こっからしばらくまた母ちゃんじゃなく、私の話になってしまう、ごめんね。
店の外にあった張り紙には、「応募先の電話番号」が書かれていなかった。
だから、どこに電話すれば働けるのか聞こうと思って、店へ入った。
中には、化粧のきついおばちゃんが一人でいた。平日の昼間だから、パートのおばちゃん一人なのかもしれない。
おばちゃんに「外の張り紙みたんですけど」と言ったら、「あんたいくつ?」と聞かれた。
「もうすぐ18です」といったら、「高校生?」と聞かれた。
高校へは行ってませんと答えたら、「なんで?」と聞かれた。
なんかイヤミなババァだなと思って、「いや、そんな事より応募先の電話番号が知りたいだけなんですけど」と言ったら、「あ、電話番号ね。じゃあここに家の電話番号書いて」と言われた。
日本語が通じないババァだと思った。
「趣味は?」
「ゲームです」
「今までバイトした事ある?」
「あります(バザーでクッキー売った)」
「なんで応募したいの?」
「寿司が食べたいからです」
時間にして、5分くらいだったかな。いや、もっとだったかも。
当時DQNにありがちな金髪(笑)にしていた私の頭を見て、化粧のきっついババァが、「全然似合ってないね」と言った。
なんかむかつくし、色々聞いてきて厭だったので、「やっぱいいです」と言って逃げるようにして店を出た。
その日の夜、母ちゃんが帰ってきてから電話がかかってきた。
「>>1、○○寿司から電話よ」と言われた。
電話に出たら、「あ、あんた合格だから!明日の9時にお店きて!あと履歴書と髪の毛のゴム持ってきてね!」ガチャ、みたいな。いや、本当こっちの話なんか何も聞かずに一方的に電話を切った、多分今日色々聞いてきたババァであろう人間からの電話。
母ちゃんが「なに、お寿司の配達か何か?」と聞いてきたので、「なんかバイト合格したみたい」と言ったら、母ちゃんは食べてたせんべいをぶーっと噴き出してた。
>>238
ない
関東大震災が起きると予言された時のように、母ちゃんはがたがた震えだして、「落ち着いて落ち着いて」と自分を落ち着かせていた。
「あんた、いつ面接行ったの?履歴書は書けたの?その髪の毛で大丈夫なの?」と聞いてきたので、全部分からない、と答えた。
面接なんかしてないし、飛び込みでいっただけなのに。多分あのババァが店長か何かだろうなと思って、家じゅうをうろうろしている母ちゃんをしり目に、明日9時に起きれないから12時くらいに行くか、と考えてたと思う。
「いつから働くの?」
「明日に来いって」
「明日何時に行くの?」
「9時だけど、朝寝坊するから昼に行こうと思う」
「馬鹿!友達と待ち合わせじゃないんだから!」
「でも起きる自信ない」
「母ちゃんが起こしてあげるから絶対行きなさい」
母ちゃんが、こうしちゃいられないと言って、まずオヤジに電話して「>>1が働くのよ!」と言った。そのあと兄に電話して、また「>>1が働くのよ!」と言った。
妹を部屋から引きずり出してきて、「妹、重大発表よ。なんと!お姉ちゃんが働くんだって!!」と言った。
妹も、目をぐりぐりさせて「お姉ちゃん大丈夫なの!?」「何やるの!?」と聞いてきた。
「寿司屋だよ」
「お寿司作る人になるの?」
「何するかわからないけど、お寿司が食べられるらしい」
やったねお姉ちゃん、お寿司大好きだもんね!と言って妹は何度もおめでとうと言ってくれた。
大げさだな、と正直思った。だってすぐやめる予定だったし。
>>258
べ、別に恥ずかしくてスルーしてた訳じゃないんだからね!
