第3話 異世界での悪夢の遊戯(ゲーム)


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異世界での悪夢の遊戯(ゲーム)



 結局寮に帰るのは50分後となってしまった。

 助けてくれ。

 まぁ、何とか開放された。
 さて寮はっと。
 案内があるな。どうやら一応地図が用意してあるらしい。パンフレットの方がほしいけど。

 なんだこれは。

 寮にたどり着く前に倒れる人いそうだ。

 地図を片手にあっちいったりこっちいったりで30分。ようやく寮の前まできた。

 なんだこれは。最近こんな感想しかでなくなってきた。

 学生寮って言うと大抵そこらのアパートみたいなの思い浮かべるんだが、これは違う。

 なんていうか超一流ホテルだ。帝国ホテルみたいな。雰囲気もそれに近いし。

 ま、まぁ。寮・・・なんだよな。足を踏み入れねば。

 と思いつつも躊躇してしまい、あたりを見回していると、ほとんどの新入生がどうすればいいか迷っている。
 俺だけじゃないのか。よかった。

 と、そんな場合じゃない。目下は俺がどうするかだ。

 よく見ると炎村さんもキョロキョロしてる。

「やぁ」

 声をかけた。

「ん、委員長か」
「その呼び方はやめてくれ」
「分かった。んじゃ、護だな」

 なぜいきなり名前呼び捨てなんだろうか。相変わらずこの人も凄い。

「しかし、はいりづらいよね」
「あー、そうだな。さすがにこんなんじゃ逆に入る気おきないっつうか」
「まぁね。あんまボロッちくてもいやだけど」
「ふぅん。もしかして幽霊とか苦手なタイプか?」
「人並みにはね」
「ほうほう。人並みにはねぇ」

 なんか怖いな。つってもあの会長の目の前にいるときほどじゃないけど。
 あっちは別格なんだけど。そういやあの人苦手なものとかあるんだろうか。あるわけないな。

「とりあえず、いつまでもここにいてもあれだから中に入ろう」
「おう、そうだな」

 自動ドアが開くとでっかい張り紙がしてあった。
 どうやら新入生の部屋割りらしい。
 俺は2525号室らしい。ごろあわせでニコニコ。いい趣味してる。というか25階か。やたら面倒だ。

「アタシは・・・2520らしいな。ん、護はニコニコか。いい趣味してるじゃねえか」
「ありがとうよ」

 とはいえ俺が決めたわけではないが。というか何階建てだ。このホテルもとい学生寮。

 で、エレベーターに入った。あ、26階建てか。1階はホールやら食堂やらである。

 エレベーターの扉が開き、足を踏み出す。何度目の感想だが分からないけどやはり広いな。廊下も。
 自分の部屋にはいる。

 なんだこのスイートルーム。
 最新のテレビとパソコンと最高級っぽい家具(ソファーとか)が備えてある。
 テレビはDVDレコーダー内蔵だ。恐るべし。

 一度部屋を出る。部屋番号を見る。
 ニコニコだ。念のためにと携帯で撮影しておいた部屋番号と照らし合わせる。間違いない。

 もう一度足を踏み入れる。目をこすってみる。現実だった。

 学生寮なのに実家より豪華とはこれいかに。道理で廊下も広いわけだ。
 しかも風呂まである。それもユニットバス。なんかニキビ落としとかまであるのには驚いた。
 食堂が存在するのに台所とはどういうことだ。冷蔵庫はまぁ、分かるが。
 というかなんでゲーム機まで置いてある。
 ゲーム機は理事長もとい会長の方針だろうか。ソフトも揃ってる。

 テスト勉強とかいいのか、これ。

 寝床もでかい。というかでかすぎる。しかもすごいフカフカしてる。
 張り紙がしてあるな。「シーツ、掛け布団は授業中に取り替えておきます」だと。
 これだと知らないうちに掃除とかもしてくれるに違いない。
 とりあえず、ここが金持ち専門の学校なら分かるが、入学金も授業料もその他諸々全部タダである。
 異次元というほかない。改めてあの会長が偉大だと実感した。

