国私立高校が都立進学指導重点校に大学合格実績で勝てない理由

難関大学合格力は「進学指導重点校>>国私立進学校」

 難関大学進学実績が著しく伸びていることから、都立の進学指導重点校が今脚光を浴びています。進学指導重点校とは、都立日比谷高校、都立西高校、都立国立高校の都立トップ校のほかに、八王子東高校、戸山高校、立川高校、青山高校が指定されています。これらの7校の大学進学実績向上率は全国トップクラスです。『サンデー毎日』という雑誌が企画した「10年で伸びた高校」特集では、すべての進学指導重点校がランクインして、日比谷高校は第一位を獲得しています。

 2010年は過去最高の合格実績をあげる都立高校が続出しました。特に日比谷高校は、東大・京大への現役進学率で東京学芸大学附属高校を上回り、合格者数でも筑波大学附属高校を抜いて、共学トップとなりました。ある新聞が「国立や私立の難関高校は、高校から入っても東大や医学部にほとんど合格しないのに、高校からしかない日比谷が伸びるのはなぜか」と記事で疑問を呈しました。

 有名な事実ですが、首都圏で東大に多く合格者を出す国私立高校は、最難関大学合格者のほとんどを中高一貫生に頼っていて、高校入学者はお荷物状態というのが現状です。国私立高校に高校から入ると、なぜか学力が伸び悩み、高校入学者の実績は進学指導重点校にまったく敵わなくなります。なぜ、進学指導重点校だけが伸びるのでしょうか。 

3年間で伸ばすカリキュラムが整っているのは進学指導重点校だけ

 トップクラスの合格実績を残している進学校で比較したとき、3年間で学力を伸ばすカリキュラムを整え、ノウハウを蓄積しているのは、都立進学指導重点校だけです。国立や私立の高校は、中高一貫生に傾斜していて、中高一貫の6年間教育に力を注いでいます。いっぽうで、高校から入学した子は無理して中高一貫カリキュラムに合わされます。これにアレルギー反応が起きて、高校入学者が伸びないのです。

 進学指導重点校は、高校受験で入学した生徒を3年間でトップレベルにまで伸ばすノウハウを持っています。そして、年々それを蓄積しています。これが、進学指導重点校と国私立高校の高入で入学後に差が広がる理由です。

行事も部活も日常の学校生活も、中高一貫校の高入より進学指導重点校

 進学指導重点校が優れている点は、大学受験に向けたカリキュラムだけではありません。行事や部活動、日常の高校生活も、国私立高校の高校入学よりも、附属中学校を持たない進学指導重点校のほうが良いといえます。高校生活というのは、全員が新たな環境で、同じ条件のもと一斉スタートするのが普通です。進学指導重点校には、近年の東京都内の国私立高校では実現できない、全員一斉スタートという当たり前の環境があるということです。

教員公募制で集まるトップクラスの実力派教師陣

 進学指導重点校の良さの一つが、トップクラスの指導力を持った優秀な教員が集まっていることです。進学指導重点校は各校が独自の教員公募制によって優秀な教員を選抜し、合格した教員のみを配置しています。進学指導重点校の教員レベルの高さが評判なのは、そういう理由があるのです。

都立進学指導重点校一覧

都立日比谷高校(千代田区)・・・府立一中が前身の日本が誇る名門校

都立西高校(杉並区)・・・文武二道で有名な東京最難関校

都立国立高校(国立市)・・・国高祭で有名な多摩地区最難関校

都立八王子東高校(八王子市)

都立戸山高校(新宿区)

都立立川高校(立川市)

都立青山高校(渋谷区)

 学校名をクリックすると、高校受験君の学校情報コーナーに移動するよ!都立トップ校を目指す君は、今から猛勉強だ!

最終更新:2010年04月07日 14:33