客商売なら一度バザーで経験がある私は、楽勝でしょ、と意味不明に自信まんまんだった。
もう3年以上もニートのくせに、初めて出る社会への不安なんか微塵もなかった気がする。
私はやればできるから、やらないだけだから。とテンプレート通りのニート思考を発揮していた。
その日、母ちゃんによる“バイト講座”をされた。
挨拶とか、返事とか、なんかそんなのだったと思う。
翌朝、朝7時に母ちゃんからたたき起こされた私。
朝ごはんを作るために起きる事はあっても、朝ごはん作ってから二度寝の時間があるから、起きるのはそんなに苦じゃないけど、今日は起きたら起きっぱなしなわけじゃん。
めんどくさくてベッドから絶対起きないとかたく決心した。
だけど、母ちゃんに布団はがされて無理やり体を起こされたのでしぶしぶ起きた。
起きたら妹がキッチンに立っていた。お姉ちゃんの初出勤のためにお弁当を作るんだと言っていた。
寿司食べられるんだから弁当なんかいらないのに、と思ったけど、はりきってウインナー炒めてる妹にむかって、そんな事は言えないと思った。
あとでこっそり弁当は捨てようと思ってた。
9時に来いと言われたので、まあ9時に家を出ればいいだろうと本気で思っていた私は、それを母ちゃんに伝えたら朝一番で怒鳴られた。
母ちゃんに怒られた事なんかほとんどないので、これだけ怒るって事は時間はそんなに大切なんだなとよく理解した。
「余裕を持って8時30分には家を出なさい」と言われたので、妹の弁当を持って出かけた。もう母ちゃんも妹も出てしまっていたので、自分一人しかいなかったけど、8時30分ちょうどに家に母ちゃんから「時間なので出勤しなさい」コールが入ったから、しぶしぶ出かけた。
寿司屋まで自転車で5分くらい。そういえば、時給の値段も聞いていなかったなと思った。
>>277
6年とか7年とかそのくらい
私が17の時に初めてバイトしたから
ついた店では、すでに2人のおばちゃんが店を掃除していた。
どこにでもいるような普通のおばちゃん。「9時にここに来いって言われたんですけど」と言ったら、おばちゃんは「トレーナー、バイト来ましたよ」と奥にいたあの化粧の濃いババァを呼んだ。
トレーナーは何も言わずに私の前に立って、黙ってる。
「何したらいいですか」と聞いたら、「もう一回やり直しだな、こりゃ」と言って、私を店の外に出るように言った。
「もう一回店に入ってくる所から」と言われたので、また同じように自動ドアをあけて店に入った。
そしたらまた同じように、トレーナーは黙って私の前に立つ。なんかイライラしてきた。一体何がしたいのか分からない。
>>285
ごめん、ほんと分からない。
ただ、今書いてるバイトは18歳目前の17歳の時の話。
んで今私は24歳目前の23歳なんだけど、この6年間全部を書こうなんて思っていない。
だけど、あ、そういえばこんな事あったなっていうのをぽこぽこ書いてるから、時系列もめちゃくちゃだし、思い出せるネタは全部書ききろうとは思ってる。
まぁつまり、予定は未定って事だ。
そこまで長くならないと思うけどね。
ちょっと10分休憩。
手がぶるぶるしてきた。
結構今日は量書いたなぁ
イライラした私は、「一体なんですか?」とトレーナーに聞いた。
トレーナーは、「あんたバイトした事あるんでしょ?」と言ったので、「あります。バザーでクッキーを売りました」と自信満々に答えた。
掃除してたおばちゃんと、トレーナーが顔を見合わせてぶっと吹き出して笑い始める。
おばちゃんが、「トレーナー、また変わった子拾いましたねww」と言った。
何を笑っているのかよく分からないし、なんて失礼な人たちだろうと思ったので、取りあえずその場にいた3人まとめて睨んだ。
ひとしきり笑ってから、トレーナーが「職場では、挨拶が命だ」と言った。
そういえば昨日母ちゃんがそんな事を言ってたと思うけど、半分以上聞いてなかったので覚えてなかった。
「まず、職場にきたら“おはようございます”。夜でも“おはようございます”だからね。あと、あんた今日初日なんだから、“よろしくお願いします”も言わなきゃダメ」
分かったらさっさとやり直しな、と言われたので、むすっとしながらもう一度自動ドアをあけた。「ざいまーす…」と軽く言ったら、「なんじゃその日本語は」と怒られて、やり直しをさせられた。結局、トレーナーが満足する挨拶が出来るまでに、10回くらいやり直しさせられたと思う。
もう、店にきて15分たたずに帰ろうと思った。とりあえず昼飯だけ食べて、今日の分の給料もらったらもうやめようとも思った。
トレーナーが、「まず履歴書」というので、そういえば履歴書必要だったけな、と思って「忘れました」と答えた。
履歴書はまた明日でいいと言われて、「じゃあ、身支度するから髪の毛しばって」と言われた。そういえば髪の毛のゴムもねーな、と思ったのでまた「忘れました」と答えた。
「あんた何しに来たの?」と言われたので、「お寿司食べにきました」と答えた。
トレーナーは、また大笑いしてから、「あんた素直だね」と言った。