 きっちりとエアコンとか暖房床まであるのには感動した。除湿機とかもある。空調も完璧というわけか。

 本棚に専門書やら参考書やらが入ってる。成る程、これを使って自習してもよいと。
 環境も完璧だ。本棚にキッチリ漫画まで存在するのが凄いが。

 机の上にノートパソコンまであった。

 パソコン関係が新品ということは個人の持ち物で与えられて、新入生にはそれぞれ新しく購入しているのだろう。
 と思ったら、自社製品のパソコンだった。どうやら自分達で製作しているからできることらしい。

 まぁ、性能は問題ないだろう。

 部屋の設備やら備品に一々感心していると、コンコンと扉をノックする音が聞こえた。
 気がつかなかったけど、カメラインターホンらしい。
 笠置君の顔が映ってる。拒む理由もないのでロックを外す。

「よお、凄い部屋だよな」
「まぁ・・・うん」
「驚いたぜ」
「そうだね」
「反応薄くないか?」
「疲れたんだ」

 主に入学式と生徒会室で。

「初日からそんなこと言ってると死んじまうぞ」
「とは言ってもねえ」
「とりあえず何で来たの?」
「お、そうそう。ゲームあったろ?」
「うん」
「対戦しようと思ってな」
「うーん。二人だけだとつまらなくないかい?」
「格ゲーならいいじゃねえか」
「そうだけどねえ、観戦したりするのも面白いよ」
「まぁ、そうだけど、いきなりそんな呼べるやついないだろ」
「そうだね」

 そんな話をしていると、扉がバーンと勢いよく開いた。あ、ロックし忘れてた。
 炎村さんだ。

「よぉ!」

 二人揃ってあっけに取られる。

「よ、よぉ。副委員長」
「ゲームで遊ぼうぜ!」

 もっとアウトドアな人だと思った。あくまでイメージだったけど。でもスポーツ得意そうだな。

「待てよ、副委員長。あってすぐの男の部屋に上がりこむとか、もしかして鵜飼に一目ぼれとか?」
「お、鵜飼。何がいい?スポーツか?格ゲーか?アタシはなんでもどんとこいだけどな!」

 若干テンションを持ち直した笠置君の発言を軽くスルーした。どうみてもゲームしにきただけだろう。

「ん、ああ、笠置か。遊びに来ただけだぜ!」

 やっぱり。若干空しい気がするけど。

「それなら他のところでも遊べると思ったんだが」
「なんか一番話易そうなのが鵜飼だったっつうわけだ!」
「あ、ありがとう」

 まぁ、とりあえずそれならそれでそろそろはじめてもいいと思うんだが。
 しかし3人か。あと一人ほしいかもしれない。

 すると、ロック解除されて扉が開いた。そして、
「ヒヨっ子諸君、おはよう!俺が来たぞ!」
 すでに伝説級と化したあの会長が立っていた。ついでにその後ろには今日発足した(だろう)会長のファンクラブがたくさんいた。
「なに、驚くことは無い。俺は生徒会長だからな。全ての部屋のロックを解除できる」
「いや、それよりなぜこの部屋に」
「それは勿論、ゲームで勝負するためだッ!」
 勢いよく宣言する会長。あぁ、それでゲーム機なんて置いておいたのか。
「それより鵜飼。貴様やるな。まさかもう女子と遊ぶまでになっていたとはな!」
「いや、あの人が勝手に」
「照れるな照れるな。なんなら、今ここで貴様が告白してもいいぞ」

 なぜそうなる。というかゲームで対戦しに来たといってそんなこといい始めるこの人が全く分からない。

「とりあえずゲームやりましょう」
「4人か。フム。よし、大乱闘ストライクブラザーズクロスにしよう」

 勝手に決め始めた。構わないけど。

「3対1で俺にかかってこい!」

 凄まじい自信だ。というか他の皆が唖然として棒立ちになってる。

 さすがに3対1なら・・・と思ったが、無理だった。

 そりゃもう徹底的に負けた。
 指がわけのわからない動きをしてる。ぜひともスロー再生してほしいくらいに。
 しかし使用キャラピンクの悪魔とは。まるで不死身だった。

 会長本人みたいだな。とりあえず超絶すぎた。
 他の使用キャラはションヤムースとゴリラだったな。

「弱いな。弱すぎる」
「会長が強すぎるんです」

 そうとしかいいようがない。このゲームであんな動き出来たのか。いくらなんでも反則だと思う。

 隣には完全に燃え尽きた二人がいる。

「な、なんだってんのよ、アレ・・・」
「俺に聞くな」

 仕方ない気もする。