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<div class="header"><span class="no"><a>437</a></span><span class="name_label">名前:</span><span class="name"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 00:37:57.45
ID:WuCu4FE0</span></div>
<div class="mes"><a href="#427">>>427</a><br />
真ん中は変わった子が多いとよく聞くけど、あれ結構当たってるよね<br /><br /><br />
イカとタコは、強かった。惨敗だった。嫌いとか言ってごめんなさい、と土下座したくなるレベルだった。<br />
ふとした合間にもずっとイカとタコ握りを作る私に、トレーナーが「クズ子!いくら練習っていったってこんなにネタ使われたらうちも赤字だ」と苦笑いしながら嘆いた。<br />
5万円という大金を持っている私は、「じゃあ、私が買いとるのであと30カン握らせて下さい」とお願いした。<br />
所詮イカとタコなんぞ店で一番安いネタだ。大した金にはならんだろう、と思っての発言だった。<br /><br />
買い取りするなら、という事で、トレーナーも私とイカタコの戦いを許してくれた。<br />
気付けば、山のようにイカとタコの握りが完成していた。数は覚えてないが、6人前用のパーティー皿にギリギリおさまるくらいだったので、60カンとか70カンとかあったんじゃないか。<br /><br />
1カン50円なので、合計3000円くらい。<br />
3000円出せば、えんがわがたくさん食べられたのに…と思ったが、それでも今日70カン握ったんだから、あと9930カン握れば、まかないでウニとえんがわが食べ放題!と当時は本気で思っていた。</div>
<div class="header"><span class="no"><a>442</a></span><span class="name_label">名前:</span><span class="name"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 00:43:38.92
ID:WuCu4FE0</span></div>
<div class="mes">
私のえんがわへの思いは、もはや執着に近い。トレーナーも、えんがわやウニのような高級ネタで釣れば私が動く事をよく分かっていた。<br />
えんがわに釣られて大掃除をしたり、下水掃除もしたし、クレーム対応もした。<br />
なんともトレーナーは私の扱いが上手いと思った。<br /><br />
山のようなタコとイカ握りを持ち帰ったら、妹が「何これ?」と聞いてきた。「お姉ちゃんが戦ったイカとタコだよ」…とは言わなかったけど、ちょうどいいので夕食で家族に食わせようと思った。<br /><br />
母ちゃんも妹も、「なんでイカとタコ?」って顔してたけど、「あんたの握った寿司は上手い、世界一上手い」と二人して頑張って食べてくれた。<br />
「また明日も握るから持って帰ってくるよ」と伝えたら、母ちゃんから「出来たらイカとタコ以外でお願い」と言われたけど、無視した。<br />
それから数日、うちは連日タコとイカの寿司が夕飯だった。</div>
<div class="header"><span class="no"><a>450</a></span><span class="name_label">名前:</span><span class="name"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 00:48:42.80
ID:WuCu4FE0</span></div>
<div class="mes">確か5日目くらいで、ついにタコからの降参が出た。<br />
続けてイカからも降参が出た。私の完全勝利だ。<br /><br />
握りにくい寿司で練習し続けていたので、気づけばかなり握りが上手くなっていた。<br />
スピードこそ遅いけど、見た目だけはかなり綺麗だ。<br />
最初は安い寿司しか作らせてもらえなかったけど、段々お店の中でも値段が高い寿司を握らせてもらえるようになった。<br /><br />
気付けばピーク時でもおろおろしないで、握りの戦力になれていたと思う。<br />
まぁ一回コツをつかめばあとは単純作業なので、難しい事は何もない。</div>
<div class="header"><span class="no"><a>460</a></span><span class="name_label">名前:</span><span class="name"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 00:52:54.68
ID:WuCu4FE0</span></div>
<div class="mes">ある日に、「まかないを作って休憩に行きな」とトレーナーが言うのでネタを見れば、えんがわが2枚入れられていた。<br /><br />
「トレーナー、これ食っていいんすか!?え、えんがわっすよ!?ww」と興奮ぎみに聞いたら、「あんた最近頑張ってるからね、でも毎日まかないにえんがわは無理だよ!」と言ってくれた。<br /><br />
