「もしかしたら、未確認の怪物の可能性もあるわね」
しばらくしてエージェント達から繁華街の惨憺たる状況が伝わってくる
「これは、無視できないわね」
とアリシアは冷静な口調で言う。そしてオペレーターの一人が
「現在、現場に向かったエージェントは独自に動いて
2010-06-18T22:20:15+09:00
1276867215
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第2章第15話「暴れまわれ、沖島 八雲!」
https://w.atwiki.jp/intertwine/pages/137.html
作:イシス
AM8:48 路地裏
混沌とした繁華街から離れ、黒衣の麗人は一人路地裏を行く。奥に進むにつれ、街の喧騒も遠ざかっていく。
辺りは塵が撒き散らされ、腐臭を放つ。誰であろうと好き好んでこんな所に来ようなど思いはしまい。だが、
“暗殺者”は不快感を表に出さず、まるで意にも介していないかのように歩を進める。
路地裏は駐車場に繋がっていた。“暗殺者”は回り道でここに来たが、実はここは通りを一つ抜ければすぐ街と
繋がっている為、ここまで走って逃げてくることは可能だ。しかし、騒ぎがかつてなく恐怖心を煽るもので
あった為か、ここまで来て車で逃走するという者はあまりいなかったのだろう。何台もの車がここに停められた
ままになっている。
いや、実際はここまで命からがら逃れてきた者もいた。ただ、逃げた先も死地だったのだ。
「ごきげんよう。」
『ブルルルル・・・・・・』
“暗殺者”が艶めかしい笑みを向けたのは、一目見て怪物と分かるそれだった。
身の丈は2m近く、異様に盛り上がった筋肉がさらに怪物の巨大さを引き立てる。怪物の頭部は馬に近い形状を
しており、全身からは群青の泡が湧き立っては消えてを繰り返す。“暗殺者”ら“騎士団”の追う宿敵たる
“タンタロス”特有の性質だ。
「・・・・・・」
“暗殺者”は馬の怪物、ホースタンタロスの足元に視線を移す。そこには何者かの衣服が散乱していた。
恐らく、ここまで逃げた所で“タンタロス”に襲われ、命を落とした。そんな所だろう。
哀れなものだと、“暗殺者”は思う。理解できない事件に巻き込まれ、助かりたい一心で必死に逃げて、結局、
逃げた先で最期を迎えてしまった。きっと何一つ理解できないまま、そんな終わりしかこの何者かは迎え
られなかったから、哀れなものだと、“暗殺者”は思う。
だが、それ以上の感情は芽生えない。人間に理不尽な死を齎す怪物への怒りに燃える心といった、青臭いものを
彼女は持ち合わせていない。彼女にとってそういった出来事は、“不運だった”の一言で片づけられる。
そういう点では、“暗殺者”、ミシェル・フェオニールは非常に淡白である。
必要なのは、怪物が人間を殺めた事実。“騎士団”が守ろうとする“秩序の安定”には、人間が必要不
2010-05-17T22:57:42+09:00
1274104662
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第2章第14話「父と娘と」
https://w.atwiki.jp/intertwine/pages/136.html
執筆者 深優
AM11:30 白姫邸・リビング
煌びやかな装飾品や明るく辺りを照らすシャンデリアに広々としたリビングに
無数の切り取られた画用紙に、クレヨンで描かれた犬や猫の絵が無数に散乱されていた。
無論、それを描いた本人しかそれが犬か猫か分からないというのが現状だ。
「ふ~ちゃん!ふ~ちゃん!」
その絵の中の中心で絵を描いていたフラウディアとお揃いのメイド服を着ている
シェネス・V(ヴェッター)・白鷺は、
つまらないといった面持ちで誰かを呼ぶ。
無論、彼女の言う「ふ~ちゃん」とはフラウディアであるが。
「いかがいたしましたか?シェネス様」
フラウディアは、床の掃除をしていたのかポモップを携えながら呼び声に直ぐさま現れる。
「ふ~ちゃん!パパはどこにいったの?」
シェネスは、頬を膨らませながらふて腐れているようだ。
その光景はさながら幼子その物だ。
「ですから、先ほども言いましたが「学校」という所に行かれていますよ。」
フラウは、シェネスの目線まで腰を落として言う。
腰を下ろしたフラウの興味は、周囲に散らかされたシェネスの描いた絵にあった。
その子供ながらの歪な絵は、彼女にとって興味深かった。
なぜなら、フラウディア自身が絵を描くとその桃の特徴を正確に捉え、
写真のような絵なる。構造は異なるが同じ人ではないシェネスがそのような人と同じ抽象的なものをかけることが不思議でしょうがなかった。
「なら、ネェスも「学校」にいく!」
「いけません。・・・緋色様も帰ってくるまでいい子で待っているように
いっていましたでしょ?」
フラウディアは直ぐに思考を切り替え、やさしくシェネスに言う。
「うぅぅ・・・。」
シェネスは何か納得をしていない顔をしているが、緋色の名前を出されると何もいえないようだ。
「ですから、もう少々お待ちください。
・・・少し早いですがもうお昼にしましょう。」
フラウディアは、そういうと部屋から出た。
無論、彼女が作るわけでもなく緋色が作っていった作り置きを暖め直すだけだが・・。
「うぅぅ・・・あ、でも。ちょっとだけ見に行く位なら大丈夫だと想いますの!
