5スレ目(レス抽出暫定)

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<div class="title"> </div> <p> </p> <div class="header"><span class="no"><a>13</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 19:46:10.38 ID:WuCu4FE0</span></div> <div class="mes"><a href="#1">&gt;&gt;1</a><br /> 乙!<br /> ゆっくりおやすみ<br /> いつもありがとうございます</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>29</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 21:13:12.86 ID:WuCu4FE0</span></p> </div> <div class="mes">前スレ<a href="#1000">&gt;&gt;1000</a>が全部と言ったので全部織り交ぜながら書いてみる<br /><br /><br /> 20歳は成人式というものがあるらしい。<br /> だがしかし、そんなものには全く興味がなかった私は、成人式よりもお祝いがもらえる事が楽しみだった。<br /> 親戚もほとんどいなかったけど、母ちゃんと兄がくれると言ってたので、もらったらすぐ貯金箱にいれようと思っていた。<br /> 確かこの時、20歳を迎える直前で、結構大きなスパンで貯金をする事にチャレンジしていたので、少しでもお金を貯めたかった。<br /> 何を買おうとしてたかって?まぐろの頭だよ。<br /> 20歳の女が買うもんじゃねーよwwwwと、今なら思うけど、当時は本気で欲しかったんだ。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>41</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 21:18:58.02 ID:WuCu4FE0</span></p> </div> <div class="mes">とにかく大きなまぐろの頭が欲しくて、予算3万円、月々3000円の10カ月スパンを考えていた。<br /> 仕事も楽しかったし、とにかくたくさん店にいたかった。<br /> トレーナーが、「あんたもうすぐ成人式だから、成人式用のバッグを買ってやる」と言ってくれた。そんなもんいらないからお金下さいと言ったら、「あんたは、変わったけど変わってなくていいねww」と返された。<br /> きっとトレーナーからしたら、どっかのDQNを更生させた気分だったんだろう。いや、それもあながち間違っていないけどさ。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>47</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 21:23:55.12 ID:WuCu4FE0</span></p> </div> <div class="mes"><a href="#34">&gt;&gt;34</a><br /> ピンからキリまでって言葉がぴったりの食材だよな<br /> 下は1000円、上は10万円くらいするのもあるぜ<br /><br /><br /> 2年間いた店に凄く愛着がわいてたし、売上が悪いとトレーナーと一緒になって落ち込んだ。<br /> たかが2年間だけど、私にとってこの2年間はただバイトをしての2年間じゃないからな。思い入れが半端なかった。<br /> ある日、新規っで始めるフェアのポスターをパートさん達で手作りしようという話になった。もちろん本社からポスター買えば済む話なんだけど、経費削減とかいって、みんなで作る事になった。<br /> チェーン店だと、メニュー表とかポスターを手作りしている店は多い。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>50</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 21:29:28.52 ID:WuCu4FE0</span></p> </div> <div class="mes">ポスターは全部で2枚。1枚はトレーナーが描いて、もう一枚はパートの誰かが描く事になった。<br /> しかしおばちゃん連中、誰も書いてこようとしない。<br /> 「うちは孫が来てるから駄目」とか「子供がいたずらしちゃうかもしれないから」とか言って、ポスター作りを嫌がっていた。<br /> 見かねた浅見さんが「私がやるからいい」と言ってポスター用の白い紙をふんだくった。明らかに不機嫌な浅見さんにトレーナーがこっそりと「悪いね、ちょっと手当付けるからさ」と伝えた。<br /> だから「お金出るならやります」と言って、浅見さんから白いポスター用紙を受け取った。<br /> 絵を描くのは嫌いじゃないし、何よりもお金が増えればまぐろの頭が早く手に入ると思ったからだ。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>56</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 21:34:23.99 ID:WuCu4FE0</span></p> </div> <div class="mes">パー速重くて泣きそう<br /><br /><br /> 家に帰ってから描き始めてみたら、意外と夢中になった。<br /> 学生の頃から、図画工作や学級新聞とか、作文とか大好きだったからな。得意とは言わないが。<br /> 一日で描き終えてしまい、翌日すぐにトレーナーに提出したら、トレーナーが驚いてた。「あんたこれ一日で描いたの?」というので、そうですと返事したら、トレーナーは私はポスター作りの才能があると褒めてくれた。<br /> パートの人もみんな褒めてくれた。トレーナーが、「また追加で手当て出すから、新しいメニュー表も作って」と言った。<br /> お金がもらえるなら何でもやるので、これも一日で作った。また褒めてもらった。物作りが得意なのかもしれないと思った。</div> <p> </p> <div class="header"><span class="no"><a>63</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 21:40:28.45 ID:WuCu4FE0</span></div> <div class="mes"> 時系列がぐちゃぐちゃで申し訳ないが、妹が中学校に入学する時、体操着袋が欲しいと言ったが、気に行ったものが見つからず、くりくりと描いたイラストを見せて「お姉ちゃん、こんなの欲しいんだけどないかな?」と聞いてきた。<br /> なんか花のポケットがついたかわいいやつだったけど、これとまるっきり同じものはどう考えてもないだろうと思ったので、安い生地を買ってきて作ってみた。<br /> 裁縫なんかしらなかったし、型紙?縫い代?なにそれおいしいの?状態だったくせに、自画自賛できるくらいの物は作れた。<br /> 頭で想像した物をそのまま形にする事は得意だった。てっきり何の取り柄もないと思っていたが、意外な所で取り柄を発見した訳だ。<br /><br /> 母ちゃんが珍しく店に買い物に来た。<br /> トレーナーに挨拶をして、私が作ったポスターとメニュー表を見ていた。<br /> 寿司を買って帰った母ちゃん。家に帰ってその寿司を一緒に食べながら、母ちゃんはオヤジの話をし始めた。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>65</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 21:43:54.17 ID:WuCu4FE0</span></p> </div> <div class="mes">私は、オヤジによく似ているらしい。<br /> オヤジも勉強さえできなかったが、一時期絵描きを目指して大学まで進んだらしい。<br /> 何がきっかけで大学を辞めて、あんな詐欺まがいな営業職についたのかまでは母ちゃんは話さなかったけど、「あんたがオヤジの血を引き継いでくれて嬉しい」と言っていた。<br /> あんなオヤジに似てるなんて絶対に嫌だったので、私の方が立派だよ、貯金してるじゃんと反論した。母ちゃんは、「オヤジの良い所だけを引き継いでくれたっていう意味だよww」と言ってた。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>71</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 21:47:19.98 ID:WuCu4FE0</span></p> </div> <div class="mes"> オヤジの話を聞くと私があからさまに嫌な顔をするので、いつからか母ちゃんも妹もオヤジの話はしなくなっていたのに。なぜ今そんな話をするのかと思っていたら、妹も入学したし、あんたも成人するし、兄も就職出来た。その記念に家族写真を撮りたいんだと言っていた。もちろんオヤジも一緒に。<br /> オヤジ抜きなら撮ってもいいけど、オヤジがいるなら嫌だと言った。母ちゃんはそれ以上何も言わなかった。</div> <p> </p> <div class="header"><span class="no"><a>73</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 21:53:14.64 ID:WuCu4FE0</span></div> <div class="mes"><a href="#70">&gt;&gt;70</a><br /> 西原って誰?<br /><br /><br /> ある日、母ちゃんに連れられて着物屋さんに出かけた。成人式用の着物を見に来たらしい。<br /> 成人式なんか出ないし、そんなもん出るくらいなら働きたいし、成人式の日は寿司屋めちゃくちゃ忙しいからな。休んでいられない、とわめく私を無視して、母ちゃんは着物屋さんの店員と話をしていた。<br /> 母ちゃんは、「これから一生、クズ子から何の親孝行もいらないから、お願いだから成人式だけはきちんと迎えてほしい」と言った。<br /> 母ちゃんが20歳の頃、母ちゃんの母ちゃん(私のばあちゃんだね)は、成人式なんか贅沢な人が迎える事だといって支度をしてもらえなかったらしい。そこで母ちゃんは、自分でアルバイトをして着物を用意したんだと。<br /> でも、みんな家族を連れて着物屋さんに来てるのに、自分は一人だけで凄く寂しかったと言っていた。<br /><br /> 母ちゃんは、20歳の頃に、絶対自分に娘が出来たらとびっきり良い着物を着せてあげよう!と決めたらしい。<br /> 「母ちゃんの夢を押しつけて申し訳ないけど、お願い」と言われた。<br /> 母ちゃんの、そんな悲しそうな顔を見るのが嫌だったので、しぶしぶOKした。ほとんど乗り気ではなかったけど。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>77</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 21:58:46.11 ID:WuCu4FE0</span></p> </div> <div class="mes"> 赤とかピンクとか青とか、よく見かけるような着物は嫌だと思った。なので、「一番珍しい着物がいいです」と店員に伝えたら、店員は苦笑いしていた。<br /> 黒や紫じゃ、私の無愛想顔ではまるっきり“あっち”の人にみえてしまう。<br /> だからといって、体が小さいので明るい色も似合わない。<br /> そこで母ちゃんが提案したのが、白い着物だった。白い着物に花の柄が入ってるやつ。<br /> 試着したらなかなか綺麗だったので「これがいい」と言ったら、母ちゃんはバッグから封筒を出した。封筒の中身は、間違いなく札だろう。<br /> 現金一括払いかよ、というか、レンタルじゃなくて購入する事にしていた事に驚いた。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>88</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 22:05:32.17 ID:WuCu4FE0</span></p> </div> <div class="mes"><a href="#76">&gt;&gt;76</a><br /> 子供の頃は家族と一緒がよくても、思春期迎えれば嫌になってくるだろ<br /> そんな心境変化だね<br /><br /><br /> 着物も帯もかんざしも、まとめて全部現金払い。<br /> カウンターで、どさっとおかれた現金に目がくらみそうだった。<br /><br /> 帰りの車の中で、あのお金は、ずっと昔から私の成人式の着物を作るために貯めていたお金だったと教えてもらった。<br /> 「あんたが今やってるまぐろ貯金と同じだよ」と言っていた。<br /> 今はまた妹の着物貯金もしているらしい。<br /> 私はまぐり貯金しかしていないけど、母ちゃんはいくつも貯金しているようだ。<br /> 「何貯金があるの?」と聞いても教えてくれなかったけど、少なからず、自分のためにしている貯金なんかほとんどないんだろうなと思った。<br /> 私は将来母親になっても、母ちゃんほど子供に愛をそそぐ自信がない。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>95</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 22:14:14.55 ID:WuCu4FE0</span></p> </div> <div class="mes">西原さんの事教えてくれた人ありがとう<br /><br /><a href="#78">&gt;&gt;78</a><br /> 今というか、昔から家では眼鏡、外ではコンタクト使ってる。<br /> ちなみに今もPC打ちながら眼鏡<br /><br /><br /> トレーナーに母ちゃんに着物を作ってもらったという話をしたら、トレーナーと、あともう一人一緒にシフトで入っていたおばちゃんが、「今時着物作ってくれるお母さんなかなかいないよ」と言った。<br /> どうせ人生で着る回数なんか限られているし、そんなもんに何十万もかけてくれる親はなかなかいないんだと。あんたは幸せ者だと言われた。正直嬉しいと思った。今も昔も、母ちゃんが褒められると嬉しくなる。<br /><br /><br /> またある日に家に帰ったら、妹が泣いていた。どうかしたのかと聞いたら、家が壊されると聞いた。<br /> 前に住んでいた家だが、もうオヤジもいないし、所詮土地の権利はオヤジの親戚がもっているので、ついに取り壊されて駐車場になるらしい。<br /> 法的手続きを取ったあとだからヤクザが来るという事もないだろうが、建物があるだけで物騒だとか何とか近所の人にも言われたんだと。</div> <p> </p> <div class="header"><span class="no"><a>100</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 22:26:52.18 ID:WuCu4FE0</span></div> <div class="mes">うわまた消えたしほんとだめだ専用ブラジャーならきえないのかよちくしょうF5め妊娠させなきゃわからないのかよちくしょう<br /><br /><br /><br /> 数日後に家を見に行くと、すでに家の原型がなかった。<br /> うっわwwwwwwwwやべぇよwwwwまじねえよwwwwwwwwwwと半分パニックになったのですぐに家へ帰った。<br /> ここから数日後に、母ちゃんと妹と3人で不動産屋へ行く話に繋がる。時系列めちゃくちゃでごめんね。<br /><br /><br /> 家が壊されてから、前家の近所でオヤジの噂が立った。<br /> もちろん元々隣家には有名だったけど、今回はおばちゃんネットワークであっというまに広がったんだろう。<br /> あるおばちゃんなんか、わざわざ私が寿司屋でバイトしてる事を嗅ぎつけて「クズ子ちゃん、お父さんの事大変だったわね~」と言いにきたりもした。<br /> ずっとかくしていたのに、寿司屋の中でオヤジの事がばれた。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>109</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 22:30:48.80 ID:WuCu4FE0</span></p> </div> <div class="mes"> ババァの偏見の目は凄いぞ。全然話した事もないようなパートのおばちゃんが突然優しくなって、何かと思ったら「御父さんいくらくらい借金あったの?」とか、「大変だったでしょう、それで高校も行けなかったの?」とか聞いてくる。<br /> レジのお金盗られたら困るわよねーとか、あの子前は水商売してたんじゃない?入ってきた時に髪の毛あかかったから、とか。私に聞こえないようにこそこそ話しているつもりでもつつぬけなんだよね。<br /> ウザイ、本当にウザイ。うざすぎてうんこしたくなるくらいウザイ。<br /><br /> というわけでうんこ</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>121</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 22:40:50.52 ID:WuCu4FE0</span></p> </div> <div class="mes">一番悲しかったのは、トレーナーの態度が変わった事だ。<br /> あんなに可愛がってくれていたのに、冷たくなってしまった。トレーナーにも偏見の目で見られているんだと思った。<br /> 浅見さんだけはケロっとしてて、私に「気にしたらあんたの負けだからね」と言ってくれたけど、他のババァならともかく、トレーナーの事はとにかくショックだった。<br /> トレーナーは第二の母ちゃんみたいな存在だったから、母ちゃんに見放された気分になった。<br /> 浅見さんに励まされても、ピザが私のためにお菓子を大量に差し入れてくれても、全然元気が出ない。もうバイトに行くのが嫌で、また遅刻癖がぶり返した。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>127</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 22:45:33.42 ID:WuCu4FE0</span></p> </div> <div class="mes"> 母ちゃんにも話せなかった。だって母ちゃんは、社会復帰した私を自慢に思ってくれている訳だから、ここでくじけそうだと弱音を吐いたら、母ちゃんもトレーナーみたいに私を見放すんじゃないかと心配になった。<br /><br /> ある日に浅見さんは、「トレーナーは、あんたが自分で話してくれなかった事がショックなんだよ」と言った。<br /> なんでそんな事話さなきゃいけないのかと思ったけど、「トレーナーはあんたの事、自分の子供みたいに思ってるから、何でも相談してほしかったんじゃないかな」と言った。<br /> 別に家の事で悩んでないし、なんでわざわざ不幸自慢しなきゃいけないのか分からない。<br /> それに、私の事を子供のように思っていてくれたんなら、今!今じゃん!今わたし超立場がふりなんだから、今助けてくれよ!と思ったし、言ったと思う。<br /> 浅見さんは、それ以上何も言わなかった。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>131</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 22:50:02.74 ID:WuCu4FE0</span></p> </div> <div class="mes">行きたくないし辛いし、もう嫌だと思ったので、バイトを辞めようと思った。<br /> ていうか、やめた。トレーナーに、「今月でやめます」と言ったら、「分かった」としか言わなかった。