ついに、えんがわのまかないデビューである。</div>
<div class="header"><span class="no"><a>470</a></span><span class="name_label">名前:</span><span class="name"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 00:57:53.18
ID:WuCu4FE0</span></div>
<div class="mes">まかないを持って休憩室へ行くと、ちょうど浅見さんが入れ違い出勤をしてきた。<br />
「見て下さいよ!えんがわ!ほら!」と興奮してまかない握りを見せたら、浅見さんが「あ、いいじゃん、その顔なら可愛いよ」と言った。<br />
唐突過ぎて何を言ってるのかよく分からなかったが、どうやら興奮して喜んでいる私の笑顔が可愛いと言ってくれたらしい。<br />
「あんた、もう握りは完ぺきだ!ってトレーナーも絶賛してるんだし、あとはその顔でレジ打てばもうバイトとしては一人前だよ」<br /><br />
浅見さんにそう言われるとだんぜんやる気が湧いてくるので、夜からはレジ打ちをさせてほしいとトレーナーへお願いした。<br />
しかしレジの方は全然駄目。<br />
さすがにレジミスはないけど、客から「あんた愛想がねーな」と必ず言われる。</div>
<div class="header"><span class="no"><a>478</a></span><span class="name_label">名前:</span><span class="name"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 01:00:30.78
ID:WuCu4FE0</span></div>
<div class="mes">
ううん、5日で克服出来たのはあくまでもイカとタコの野郎だけで、そこでつかんだコツで、また数週間後に握りを習得したんだ…<br />
だからえんがわデビューも数週間後なの<br /><br />
時系列めっちゃくちゃだな、本当<br />
申し訳ない</div>
<div class="header"><span class="no"><a>479</a></span><span class="name_label">名前:</span><span class="name"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 01:00:46.46
ID:WuCu4FE0</span></div>
<div class="mes">
ううん、5日で克服出来たのはあくまでもイカとタコの野郎だけで、そこでつかんだコツで、また数週間後に握りを習得したんだ…<br />
だからえんがわデビューも数週間後なの<br /><br />
時系列めっちゃくちゃだな、本当<br />
申し訳ない<br /><br />
そしてうんこ</div>
<div class="header"><span class="no"><a>490</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:%E3%81%86%E3%82%93%E3%81%93%E4%B8%AD"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[うんこ中]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日)
01:05:21.01 ID:WuCu4FE0</span></div>
<div class="mes"><a href="#480">>>480</a><br />
そうだな…うちの母ちゃん凄いけど娘はクズだぞ、にスレ名変える事にしようかな<br /><br />
ごめんね、小出しよりもばーって書いちゃいたいからさ、ほんとごめん<br />
実は全然気にしてないけど一応ごめんなさい</div>
<div class="header"><span class="no"><a>534</a></span><span class="name_label">名前:</span><span class="name"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 01:27:37.67
ID:WuCu4FE0</span></div>
<div class="mes"><a href="#417">>>417</a>の続き<br /><br /><br />
愛想がないと言われるとむかつくので、ますます愛想が悪くなる。その繰り返しというか悪循環だ。<br />
トレーナーに「あんたは我慢が足らない」と言われて、ますます腹が立ったので、「やっぱり私にはレジは向いてません」と言って、レジに立つことを諦めた。<br /><br />
帰って母ちゃんに話したら、「ありがとうって言われると嬉しくならない?」と言った。<br />
そりゃ嬉しくなるよと返したけど、丁寧に「ありがとう」なんて言ってくれる客ばかりじゃない。寿司をひったくる客もいるし、舌打ちする客もいるし。そんな客相手に嬉しいとは思えないと言ったら、「そういう嫌な客でも我慢して笑顔でい続けられたら、また一つ自信につながるんじゃない?」と母ちゃんが言ってくれた。<br />
そんなのめんどくさいし、そこまでして自信なんかいらないと思った。</div>
