うちの母ちゃん凄いぞ
1名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2009/04/16(木) 03:16:51.62 ID:Ax0QvrS80
母ちゃん48歳
自分23歳
オヤジの借金で家に乗り込んできた893相手に「そんな雷おこしみたいな髪の毛して!恥ずかしくないの!?」と
馬頭して追い返した事のある母ちゃん。
ありがちな、母ちゃんが死んじゃうオチや、母ちゃんが病気しちゃったオチはないけど、ちょっとお前らに母ちゃんを自慢
したかったのでスレ立てた。
自分は3人兄妹。3つ上の兄と、7つ下の妹に挟まれた真ん中。
母ちゃんはどこにでもいるような母ちゃん。若い俳優にキャーキャー言うし、パートから帰ってきたらオヤジにパート先
の愚痴をこぼしたり、普段はお菓子なんか作らないくせに、自分や兄妹の友人が遊びにきた時だけクッキーやマドレーヌ
を焼いて、「いつも作ってるんだけど、今日はちょっと失敗しちゃったわぁ」とか言って焦げた手作りお菓子を友達に振舞うような、見栄っ張りな母ちゃんだ。
例えるなら、クレヨンしんちゃんの「みさえ」がぴったりだろうな。そんな母ちゃんだったんだけどさ。自分が14歳の時、オヤジの借金が発覚したんだよ。
元々詐欺みたいな学習用品のセールスをしてたオヤジは、その会社でずっとトップセールスマンでな。自分が9歳(妹が赤ちゃんの頃だな)くらいまでは月収手取りで100万以上稼いでたらしい。
そんな高収入(だった)オヤジが借金を始めたきっかけは、バブル崩壊。
バブルが弾けてからどんどん売上も落ちていくし、どんどん給料も落ちていって、オヤジの手取りが20万を切るのはそう遅くなかったようだった。
>>8
シラネ
『来月は頑張る』『来月こそは』というのがオヤジの口癖のようになっていって、100万の収入は、10万、16万、10万…と、カウントダウンのように
減っていった。母ちゃんは「パートへ出る」と言ったんだけど、オヤジが「いや、来月こそは絶対稼いでくるから!」と母ちゃんを引きとめて、貯金を切り崩す
生活をしばらく続けていたようだ。
当時妹はまだ2歳とかだったし、自分も9歳。そして兄がちょうど中学校に入学する、そんな大切な時期だったからこそ、
母ちゃんに家にいてみたかったみたいだけど、オヤジの収入が8万を切った(家のローンがいよいよ払えなくなった)時点で、オヤジは何も言わなくなった。
オヤジが静かになったのを見計らって、缶工場へパートへ出た母ちゃん。自給800円、月8万円余りの収入でも、大分家計は助かっていただろう。
だが、やはり母ちゃんがパートをしてるのを快く思わなかったのであろうオヤジ。
何を思ったのか、サラ金から生活費を借りて「ほら、一時期収入も落ち込んでたけど、また100万くらい稼げるようになったぞ」「だからお前もパートを辞めなさい」
サラ金から借りた札束をひらひらさせながらそう言ったオヤジ。
母ちゃんはパートさえ辞めなかったけど、それでも、『あぁ、これで生活が安定する』と思っていたらしい。
ほっと安心する母ちゃんの顔を見て、オヤジは能天気に「笑った顔が可愛いなぁ」と思っていたらしい(後日談)
規制に巻き込まれ始めた
しかし、いよいよ。自分が14歳、中学二年生の時だな。危ない所から生活費を借りてたオヤジの付けが回ってきたようで、昼夜問わず893が家に来るようになった。
今みたに回収が甘くないからな、平気で扉をドンドン叩くし、時間なんか関係なしにインターフォンも鳴らし続ける。
893が来ない日でも、ポストには“融資可能”“審査なしで即融資”と書かれたDMが沢山入ってた。
サラ金から金を借りきれなくなったオヤジが、ヤミ金へ手を出した証拠だったんだけどさ。
家に来る893、そして仕事してんだかしてないんだか分からないオヤジ。17時までだったパートの時間に、残業をいれ始めた母ちゃん。
全てに嫌気がさした自分、当時中学2年生。
厨二病まっさかりなその時期、家の混乱を受け入れられなくて、こう思った。
「あ、頭おかしくなろう」
頭がおかしくなれば、精神病っぽくすれば、家族はみんな自分を心配してまた元に戻るかも!!