<br /> ここで逆行に立ち向かおうなんていう精神は、あいにく持ち合わせていなかった。<br /><br /> バイトをやめた事を母ちゃんには言えなかった。<br /> まるでリストラされたオヤジのように、バイトをしているふりをして、時間になれば家へ戻る生活をした。<br /> まぐろ貯金のおかげと、辞めたその日に「あとから取りに来るのは来づらいだろうから」とトレーナーは給料を用意してくれていて、中を見たら、かなり色をつけてくれていた。<br /> だからお金もあるし、2年前のニートクズ子なら、これだけお金があれば1年はニートでいられただろう。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>134</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 22:55:03.88 ID:WuCu4FE0</span></p> </div> <div class="mes"> だけど母ちゃんにはすお見通しだったようだ。「あんた、最近寿司の匂いがしないけどちゃんとバイトしてる?」と聞かれて、白状した。<br /> 何もかもオヤジのせいだと母ちゃんを怒鳴りつけたら、母ちゃんも一緒になって「そうだそうだ!よく言った!」と怒鳴った。大きい声を出したら泣けてきたので、母ちゃんにすがりついてわんわん泣いたと思う。<br /><br /> 驚いたのは、辞めた事を後悔していた事だ。諦めの速さだけは自信があったはずだし、何でも「まぁいいか」と思える精神だったのに、人の目なんか気にしないはずだったのに、辞める直前、それが全部出来なくなっていたと思う。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>148</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 23:03:17.95 ID:WuCu4FE0</span></p> </div> <div class="mes"> 浅見さんは最後まで味方でいてくれたし、ピザだってなるべく私とシフトが重なるようにしてくれたのに、そんな好意を無にして、目の前の辛い物から逃げ出してきた後悔で、頭が痛かった。<br /> 母ちゃんは、「それで後悔しないの?あんた本当に後悔しないの?」と聞いた。後悔している事も、母ちゃんはお見通しのようだ。<br /> 少しでも後悔しているなら、今からでも遅くないんだよ、と母ちゃんは復帰を促してくれたけど、トレーナーの顔を見る勇気がない。<br /> 抜け殻のようになった私は、またニートに戻って毎日部屋に引きこもる生活を送った。働こうとは思わなかった。働く=傷つくと覚えた。<br /><br /> 目標がない人間は本当に駄目になると思った。<br /> 毎日うんこして食って寝るだけだ。<br /> ある日2ちゃんを見たら、「働かざるもの食うべからず」と書いてあった。じゃあ食わねーよ!とむきになって、一週間ポカリだけで過ごした。真症のバカだったと思う。<br /> まだ2年前の方が家事もしてたし、良かったと思う。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>153</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 23:10:13.66 ID:WuCu4FE0</span></p> </div> <div class="mes">出来あがった着物が届いたけど、見る気にもなれなかった。<br /> 当然、オヤジにも会いたくなかったので、家族で記念写真の話なんか絶対に嫌だと言い続けた。<br /><br /> 成人式の手前で、私は20歳の誕生日を迎えた。全然嬉しくなかったけど、もらえたプレゼントが嬉しかった。<br /> 母ちゃんから新しいミシンと、兄からは覚えてない(なんか洋服とかだった気がする)妹からは120色入りの色鉛筆と、スケッチブックをもらった。<br /> このスケッチブックは嬉しかった。毎日狂ったように絵を描いた。前に寿司屋でポスターを描いた時、楽しかった事を思い出したし、絵を描くと時間潰しにもなる。<br /> そしてミシンも嬉しかった。前も書いたけど、頭の中で思った物を形にするのは得意なので、“どういう作りなんだ?”というアニメとかのキャラクター衣装を作るのが得意だった。<br /> もちろん余り布とかで形だけ作ってるだけだったので、特に着る事もなく作っては捨てていたけど、それでも楽しかった。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>158</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 23:15:36.17 ID:WuCu4FE0</span></p> </div> <div class="mes"> ある日に、妹が昔好きだったアニメのキャラクター衣装を作ったら、妹が「お姉ちゃん、これインターネットとかで売れば?」と言った。お金もそろそろつきていたし、昔やったバザー感覚で、いっちょオークションに出品してみるかと思った。<br /> 材料費2000円くらいの物が、20000円で売れた。妹に着せて撮った写真が良かったのか、明らかに男性ですね、という方が落札してくれた。<br /> 調子にのってもう一つ出品したら、こっちは12000円で売れた。時期的に冬の大きなイベント前で良かったのかもしれない。</div> <p> </p> <div class="header"><span class="no"><a>165</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 23:19:34.63 ID:WuCu4FE0</span></div> <div class="mes"> 母ちゃんにその事を話したら、「自分でビジネスするのは色々と大変だよ」と言った。いくら以上稼ぐと税金がどうので、確定申告がうんたらかんたらと言われた。<br /> 別にこれを仕事にしようとは思ってなかったので聞き飛ばしていたけど、それでもまたやる気というか、楽して金が手に入る!精神が目覚めてきた。<br /> 衣装作りは苦じゃないというか、多分前世は洋服屋だったんだと思う。一日に2着作るのは余裕だったし、見かけも悪くない。<br /> ただ、いくらモザイク入りとはいえ妹の写真を使うのは怖かったので自分で着て出品した。妹の写真を使った時よりも落札金額が低かったのはなぜだろうか。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>170</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 23:24:59.91 ID:WuCu4FE0</span></p> </div> <div class="mes"> ひと月で、結構な金額が稼げた。母ちゃんが、「○○円は税金として申告して提出しなきゃダメなんだからね」と教えてくれた。だけど、ひと月でこれだけ稼げてしまっていいものなのかちょっと怖くなった。<br /><br /> ある日母ちゃんが、「今度うちで新しい缶を作ろうと思うんだけどアイディアない?」と聞いてきた。そういうのを考えるのは大好きなので、一晩中缶のデザインを考えた。<br /> 翌日母ちゃんにデザイン画を渡して見せたら、母ちゃんは驚いていた。「あんた絵上手くなったね」と褒めてもらった。<br /> 一日中ずっと絵を描く生活をしていたので、画力が上がったんだと思った。<br /><br /> デザイン画を持って、母ちゃんが「これが通れば、母ちゃんの株も上がる」と言った。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>175</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 23:29:32.28 ID:WuCu4FE0</span></p> </div> <div class="mes"> 絵の勉強がしたいと思った。いわゆるアニメ絵とかはからっきしダメだから、漫画を描こうとは思わなかったけど、とりあえず絵を習いたいと思った。<br /> 母ちゃんに言ったら、「学校に行く?」と言われた。学校は嫌だったので、もう独学でいいやと思った。<br /> だけど、独学で絵を勉強するのは難しい。だって、第三者の言葉がもらえないじゃん。自分では上手い!と思っても、実は他人からみたら“いや、ここが…”ってのがあると思うんだよ。<br /> 母ちゃんに相談したら、母ちゃんは、「オヤジに習ったら?」と言った。絶対嫌だと言ったけど、絵を習っていたらしいオヤジの絵には興味があった。<br /> 母ちゃんにオヤジの絵が見たいと言ったら、母ちゃんが一枚の絵を見せてくれた。母ちゃんの絵だった。油絵だったけど、めちゃくちゃ上手かった。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>178</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 23:34:11.96 ID:WuCu4FE0</span></p> </div> <div class="mes">私が今まで心奪われたのは、人生で二つだけ。えんがわと、このオヤジの油絵だ。<br /> 結婚前に描いてもらったらしく、もうかなり古い物だからヒビ割れて状態は悪かったけど、でも、ずっと見ていても飽きない絵だった。<br /> 何とかしてこの絵を描きたい衝動に駆られたので、模写した。模写しまくったけど、やっぱり全然違う。何が違うかなんか明白だ。接客の時の、ピザと私の違いと同じ。心がないんだと思った。<br /> オヤジは本当に母ちゃんを愛していたんだなと思った。<br /><br /> オヤジに会おうと思ったのは、これがきっかけだ。<br /> オヤジに会おうというか、感覚としては大ファンの画家に会いたいという気分だった。<br /> もちろん相手はオヤジだけど、それでもこの絵を描いた時の気持ちが聞きたいと思った。それは娘として思ったのではなく、一人の人間として思った。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>187</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 23:39:57.23 ID:WuCu4FE0</span></p> </div> <div class="mes">母ちゃんがオヤジのアパートまで連れていってくれた。<br /> 数年ぶりに見たオヤジは、前歯がなかった。「オヤジ、前歯は?」が、久々の対面の第一声だったと思う。<br /><br /> 前歯の真相は、週に一度の母ちゃんとのデートの日。仕事から帰ってきてからうきうきはしゃいでアパートの階段を降りたら、そのまま転倒したらしい。<br /> 歯医者で「もう駄目なので抜きましょう」といって抜かれたオヤジの前歯。もちろんしばらくは仮の歯が入っていたが、そこから治療費をけちって歯医者へ通院しなくなり。仮歯も取れてしまい、みごとな歯抜けになったという訳だ。<br /> 「いや、歯医者行きなよ」<br /> 「いやーお父さん歯医者嫌いだからねー」<br /> HAHAHAと笑うオヤジは、昔からこういうオヤジだ。軽いというか、うん、軽い。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>192</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 23:46:08.80 ID:WuCu4FE0</span></p> </div> <div class="mes">オヤジのアパートで、母ちゃんはかいがいしく洗濯や掃除をしていた。<br /> しかしオヤジの部屋は矛盾だらけの部屋だ。<br /> まずテレビがないのにDVDがあるし、炊飯器がないのに生のお米がある。でも鍋もないんだぞ。<br /> そして部屋に貼られた、某子役のポスターと、某タレントのポスター。丁寧に新聞の切り抜きまで貼ってある。名前は伏せさせてもらう。<br /> 某子役は、妹。そして某タレントは私に顔が似てるから好きなんだと言っていた。<br /> 「毎日妹とクズ子が家にいるみたいで嬉しいから、お父さん貼っちゃった」と言った。<br /><br /> 悪いけど、うちのオヤジは歩くギャグ漫画みたいな人なので、あまりエピソードを書くと漫画みたいになっちゃうから、書くのはなるべく控える。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>201</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 23:51:45.22 ID:WuCu4FE0</span></p> </div> <div class="mes">なぜテレビがないのにDVDプレイヤーがあるのか聞いたら、見たいDVDがあったからだと言った。<br /> でもテレビないじゃんと言ったら、どうやら数日前まではあったらしい。だけど、家で米が食べたかったから売っちゃったと言った。<br /> 「でも炊飯器ないじゃん」<br /> 「そうなんだよ!だから、DVDプレイヤー売って炊飯器買おうかな」<br /> 「やだわ、あなたwwwwそれじゃせっかく買ったDVDが見れないじゃないwwww」<br /> 「そうなんだよね~」<br /> あははうふふと笑いあう法律上は元夫婦の二人。そういえば、小さい頃からオヤジと母ちゃんはこんなだったなぁと思った。<br /><br /> オヤジは、私の現状をたくさん聞いてきた。<br /> なので、そのまま話したら、オヤジは寿司屋をやめたきっかけを聞いて、黙って頭を下げた。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>205</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 23:57:01.98 ID:WuCu4FE0</span></p> </div> <div class="mes">意外に、話しているうちにあれだけ恨んでいた気持ちが消えていった。<br /> オヤジは昔から、人を和ませる力を持っている人だったし、やっぱり元営業マントップだけはある、穏やかというか、優しいというか。何度も何度も謝ってくれて、こっちが申し訳ない気持ちになってきた。<br /><br /> これは正直な気持ち、今の今でも、なぜオヤジが借金してしまったのか分からない。<br /> もちろん理由はあったけど、でも、とてもこんなに優しいオヤジがなぜだろうという気持ちしかない。<br /><br /> まぁ話は戻って。<br /> 久々の父と娘の対面というよりは、今だけ昔に戻ったように、普通に話せた。<br /> 気まずいという事もなかったし、話題に困ることもない。<br /> オヤジの人柄がなせた技だと思う。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>207</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 00:02:12.60 ID:Y2JziXw0</span></p> </div> <div class="mes">オヤジの描いた油絵を見せて、「これに凄く感動した」と伝えた。<br /> オヤジは懐かしそうに油絵を見て、「クズ子も絵が好きなのか」と言った。<br /><br /> 「絵の仕事でもしたいのか?」<br /> 「ううん、ただ絵が好きだから勉強したいだけ」<br /><br /> じゃあお父さんが教えてあげると言って、オヤジはスケッチブックに私を描いてくれた。鉛筆のラフだったけど、ずっと描いていなかったせいか、「下手になったなぁww」と自分の絵を見て笑っていた。<br /> それでも私から見たら、凄く上手。<br /> 一日中、模写とか、静止画とか、オヤジと一緒に絵を描いた。夕方に母ちゃんがご飯を作ろうとしてくれたけど、フライパンしかないので何も作れないという事になり、3人でご飯を食べた。そういえばこの日妹がいなかったけど何でいなかったかは覚えてない。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>213</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 00:08:49.11 ID:Y2JziXw0</span></p> </div> <div class="mes"> 帰りの車の中で、母ちゃんに家族写真の話を自分で切り出した。母ちゃんは嬉しそうに、「じゃあ、兄の成人式もやってあげられていなかったから兄も単独で写真撮ってあげなきゃ」と言ってた。<br /><br /> 家族と記念写真をとる、というか成人式の直前だったかな。ある夜に、荷物が届いた。トレーナーからだった。<br /> 中を見たら、バッグが入っていた。成人式用のやつ。<br /> 手紙が入ってて、ごめん今ちょっと現物が手元にないので内容は詳しく書けないんだけど、文末に「いつでも戻ってこい」の言葉に泣いた覚えがある。<br /> あと、「受け止めきれなくて申し訳なかった」とか、謝罪の言葉が並んでたと思う。<br /><br /> 母ちゃんにもバッグは買ってもらってたけど、トレーナーからもらったバッグを使っていいかと聞いたら、母ちゃんが「当たり前でしょ」と言ってくれた。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>218</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 00:13:07.53 ID:Y2JziXw0</span></p> </div> <div class="mes">3年ぶりにそろった家族で、兄もオヤジと会うのは久しぶりだったようだ。<br /> やっぱり兄も、「オヤジ前歯は?」と聞いていた。<br /><br /> 兄は、オヤジに「妹の事は俺に任せてくれよ」と言った。「離れて暮らしている分、俺とオヤジで父親二人になろうぜ」と言った。この時だけは兄がかっこいいと思った。<br /> 中学生なのに、いつまでも小さい子供のような妹は、はしゃいではしゃいで仕方なかった。<br /> 「今日が毎日ならいいのに!」と言って、車の中でもスタジオの中でも、ぱたぱた走り回ってとにかく落ち着きがない。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>226</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 00:19:41.96 ID:Y2JziXw0</span></p> </div> <div class="mes"> 母ちゃんに買ってもらった着物姿の私に、オヤジは「凄い綺麗だけど、母ちゃんはもっと綺麗だったなぁ」と言った。母ちゃんも「やだwwwwあなたったらwwww」と言って照れていた。いまだにこの二人が元夫婦だなんて思えない。今も昔もずっとこんな感じだからな。<br /><br /> 帰り際に、母ちゃんが「これを機に、月に1度は全員で集まりましょう」と言った。<br /> 妹の賛成の掛け声を合図に、みんなで賛成した。<br /> そして母ちゃんが、もう一つ報告があると言った。<br /> 「母ちゃん、次の仕事が上手くいけば取締役になれるの」と言った。運転中のオヤジが、急ブレーキを踏んで驚いていた。<br /><br /> 実質社長と母ちゃんの2トップの会社になるんだと。<br /> オヤジは、「しゃ、社長と再婚するのか?」と言ってたけど、社長はもう奥さんもいるしそんなんじゃないと母ちゃんは言った。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>237</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 00:25:11.17 ID:Y2JziXw0</span></p> </div> <div class="mes">母ちゃんのヘッドハンテングの声が増えてきて、でも母ちゃんも年が年だしこの景気だから、他に移る気は皆無なんだそうだ。<br /> 前も書いた通り、あくまでも母ちゃんは今の会社で出世して、会社を大きくする事が夢だからな。<br /><br /> でも、大学も出てない、ただのパートのおばちゃんだった女性をこれ以上出世させる事もなかなか難しいらしい。