<div class="header"><span class="no"><a>548</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 01:37:14.60 ID:WuCu4FE0</span></div>
<div class="mes"><a href="#529">>>529</a><br />
そうなの?パー速初めてでよく分かっていなかった。申し訳ない。<br /><br /><br />
***ここから食事中の人注意!***<br /><br /><br />
ある日小さい子供と母親の二人が買い物に来た。平日の夜だったと思う。<br />
その日ピザは休みだったので、私とトレーナーの二人で店を回していた。トレーナーと二人なので、レジは私。めんどくせーなーと思いながらこの日も客相手していた。<br /><br />
小さい子供連れの母親に注文を聞いたら、子供が床に座り込んで、一気に戻した。<br />
具合が悪かったのか、それとも車に酔ったのか、「うえー」って吐いて、わんわん泣き始めた。<br />
ぶっちゃけ、泣きたいのはこっちだ。だって、子供が吐きだした汚物は一体だれが掃除するのか。<br />
トレーナーに「なんか子供が吐いちゃったんですけど」と言ったら、黙ってモップを手渡された。やはり私が掃除するらしい。<br /><br />
母親は「手伝います、私がやりますから」と言ってぺこぺこ頭下げてたけど、トレーナーが「いいんですよ~気にしないでください~」と母親に声をかける。<br />
奥からトレーナーの“絶対客にはやらせるな光線”が飛んできたので、口で息をしながら掃除を始めた。<br />
子供だし、そんなに量もなかったので掃除自体はすぐ終わったけど、子供がずっと泣いている。ぴーぴーうるさいので、販売機からジュースを買ってあげたら、子供が泣きやんだ。<br /><br />
母親は、最初は安い寿司を注文しようとしてたけど、店で一番高い一人前握りを4つも買ってくれて、最後まで頭を下げていた。<br /><br /><br /><br />
***ここまでが食事の人注意***</div>
<div class="header"><span class="no"><a>561</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 01:44:53.84 ID:WuCu4FE0</span></div>
<div class="mes">後日、あの母親と子供が再び店に来た。<br />
この日も、一番高い一人前握りを今度は2つ買ってくれた。<br />
親子が店を出る最後に、小さい子が「お姉ちゃん、この前はジュースありがとう」と言って、飴をくれた。あんぱんまんの飴だった。<br /><br />
なんだよこのゲロガキ、可愛いじゃないかと思ったので、「ありがとう」とその飴を受け取った。<br />
後日、うちはチェーン店の寿司屋なので、月に一度本社から社報が来るんだけど、そこにうちの店舗名があった。お客様の声、みたいなコーナーだった。<br />
ついでに私の苗字ものっていた。内容は『うちの子供が店で粗相をしたにも関わらず、クズ子さんという店員さんが嫌な顔一つせずに片づけてくれて、おまけにジュースまでくれた』みたいな内容。本社の社員のコメントで、“こういうプロ意識の高い店員はわが社の誇り”みたいに書いてもらえていた。<br />
あの親子投書なんてやるじゃねーか、と思って、さっそくトレーナーと浅見さんに自慢した。<br />
「まぁ私が本気出せばこんなもんっすよwwww」と自慢したら、「客に寿司パックを投げつけるあんたが、プロ意識高いなんて誰も思わないよwwww」と笑われて、全然褒めてもらえなかった。</div>
<div class="header"><span class="no"><a>576</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 01:49:56.69 ID:WuCu4FE0</span></div>
<div class="mes">あ、ジュースはレジのお金から買いましたけどそれが何か<br /><br /><br />
母ちゃんだけは、めちゃくちゃに褒めてくれた。<br />
「あんた、やっぱりやればできるじゃん!」と言って、兄に電話で報告していた。<br />
この当時は、母ちゃんが飴でトレーナーと浅見さんが鞭のような存在だったと思う。<br /><br />
そしてまた後日、本社から金一封が届いた。中身は2000円だったけど、あの“お褒めの声”に対する、店へのボーナスだった。<br />
トレーナーは、まるまる2000円を私にくれた。「結果的にはあんたの成果だから」と言ってくれて、嬉しかった。<br />
そして私はまた学んだ。お褒めに言葉がもらえると、金になる。</div>
<div class="header"><span class="no"><a>590</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 01:53:14.60 ID:WuCu4FE0</span></div>
<div class="mes">またお褒めの言葉がもらいたかったので、子供が来る度に「吐かないかな?」と思ってそわそわしていた。<br />
いつでもモップが取り出せるように準備してたのに、そうそう上手くはいかない。<br />
トレーナーに相談したら、「普段からお客様にサービス出来るようになりなさいよwwwwピザを見習いなさい、ピザをww」と言われた。<br />