まぁ当時は本気でそう思ってな、中学3年生に上がったばかりの頃、精神病っぽく装い始めた。
どう装ったかといえば、今も昔もエセメンヘルに大人気の、多重人格(笑)だよ。
ほんとにこの病気で悩んでいる人、もしいたら、不謹慎ですまん。
ここまでが書き溜めなので、以降はリアルタイム更新していく
多重人格を装うのは意外に簡単だった。
簡単2ステップだ。
「あ…!頭が…!!」
と言いながら、頭を抱えてうずくまる→「ふふふ…私は誰か分かるか?」
これでエセ多重人格の完成
しかし両親、そんな厨二病と向き合った事がなく、本気で自分の頭を心配してくれたようで。何度も何度も病院へ連れていってくれた。
その間もずっと、オヤジの借金取りは自宅へ来るし、まだ小学2年生だか3年生だかの妹の方が、よっぽど精神的に辛かったなんて知るよしもなく。
エセ病気のふりをする度に両親が力を合わせて病院探しに熱中しているのを見て、「あぁ、これでまた幸せな家族に戻れる」とか本気で思っていた。
>>26
お前経験者か?
そしてある日だ。
中学3年生の夏休み。自分は自宅にいて、アニメスペシャルを見ていた。はずだったのだが。気づいたら病院にいた。
気付いたら、というのが遅すぎたようで、丸々2週間人工呼吸機で命をつないでいたようだった。
原因は首つり。首を吊った覚えなんかないし、夏休みアニメスペシャルのスラムダンクを見ていた記憶しかない自分は、病院、というか集中治療室で目が覚めてマジでびびった覚えがある。
正直、この時母ちゃんが見舞いに来て鏡越しになんか涙ぐましい事言ってた覚えはうっすらあるが、ぶっちゃけ覚えてない。
ただ、集中治療室で流れてたラジオの音しか、今でも記憶はない。
どうやら、多重人格を装っていた自分は、まじで多重人格になってしまったようで、他の人格が首つり自殺を図ろうとしたらしい。
だけどな、2週間意識不明、しかも首つり。母ちゃんが「なんか胸騒ぎがするから」っていう理由で自宅に戻ってきて自分を発見してくれて
救助されたようだが、マジで覚えてない上に、医者が心配するような後遺症も全然感じられない
結局そのまま3カ月入院。
後遺症はなかったが、再発防止とかいって、変なカウンセラーの元で何度も変な絵を描かせられたりする日々で
貴重な受験期間を潰してしまった。
まぁお約束のように、自分は高校受験に失敗。
中卒ニートで、毎日毎日家で薬を飲みながら生活していたわけだ。
>>34
いや、メンヘルスレじゃないから安心してくれ
今は元気にしてる
趣味は2ちゃんとアニメ。外出は週に一度の精神科通院。
あーら見事に絵に描いたようなメンヘラが出来あがった訳だが、相変わらずオヤジの借金とりは
家に来るし、ヤミ金DMも毎日のように届く。
みかねた母ちゃんがオヤジをけしかえるように、パートで働いていた缶工場で社員として働くようになった。
その頃トラックの運転手に転職してたオヤジ。そこそこ稼いでいた物の、母ちゃんの収入にあっというまに並ばれていた。
>>38
それはまた口述で
母ちゃんに収入も並ばれ、自分のせいで出来た借金で毎日家族が取り立てられる毎日。
ストレスがたまったオヤジは、仕事帰りに自宅で酒を飲みながら意味不明な言葉をずっと叫んでいた。「ダァっ!!!」みたいな言葉だったな。今でも意味わからん。
兄は高校へ行きながらバイトもして、自宅へ戻らないよう彼女の家へ入り浸ったりしていたが、どうしようもならなかったのが妹だ。
まだ小学3年生。幼いながらに893と話したり、ニートの自分と遊んでくれたりしていた。
なんか暗い話になってるが、全然暗い話じゃないんだけどな。
一気に暗い部分を終わらせる。
だけど、また自分は首つりをした“らしく”、気づいたら病院へいた。
医者から、また無意識でやったんですよと言われて、何をしているんだろうと罪悪感でいっぱいになった覚えがある。
そしてまた入院。今度は長めで、5カ月の入院。退院する頃には、同級生はもう高校二年生。
いったい私は何をしてるんだろう、と思う中、一人元気なのは母ちゃんだった。
母ちゃんは、見舞いにきながら毎日のように自分へこう言ってくれた。
「もう一人の自分がいるなんて凄いじゃん!別に恥ずかしい事じゃないよ」
にこにこしながらそう言ってくれて、仕事に家事に忙しいはずの体で毎日見舞いに来てくれた。
だけど、そんな家庭環境に限界が来てしまったのは妹で、ある日母ちゃんと見舞いにきた妹が、うつむきながら言った。
「お姉ちゃん、私、おしめしてるの」
どうやら、尿意が分からなくなってしまい、気づくと漏らしてしまうらしい妹。大人用のおしめをつけて生活しているという。
びっくりしたが、妹はにこにこしていて、早く直さないとプールに入れないと言っていた。
この一件が原因なのかどうなのかは分からないが、自分が退院してすぐ、母ちゃんとオヤジは離婚する事になったと言った。