部長が精一杯て事だろうね。<br /><br /> そこで母ちゃんは、「じゃあ女性も男性も関係なく、学歴にも負けない良い実績を上げればいいんじゃん!」と思ったらしく、第二工場を作って、事業を広げる一大計画を考えたんだと。</div> <p> </p> <div class="header"><span class="no"><a>241</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 00:28:51.45 ID:Y2JziXw0</span></div> <div class="mes"><a href="#236">&gt;&gt;236</a><br /> パート<br /> ↓<br /> 主任<br /> ↓<br /> 現場監督<br /> ↓<br /> 課長<br /> ↓<br /> 部長<br /><br /> が正しい<br /><br /><br /> そういえばちょっと前に、なんか新しい缶のデザインを考えろとか言われたなと思って、「あれも母ちゃんの計画のひとつ?」と聞いた。<br /> 母ちゃんは、「あんた絵が好きだし、もし上手くいけばうちでデザイナーとして雇ってもいいかなと思ったんだけど、その権限も今はないから欲しいのよね」と言った。<br /> 「権限が欲しけりゃ手に入れればいいじゃん!よっしゃ出世しよう!」という、いかにも母ちゃんらしい発想。<br /> オヤジが「…多分、今の母ちゃんは俺の倍は稼いでるよな」と呟いて落ち込んでいた。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>248</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 00:33:34.90 ID:Y2JziXw0</span></p> </div> <div class="mes"> それからまた母ちゃんはめちゃくちゃに忙しくなった。携帯を持って風呂に入るぐらいだった。睡眠不足なんてものが母ちゃんにはないんだろうか。よく分からないけど、毎年会社の健康診断は「判定A」だった。医者お墨付きの健康体。<br /> 多忙になれた結果だと言ってたけど、それでも凄い。母ちゃんのお肌もつるつるだし、何よりも皺とかがない。40代後半を迎えているはずなのに、30代前半にしか見えない。(娘のひいき目かもしれないが)<br /> 働くとエネルギーが湧いて老けないんだと言っていた。それは間違いないと思った。<br /><br /> でも、妹の授業参観は必ず参加するし、運動会なんか朝一番で場所取りするし、中学校の合唱祭も、一番前の席で一眼レフを光らせる。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>252</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 00:38:56.17 ID:Y2JziXw0</span></p> </div> <div class="mes">相変わらず私はニートだったけど、でも、10代の時と決定的に違うのは、母ちゃんに対する考え方だった。<br /> 母ちゃん凄いなー、という気持ちから、母ちゃんみたいになりたいなーという気持ちになった。<br /><br /><br /> ある日、VIPに釣りスレを立てた。釣りですたwwwwという落ちで終わらせたスレだったが、めちゃくちゃ伸びた。名前は言わないけど、有名まとめサイトにも載っていた。<br /> 「<a href="#1">&gt;&gt;1</a>の文章力に嫉妬wwww」「<a href="#1">&gt;&gt;1</a>お前小説家になれよwwww」という、VIPにありがちな言葉が並んでいたけど、単純に初めて書いた文章でこれだけの人が喜んでくれたというか、楽しんでくれたのが嬉しかった。<br /> つーか、そういう楽しい話を考えるのが凄く好きだったので、これは良い趣味になるwwとはまった。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>263</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 00:46:04.90 ID:Y2JziXw0</span></p> </div> <div class="mes"> 小説書けよと自分でも思ったけど、文章力(発想力じゃないぞ)が自分には欠けているので駄目な事は分かっている。これに対してのフォローもいらん。<br /><br /> ここからは書いていいかちょっと躊躇うが、連日釣りスレで楽しんでいた時、出版社から以前立てた私の釣りスレをまとめたサイト経由で連絡が来た。<br /> wiki経由から連絡先をつきとめたんだと思った。<br /> 出版しませんか?という連絡だったけど、あれは釣りスレなんで駄目ですと断った。<br /> 銭ゲバのくせにと思うかもしれないけど、だって、釣りスレをわざわざ小説化してどうすんだよって話。<br /> ギリギリな事書いてるし、このあたりは色んな人に迷惑かかりそうだからここまでにしておくけど、まぁそんな話があって。出版の人に、一本何か小説書いて、応募か持ち込みする事をすすめられた。</div> <p> </p> <div class="header"><span class="no"><a>274</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 00:51:23.95 ID:Y2JziXw0</span></div> <div class="mes">いや、釣りじゃないってば。<br /> 私の特徴として、釣りすれで「釣りじゃない」宣言はしない。<br /> ていうか、こんな長々とした釣りスレは個人的に好きじゃない。<br /><br /><br /> さっきも書いたけど、文章力がないので何か文章を書こうとは思わなかったけど、私の発想力だけは仕事に出来るかもしれないのか、と思った。<br /> 母ちゃんにそれを話したら、「発想力だけを仕事にしようと思ったら、なかなか難しいかもね」と言われた。<br /> 絵とか字とか、それに何か付属してなきゃお金にはならないわけだ。<br /> ちぇーっと思っていたら、妹が「じゃあ、妹のクラスの学級新聞書いて!」と言ってきた。お金にならないので断ろうと思ったけど、寿司屋のポスターから始まり、洋服、釣りスレと、とにかく何かひとつの物を完成させるのは好きだったので、引きうけようと思った。</div> <p> </p> <div class="header"><span class="no"><a>282</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 00:54:52.20 ID:Y2JziXw0</span></div> <div class="mes"><a href="#275">&gt;&gt;275</a><br /> やっぱ書かなきゃ良かったかな、出版の一連は。<br /> 今特に出版関係の仕事をしているわけじゃないけど(ネタバレだけどいいよね)色んなきっかけになったので書こうと思ったんだけど…<br /><br /> なんかへこんだのでうんこしてくる</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>295</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 01:04:38.02 ID:Y2JziXw0</span></p> </div> <div class="mes"><a href="#292">&gt;&gt;292</a><br /> そうだね!わたし、<a href="#292">&gt;&gt;292</a>と結婚する事にした!みんなありがとう!<br /><br /><br /> 気を取り直して続き<br /><br /> 学級新聞の材料を買いにホームセンターに出かける途中、寿司屋の前を通ってみた。<br /> トレーナーにバッグのお礼を言おうと思ってたんだけど、見たら浅見さんが一人で仕事をしていた。<br /> 浅見さんと話したいけど、今更顔を合わせていいか悩んだ、けど悩んでても仕方ないので店に入った。浅見さんはびっくりして「あんた、生きてたの!?」と言った。<br /> そりゃ生きてるよ、と思ったけど、トレーナーがバッグを送って「戻っておいで、連絡待ってるから」と言ったのに連絡がないから、何か病気でもしたんじゃないかと思ったらしい。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>305</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 01:10:16.84 ID:Y2JziXw0</span></p> </div> <div class="mes">いや!大丈夫、ごめん、ちょっとすねてみたかっただけだよほら可愛いでしょあはは<br /><br /><br /> 正直、もう戻るつもりはなかったので「トレーナーには近いうちに連絡します」とだけ言っておいた。<br /> 浅見さんが「今日はどうしたの?」と言ったので、学級新聞の話をした。材料を買って今日作るんですと言ったら、「あんたの作ったポスター、えらい評判良いからまたうちの店のポスターも作ってよ」と言った。<br /> 見れば、もうフェアなんかとっくに終わってるはずなのに、私の作ったポスターをまだ貼ってくれていた。メニュー表も私が作ったままだった。<br /><br /> これにやる気が出たので、さっそく帰ってから学級新聞を作った。新聞みたいな、見出しとかどこにどういう物を書こうとか考えるのが大好きなので、夜通しで夢中になって作業をした。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>310</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 01:15:32.40 ID:Y2JziXw0</span></p> </div> <div class="mes">次第に私は、物を作る事に喜びというか、楽しいという気持ちを持つようになってきた。<br /> 金がなくなってはコスプレ衣装を作り、オークションで売る。それだけでも寿司屋のバイトの時よりは稼げていたし、合間に絵を描いて、飯作って、VIPで釣りスレ立てて、うんこして寝る生活。<br /> 結構充実した毎日を送っていたと思う。あんまりこの辺りはエピソードがない。そのくらい、平穏というか、普通の毎日だった。<br /><br /> ただ、コスプレ衣装も大きなイベント前でない限りはなかなか売れない時もある。<br /> 母ちゃんに言ったら、「それがクリエイターの使命だ」と言った。ぶっちゃけ、クリエイターの意味が分からなかったが、何となくかっこいい言葉だと思った。<br /> なので、オークションの自己紹介欄に“職業:クリエイター”と書いていた。ただのニートなのにひどい黒歴史だと思う。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>318</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 01:20:32.97 ID:Y2JziXw0</span></p> </div> <div class="mes">ちなみに私は両方が利き手。どっかのレスに左利き?とあったので一応。<br /><br /><br /> トレーナーに連絡をした。バッグのお礼の電話だ。トレーナーとたわいもない話をして、バッグのお礼を言った。トレーナーは突然、電話口で泣き始めた。<br /> 何回も何回も、「悪かった」「ごめん」と謝られた。<br /> トレーナーから直々に、戻ってくる気はないかと言われて一瞬迷った。何となくやりたい事も見つかったけど、でもまだ何の形にもなっていないし、仕事といえるかも微妙な所だし。<br /> 何より、これ本当ぶっちゃけ、在宅で稼げてしまったので、気楽な生活になれちゃったから、また朝起きるのは嫌だ!と思ったんだよ。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>326</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 01:24:36.06 ID:Y2JziXw0</span></p> </div> <div class="mes"> トレーナーから、戻ってくるなら時給を上げてやると言われた。いくらだったかは覚えてないけど、多分850円を900円とかにするって言われたのかな。<br /> あと、まかないもクズ子だけは特別に好きなネタを好きなだけ使っていいと言われた。<br /> 戻ろうと思った。<br /><br /> クズ子だけ特別、がポイントだったのかもしれない。<br /><br /> でも前みたいに週に5日フルでは働けないと言った。衣装作りも続けたかったためだ。<br /> こうして私は、寿司屋に復帰した。なんとも単純な理由で復帰した。でも私はこういう人間なので、なんともらしいかな、と自分的には満足していた。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>338</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 01:30:11.23 ID:Y2JziXw0</span></p> </div> <div class="mes">寿司屋でまた働きながら、衣装も作る。<br /> 衣装作りの数もこなしていくと、落札者からのリピートとか、オーダー希望の連絡も入る。<br /> たまに仕事につまると、オヤジの所へ行ってオヤジと一緒に絵を描いたり、VIPで釣りスレ立てたり、妹の学級新聞を作ったりしていた。<br /><br /> 二足のワラジは結構辛いもので、復帰初日から寝坊した。めんどくせーと思っていたが、この日、トレーナーがマンションまで迎えに来ていた。インターフォンを鳴らされて目が覚めたので、すぐに分かった。<br /><br /> 「絶対あんたは遅刻すると思ったんだよね」と、前に聞いた事があるような事を言われたが、久しぶりにトレーナーと会えてとにかく嬉しかった。<br /> もちろんパートのおばちゃんの中には、「よく戻ってこれるわね」という人もいた。ていうか、トレーナーと浅見さんとピザ以外全員そうだった。けど、トレーナーと浅見さんとピザが味方なだけで良かった。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>345</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 01:35:40.78 ID:Y2JziXw0</span></p> </div> <div class="mes"><a href="#337">&gt;&gt;337</a><br /> 賛否両論かもね<br /> でも人間なんかこういうもんだよ(キリッ)<br /><br /><br /> 再び寿司くさい体になった私を、母ちゃんが誰よりも喜んでくれた。<br /> 「あんたは出来る子だ」とたくさん褒めてくれて、体にだけは気をつけろと言われた。<br /><br /> ある程度、オークションで私の衣装を落札してくれる人が定まってきた。<br /> なので、オークションではなくネット通販に切り替えようと思った。<br /> 売れるんだか売れないんだか分らないオークションよりも、オーダー式の通販の方が全然良い。<br /> ただ、確定申告とか税金とか、20歳過ぎたので年金とか色々払わなきゃいけない物があるみたいで、全部計算がめんどくさくて母ちゃんにやってもらおうと思った。<br /> なので、収入はまず母ちゃんへ全額渡す。母ちゃんが必要経費を抜いて、私に残額を返してくれる。<br /> しかしそれは二重で面倒なので、必要な時に母ちゃんへ申請して、母ちゃんに金を管理してもらっていた。</div> <p> </p> <div class="header"><span class="no"><a>355</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 01:41:28.34 ID:Y2JziXw0</span></div> <div class="mes"><a href="#341">&gt;&gt;341</a><br /> 朝だけの人とか、夜だけの人とか、土日だけとか色々いるから合計では12人<br /><br /><br /> さすがに経理部長でもある母ちゃん(まぁ、営業部長でもありその他何とか部長っていう肩書は全部母ちゃんなんだけどね)、結婚前は税理士事務所でお茶くみをしていただけあり、税金関係はばっちりだ。きちんと毎月明細を作って見せてくれて、ひとつひとつ教えてくれた。<br /> 兄にその話をしたら、「税理士雇ったら凄い金額かかるから、お前はラッキーだな」と言われた。<br /> 母ちゃんがやってくれている事は、普通ならお金がかかるらしい。<br /> でも私は母ちゃんがやってくれているから、ラッキーだと思った。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>361</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 01:46:17.57 ID:Y2JziXw0</span></p> </div> <div class="mes"> トレーナーにその話をしたら、「あんたも稼げるようになったんだから、お母さんに少しは返してあげなさい」と言われた。気持ちでもいいので、ちょっとした物あげたら喜ぶよと言われた。<br /><br /> ある日に作っていた衣装で、ブレザーのボタンホールでミスをした衣装があった。これでは売り物にならないので、母ちゃんに「母ちゃんのためにジャケット作ってみたよ」と言って失敗したブレザーを渡した。<br /> 母ちゃんが泣いた。<br /> 泣かせるつもりではなかったからびっくりしたけど、嬉しくて泣いてる事が分かったので複雑な気持ちになった。<br /> まさかそれは売り物にしようとして失敗したからあげただけです、とか言えない空気だった。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>369</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 01:51:07.57 ID:Y2JziXw0</span></p> </div> <div class="mes">その日から母ちゃんは、某ゲームキャラクターの制服(ワッペンつき)を毎日着て会社へ通勤するようになった。<br /> その姿を見る度に罪悪感と、「それはえろいゲームのキャラクターの衣装なのに…」と思って笑えた。<br /><br /> それからまたしばらくして、母ちゃんが私に「あんたのデザイン、駄目だった。奇抜すぎてインクがどうのこうの」と言って、以前書いたデザインがボツになった話をされた。<br /> あの缶さえ通れば、第二工場も夢じゃないのに、と言った母ちゃんのために、またその日夜通しデザインを考えた。<br /> 翌日母ちゃんにデザインを渡したら、母ちゃんは大喜びで「これを武器に、また社長と口ケンカしてくるわ」と言った。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>381</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 01:56:23.47 ID:Y2JziXw0</span></p> </div> <div class="mes"><a href="#368">&gt;&gt;368</a><br /> ヒント・母ちゃんが18の頃は超絶バブル時代<br /><br /><br /> 連日繰り返しだった。またデザインがボツになり、またボツになり。もうイライラしてきたので、「母ちゃん、社長と現場の連中全員連れてきてよ!どこが駄目なのか自分で聞く!」と母ちゃんに言った。母ちゃんは、「別に無理してもう描かなくていいよ」と言った。<br /> 「他のデザイナーに頼んでみるから」と言って、私のムキになる性格と負けず嫌いのツボをギュウギュウ押してきた母ちゃん。<br /> 何がなんでもデザインを通してやると躍起になって、連日遅くまでデザインを考えていた。<br /><br /> 寿司屋では、ピザが就職するので退職すると言った。