ピザはその日も神々しく光っていた。なんていうか、にかーーーーって笑顔で、表情筋が止まっているんだと思った。あんなに笑うと目がなくなるのに、あれでお客さん見えてるんだろうかとたまに心配になった。</div>
<div class="header"><span class="no"><a>599</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 01:58:47.07 ID:WuCu4FE0</span></div>
<div class="mes"><a href="#579">>>579</a><br />
いいよな、あとでゆっくりクレしん談義したいよ<br />
とりあえず今は書くぜ<br /><br /><br />
ピザはお褒めの言葉もらった事があるのか聞いてみたら、「ないよwwだって、苦情を書く人はたくさんいるけど、わざわざはがき代使って他人を褒めようって人はなかなか現れないもんだよ」と言っていた。<br />
「マジっすかwwwwまぁ私も一回しかもらった事ないっすけどねwwww」<br />
「あぁ、金一封もらってたよねークズ子ちゃんは頑張っているからな~」<br />
「いやいや、普通っすよwwww大した事じゃないっすwwww」<br />
なんだピザも大した事ないじゃんと思いながら話していたが、それでもピザの接客は神々しすぎる。あんなに神々しい接客でも褒めてもらえないなら、褒められた私はもっと凄いんじゃん、と自信が持てた。</div>
<div class="header"><span class="no"><a>608</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 02:05:22.32 ID:WuCu4FE0</span></div>
<div class="mes">とりあえずピザの真似をしてみる事にした。<br />
ピザの声を真似てみて、立ち方とかも真似してみた。言葉使いもそのまま同じにしてみた。<br />
初日に憧れた掛け声もピザの掛け声をそのままコピーした。<br /><br />
しかしだ、なぜか私にはあの神々しい光が発射出来ない。<br />
かなり笑顔も頑張っているのに、なぜか駄目だ。<br />
再びトレーナーに相談したら、「ピザとあんたの一番の違いは、あんたには邪心があってピザにはない所だ」と言われた。<br /><br />
「ピザはあんたみたいに褒めてもらおうとやっているんじゃなくて、お客さんに気持ち良く買い物してもらいたいからああいう接客が出来るの。」<br />
「あんたとピザじゃ根本が違うから無理だわねwwww」<br /><br />
げらげら笑われたのがむかついたけど、全て事実なので言い返す事が出来なかった。</div>
<div class="header"><span class="no"><a>615</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 02:10:35.35 ID:WuCu4FE0</span></div>
<div class="mes">だったら、良いお客さんにだけは心から接客してみよう!と思った。<br />
とりあえず愛想の良い上から目線じゃない客にだけは、『この人のために笑顔を作っている、決して金が欲しいんじゃない』と自分に言い聞かせながら対応してみた。<br /><br />
1時間で知恵熱がでた。<br /><br /><br />
「あんた本当に邪心のかたまりだねぇwwwwww」<br />
冷えピタを貼って、奥で食品に触らない仕事をしている私を指さしてトレーナーが笑った。<br />
「邪心じゃなくて、お金が好きなんです」<br />
イライラしながら答えたら、「なんでそんなにお金に固執するの」と聞かれた。オヤジの事は話したくなかったので黙った。</div>
<div class="header"><span class="no"><a>630</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 02:19:23.82 ID:WuCu4FE0</span></div>
<div class="mes">
二ヶ月目の給料が出た。なんか、毎日毎日ただ働くだけであっという間に時間が過ぎたので、「もう金の日(給料日の事)か」と驚いたくらいだった。<br />
2ヶ月目はほぼ無遅刻ほぼ無欠勤だったので、11万ちょっと入ってた。やっぱり何とか税が引かれていた。詐欺だ。<br /><br />
11万は何に使うかなーと思ってた時に、兄の事を思い出した。<br />
まだちゃんと働いてるよと報告した方がいいのか迷って、母ちゃんに相談したら「絶対電話してあげて」との事だった。<br />
電話して「今日二ヶ月目のお給料もらえた」と話したら、兄は「来週どこかで時間作ってほしい」と言いだした。<br />
母ちゃんと、妹と、私と兄の4人で、久々にご飯を食べようと兄が提案したのだった。<br />
しかしそうなると、土日のどちらかになる。私は土日がどうしても休めない。でも、きっと多分兄がご飯を御馳走してくれるだろうから、絶対行きたい。<br />
翌日トレーナーに相談したら、「土日に休まれたらうちの店がどれだけ迷惑するか分かってるのかうんちゃらかんちゃら」と怒られた。<br />
事情を話せばよかったんだろうけど、なんか家族の事話さなきゃいけないような気がして面倒だったので、「遊びに行きたいから」と理由を説明したのだが、この理由がいけなかったんだろう。<br />