離婚する理由は、あくまでも「893の追い込みから妹を守る事」だったが、本当の理由なんか明確だと思った。
しかし、どんなオヤジでもオヤジはオヤジ。
そして、自分が病気になったそもそもの理由だって、両親が仲良くなってほしいから、であって。最後まで両親の離婚に反対したのは自分だった。
当然ながら、親権は母ちゃんに。しかも母ちゃん、兄と私と妹、3人まとめて引き取るという。
オヤジはこれから膨らみに膨らんだ数千万の借金のために自己破産手続きをしなくてはいけないので、親権をとる事は出来ないというし。
だけど、母ちゃん一人の稼ぎで3人も育てていけるのか?と。母ちゃんに引き取られると聞いてすぐに思ったんぽはそれだった。
>>49
あぁ、20万→16万→10万の間違いだw
当時の母ちゃんの稼ぎ、正しくは知らないけど工場の事務正社員なわけで、よくて20万くらいだろう。そして、この予想は限りなく当たっていると思う。
オヤジに養育費なんか払う技量はないし、兄も高校をやめるつもりはないらしい。しかも自分ニートだし。
そうすんだ、と思って母ちゃんに聞いたら、「なんとかなるでしょ、大丈夫大丈夫」とけらけら笑っていた。
そういえば、自分が自殺未遂を起こした時も、893がおしかけてきた時も、母ちゃんは一度も涙を見せた事がないな、と思っていた。
離婚してからすぐ、まだ母ちゃんとオヤジは同じ家に住んでいて、母ちゃんと自分等の自宅が決まるまで離婚済みの同居生活をしていた。
何で母ちゃんが出ていかなきゃいけないのか、と当時は思ってたけど、893にばれている住所に子供たちを住まわせる訳にいかないからな、と今なら事情は分かる。
その頃家は、毎日お葬式みたいだった。
ニートの自分に、家に帰ってこない兄。そして、おもらししては一人泣く妹。酒を飲んで泣くオヤジ。
どんより暗い家の中でも、母ちゃんだけは一人元気だった。
>>57
すまんwだけど安心しろ、世にもびっくりな明るい話だ
ある日そんな葬式みたいな家に、会社の制服姿のまま帰ってきた母ちゃん。
手に住宅情報誌を持って、「発表があります!」と万面な笑顔で自分と妹とオヤジへ声をかけてきた。
「家が決まりました!」
と言って、住宅情報誌の付箋が貼ってあるページをめくった母ちゃんは、3LDKのマンションの見取り図を指さして、「ここがあたらしい家だよ」と言った。
家賃13万。どう考えても、母ちゃんの収入じゃやっていけない言えだった。
駅から徒歩10分。新築でもないが、オートロックのマンション。前の借主は、地元の女医さんらしい。
写真を見たが、どう考えても綺麗過ぎる。全部屋フローリングで、一番狭い部屋でも6畳あるし。
「こんな部屋借りたらやっていけないだろ」
オヤジが申し訳なさそうに言ったら、母ちゃんは鼻の穴を膨らませて、こう言った。
「あなた、私の収入知らないでしょ」
「知ってるさ。子供の前だから金額は言わないけど…」
「じゃあ、私が 主 任 になったのは知らないでしょ?」
えっへん、と漫画に出てくるような擬音付きで膨らんだ鼻の穴から息をふきだした母ちゃん。
凄いじゃん!とか、言ったか言わないか覚えてないが、その場にいた全員で「えぇええええええええ」となったのはよく覚えてる。
離婚が決まってから仕事に勤しんで、頑張って頑張って事務主任の座にまで上り詰めたらしい母ちゃん。
子供3人W守らなきゃ!という一心で、ほとんど寝ずに仕事をしてたらしい。
あの時初めて、母ちゃんが大分痩せていた事に気付いた。
元々痩せていたけど、更に小さくなっていた、というか。
手取りで18万~20万くらいの給料が、20数万に上がったらしい母ちゃん。
パートからここまでのし上がったのは凄いと思うが、それにしてもまだまだ家賃13万のマンションで生活出来るとは到底思えない。
どうするつもりなのかめちゃくちゃ心配だった覚えしかない。
これだけ稼いでしまうと、県や国からの母子家庭手当ももらえないしな。
が
だけど母ちゃんは、「まぁ、何とかなるでしょ」が口癖で、強引にそのマンションへの引っ越しを決めてしまった。
>>84
簿記の資格とって資格手当もらったり、秘書検定受けて仕事の幅増やしたり色々あるらしいがよく分からん。
引っ越し当日、オヤジはこの世の終わりみたいな顔してたけど、母ちゃんが「ちゃんと出直したらまた一緒に暮らしましょ」と声をかけていて、少し表情が和らいでいた。
結局今でもオヤジとは一緒に暮らしていないけど、当時、母ちゃんのその言葉はオヤジにとって何よりの励みになっていたと思う。
オヤジと最後の飯を食べた時、母ちゃんは自腹でオヤジが大好きなすきやきを作って、久々に兄も一緒に家族5人でご飯を食べた。
その日だけは、妹もおもらしをしなかったし、みんな全員笑ってたっけな。