<br /> 私は、「就職なんかしちゃらめええええええ」と言って悲しんだが、ピザの就職先が保育園だと聞いて妙に納得した。<br /> 保育園で園児を相手にブッダの教えを解けばいいと思った。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>394</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 02:01:28.17 ID:Y2JziXw0</span></p> </div> <div class="mes">ピザがいなくなって、人出がたらなくなった。<br /> 困った事に、パートのおばちゃんもピザが辞めるのをきっかけに、というか同時期にだな、春だったので、「子供がうんたらかんたら」と言ってまとめて3人やめてしまった。<br /> 募集をかけようにも、私が働きだしてから3年、一人も新人が入ってきた事がない。<br /> こりゃーやばいなと思っていたら、トレーナーが私に「あんた、週に5日入れない?」と聞いてきた。<br /> オーダーだけのシステムにしてから、かなり時間にゆとりはあったものの、寿司屋で週に5日働くとまるまる休みがなくなってしまう。<br /> 無理ですと言いたいが、でも店を助けると思えば、嫌ですとは言えない。<br /> 困っていたら、トレーナーが「あんたを、正社員で雇いたい」と言いだした。<br /> バイトと正社員の違いがよく分かっていなかった私は、「時給が上がるんですか?」と聞いた。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>407</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 02:06:52.84 ID:Y2JziXw0</span></p> </div> <div class="mes">トレーナーは、用意していたらしい分厚い書類の封筒を私に差し出して、「よく考えなさい」とだけ言った。<br /> 帰ってから母ちゃんに書類を見せた。寿司屋の正社員制度についての紙だったらしい。<br /><br /> でも外食産業は危ないからうんたらと母ちゃんがめちゃくちゃ悩んでいたと思う。<br /> 何とか保険はある、何とか手当はある、と鬼のような形相で書類を見ていて、「で?給料上がるの?」と聞いた私を「黙っていなさい」の一言で黙らせた。<br /><br /> トレーナーの話によると、仕事の量も増えるらしい。材料の仕入れとか、本社との打ち合わせとかもしなくちゃいけなくて、今まではトレーナー一人で全部やってたけど、これからは私がやるんだと言ってた。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>421</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 02:13:15.80 ID:Y2JziXw0</span></p> </div> <div class="mes"> しかし母ちゃんは、もしこれから私が別の企業に就職したいと思った時、正社員で働いた過去があるとふりになる事もあると言っていた。<br /> 一通り書類に目を通してから母ちゃんが、結果からいうと給料は上がると言った。しかも上がるなんてもんじゃなく、1.5倍にはなると言った。<br /> 「あ、じゃあ正社員になる」<br /> 「馬鹿!あんたはいつもそうやってお金に飛びつく!これは一生の事なんだから、真剣に考えなきゃダメ!」<br /> 母ちゃんがぷりぷり怒っていて、ちょっと怖かった。母ちゃんが怒るなんて珍しいので、口を一文字にして母ちゃんの言葉を待った。<br /> 怒っているというか、真面目に悩んでくれて、必死だったんだと思う。一晩考えさせて、となぜか母ちゃんが決める事になったらしい今回の話。<br /> どうせ明日は仕事が休みなのでいいかと思って、再び衣装作りに戻った。<br /><br /><br /> ごめんなさい、今日はここまで<br /> 明日は夜に再開します。時間はたぶん20時か21時。<br /> 何日も何日も引っ張ってごめんなさい。<br /> 多分明日には終わります。</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>430</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 02:15:27.44 ID:Y2JziXw0</span></p> </div> <div class="mes"><a href="#409">&gt;&gt;409</a><br /> 学歴ない場合は3年の実務経験で資格的にはおっけー<br /> ただし上に上がれる可能性はゼロ<br /><br /> あと他に読み飛ばしているレスあったらごめんなさい</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>490</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 04:32:41.59 ID:Y2JziXw0</span></p> </div> <div class="mes"><br /> ハム速じゃないよ。ハム速に迷惑かかりそうだからそれだけは否定しておく。<br /><br /> そしてどこのまとめサイトとも繋がってなんかいません。<br /><br /> あと出版にコネもありません。<br /> 一回メールのやりとりしただけでコネに繋がるほど甘い世界なら、世の中作家だらけです。<br /><br /> そもそも最初から、本気で出版やまとめサイトと繋がっているなら、出版の話やまとめサイトの事もここには書きません。<br /><br /> 釣りでもありません。<br /><br /> 最初はあまりに荒れてるのでスルーしようかと思ったけど、ちゃんと否定する所は否定しておかなきゃいけないと思ったし、何よりもwiki厨に申し訳ない。<br /> やっぱ書かなきゃ良かったと後悔している、本当に申し訳なかった。<br /><br /> 私はまとめサイトの存在自体には否定的ではないけど、wiki厨の光の速さの更新が好きなので、こういう流れになるとせっかくやってきたのに、wiki厨のやる気がそげてしまうと思う。まとめサイトのやる気はしらん。</div> <p> </p> <div class="header"><span class="no"><a>491</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 04:33:25.88 ID:Y2JziXw0</span></div> <div class="mes">というわけで私の負けという事でさようなら</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>499</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 04:46:46.62 ID:Y2JziXw0</span></p> </div> <div class="mes">続きは書くけど、<a href="#490">&gt;&gt;490</a>でしっかり否定したから、以後は憶測は控えてほしい<br /> 荒れるし、何よりwiki厨に嫌われたらクズ子泣いちゃうんだからね!<br /> ケツは絶対に割らないので安心してくれ<br /> もう寝るさらば</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>606</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 21:59:50.71 ID:Y2JziXw0</span></p> </div> <div class="mes">今赤飯を炊いているのでもうちょっと待ってくれ<br /> いや、何かめでたい事があった訳じゃないが、本格的赤飯を炊いてみたい衝動にかられて、小豆から煮始めてしまった<br /> 今蒸している所だ<br /> 後片付けもしなきゃいけないので、もう少々お待ちを</div> <p> </p> <div class="header"> <p> </p> <p><span class="no"><a>627</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 22:21:35.25 ID:Y2JziXw0</span></p> </div> <div class="mes"> <p><a target="_blank" href="http://imepita.jp/20090420/803130">http://imepita.jp/20090420/803130</a></p> <div class="header"> <p><span class="no">うはwwwwwwwwwwwwwwww赤飯うめぇwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww<br /> だが腹いっぱいで眠い上に、実は昨日の深夜から一睡もしていないので、食ったまま寝落ちしたらすまん</span></p> <p><span class="no"><a><u>842</u></a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><u><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</u></a><span class="mail"><strong><font color="#5500FF">[sage]</font></strong></span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/21(火) 21:56:47.40 ID:JXAIiig0</span></p> </div> <div class="mes">~クズ子からお知らせ~<br /><br /> 今後は、「今度はいつ来る?」「何時に来るか教えて」「完結はいつ?」等の予定宣言はしません。<br /> 聞かれても答えられません、ごめんなさい。<br /> 私自身も当日にその日の予定が分かるくらいのいっぱいいっぱい状態なので、宣言しても絶対に守れないだろうというのが理由です。<br /><br /> ただ間違いなく言えるのは、今日明日では終われません。<br /> なぜならば、今日は今から数時間書きますが、またすぐに落ちてしまうし、明日も同じような状況だろうし。<br /><br /> 正直、スレ立て当初は一日か、長くて二日くらいで終わらせる予定だったのに(じゃなきゃ今週からのこの激務でスレどころじゃなくなるのも分かっていたから)、無計画にgdgd書き続けた私の責任である。<br /> これは本当、申し訳ないです。<br /><br /> というわけで、うんこしてから再開します。<br /><br /><br /><div class="header"><span class="no"><a><u>853</u></a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><u><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</u></a><span class="mail"><strong><font color="#5500FF">[sage]</font></strong></span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/21(火) 22:10:21.33 ID:JXAIiig0</span></div> <div class="mes"> <p>立派じゃないよ!うんこが大好きな厨二病だよ!<br /><br /> あと、何回もいうけどこれは釣りじゃなくてまじでリアルな話なので、小説みたいなどんでん返しとか、壮大なオチとか、ハッピーエンドとか、ニートだった私がこれだけ成長して、これだけ立派になりました(笑)的な終わりもない。<br /> ていうかむしろ終わりがない話なんだよね。だって現在進行形で人生が続いてるから。<br /><br /> ぶっちゃけ、終わらせる終わらせる詐欺になりつつあるのは、どこを終着点にしていいか分からないからだな。<br /> 最終回だから大きな何かがあるってわけでもないよ。人生にそこまでごろごろ山谷はないからね。<br /><br /> それでもいいって人は、これからもよろしくお願いします。<br /><br /> 私がいない間に話だけが独り歩きしていて、ログを読んでいて色々ちびりそうになったくらいだから。あんまハードル上げないでくれ。</p> <div class="header"><span class="no"><a><u>862</u></a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><u><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</u></a><span class="mail"><strong><font color="#5500FF">[sage]</font></strong></span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/21(火) 22:18:42.53 ID:JXAIiig0</span></div> <div class="mes"> <p><a target="_blank"><u>&gt;&gt;421</u></a>の続き<br /><br /><br /> 一晩考えさせてくれと言ったくせに、母ちゃんは次の日も次の日も、私が正社員になる事について何も言わなかった。<br /> 食品業界について色々調べたらしく、母ちゃんは毎日毎日関連本を買って帰っては遅くまで読んでいた。<br /> ちなみに、兄がSEになると言った時も、SEについて調べたらしく、今でも家の本棚にはこの時に買ったSE関連の本と、食品関連の本が数十冊ある。<br /> これまた余談だが、母ちゃんは本を読むスピードが並ではない。家事をしながら少しでも勉強をしたかったので、ちょっとでも早く本を読めないかと考えた結果、早読?とかいう技術を身に付けたんだと。一日で、文庫本なら3冊は読めると言っていた。</p> <p> </p> <div class="header"><span class="no"><a><u>865</u></a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><u><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</u></a><span class="mail"><strong><font color="#5500FF">[sage]</font></strong></span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/21(火) 22:26:32.93 ID:JXAIiig0</span></div> <div class="mes"> <p><a target="_blank"><u>&gt;&gt;861</u></a><br /> そうなんだけど、せっかくここまで書いたものを今更ブログに持ち込むのもどうかと思うし、何よりブログ作るのが面倒くさそうで…<br /> 最初は母ちゃんが部長になった辺りまでで終わろうと思ってたんだけどね。調子こいてgdgd書いた責任です<br /> ケツだけは割りません<br /><br /><br /> しかし、トレーナーは返事を求め続けた。「どうするの?」と連日聞かれ続けて、もう面倒だったので母ちゃんの携帯番号教えてやるから二人で話し合ってくれよとも思った。自分の意思で考えるという気持ちは微塵もなかった。<br /> 私は、正社員じゃなくても、社会保障がなくても、とりあえず金だけ稼げればいいと思っていた。<br /><br /> ある日トレーナーが、社員になったらする仕事を今のうちに見させてあげると言った。<br /> 「じゃあ、参考までに見たいんでお願いします」と言ったら、「じゃあ明日朝4時に店の前に集合ね」と言った。冗談だと思って笑ったら、凄い真剣な顔で、「いや、本当だから。遅刻したら明日の給料なしだからね」と極妻もびっくりなドス声で言われたと思う。</p> <div class="header"><span class="no"><a><u>871</u></a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><u><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</u></a><span class="mail"><strong><font color="#5500FF">[sage]</font></strong></span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/21(火) 22:33:41.66 ID:JXAIiig0</span></div> <div class="mes"> <p>トレーナーが怖いと思ったので、この日だけは絶対遅刻出来ないと思った。<br /> しかし、寝てしまえば起きられない体である事は誰よりも自分が一番よく分かっている。<br /> なので、この日は寝ないと決めた。VIPでおっぱいうp釣りスレを立てて、徹夜で暇つぶしをした。<br /><br /> 4時にきちんと出勤してきた私に、トレーナーは「関心関心」と言っていた。「絶対遅刻すると思ったのにww」と言っていたけど、家の前まで迎えに来てなかった所を見ると、クズ子は来るという確信があったのかもしれない。まぁ、おほめの言葉をもらえちゃうくらい優秀な人材だからな。信用して当然なのだが(キリッ)<br /><br /> 薄暗い、朝とは印象の違う店内で、まずトレーナーは凍ったままの、過去の宿敵、イカを持ってきた。<br /> イカは、物凄い大きさだった。いつもは切り身というか、ネタに出来る状態のままのイカなのに、この時見たイカは、まさに“イカの姿そのもの”。これをさばいて、朝の仕込みまでに切り身にするんだと言ってた。</p> <p> </p> <div class="header"><span class="no"><a><u>876</u></a></span> <span class="name_label">名前:</span> <a class="name_mail" href="mailto:sage"><u><strong>クズ子</strong> ◆6ClmPIZy/M</u></a> <span class="mail"><strong><font color="#5500FF">[sage]</font></strong></span> <span class="date_label">投稿日:</span> <span class="date">2009/04/21(火) 22:38:54.25 ID:JXAIiig0</span></div> <div class="mes"> <p> 凍ったイカを解凍する作業が鬼だった。ひたすら凍ったままの大きなイカに水をかけていくだけなんだけど、ずっと水に手を浸しているので、冬場でもないのにがたがた手が震えてくる。やっと半分ほど溶けたイカを切るんだけど、半分凍ったイカは業務包丁でも切りにくい。<br /> 私がやっと一個のイカをきりさばいた頃には、もう外が完全に明るくなっていた。<br /><br /> イカが終わったら、今度はまたも過去の宿敵、タコ。タコにも同じ作業をほどこすのだが、イカと違う点は酢を入れた水で解凍する所だ。怪我をしているわけじゃないのに、手がぴりぴりする。解凍が終わった頃には、手が寒さと酢の刺激で真っ赤になっていた。</p> <p> </p> </div> </div> </div> </div> </div> </div> </div>
