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ワンダフルな日々。。


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ワンダフルな日々。。

吾輩は犬である。

名前はまだ、ない。

 

・・・・

・・・・

・・・・

―――・・・嘘だ。ほんとはある。

名前は“ワンダフル”。

でっかくて黒い髪をしてて、そんでもってすごい仏頂面の男に付けられた。

あ、この人、僕のお父さん。あえてそこら辺のツッコミは受け付けない。

言葉少なだけど、たまに少し悲しそうな顔をして僕を撫でるんだ。

なんでかは、僕には分らない。

 

普段よく遊んでくれるのは、“たいし”って金髪。

たいしは真っ白な制服が泥んこまみれになるまで遊んでくれる。

だから、好き。

たいしは兄弟みたいな、友達みたいな、同志みたいな、そんな感じの人。

僕と同じ匂いがする。

楽しいこと大好きで、楽しければ生きていける、て感じのしゃいにんぐぼーい。

僕が知ってる人間の中で、きっと一番僕に近い。

 

 

たいしやお父さん以外によく話しかけてくれるのは、“れん”。

たいしと仲良し。

きれいな目をしてるんだ。

ビー玉みたいに、きらきらしてる。他の人とは、ちょっと違う色。

普段は、たいしと一緒ですごく元気だし、明るい。

でも、時々すごく辛そうな顔をするんだ。何かあったのかな。

 

 

「・・・吠えるな、犬。」

―――・・・来た来た。

お父さんやたいしやれんをいじめるやつ。

青いふちの眼鏡がにくたらしい。ガリ勉か。

名前は“ささきゆうすけ”だって。なんのひねりもない。

・・・そのくせ、吠えられてもびくともしないやつだ。

まぁでも、骨はあるやつだと思う。そこは僕も認めてやる。

少なくともたいしよりは賢そうだ。

だけど、思うんだ。こんな風に強そうな人間こそ、実は弱いんじゃないかって。

・・・・でも、僕はあくまでたいしが好きだ。

 

 

「今、佐々鬼がここを通ったろう。」

あ、このお父さんに負けない仏頂面は、“あおい”だ。

お父さんがそう呼んでる。

お父さんはみんなのことを名前で呼ぶから、きっとこいつの名前はあおいだ。

僕と同じで、ゆうすけを嫌っている。

よくお父さんにゆうすけの悪口をぶちまけてる。

でも、お父さんは悪口はよくないって言っていたから、僕も悪口は言わないんだ。

・・・逆にお父さんは、もう少し言ってもいい気がするけど。

 

 

「えぇ~?どうだったかなぁ?

葵さん、佐々木先輩に用事なら僕が代わりますよっ♪」

この声は、たぶん“はるか”。

あんまり話したことはないけど、ゆうすけを“けいあい”してるんだって。

でも“けいあい”っていうのが僕よく分らないんだ。

なんだろう?食べれるのかな?もしかしてゆうすけと仲良くするとおいしいものがもらえるのかな?だったら仲良くしてやらないこともない。

 

 

「あの・・・佐々木さんなら・・・今さっきあっちの方に・・・」

「あ、言わないでよぅ小太ちゃんっ!僕が用事を仰せつかろうと思ったのにぃ!」

「あ・・・ご、ごめん・・・」

はるかと一緒にいるのは“こたろう”かな?

この人も好きだ。たまに茶道部であまったお菓子をくれるんだ。

ほんとはたいしやれんがもらうんだけど、もれなく僕にも分け前が回ってくる。

言葉数は少ないけど、優しくなでてくれるから好き。

 

 

「不覚だった・・・小太郎しかいないと思って話しかけたのに、悠もいたとは・・・。」

「何か言いましたぁ?」

「いや、何でもない・・・。

佐々鬼の居所も分かったことだし、オレはこれで失礼する。じゃあなっ!!」

「あっ、待って下さいよぅ葵先輩っ!だから佐々木先輩になら僕がっ!!」

「ま、待って、悠くんっ・・・」

 

 

「―――・・・ふぅ。やっとヤツら消えてくれたぜ。なぁ、犬公?」

そう言って物陰から現れたのは、“たける”。

男なのに髪が長くって、でもゆうすけやあおいやお父さんよりもでっかい図体をしてる。

さっきの一陣は、たけるの苦手な人てんこもりだったみたい。

こうやってたま~に、たけるは僕のとこに来る。

そして“教団”がどうだの、“兄さんを取り戻す”だの、“なんでよりによってあんなかわいい写真が流出したんだ”だのって色々言っていく。でも正直よく分らないから、僕はいつも首を傾げて聞いてるんだけどね。

 

 

 

「――――・・・ワンダフル、ここにいたのね。」

「あ、キャメロンっ。こっちに来なよ。ぽかぽかして気持ちいいよ。」

「あら、本当。」

 

・・・・・・

・・・・・・

・・・・・・

 

「・・・・気持ちいいねぇ・・・」

「・・・・そうねぇ・・・・」

 

 

人間って色々考えすぎだ。

僕らはあったかいお日さまひとつあるだけでこんなに幸せなのに。

 

 

ほら、僕らみたいにお日さまの下で手足を伸ばしなよ。

きっと、何もかも忘れてぐぅぐぅ眠れるから。 

 

 

 

the  end

 

 

 

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