だけど同時に、土日に休むなと言われるという事は立派に店の力になれている証拠じゃね?と嬉しくなった。<br /><br />
怒っているトレーナーに、仏のピザが声をかけた。<br />
「私が朝からきますから、クズ子ちゃんにお休みあげましょうよ」と、仏は文字通り神の言葉をかけてくれた。</div>
<div class="header"><span class="no"><a>642</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 02:27:15.59 ID:WuCu4FE0</span></div>
<div class="mes">「クズ子ちゃんずっと働きっぱなしだから、たまにはいいじゃないですかトレーナー」<br />
「まぁ、ピザが来てくれるなら…でも、私遊の休みなんかこれっきりだからね!」<br />
分かったら返事!と言われたので、勤め始めてから一番良い返事をかえしたと思う。<br /><br />
兄と会う気まずさはなかったと言えばうそになるが、家族みんなで会える事が何より楽しみだった。<br />
でも、やっぱり一番喜んでいたのは妹だったな。何着ていこうと言って、髪の毛のゴムとか新しく買ってたみたいだし、カレンダーを見ては「あと何日寝ればみんなでお出かけできる」とうきうきしてたし。<br />
妹は中学の卒業文集の「宝物」の欄に「家族(とくにお姉ちゃんv)」って書いちゃうJCだったからな。可愛いだろ、お前ら存分に羨ましがれ</div>
<div class="header"><span class="no"><a>652</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 02:33:10.30 ID:WuCu4FE0</span></div>
<div class="mes">
当日、都内で待ち合わせした。やはり顔を合わせると気まずかったが、母ちゃんが「そんな葬式みたいな顔してないで、早く美味しいもの食べにいこう」と声をかけてくれた。<br />
私はこの日、二ヶ月目にもらった給料11万をまるまる持ってきていた。兄に見せたかったからだ。<br />
有名らしいオムライスのお店に入って、すぐに封筒からお金を出して兄に見せた。<br />
兄は一瞬びっくりしていたが、「何も現金そのまま持ってこなくてもww明細だけでいいだろwwww」と笑ってくれた。<br />
気まずい雰囲気だったけど、兄が笑ってくれてから一気に場が和んだと思う。</div>
<div class="header"><span class="no"><a>659</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 02:38:35.90 ID:WuCu4FE0</span></div>
<div class="mes">兄は母ちゃんに、「俺、専門学校に行きたいから母ちゃん学資ローンの組み方を教えてくれ」と言った。<br />
システムエンジニアになりたいので、自分で必死に稼いで入学金だけは貯めたが、学費だけはやはりローンしか無理みたいな話をしていた。<br />
母ちゃんは、「わざわざクズ子や妹の前で話す事じゃない」と言って、「あとでゆっくりね」と言ったが、兄は「いや、クズ子の前だからこそ話したい」と言った。<br />
母ちゃんは諦めたように溜息をついて、「専門行くくらいのお金なら母ちゃんが全部出してやる」と言った。兄は、「それだけは絶対やめてくれ」と母ちゃんからの申し出を断っていた。</div>
<div class="header"><span class="no"><a>670</a></span><span class="name_label">名前:</span><a class="name_mail" href="mailto:sage"><strong>クズ子</strong>◆6ClmPIZy/M</a><span class="mail">[sage]</span><span class="date_label">投稿日:</span><span class="date">2009/04/19(日) 02:44:51.72 ID:WuCu4FE0</span></div>
<div class="mes"><a href="#657">>>657</a><br />
あんま覚えてないけど、なんか言ったとは思う<br />
記憶にないって事は反応薄かったんじゃない?<br /><br /><br />
法律上、母ちゃんを守る人や母ちゃんの家はないし、御墓だってない。<br />
俺は長男なんだからオヤジの代わりをうんちゃらかんちゃらとかっこいい事を言ってたけど、私は早くオムライスが食べたかったので兄の話を全然聞いていなかった。<br /><br />
全然話を聞いてない私を兄が叱った。<br />
「お前も普通ならもうすぐ高校を卒業する年だろ?きちんと進路は考えているのか?」と言って、厳しい顔をしていたと思う。<br />
「将来はどうなりたいとか、夢はないのか?」<br />
「とりあえず、お金に困らなければそれでいい」<br />
「一生フリーターか?俺も数年フリーターしてたし、今もフリーターだけどかなり辛いぞ。お前は出来るのか?」<br /><br />
兄がこんなに口うるさく言ってくる事なんか珍しくて、なんか嫌だった。<br />
昔から、お説教は大嫌いだ。</div>