<a name="top"></a> <div class="title"></div> <div class="header"><span class="no"><a>13</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 19:46:10.38 ID:WuCu4FE0</span></div> <div class="mes"><a href="#1">&gt;&gt;1</a><br /> 乙!<br /> ゆっくりおやすみ<br /> いつもありがとうございます</div> <div class="header"><span class="no"><a>29</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 21:13:12.86 ID:WuCu4FE0</span></div> <div class="mes">前スレ<a href="#1000">&gt;&gt;1000</a>が全部と言ったので全部織り交ぜながら書いてみる<br /><br /><br /> 20歳は成人式というものがあるらしい。<br /> だがしかし、そんなものには全く興味がなかった私は、成人式よりもお祝いがもらえる事が楽しみだった。<br /> 親戚もほとんどいなかったけど、母ちゃんと兄がくれると言ってたので、もらったらすぐ貯金箱にいれようと思っていた。<br /> 確かこの時、20歳を迎える直前で、結構大きなスパンで貯金をする事にチャレンジしていたので、少しでもお金を貯めたかった。<br /> 何を買おうとしてたかって?まぐろの頭だよ。<br /> 20歳の女が買うもんじゃねーよwwwwと、今なら思うけど、当時は本気で欲しかったんだ。</div> <div class="header"><span class="no"><a>41</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 21:18:58.02 ID:WuCu4FE0</span></div> <div class="mes">とにかく大きなまぐろの頭が欲しくて、予算3万円、月々3000円の10カ月スパンを考えていた。<br /> 仕事も楽しかったし、とにかくたくさん店にいたかった。<br /> トレーナーが、「あんたもうすぐ成人式だから、成人式用のバッグを買ってやる」と言ってくれた。そんなもんいらないからお金下さいと言ったら、「あんたは、変わったけど変わってなくていいねww」と返された。<br /> きっとトレーナーからしたら、どっかのDQNを更生させた気分だったんだろう。いや、それもあながち間違っていないけどさ。</div> <div class="header"><span class="no"><a>47</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 21:23:55.12 ID:WuCu4FE0</span></div> <div class="mes"><a href="#34">&gt;&gt;34</a><br /> ピンからキリまでって言葉がぴったりの食材だよな<br /> 下は1000円、上は10万円くらいするのもあるぜ<br /><br /><br /> 2年間いた店に凄く愛着がわいてたし、売上が悪いとトレーナーと一緒になって落ち込んだ。<br /> たかが2年間だけど、私にとってこの2年間はただバイトをしての2年間じゃないからな。思い入れが半端なかった。<br /> ある日、新規っで始めるフェアのポスターをパートさん達で手作りしようという話になった。もちろん本社からポスター買えば済む話なんだけど、経費削減とかいって、みんなで作る事になった。<br /> チェーン店だと、メニュー表とかポスターを手作りしている店は多い。</div> <div class="header"><span class="no"><a>50</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 21:29:28.52 ID:WuCu4FE0</span></div> <div class="mes">ポスターは全部で2枚。1枚はトレーナーが描いて、もう一枚はパートの誰かが描く事になった。<br /> しかしおばちゃん連中、誰も書いてこようとしない。<br /> 「うちは孫が来てるから駄目」とか「子供がいたずらしちゃうかもしれないから」とか言って、ポスター作りを嫌がっていた。<br /> 見かねた浅見さんが「私がやるからいい」と言ってポスター用の白い紙をふんだくった。明らかに不機嫌な浅見さんにトレーナーがこっそりと「悪いね、ちょっと手当付けるからさ」と伝えた。<br /> だから「お金出るならやります」と言って、浅見さんから白いポスター用紙を受け取った。<br /> 絵を描くのは嫌いじゃないし、何よりもお金が増えればまぐろの頭が早く手に入ると思ったからだ。</div> <div class="header"><span class="no"><a>56</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 21:34:23.99 ID:WuCu4FE0</span></div> <div class="mes">パー速重くて泣きそう<br /><br /><br /> 家に帰ってから描き始めてみたら、意外と夢中になった。<br /> 学生の頃から、図画工作や学級新聞とか、作文とか大好きだったからな。得意とは言わないが。<br /> 一日で描き終えてしまい、翌日すぐにトレーナーに提出したら、トレーナーが驚いてた。「あんたこれ一日で描いたの?」というので、そうですと返事したら、トレーナーは私はポスター作りの才能があると褒めてくれた。<br /> パートの人もみんな褒めてくれた。トレーナーが、「また追加で手当て出すから、新しいメニュー表も作って」と言った。<br /> お金がもらえるなら何でもやるので、これも一日で作った。また褒めてもらった。物作りが得意なのかもしれないと思った。<br /><br /></div> <div class="header"><span class="no"><a>63</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 21:40:28.45 ID:WuCu4FE0</span></div> <div class="mes"> 時系列がぐちゃぐちゃで申し訳ないが、妹が中学校に入学する時、体操着袋が欲しいと言ったが、気に行ったものが見つからず、くりくりと描いたイラストを見せて「お姉ちゃん、こんなの欲しいんだけどないかな?」と聞いてきた。<br /> なんか花のポケットがついたかわいいやつだったけど、これとまるっきり同じものはどう考えてもないだろうと思ったので、安い生地を買ってきて作ってみた。<br /> 裁縫なんかしらなかったし、型紙?縫い代?なにそれおいしいの?状態だったくせに、自画自賛できるくらいの物は作れた。<br /> 頭で想像した物をそのまま形にする事は得意だった。てっきり何の取り柄もないと思っていたが、意外な所で取り柄を発見した訳だ。<br /><br /> 母ちゃんが珍しく店に買い物に来た。<br /> トレーナーに挨拶をして、私が作ったポスターとメニュー表を見ていた。<br /> 寿司を買って帰った母ちゃん。家に帰ってその寿司を一緒に食べながら、母ちゃんはオヤジの話をし始めた。<br /></div> <div class="header"><span class="no"><a>65</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 21:43:54.17 ID:WuCu4FE0</span></div> <div class="mes">私は、オヤジによく似ているらしい。<br /> オヤジも勉強さえできなかったが、一時期絵描きを目指して大学まで進んだらしい。<br /> 何がきっかけで大学を辞めて、あんな詐欺まがいな営業職についたのかまでは母ちゃんは話さなかったけど、「あんたがオヤジの血を引き継いでくれて嬉しい」と言っていた。<br /> あんなオヤジに似てるなんて絶対に嫌だったので、私の方が立派だよ、貯金してるじゃんと反論した。母ちゃんは、「オヤジの良い所だけを引き継いでくれたっていう意味だよww」と言ってた。<br /></div> <div class="header"><span class="no"><a>71</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 21:47:19.98 ID:WuCu4FE0</span></div> <div class="mes"> オヤジの話を聞くと私があからさまに嫌な顔をするので、いつからか母ちゃんも妹もオヤジの話はしなくなっていたのに。なぜ今そんな話をするのかと思っていたら、妹も入学したし、あんたも成人するし、兄も就職出来た。その記念に家族写真を撮りたいんだと言っていた。もちろんオヤジも一緒に。<br /> オヤジ抜きなら撮ってもいいけど、オヤジがいるなら嫌だと言った。母ちゃんはそれ以上何も言わなかった。<br /><br /></div> <div class="header"><span class="no"><a>73</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 21:53:14.64 ID:WuCu4FE0</span></div> <div class="mes"><a href="#70">&gt;&gt;70</a><br /> 西原って誰?<br /><br /><br /> ある日、母ちゃんに連れられて着物屋さんに出かけた。成人式用の着物を見に来たらしい。<br /> 成人式なんか出ないし、そんなもん出るくらいなら働きたいし、成人式の日は寿司屋めちゃくちゃ忙しいからな。休んでいられない、とわめく私を無視して、母ちゃんは着物屋さんの店員と話をしていた。<br /> 母ちゃんは、「これから一生、クズ子から何の親孝行もいらないから、お願いだから成人式だけはきちんと迎えてほしい」と言った。<br /> 母ちゃんが20歳の頃、母ちゃんの母ちゃん(私のばあちゃんだね)は、成人式なんか贅沢な人が迎える事だといって支度をしてもらえなかったらしい。そこで母ちゃんは、自分でアルバイトをして着物を用意したんだと。<br /> でも、みんな家族を連れて着物屋さんに来てるのに、自分は一人だけで凄く寂しかったと言っていた。<br /><br /> 母ちゃんは、20歳の頃に、絶対自分に娘が出来たらとびっきり良い着物を着せてあげよう!と決めたらしい。<br /> 「母ちゃんの夢を押しつけて申し訳ないけど、お願い」と言われた。<br /> 母ちゃんの、そんな悲しそうな顔を見るのが嫌だったので、しぶしぶOKした。ほとんど乗り気ではなかったけど。</div> <div class="header"><span class="no"><a>77</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 21:58:46.11 ID:WuCu4FE0</span></div> <div class="mes"> 赤とかピンクとか青とか、よく見かけるような着物は嫌だと思った。なので、「一番珍しい着物がいいです」と店員に伝えたら、店員は苦笑いしていた。<br /> 黒や紫じゃ、私の無愛想顔ではまるっきり“あっち”の人にみえてしまう。<br /> だからといって、体が小さいので明るい色も似合わない。<br /> そこで母ちゃんが提案したのが、白い着物だった。白い着物に花の柄が入ってるやつ。<br /> 試着したらなかなか綺麗だったので「これがいい」と言ったら、母ちゃんはバッグから封筒を出した。封筒の中身は、間違いなく札だろう。<br /> 現金一括払いかよ、というか、レンタルじゃなくて購入する事にしていた事に驚いた。<br /></div> <div class="header"><span class="no"><a>88</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 22:05:32.17 ID:WuCu4FE0</span></div> <div class="mes"><a href="#76">&gt;&gt;76</a><br /> 子供の頃は家族と一緒がよくても、思春期迎えれば嫌になってくるだろ<br /> そんな心境変化だね<br /><br /><br /> 着物も帯もかんざしも、まとめて全部現金払い。<br /> カウンターで、どさっとおかれた現金に目がくらみそうだった。<br /><br /> 帰りの車の中で、あのお金は、ずっと昔から私の成人式の着物を作るために貯めていたお金だったと教えてもらった。<br /> 「あんたが今やってるまぐろ貯金と同じだよ」と言っていた。<br /> 今はまた妹の着物貯金もしているらしい。<br /> 私はまぐり貯金しかしていないけど、母ちゃんはいくつも貯金しているようだ。<br /> 「何貯金があるの?」と聞いても教えてくれなかったけど、少なからず、自分のためにしている貯金なんかほとんどないんだろうなと思った。<br /> 私は将来母親になっても、母ちゃんほど子供に愛をそそぐ自信がない。</div> <div class="header"><span class="no"><a>95</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 22:14:14.55 ID:WuCu4FE0</span></div> <div class="mes">西原さんの事教えてくれた人ありがとう<br /><br /><a href="#78">&gt;&gt;78</a><br /> 今というか、昔から家では眼鏡、外ではコンタクト使ってる。<br /> ちなみに今もPC打ちながら眼鏡<br /><br /><br /> トレーナーに母ちゃんに着物を作ってもらったという話をしたら、トレーナーと、あともう一人一緒にシフトで入っていたおばちゃんが、「今時着物作ってくれるお母さんなかなかいないよ」と言った。<br /> どうせ人生で着る回数なんか限られているし、そんなもんに何十万もかけてくれる親はなかなかいないんだと。あんたは幸せ者だと言われた。正直嬉しいと思った。今も昔も、母ちゃんが褒められると嬉しくなる。<br /><br /><br /> またある日に家に帰ったら、妹が泣いていた。どうかしたのかと聞いたら、家が壊されると聞いた。<br /> 前に住んでいた家だが、もうオヤジもいないし、所詮土地の権利はオヤジの親戚がもっているので、ついに取り壊されて駐車場になるらしい。<br /> 法的手続きを取ったあとだからヤクザが来るという事もないだろうが、建物があるだけで物騒だとか何とか近所の人にも言われたんだと。<br /><br /></div> <div class="header"><span class="no"><a>100</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 22:26:52.18 ID:WuCu4FE0</span></div> <div class="mes">うわまた消えたしほんとだめだ専用ブラジャーならきえないのかよちくしょうF5め妊娠させなきゃわからないのかよちくしょう<br /><br /><br /><br /> 数日後に家を見に行くと、すでに家の原型がなかった。<br /> うっわwwwwwwwwやべぇよwwwwまじねえよwwwwwwwwwwと半分パニックになったのですぐに家へ帰った。<br /> ここから数日後に、母ちゃんと妹と3人で不動産屋へ行く話に繋がる。時系列めちゃくちゃでごめんね。<br /><br /><br /> 家が壊されてから、前家の近所でオヤジの噂が立った。<br /> もちろん元々隣家には有名だったけど、今回はおばちゃんネットワークであっというまに広がったんだろう。<br /> あるおばちゃんなんか、わざわざ私が寿司屋でバイトしてる事を嗅ぎつけて「クズ子ちゃん、お父さんの事大変だったわね~」と言いにきたりもした。<br /> ずっとかくしていたのに、寿司屋の中でオヤジの事がばれた。</div> <div class="header"><span class="no"><a>109</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 22:30:48.80 ID:WuCu4FE0</span></div> <div class="mes"> ババァの偏見の目は凄いぞ。全然話した事もないようなパートのおばちゃんが突然優しくなって、何かと思ったら「御父さんいくらくらい借金あったの?」とか、「大変だったでしょう、それで高校も行けなかったの?」とか聞いてくる。<br /> レジのお金盗られたら困るわよねーとか、あの子前は水商売してたんじゃない?入ってきた時に髪の毛あかかったから、とか。私に聞こえないようにこそこそ話しているつもりでもつつぬけなんだよね。<br /> ウザイ、本当にウザイ。うざすぎてうんこしたくなるくらいウザイ。<br /><br /> というわけでうんこ</div> <div class="header"><span class="no"><a>121</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 22:40:50.52 ID:WuCu4FE0</span></div> <div class="mes">一番悲しかったのは、トレーナーの態度が変わった事だ。<br /> あんなに可愛がってくれていたのに、冷たくなってしまった。トレーナーにも偏見の目で見られているんだと思った。<br /> 浅見さんだけはケロっとしてて、私に「気にしたらあんたの負けだからね」と言ってくれたけど、他のババァならともかく、トレーナーの事はとにかくショックだった。<br /> トレーナーは第二の母ちゃんみたいな存在だったから、母ちゃんに見放された気分になった。<br /> 浅見さんに励まされても、ピザが私のためにお菓子を大量に差し入れてくれても、全然元気が出ない。もうバイトに行くのが嫌で、また遅刻癖がぶり返した。</div> <div class="header"><span class="no"><a>127</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 22:45:33.42 ID:WuCu4FE0</span></div> <div class="mes"> 母ちゃんにも話せなかった。だって母ちゃんは、社会復帰した私を自慢に思ってくれている訳だから、ここでくじけそうだと弱音を吐いたら、母ちゃんもトレーナーみたいに私を見放すんじゃないかと心配になった。<br /><br /> ある日に浅見さんは、「トレーナーは、あんたが自分で話してくれなかった事がショックなんだよ」と言った。<br /> なんでそんな事話さなきゃいけないのかと思ったけど、「トレーナーはあんたの事、自分の子供みたいに思ってるから、何でも相談してほしかったんじゃないかな」と言った。<br /> 別に家の事で悩んでないし、なんでわざわざ不幸自慢しなきゃいけないのか分からない。<br /> それに、私の事を子供のように思っていてくれたんなら、今!今じゃん!今わたし超立場がふりなんだから、今助けてくれよ!と思ったし、言ったと思う。<br /> 浅見さんは、それ以上何も言わなかった。</div> <div class="header"><span class="no"><a>131</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 22:50:02.74 ID:WuCu4FE0</span></div> <div class="mes">行きたくないし辛いし、もう嫌だと思ったので、バイトを辞めようと思った。<br /> ていうか、やめた。トレーナーに、「今月でやめます」と言ったら、「分かった」としか言わなかった。<br /> ここで逆行に立ち向かおうなんていう精神は、あいにく持ち合わせていなかった。<br /><br /> バイトをやめた事を母ちゃんには言えなかった。<br /> まるでリストラされたオヤジのように、バイトをしているふりをして、時間になれば家へ戻る生活をした。<br /> まぐろ貯金のおかげと、辞めたその日に「あとから取りに来るのは来づらいだろうから」とトレーナーは給料を用意してくれていて、中を見たら、かなり色をつけてくれていた。<br /> だからお金もあるし、2年前のニートクズ子なら、これだけお金があれば1年はニートでいられただろう。<br /></div> <div class="header"><span class="no"><a>134</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 22:55:03.88 ID:WuCu4FE0</span></div> <div class="mes"> だけど母ちゃんにはすお見通しだったようだ。