・・・・でも、普通にいったらばれて
2010-05-17T22:17:51+09:00
1274102271
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第2章第13話「八枷 庵という男」
https://w.atwiki.jp/intertwine/pages/135.html
作者:空豆兄
AM 8:48 繁華街
朝の繁華街で、漆黒の異形たちと戦いを続ける三者。
次々と現れる際限なしの軍勢を、歓喜とも取れる感情を込めて排除する黒い仮面の戦士。
これまた歓喜・・・・というか本当に嬉しそうにぽこじゃか敵をなぎ倒す重装甲の仮面の戦士。
そしてあと一人。
黒いコートにその巨躯を隠し、ただ腕を振り回すだけで異形を粉砕する男。
動きは鈍重ながらも、その一撃必殺の攻撃に次々と異形は数を減らしていく。
だがその異形の軍勢は異常だった。
単体では敵わないと分かると、それ以上の数を以って対象を排除しようと襲い掛かる。
しかもその対象の攻撃が自分を一撃で葬り去ると分かっていても、なお愚直に前進を繰り返すのだ。
(一体一体ハ非力・・・。シカシコレデハキリガナイ。)
大男は思案をめぐらす。
この場に異形と敵対する勢力は自分含め三人。
しかし連中は他の事など眼中にない様子で、協力を申し出ても無駄な事が安易に予想できた。
(・・・・・・・・・・。)
大男は自身の右腕を見る。
この中に仕込まれた巨大な「破壊の力」を。
だが。
(撃ツ訳ニハイカナイ・・・。)
大男は躊躇う。その腕の力を使う事を。
なぜならその力はあまりに大きすぎ、この周囲をあっけなく巻き込んでしまうからだ。
商店は燃え、砕かれ、道路も抉られ、戦争でも始まったのかと思わせるような惨事が起こる。
無関係な人々の生活基盤が失われる。
・・・幸せが失われる。
それは・・・大男の「マスター」であるあの小さな少女が最も恐れる事。
大男はなおも戦いを続けた。
少女と交わした「約束」を守るために。
そして当然の結果として、バラバラに戦う三人は、その圧倒的な数の前に徐々に追い詰められていく・・・。
PM15:29 放課後、ボード学園 部活棟
「よかったの・・・?華枝ちゃん。」
「え?」
私の隣を歩く親友の命李ちゃんは、遠慮がちに話しかける。
「だって、キャナ☆さんの約束・・・。」
「ああ・・・。」
放課後、本当は私は、今日復学したアイドルの"キャナ☆"ちゃんと私の部活である演劇部に行く約束をしていた。
でも・・・・
2010-05-17T22:17:19+09:00
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第2章第12話「もうとっくに、覚悟は出来ていた」
https://w.atwiki.jp/intertwine/pages/134.html
執筆者:ユルカ
PM16:19 某超高層ビル屋上
「あの……何時になったら動くのでしょうか?」
『まだよ、揺らぎが見えないのよ。もうちょっと待って』
オブディアがDr.レッドリリーと通信をしている。
15:00に動くはずだった。
しかしながら、待ったをかけられてしまい、今に至る。
そもそも、最初の目的であったSB社製のライダー及び、BOARDのライダーは、15:00には学園にいなかった。
そのため、目的を大幅に変更し、シグマ狙いで行くことになったのだ。
なんて本末転倒なのだろう!!
「そうは言っても、もう1時間20分も待たされたのです。私はもう待てません!」
『ええ、待った甲斐はありそうよ。揺らぎが見えたわ。ボード学園の屋上よ』
「オブディア、参る!」
オブディアはそう言って、ボード学園の屋上へと降り立った。
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PM16:20 ボード学園屋上
私も帰ろうかなと、考えていた時だった。
突然、空から人が降りてきた。
「あ……!!」
「我が主の命により志熊 京、貴様を排除しに来た」
私の前にあのオブディアが立っていた。
「っ……!」
「貴様が揺らいだのは分かっていた。今の貴様では私には勝てまい」
「揺らいだ……!?」
―心が揺らいだら、勝てない……!?
―いや……。
「確かに、心は揺らいだ」
―けどね。
「もうとっくに覚悟は出来ていたんだよ」
―だから、負けない。
―絶対に!
右腕を斜めに上げ、Σの形に手を動かし、
既に左腰に添えてあった左腕に右腕を重ね、京は叫んだ。
「変身!!」
右腕を右腰へと動かし、京の姿が変わる。
翠色の体色をした仮面ライダー。仮面ライダーシグマである。
「変身……!」
オブディアもライダーの姿へと変わる。
「オブディア、私はあなたに勝つ!」
「やれるものならば、やってみるがいい!!」
2010-04-15T20:30:35+09:00
1271331035