「あんた、最近寿司の匂いがしないけどちゃんとバイトしてる?」と聞かれて、白状した。<br /> 何もかもオヤジのせいだと母ちゃんを怒鳴りつけたら、母ちゃんも一緒になって「そうだそうだ!よく言った!」と怒鳴った。大きい声を出したら泣けてきたので、母ちゃんにすがりついてわんわん泣いたと思う。<br /><br /> 驚いたのは、辞めた事を後悔していた事だ。諦めの速さだけは自信があったはずだし、何でも「まぁいいか」と思える精神だったのに、人の目なんか気にしないはずだったのに、辞める直前、それが全部出来なくなっていたと思う。<br /></div> <div class="header"><span class="no"><a>148</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 23:03:17.95 ID:WuCu4FE0</span></div> <div class="mes"> 浅見さんは最後まで味方でいてくれたし、ピザだってなるべく私とシフトが重なるようにしてくれたのに、そんな好意を無にして、目の前の辛い物から逃げ出してきた後悔で、頭が痛かった。<br /> 母ちゃんは、「それで後悔しないの?あんた本当に後悔しないの?」と聞いた。後悔している事も、母ちゃんはお見通しのようだ。<br /> 少しでも後悔しているなら、今からでも遅くないんだよ、と母ちゃんは復帰を促してくれたけど、トレーナーの顔を見る勇気がない。<br /> 抜け殻のようになった私は、またニートに戻って毎日部屋に引きこもる生活を送った。働こうとは思わなかった。働く=傷つくと覚えた。<br /><br /> 目標がない人間は本当に駄目になると思った。<br /> 毎日うんこして食って寝るだけだ。<br /> ある日2ちゃんを見たら、「働かざるもの食うべからず」と書いてあった。じゃあ食わねーよ!とむきになって、一週間ポカリだけで過ごした。真症のバカだったと思う。<br /> まだ2年前の方が家事もしてたし、良かったと思う。<br /></div> <div class="header"><span class="no"><a>153</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 23:10:13.66 ID:WuCu4FE0</span></div> <div class="mes">出来あがった着物が届いたけど、見る気にもなれなかった。<br /> 当然、オヤジにも会いたくなかったので、家族で記念写真の話なんか絶対に嫌だと言い続けた。<br /><br /> 成人式の手前で、私は20歳の誕生日を迎えた。全然嬉しくなかったけど、もらえたプレゼントが嬉しかった。<br /> 母ちゃんから新しいミシンと、兄からは覚えてない(なんか洋服とかだった気がする)妹からは120色入りの色鉛筆と、スケッチブックをもらった。<br /> このスケッチブックは嬉しかった。毎日狂ったように絵を描いた。前に寿司屋でポスターを描いた時、楽しかった事を思い出したし、絵を描くと時間潰しにもなる。<br /> そしてミシンも嬉しかった。前も書いたけど、頭の中で思った物を形にするのは得意なので、“どういう作りなんだ?”というアニメとかのキャラクター衣装を作るのが得意だった。<br /> もちろん余り布とかで形だけ作ってるだけだったので、特に着る事もなく作っては捨てていたけど、それでも楽しかった。</div> <div class="header"><span class="no"><a>158</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 23:15:36.17 ID:WuCu4FE0</span></div> <div class="mes"> ある日に、妹が昔好きだったアニメのキャラクター衣装を作ったら、妹が「お姉ちゃん、これインターネットとかで売れば?」と言った。お金もそろそろつきていたし、昔やったバザー感覚で、いっちょオークションに出品してみるかと思った。<br /> 材料費2000円くらいの物が、20000円で売れた。妹に着せて撮った写真が良かったのか、明らかに男性ですね、という方が落札してくれた。<br /> 調子にのってもう一つ出品したら、こっちは12000円で売れた。時期的に冬の大きなイベント前で良かったのかもしれない。<br /><br /></div> <div class="header"><span class="no"><a>165</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 23:19:34.63 ID:WuCu4FE0</span></div> <div class="mes"> 母ちゃんにその事を話したら、「自分でビジネスするのは色々と大変だよ」と言った。いくら以上稼ぐと税金がどうので、確定申告がうんたらかんたらと言われた。<br /> 別にこれを仕事にしようとは思ってなかったので聞き飛ばしていたけど、それでもまたやる気というか、楽して金が手に入る!精神が目覚めてきた。<br /> 衣装作りは苦じゃないというか、多分前世は洋服屋だったんだと思う。一日に2着作るのは余裕だったし、見かけも悪くない。<br /> ただ、いくらモザイク入りとはいえ妹の写真を使うのは怖かったので自分で着て出品した。妹の写真を使った時よりも落札金額が低かったのはなぜだろうか。</div> <div class="header"><span class="no"><a>170</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 23:24:59.91 ID:WuCu4FE0</span></div> <div class="mes"> ひと月で、結構な金額が稼げた。母ちゃんが、「○○円は税金として申告して提出しなきゃダメなんだからね」と教えてくれた。だけど、ひと月でこれだけ稼げてしまっていいものなのかちょっと怖くなった。<br /><br /> ある日母ちゃんが、「今度うちで新しい缶を作ろうと思うんだけどアイディアない?」と聞いてきた。そういうのを考えるのは大好きなので、一晩中缶のデザインを考えた。<br /> 翌日母ちゃんにデザイン画を渡して見せたら、母ちゃんは驚いていた。「あんた絵上手くなったね」と褒めてもらった。<br /> 一日中ずっと絵を描く生活をしていたので、画力が上がったんだと思った。<br /><br /> デザイン画を持って、母ちゃんが「これが通れば、母ちゃんの株も上がる」と言った。<br /></div> <div class="header"><span class="no"><a>175</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 23:29:32.28 ID:WuCu4FE0</span></div> <div class="mes"> 絵の勉強がしたいと思った。いわゆるアニメ絵とかはからっきしダメだから、漫画を描こうとは思わなかったけど、とりあえず絵を習いたいと思った。<br /> 母ちゃんに言ったら、「学校に行く?」と言われた。学校は嫌だったので、もう独学でいいやと思った。<br /> だけど、独学で絵を勉強するのは難しい。だって、第三者の言葉がもらえないじゃん。自分では上手い!と思っても、実は他人からみたら“いや、ここが…”ってのがあると思うんだよ。<br /> 母ちゃんに相談したら、母ちゃんは、「オヤジに習ったら?」と言った。絶対嫌だと言ったけど、絵を習っていたらしいオヤジの絵には興味があった。<br /> 母ちゃんにオヤジの絵が見たいと言ったら、母ちゃんが一枚の絵を見せてくれた。母ちゃんの絵だった。油絵だったけど、めちゃくちゃ上手かった。</div> <div class="header"><span class="no"><a>178</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 23:34:11.96 ID:WuCu4FE0</span></div> <div class="mes">私が今まで心奪われたのは、人生で二つだけ。えんがわと、このオヤジの油絵だ。<br /> 結婚前に描いてもらったらしく、もうかなり古い物だからヒビ割れて状態は悪かったけど、でも、ずっと見ていても飽きない絵だった。<br /> 何とかしてこの絵を描きたい衝動に駆られたので、模写した。模写しまくったけど、やっぱり全然違う。何が違うかなんか明白だ。接客の時の、ピザと私の違いと同じ。心がないんだと思った。<br /> オヤジは本当に母ちゃんを愛していたんだなと思った。<br /><br /> オヤジに会おうと思ったのは、これがきっかけだ。<br /> オヤジに会おうというか、感覚としては大ファンの画家に会いたいという気分だった。<br /> もちろん相手はオヤジだけど、それでもこの絵を描いた時の気持ちが聞きたいと思った。それは娘として思ったのではなく、一人の人間として思った。</div> <div class="header"><span class="no"><a>187</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 23:39:57.23 ID:WuCu4FE0</span></div> <div class="mes">母ちゃんがオヤジのアパートまで連れていってくれた。<br /> 数年ぶりに見たオヤジは、前歯がなかった。「オヤジ、前歯は?」が、久々の対面の第一声だったと思う。<br /><br /> 前歯の真相は、週に一度の母ちゃんとのデートの日。仕事から帰ってきてからうきうきはしゃいでアパートの階段を降りたら、そのまま転倒したらしい。<br /> 歯医者で「もう駄目なので抜きましょう」といって抜かれたオヤジの前歯。もちろんしばらくは仮の歯が入っていたが、そこから治療費をけちって歯医者へ通院しなくなり。仮歯も取れてしまい、みごとな歯抜けになったという訳だ。<br /> 「いや、歯医者行きなよ」<br /> 「いやーお父さん歯医者嫌いだからねー」<br /> HAHAHAと笑うオヤジは、昔からこういうオヤジだ。軽いというか、うん、軽い。</div> <div class="header"><span class="no"><a>192</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 23:46:08.80 ID:WuCu4FE0</span></div> <div class="mes">オヤジのアパートで、母ちゃんはかいがいしく洗濯や掃除をしていた。<br /> しかしオヤジの部屋は矛盾だらけの部屋だ。<br /> まずテレビがないのにDVDがあるし、炊飯器がないのに生のお米がある。でも鍋もないんだぞ。<br /> そして部屋に貼られた、某子役のポスターと、某タレントのポスター。丁寧に新聞の切り抜きまで貼ってある。名前は伏せさせてもらう。<br /> 某子役は、妹。そして某タレントは私に顔が似てるから好きなんだと言っていた。<br /> 「毎日妹とクズ子が家にいるみたいで嬉しいから、お父さん貼っちゃった」と言った。<br /><br /> 悪いけど、うちのオヤジは歩くギャグ漫画みたいな人なので、あまりエピソードを書くと漫画みたいになっちゃうから、書くのはなるべく控える。</div> <div class="header"><span class="no"><a>201</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 23:51:45.22 ID:WuCu4FE0</span></div> <div class="mes">なぜテレビがないのにDVDプレイヤーがあるのか聞いたら、見たいDVDがあったからだと言った。<br /> でもテレビないじゃんと言ったら、どうやら数日前まではあったらしい。だけど、家で米が食べたかったから売っちゃったと言った。<br /> 「でも炊飯器ないじゃん」<br /> 「そうなんだよ!だから、DVDプレイヤー売って炊飯器買おうかな」<br /> 「やだわ、あなたwwwwそれじゃせっかく買ったDVDが見れないじゃないwwww」<br /> 「そうなんだよね~」<br /> あははうふふと笑いあう法律上は元夫婦の二人。そういえば、小さい頃からオヤジと母ちゃんはこんなだったなぁと思った。<br /><br /> オヤジは、私の現状をたくさん聞いてきた。<br /> なので、そのまま話したら、オヤジは寿司屋をやめたきっかけを聞いて、黙って頭を下げた。</div> <div class="header"><span class="no"><a>205</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 23:57:01.98 ID:WuCu4FE0</span></div> <div class="mes">意外に、話しているうちにあれだけ恨んでいた気持ちが消えていった。<br /> オヤジは昔から、人を和ませる力を持っている人だったし、やっぱり元営業マントップだけはある、穏やかというか、優しいというか。何度も何度も謝ってくれて、こっちが申し訳ない気持ちになってきた。<br /><br /> これは正直な気持ち、今の今でも、なぜオヤジが借金してしまったのか分からない。<br /> もちろん理由はあったけど、でも、とてもこんなに優しいオヤジがなぜだろうという気持ちしかない。<br /><br /> まぁ話は戻って。<br /> 久々の父と娘の対面というよりは、今だけ昔に戻ったように、普通に話せた。<br /> 気まずいという事もなかったし、話題に困ることもない。<br /> オヤジの人柄がなせた技だと思う。</div> <div class="header"><span class="no"><a>207</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 00:02:12.60 ID:Y2JziXw0</span></div> <div class="mes">オヤジの描いた油絵を見せて、「これに凄く感動した」と伝えた。<br /> オヤジは懐かしそうに油絵を見て、「クズ子も絵が好きなのか」と言った。<br /><br /> 「絵の仕事でもしたいのか?」<br /> 「ううん、ただ絵が好きだから勉強したいだけ」<br /><br /> じゃあお父さんが教えてあげると言って、オヤジはスケッチブックに私を描いてくれた。鉛筆のラフだったけど、ずっと描いていなかったせいか、「下手になったなぁww」と自分の絵を見て笑っていた。<br /> それでも私から見たら、凄く上手。<br /> 一日中、模写とか、静止画とか、オヤジと一緒に絵を描いた。夕方に母ちゃんがご飯を作ろうとしてくれたけど、フライパンしかないので何も作れないという事になり、3人でご飯を食べた。そういえばこの日妹がいなかったけど何でいなかったかは覚えてない。</div> <div class="header"><span class="no"><a>213</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 00:08:49.11 ID:Y2JziXw0</span></div> <div class="mes"> 帰りの車の中で、母ちゃんに家族写真の話を自分で切り出した。母ちゃんは嬉しそうに、「じゃあ、兄の成人式もやってあげられていなかったから兄も単独で写真撮ってあげなきゃ」と言ってた。<br /><br /> 家族と記念写真をとる、というか成人式の直前だったかな。ある夜に、荷物が届いた。トレーナーからだった。<br /> 中を見たら、バッグが入っていた。成人式用のやつ。<br /> 手紙が入ってて、ごめん今ちょっと現物が手元にないので内容は詳しく書けないんだけど、文末に「いつでも戻ってこい」の言葉に泣いた覚えがある。<br /> あと、「受け止めきれなくて申し訳なかった」とか、謝罪の言葉が並んでたと思う。<br /><br /> 母ちゃんにもバッグは買ってもらってたけど、トレーナーからもらったバッグを使っていいかと聞いたら、母ちゃんが「当たり前でしょ」と言ってくれた。</div> <div class="header"><span class="no"><a>218</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 00:13:07.53 ID:Y2JziXw0</span></div> <div class="mes">3年ぶりにそろった家族で、兄もオヤジと会うのは久しぶりだったようだ。<br /> やっぱり兄も、「オヤジ前歯は?」と聞いていた。<br /><br /> 兄は、オヤジに「妹の事は俺に任せてくれよ」と言った。「離れて暮らしている分、俺とオヤジで父親二人になろうぜ」と言った。この時だけは兄がかっこいいと思った。<br /> 中学生なのに、いつまでも小さい子供のような妹は、はしゃいではしゃいで仕方なかった。<br /> 「今日が毎日ならいいのに!」と言って、車の中でもスタジオの中でも、ぱたぱた走り回ってとにかく落ち着きがない。</div> <div class="header"><span class="no"><a>226</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 00:19:41.96 ID:Y2JziXw0</span></div> <div class="mes"> 母ちゃんに買ってもらった着物姿の私に、オヤジは「凄い綺麗だけど、母ちゃんはもっと綺麗だったなぁ」と言った。母ちゃんも「やだwwwwあなたったらwwww」と言って照れていた。いまだにこの二人が元夫婦だなんて思えない。今も昔もずっとこんな感じだからな。<br /><br /> 帰り際に、母ちゃんが「これを機に、月に1度は全員で集まりましょう」と言った。<br /> 妹の賛成の掛け声を合図に、みんなで賛成した。<br /> そして母ちゃんが、もう一つ報告があると言った。<br /> 「母ちゃん、次の仕事が上手くいけば取締役になれるの」と言った。運転中のオヤジが、急ブレーキを踏んで驚いていた。<br /><br /> 実質社長と母ちゃんの2トップの会社になるんだと。<br /> オヤジは、「しゃ、社長と再婚するのか?」と言ってたけど、社長はもう奥さんもいるしそんなんじゃないと母ちゃんは言った。</div> <div class="header"><span class="no"><a>237</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 00:25:11.17 ID:Y2JziXw0</span></div> <div class="mes">母ちゃんのヘッドハンテングの声が増えてきて、でも母ちゃんも年が年だしこの景気だから、他に移る気は皆無なんだそうだ。<br /> 前も書いた通り、あくまでも母ちゃんは今の会社で出世して、会社を大きくする事が夢だからな。<br /><br /> でも、大学も出てない、ただのパートのおばちゃんだった女性をこれ以上出世させる事もなかなか難しいらしい。部長が精一杯て事だろうね。<br /><br /> そこで母ちゃんは、「じゃあ女性も男性も関係なく、学歴にも負けない良い実績を上げればいいんじゃん!」と思ったらしく、第二工場を作って、事業を広げる一大計画を考えたんだと。<br /><br /><br /></div> <div class="header"><span class="no"><a>241</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 00:28:51.45 ID:Y2JziXw0</span></div> <div class="mes"><a href="#236">&gt;&gt;236</a><br /> パート<br /> ↓<br /> 主任<br /> ↓<br /> 現場監督<br /> ↓<br /> 課長<br /> ↓<br /> 部長<br /><br /> が正しい<br /><br /><br /> そういえばちょっと前に、なんか新しい缶のデザインを考えろとか言われたなと思って、「あれも母ちゃんの計画のひとつ?」と聞いた。<br /> 母ちゃんは、「あんた絵が好きだし、もし上手くいけばうちでデザイナーとして雇ってもいいかなと思ったんだけど、その権限も今はないから欲しいのよね」と言った。<br /> 「権限が欲しけりゃ手に入れればいいじゃん!よっしゃ出世しよう!」という、いかにも母ちゃんらしい発想。<br /> オヤジが「…多分、今の母ちゃんは俺の倍は稼いでるよな」と呟いて落ち込んでいた。</div> <div class="header"><span class="no"><a>248</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 00:33:34.90 ID:Y2JziXw0</span></div> <div class="mes"> それからまた母ちゃんはめちゃくちゃに忙しくなった。携帯を持って風呂に入るぐらいだった。睡眠不足なんてものが母ちゃんにはないんだろうか。よく分からないけど、毎年会社の健康診断は「判定A」だった。医者お墨付きの健康体。<br /> 多忙になれた結果だと言ってたけど、それでも凄い。母ちゃんのお肌もつるつるだし、何よりも皺とかがない。40代後半を迎えているはずなのに、30代前半にしか見えない。(娘のひいき目かもしれないが)<br /> 働くとエネルギーが湧いて老けないんだと言っていた。それは間違いないと思った。<br /><br /> でも、妹の授業参観は必ず参加するし、運動会なんか朝一番で場所取りするし、中学校の合唱祭も、一番前の席で一眼レフを光らせる。<br /></div> <div class="header"><span class="no"><a>252</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 00:38:56.17 ID:Y2JziXw0</span></div> <div class="mes">相変わらず私はニートだったけど、でも、10代の時と決定的に違うのは、母ちゃんに対する考え方だった。<br /> 母ちゃん凄いなー、という気持ちから、母ちゃんみたいになりたいなーという気持ちになった。<br /><br /><br /> ある日、VIPに釣りスレを立てた。釣りですたwwwwという落ちで終わらせたスレだったが、めちゃくちゃ伸びた。名前は言わないけど、有名まとめサイトにも載っていた。<br /> 「<a href="#1">&gt;&gt;1</a>の文章力に嫉妬wwww」「<a href="#1">&gt;&gt;1</a>お前小説家になれよwwww」という、VIPにありがちな言葉が並んでいたけど、単純に初めて書いた文章でこれだけの人が喜んでくれたというか、楽しんでくれたのが嬉しかった。<br /> つーか、そういう楽しい話を考えるのが凄く好きだったので、これは良い趣味になるwwとはまった。</div> <div class="header"><span class="no"><a>263</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 00:46:04.90 ID:Y2JziXw0</span></div> <div class="mes"> 小説書けよと自分でも思ったけど、文章力(発想力じゃないぞ)が自分には欠けているので駄目な事は分かっている。これに対してのフォローもいらん。<br /><br /> ここからは書いていいかちょっと躊躇うが、連日釣りスレで楽しんでいた時、出版社から以前立てた私の釣りスレをまとめたサイト経由で連絡が来た。<br /> wiki経由から連絡先をつきとめたんだと思った。<br /> 出版しませんか?という連絡だったけど、あれは釣りスレなんで駄目ですと断った。<br /> 銭ゲバのくせにと思うかもしれないけど、だって、釣りスレをわざわざ小説化してどうすんだよって話。<br /> ギリギリな事書いてるし、このあたりは色んな人に迷惑かかりそうだからここまでにしておくけど、まぁそんな話があって。出版の人に、一本何か小説書いて、応募か持ち込みする事をすすめられた。<br /><br /><br /></div> <div class="header"><span class="no"><a>274</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 00:51:23.95 ID:Y2JziXw0</span></div> <div class="mes">いや、釣りじゃないってば。<br /> 私の特徴として、釣りすれで「釣りじゃない」宣言はしない。<br /> ていうか、こんな長々とした釣りスレは個人的に好きじゃない。<br /><br /><br /> さっきも書いたけど、文章力がないので何か文章を書こうとは思わなかったけど、私の発想力だけは仕事に出来るかもしれないのか、と思った。<br /> 母ちゃんにそれを話したら、「発想力だけを仕事にしようと思ったら、なかなか難しいかもね」と言われた。<br /> 絵とか字とか、それに何か付属してなきゃお金にはならないわけだ。<br /> ちぇーっと思っていたら、妹が「じゃあ、妹のクラスの学級新聞書いて!」と言ってきた。お金にならないので断ろうと思ったけど、寿司屋のポスターから始まり、洋服、釣りスレと、とにかく何かひとつの物を完成させるのは好きだったので、引きうけようと思った。<br /><br /></div> <div class="header"><span class="no"><a>282</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 00:54:52.20 ID:Y2JziXw0</span></div> <div class="mes"><a href="#275">&gt;&gt;275</a><br /> やっぱ書かなきゃ良かったかな、出版の一連は。<br /> 今特に出版関係の仕事をしているわけじゃないけど(ネタバレだけどいいよね)色んなきっかけになったので書こうと思ったんだけど…<br /><br /> なんかへこんだのでうんこしてくる</div> <div class="header"><span class="no"><a>295</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 01:04:38.02 ID:Y2JziXw0</span></div> <div class="mes"><a href="#292">&gt;&gt;292</a><br /> そうだね!わたし、<a href="#292">&gt;&gt;292</a>と結婚する事にした!みんなありがとう!<br /><br /><br /> 気を取り直して続き<br /><br /> 学級新聞の材料を買いにホームセンターに出かける途中、寿司屋の前を通ってみた。<br /> トレーナーにバッグのお礼を言おうと思ってたんだけど、見たら浅見さんが一人で仕事をしていた。<br /> 浅見さんと話したいけど、今更顔を合わせていいか悩んだ、けど悩んでても仕方ないので店に入った。浅見さんはびっくりして「あんた、生きてたの!?」と言った。<br /> そりゃ生きてるよ、と思ったけど、トレーナーがバッグを送って「戻っておいで、連絡待ってるから」と言ったのに連絡がないから、何か病気でもしたんじゃないかと思ったらしい。</div> <div class="header"><span class="no"><a>305</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 01:10:16.84 ID:Y2JziXw0</span></div> <div class="mes">いや!大丈夫、ごめん、ちょっとすねてみたかっただけだよほら可愛いでしょあはは<br /><br /><br /> 正直、もう戻るつもりはなかったので「トレーナーには近いうちに連絡します」とだけ言っておいた。<br /> 浅見さんが「今日はどうしたの?」と言ったので、学級新聞の話をした。材料を買って今日作るんですと言ったら、「あんたの作ったポスター、えらい評判良いからまたうちの店のポスターも作ってよ」と言った。<br /> 見れば、もうフェアなんかとっくに終わってるはずなのに、私の作ったポスターをまだ貼ってくれていた。メニュー表も私が作ったままだった。<br /><br /> これにやる気が出たので、さっそく帰ってから学級新聞を作った。新聞みたいな、見出しとかどこにどういう物を書こうとか考えるのが大好きなので、夜通しで夢中になって作業をした。</div> <div class="header"><span class="no"><a>310</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 01:15:32.40 ID:Y2JziXw0</span></div> <div class="mes">次第に私は、物を作る事に喜びというか、楽しいという気持ちを持つようになってきた。<br /> 金がなくなってはコスプレ衣装を作り、オークションで売る。それだけでも寿司屋のバイトの時よりは稼げていたし、合間に絵を描いて、飯作って、VIPで釣りスレ立てて、うんこして寝る生活。<br /> 結構充実した毎日を送っていたと思う。あんまりこの辺りはエピソードがない。そのくらい、平穏というか、普通の毎日だった。<br /><br /> ただ、コスプレ衣装も大きなイベント前でない限りはなかなか売れない時もある。<br /> 母ちゃんに言ったら、「それがクリエイターの使命だ」と言った。ぶっちゃけ、クリエイターの意味が分からなかったが、何となくかっこいい言葉だと思った。<br /> なので、オークションの自己紹介欄に“職業:クリエイター”と書いていた。ただのニートなのにひどい黒歴史だと思う。</div> <div class="header"><span class="no"><a>318</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 01:20:32.97 ID:Y2JziXw0</span></div> <div class="mes">ちなみに私は両方が利き手。どっかのレスに左利き?とあったので一応。<br /><br /><br /> トレーナーに連絡をした。バッグのお礼の電話だ。トレーナーとたわいもない話をして、バッグのお礼を言った。トレーナーは突然、電話口で泣き始めた。<br /> 何回も何回も、「悪かった」「ごめん」と謝られた。<br /> トレーナーから直々に、戻ってくる気はないかと言われて一瞬迷った。何となくやりたい事も見つかったけど、でもまだ何の形にもなっていないし、仕事といえるかも微妙な所だし。<br /> 何より、これ本当ぶっちゃけ、在宅で稼げてしまったので、気楽な生活になれちゃったから、また朝起きるのは嫌だ!と思ったんだよ。</div> <div class="header"><span class="no"><a>326</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 01:24:36.06 ID:Y2JziXw0</span></div> <div class="mes"> トレーナーから、戻ってくるなら時給を上げてやると言われた。いくらだったかは覚えてないけど、多分850円を900円とかにするって言われたのかな。<br /> あと、まかないもクズ子だけは特別に好きなネタを好きなだけ使っていいと言われた。<br /> 戻ろうと思った。<br /><br /> クズ子だけ特別、がポイントだったのかもしれない。<br /><br /> でも前みたいに週に5日フルでは働けないと言った。衣装作りも続けたかったためだ。<br /> こうして私は、寿司屋に復帰した。なんとも単純な理由で復帰した。でも私はこういう人間なので、なんともらしいかな、と自分的には満足していた。</div> <div class="header"><span class="no"><a>338</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 01:30:11.23 ID:Y2JziXw0</span></div> <div class="mes">寿司屋でまた働きながら、衣装も作る。<br /> 衣装作りの数もこなしていくと、落札者からのリピートとか、オーダー希望の連絡も入る。<br /> たまに仕事につまると、オヤジの所へ行ってオヤジと一緒に絵を描いたり、VIPで釣りスレ立てたり、妹の学級新聞を作ったりしていた。<br /><br /> 二足のワラジは結構辛いもので、復帰初日から寝坊した。めんどくせーと思っていたが、この日、トレーナーがマンションまで迎えに来ていた。インターフォンを鳴らされて目が覚めたので、すぐに分かった。<br /><br /> 「絶対あんたは遅刻すると思ったんだよね」と、前に聞いた事があるような事を言われたが、久しぶりにトレーナーと会えてとにかく嬉しかった。<br /> もちろんパートのおばちゃんの中には、「よく戻ってこれるわね」という人もいた。ていうか、トレーナーと浅見さんとピザ以外全員そうだった。けど、トレーナーと浅見さんとピザが味方なだけで良かった。</div> <div class="header"><span class="no"><a>345</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 01:35:40.78 ID:Y2JziXw0</span></div> <div class="mes"><a href="#337">&gt;&gt;337</a><br /> 賛否両論かもね<br /> でも人間なんかこういうもんだよ(キリッ)<br /><br /><br /> 再び寿司くさい体になった私を、母ちゃんが誰よりも喜んでくれた。<br /> 「あんたは出来る子だ」とたくさん褒めてくれて、体にだけは気をつけろと言われた。<br /><br /> ある程度、オークションで私の衣装を落札してくれる人が定まってきた。<br /> なので、オークションではなくネット通販に切り替えようと思った。<br /> 売れるんだか売れないんだか分らないオークションよりも、オーダー式の通販の方が全然良い。<br /> ただ、確定申告とか税金とか、20歳過ぎたので年金とか色々払わなきゃいけない物があるみたいで、全部計算がめんどくさくて母ちゃんにやってもらおうと思った。<br /> なので、収入はまず母ちゃんへ全額渡す。母ちゃんが必要経費を抜いて、私に残額を返してくれる。<br /> しかしそれは二重で面倒なので、必要な時に母ちゃんへ申請して、母ちゃんに金を管理してもらっていた。<br /><br /><br /></div> <div class="header"><span class="no"><a>355</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 01:41:28.34 ID:Y2JziXw0</span></div> <div class="mes"><a href="#341">&gt;&gt;341</a><br /> 朝だけの人とか、夜だけの人とか、土日だけとか色々いるから合計では12人<br /><br /><br /> さすがに経理部長でもある母ちゃん(まぁ、営業部長でもありその他何とか部長っていう肩書は全部母ちゃんなんだけどね)、結婚前は税理士事務所でお茶くみをしていただけあり、税金関係はばっちりだ。きちんと毎月明細を作って見せてくれて、ひとつひとつ教えてくれた。<br /> 兄にその話をしたら、「税理士雇ったら凄い金額かかるから、お前はラッキーだな」と言われた。<br /> 母ちゃんがやってくれている事は、普通ならお金がかかるらしい。<br /> でも私は母ちゃんがやってくれているから、ラッキーだと思った。</div> <div class="header"><span class="no"><a>361</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 01:46:17.57 ID:Y2JziXw0</span></div> <div class="mes"> トレーナーにその話をしたら、「あんたも稼げるようになったんだから、お母さんに少しは返してあげなさい」と言われた。気持ちでもいいので、ちょっとした物あげたら喜ぶよと言われた。<br /><br /> ある日に作っていた衣装で、ブレザーのボタンホールでミスをした衣装があった。これでは売り物にならないので、母ちゃんに「母ちゃんのためにジャケット作ってみたよ」と言って失敗したブレザーを渡した。<br /> 母ちゃんが泣いた。<br /> 泣かせるつもりではなかったからびっくりしたけど、嬉しくて泣いてる事が分かったので複雑な気持ちになった。<br /> まさかそれは売り物にしようとして失敗したからあげただけです、とか言えない空気だった。</div> <div class="header"><span class="no"><a>369</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 01:51:07.57 ID:Y2JziXw0</span></div> <div class="mes">その日から母ちゃんは、某ゲームキャラクターの制服(ワッペンつき)を毎日着て会社へ通勤するようになった。<br /> その姿を見る度に罪悪感と、「それはえろいゲームのキャラクターの衣装なのに…」と思って笑えた。<br /><br /> それからまたしばらくして、母ちゃんが私に「あんたのデザイン、駄目だった。奇抜すぎてインクがどうのこうの」と言って、以前書いたデザインがボツになった話をされた。<br /> あの缶さえ通れば、第二工場も夢じゃないのに、と言った母ちゃんのために、またその日夜通しデザインを考えた。<br /> 翌日母ちゃんにデザインを渡したら、母ちゃんは大喜びで「これを武器に、また社長と口ケンカしてくるわ」と言った。</div> <div class="header"><span class="no"><a>381</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 01:56:23.47 ID:Y2JziXw0</span></div> <div class="mes"><a href="#368">&gt;&gt;368</a><br /> ヒント・母ちゃんが18の頃は超絶バブル時代<br /><br /><br /> 連日繰り返しだった。またデザインがボツになり、またボツになり。もうイライラしてきたので、「母ちゃん、社長と現場の連中全員連れてきてよ!どこが駄目なのか自分で聞く!」と母ちゃんに言った。母ちゃんは、「別に無理してもう描かなくていいよ」と言った。<br /> 「他のデザイナーに頼んでみるから」と言って、私のムキになる性格と負けず嫌いのツボをギュウギュウ押してきた母ちゃん。<br /> 何がなんでもデザインを通してやると躍起になって、連日遅くまでデザインを考えていた。<br /><br /> 寿司屋では、ピザが就職するので退職すると言った。<br /> 私は、「就職なんかしちゃらめええええええ」と言って悲しんだが、ピザの就職先が保育園だと聞いて妙に納得した。<br /> 保育園で園児を相手にブッダの教えを解けばいいと思った。</div> <div class="header"><span class="no"><a>394</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 02:01:28.17 ID:Y2JziXw0</span></div> <div class="mes">ピザがいなくなって、人出がたらなくなった。<br /> 困った事に、パートのおばちゃんもピザが辞めるのをきっかけに、というか同時期にだな、春だったので、「子供がうんたらかんたら」と言ってまとめて3人やめてしまった。<br /> 募集をかけようにも、私が働きだしてから3年、一人も新人が入ってきた事がない。<br /> こりゃーやばいなと思っていたら、トレーナーが私に「あんた、週に5日入れない?」と聞いてきた。<br /> オーダーだけのシステムにしてから、かなり時間にゆとりはあったものの、寿司屋で週に5日働くとまるまる休みがなくなってしまう。<br /> 無理ですと言いたいが、でも店を助けると思えば、嫌ですとは言えない。<br /> 困っていたら、トレーナーが「あんたを、正社員で雇いたい」と言いだした。<br /> バイトと正社員の違いがよく分かっていなかった私は、「時給が上がるんですか?」と聞いた。</div> <div class="header"><span class="no"><a>407</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 02:06:52.84 ID:Y2JziXw0</span></div> <div class="mes">トレーナーは、用意していたらしい分厚い書類の封筒を私に差し出して、「よく考えなさい」とだけ言った。<br /> 帰ってから母ちゃんに書類を見せた。寿司屋の正社員制度についての紙だったらしい。<br /><br /> でも外食産業は危ないからうんたらと母ちゃんがめちゃくちゃ悩んでいたと思う。<br /> 何とか保険はある、何とか手当はある、と鬼のような形相で書類を見ていて、「で?給料上がるの?」と聞いた私を「黙っていなさい」の一言で黙らせた。<br /><br /> トレーナーの話によると、仕事の量も増えるらしい。材料の仕入れとか、本社との打ち合わせとかもしなくちゃいけなくて、今まではトレーナー一人で全部やってたけど、これからは私がやるんだと言ってた。<br /></div> <div class="header"><span class="no"><a>421</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 02:13:15.80 ID:Y2JziXw0</span></div> <div class="mes"> しかし母ちゃんは、もしこれから私が別の企業に就職したいと思った時、正社員で働いた過去があるとふりになる事もあると言っていた。<br /> 一通り書類に目を通してから母ちゃんが、結果からいうと給料は上がると言った。しかも上がるなんてもんじゃなく、1.5倍にはなると言った。<br /> 「あ、じゃあ正社員になる」<br /> 「馬鹿!あんたはいつもそうやってお金に飛びつく!これは一生の事なんだから、真剣に考えなきゃダメ!」<br /> 母ちゃんがぷりぷり怒っていて、ちょっと怖かった。母ちゃんが怒るなんて珍しいので、口を一文字にして母ちゃんの言葉を待った。<br /> 怒っているというか、真面目に悩んでくれて、必死だったんだと思う。一晩考えさせて、となぜか母ちゃんが決める事になったらしい今回の話。<br /> どうせ明日は仕事が休みなのでいいかと思って、再び衣装作りに戻った。<br /><br /><br /> ごめんなさい、今日はここまで<br /> 明日は夜に再開します。時間はたぶん20時か21時。<br /> 何日も何日も引っ張ってごめんなさい。<br /> 多分明日には終わります。</div> <div class="header"><span class="no"><a>430</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 02:15:27.44 ID:Y2JziXw0</span></div> <div class="mes"><a href="#409">&gt;&gt;409</a><br /> 学歴ない場合は3年の実務経験で資格的にはおっけー<br /> ただし上に上がれる可能性はゼロ<br /><br /> あと他に読み飛ばしているレスあったらごめんなさい</div> <div class="header"><span class="no"><a>490</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 04:32:41.59 ID:Y2JziXw0</span></div> <div class="mes"><br /> ハム速じゃないよ。ハム速に迷惑かかりそうだからそれだけは否定しておく。<br /><br /> そしてどこのまとめサイトとも繋がってなんかいません。<br /><br /> あと出版にコネもありません。<br /> 一回メールのやりとりしただけでコネに繋がるほど甘い世界なら、世の中作家だらけです。<br /><br /> そもそも最初から、本気で出版やまとめサイトと繋がっているなら、出版の話やまとめサイトの事もここには書きません。<br /><br /> 釣りでもありません。<br /><br /> 最初はあまりに荒れてるのでスルーしようかと思ったけど、ちゃんと否定する所は否定しておかなきゃいけないと思ったし、何よりもwiki厨に申し訳ない。<br /> やっぱ書かなきゃ良かったと後悔している、本当に申し訳なかった。<br /><br /> 私はまとめサイトの存在自体には否定的ではないけど、wiki厨の光の速さの更新が好きなので、こういう流れになるとせっかくやってきたのに、wiki厨のやる気がそげてしまうと思う。まとめサイトのやる気はしらん。<br /><br /><br /></div> <div class="header"><span class="no"><a>491</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 04:33:25.88 ID:Y2JziXw0</span></div> <div class="mes">というわけで私の負けという事でさようなら<br /></div> <div class="header"><span class="no"><a>499</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 04:46:46.62 ID:Y2JziXw0</span></div> <div class="mes">続きは書くけど、<a href="#490">&gt;&gt;490</a>でしっかり否定したから、以後は憶測は控えてほしい<br /> 荒れるし、何よりwiki厨に嫌われたらクズ子泣いちゃうんだからね!<br /> ケツは絶対に割らないので安心してくれ<br /> もう寝るさらば</div> <div class="header"><span class="no"><a>606</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 21:59:50.71 ID:Y2JziXw0</span></div> <div class="mes">今赤飯を炊いているのでもうちょっと待ってくれ<br /> いや、何かめでたい事があった訳じゃないが、本格的赤飯を炊いてみたい衝動にかられて、小豆から煮始めてしまった<br /> 今蒸している所だ<br /> 後片付けもしなきゃいけないので、もう少々お待ちを</div> <div class="header"><span class="no"><a>627</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/20(月) 22:21:35.25 ID:Y2JziXw0</span></div> <div class="mes"><a href="http://imepita.jp/20090420/803130" target="_blank">http://imepita.jp/20090420/803130</a><br /><br /><br /> うはwwwwwwwwwwwwwwww赤飯うめぇwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww<br /> だが腹いっぱいで眠い上に、実は昨日の深夜から一睡もしていないので、食ったまま寝落ちしたらすまん<br /></div> <div class="header"><span class="no"><a>842</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/21(火) 21:56:47.40 ID:JXAIiig0</span></div> <div class="mes">~クズ子からお知らせ~<br /><br /> 今後は、「今度はいつ来る?」「何時に来るか教えて」「完結はいつ?」等の予定宣言はしません。<br /> 聞かれても答えられません、ごめんなさい。<br /> 私自身も当日にその日の予定が分かるくらいのいっぱいいっぱい状態なので、宣言しても絶対に守れないだろうというのが理由です。<br /><br /> ただ間違いなく言えるのは、今日明日では終われません。<br /> なぜならば、今日は今から数時間書きますが、またすぐに落ちてしまうし、明日も同じような状況だろうし。<br /><br /> 正直、スレ立て当初は一日か、長くて二日くらいで終わらせる予定だったのに(じゃなきゃ今週からのこの激務でスレどころじゃなくなるのも分かっていたから)、無計画にgdgd書き続けた私の責任である。<br /> これは本当、申し訳ないです。<br /><br /> というわけで、うんこしてから再開します。<br /><br /></div> <div class="header"><span class="no"><a>853</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/21(火) 22:10:21.33 ID:JXAIiig0</span></div> <div class="mes">立派じゃないよ!うんこが大好きな厨二病だよ!<br /><br /> あと、何回もいうけどこれは釣りじゃなくてまじでリアルな話なので、小説みたいなどんでん返しとか、壮大なオチとか、ハッピーエンドとか、ニートだった私がこれだけ成長して、これだけ立派になりました(笑)的な終わりもない。<br /> ていうかむしろ終わりがない話なんだよね。だって現在進行形で人生が続いてるから。<br /><br /> ぶっちゃけ、終わらせる終わらせる詐欺になりつつあるのは、どこを終着点にしていいか分からないからだな。<br /> 最終回だから大きな何かがあるってわけでもないよ。人生にそこまでごろごろ山谷はないからね。<br /><br /> それでもいいって人は、これからもよろしくお願いします。<br /><br /> 私がいない間に話だけが独り歩きしていて、ログを読んでいて色々ちびりそうになったくらいだから。あんまハードル上げないでくれ。</div> <div class="header"><span class="no"><a>862</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/21(火) 22:18:42.53 ID:JXAIiig0</span></div> <div class="mes"><a href="#421">&gt;&gt;421</a>の続き<br /><br /><br /> 一晩考えさせてくれと言ったくせに、母ちゃんは次の日も次の日も、私が正社員になる事について何も言わなかった。<br /> 食品業界について色々調べたらしく、母ちゃんは毎日毎日関連本を買って帰っては遅くまで読んでいた。<br /> ちなみに、兄がSEになると言った時も、SEについて調べたらしく、今でも家の本棚にはこの時に買ったSE関連の本と、食品関連の本が数十冊ある。<br /> これまた余談だが、母ちゃんは本を読むスピードが並ではない。家事をしながら少しでも勉強をしたかったので、ちょっとでも早く本を読めないかと考えた結果、早読?とかいう技術を身に付けたんだと。一日で、文庫本なら3冊は読めると言っていた。<br /><br /></div> <div class="header"><span class="no"><a>865</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/21(火) 22:26:32.93 ID:JXAIiig0</span></div> <div class="mes"><a href="#861">&gt;&gt;861</a><br /> そうなんだけど、せっかくここまで書いたものを今更ブログに持ち込むのもどうかと思うし、何よりブログ作るのが面倒くさそうで…<br /> 最初は母ちゃんが部長になった辺りまでで終わろうと思ってたんだけどね。調子こいてgdgd書いた責任です<br /> ケツだけは割りません<br /><br /><br /> しかし、トレーナーは返事を求め続けた。「どうするの?」と連日聞かれ続けて、もう面倒だったので母ちゃんの携帯番号教えてやるから二人で話し合ってくれよとも思った。自分の意思で考えるという気持ちは微塵もなかった。<br /> 私は、正社員じゃなくても、社会保障がなくても、とりあえず金だけ稼げればいいと思っていた。<br /><br /> ある日トレーナーが、社員になったらする仕事を今のうちに見させてあげると言った。<br /> 「じゃあ、参考までに見たいんでお願いします」と言ったら、「じゃあ明日朝4時に店の前に集合ね」と言った。冗談だと思って笑ったら、凄い真剣な顔で、「いや、本当だから。遅刻したら明日の給料なしだからね」と極妻もびっくりなドス声で言われたと思う。<br /><br /><br /></div> <div class="header"><span class="no"><a>871</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/21(火) 22:33:41.66 ID:JXAIiig0</span></div> <div class="mes">トレーナーが怖いと思ったので、この日だけは絶対遅刻出来ないと思った。<br /> しかし、寝てしまえば起きられない体である事は誰よりも自分が一番よく分かっている。<br /> なので、この日は寝ないと決めた。VIPでおっぱいうp釣りスレを立てて、徹夜で暇つぶしをした。<br /><br /> 4時にきちんと出勤してきた私に、トレーナーは「関心関心」と言っていた。「絶対遅刻すると思ったのにww」と言っていたけど、家の前まで迎えに来てなかった所を見ると、クズ子は来るという確信があったのかもしれない。まぁ、おほめの言葉をもらえちゃうくらい優秀な人材だからな。信用して当然なのだが(キリッ)<br /><br /> 薄暗い、朝とは印象の違う店内で、まずトレーナーは凍ったままの、過去の宿敵、イカを持ってきた。<br /> イカは、物凄い大きさだった。いつもは切り身というか、ネタに出来る状態のままのイカなのに、この時見たイカは、まさに“イカの姿そのもの”。これをさばいて、朝の仕込みまでに切り身にするんだと言ってた。</div> <div class="header"><span class="no"><a>876</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/21(火) 22:38:54.25 ID:JXAIiig0</span></div> <div class="mes"> 凍ったイカを解凍する作業が鬼だった。ひたすら凍ったままの大きなイカに水をかけていくだけなんだけど、ずっと水に手を浸しているので、冬場でもないのにがたがた手が震えてくる。やっと半分ほど溶けたイカを切るんだけど、半分凍ったイカは業務包丁でも切りにくい。<br /> 私がやっと一個のイカをきりさばいた頃には、もう外が完全に明るくなっていた。<br /><br /> イカが終わったら、今度はまたも過去の宿敵、タコ。タコにも同じ作業をほどこすのだが、イカと違う点は酢を入れた水で解凍する所だ。怪我をしているわけじゃないのに、手がぴりぴりする。解凍が終わった頃には、手が寒さと酢の刺激で真っ赤になっていた。<br /></div> <div class="header"><span class="no"><a>878</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/21(火) 22:42:44.63 ID:JXAIiig0</span></div> <div class="mes"> きっと、前世で私はイカとタコをいじめていたのかもしれない。なぜなら、こんなにもネタ仕込みが面倒なのは、イカとタコだけだからだ。<br /> 握りにくいし安いくせして、人一倍仕込みに手間がかかるなんてなんて生意気な子なの!あんたなんかこうしてやる!ほらほらどんどん裸にされていくわよ!恥ずかしいでしょ!<br /> という私の脳内妄想は、独り言で漏れていたようだ。トレーナーが、「あんた、本当に寿司ネタが好きなんだねwwww話しかけながら仕込む子なんかいないよwwww」と言って笑っていた。<br /></div> <div class="header"><span class="no"><a>884</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/21(火) 22:48:35.31 ID:JXAIiig0</span></div> <div class="mes"><a href="#877">&gt;&gt;877</a><br /> 駄目。匂いがつくし、ゴム手の成分が衛生的によくない(らしい)<br /> だからうちは全部素手作業。手洗いにきっちり3分かけて、手の皮がむけるまで手を洗浄させられる。<br /><br /><br /> 他の店舗では、この作業を週に1回行って、一回解凍させたネタを再冷凍して一週間持たせるらしいけど、トレーナーのこだわりで、うちの店は3日に一度この作業をするらしい。<br /> 所詮チェーン店なんだけど、チェーン店だからこそ他の店とは違う事をしなきゃやってられないと言っていた。<br /> うちの店は他店舗と比べて売上もいいのは、ピザと、このトレーナーのこだわりのおかげだと思う。<br /><br /> そういやさっきたまたまスーパーでピザと会ったよ。<br /> 財布に250円しか入ってなくて、カップラーメンを真剣に選んできた私に、「ちゃんとご飯作って食べなきゃダメだよ」と1000円くれた。</div> <div class="header"><span class="no"><a>896</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/21(火) 22:55:40.82 ID:JXAIiig0</span></div> <div class="mes"> イカとタコと、あと何点かのネタ切りをした所で時間オーバー。もうあと30分でパートさんが出勤してくるので、パートさんを迎える準備(ポットのお湯とか、クーラーor暖房、更衣室の掃除とかそんなの)をする事になった。<br /> 通常の出勤時間を迎えた所で、トレーナーから休憩に入っていいと言われたけど、言われなくても取るつもり満々だった。だって、もう5時間立ちっぱなしで、手は痛いし足も痛いし、何より眠い。<br /> ネタの仕込みをする日は、パートさんが出勤してきたら一旦上がりで、あとは夕方から夜を手伝えばいいとの事。時間がかなりあるので家に戻ってもいいと言われたけど、家まで自転車をこぐ気力がなかったので、休憩室で大の字になって寝た。</div> <div class="header"><span class="no"><a>898</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><b>クズ子</b>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/21(火) 23:04:27.92 ID:JXAIiig0</span></div> <div class="mes"><a href="#885">&gt;&gt;885</a><br /> イカ、タコ、サーモン、まぐろ辺りは初心者でもちょっと包丁使えれば余裕。厚みをそろえるのが難しいらしいけど、手芸やっているので縫い目をそろえるのは得意=切り口をそろえるのも得意だったんだと思う。<br /> えんがわ、焼きハラス、トロとかは柔らかくて崩れやすいので、修行しなきゃ切れない。<br /><br /><br /> 夜、営業終了してからも仕事はたくさんある。<br /> 日報報告、掃除、洗濯、在庫チェック。普段なら20時には帰れるのに、この日は22時近くになれないと帰れなかったと思う。<br /> それからしばらくして、本社会議に連れて行くと言われた。スーツで来いと言われたけど、スーツなんか持っていない。母ちゃんのを借りようと思ったけど、サイズが合わない。<br /> 仕方ないので、衣装で作って在庫に抱えていた、名探偵コナンの衣装を着ていく事にした。一番スーツっぽかったので。</div> <a name="bottom"></a><a name="last"></a>

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