名前 | アイスマンズ⑨(アイズマンズ・キュー) |
危険度 | 低い |
人間友好度 | なし |
活動場所 | とある平行世界の日本国H県十王町 |
種族 | 凍人(「凍る」という事象に縛られる「事縛霊」の類) |
能力 | 動かないものを決して動かさない程度の能力 + 動かないものを通り抜ける程度の能力 |
二つ名 | なし |
性格・特徴 | 智華千流乃と大場妖精(だいちゃん)の二人それぞれの人格を持つ。 |
職業 | 自由少女(こどもニート) |
所在 | とある平行世界の日本国H県十王町 |
年齢 | 小学校中学年程度(死んでいる) |
趣味 | 能力で遊ぶ事 |
登場作品、SS | なし |
特技 | 能力を使った驚かし |
身長 | 普通(千流乃)、若干低い(大場妖精) |
体重 | 霊なので無い |
外見・服装 | 二人の生前の姿そのまま。 ただし、生きている人からは見えない。 |
関係人物 | なし |
智華千流乃と大場妖精が死後、幽霊でも生きてる人間でもない、この存在となった。
凍人(こごりびと。またはアイスマン)とは、千流乃の能力により生きている状態から無理やり止められた(動から静へ変えられた)まま死んだ人間のうち、極端なレアケースのみが成れる幽霊の亜種である。
「止まる(凍る)」という事象そのものに縛られ、永遠にその因縁を断ち切れないで彷徨き続ける、地縛霊の変種「事縛霊」の類である。
ただし千流乃の能力により病気が誘発され、その病気が直接的な原因で死んだ場合、普通の死人となるので、長い間彼女の近くに居続けた結果心停止しただいちゃんと、自身の能力で強制的に生命活動を止めた千流乃本人が該当すると言っていい。
そして、千流乃の能力で自分を止めた結果、彼女の能力は変則的な進化を遂げ、「停止」、「動かない」、「止まっている」という「静の状態」に特化したものとなっている。
動いているものを止める事はできないが、止まっているものを止まったままにする事ができ、さらに、自身が「止まっている」影響で、空間的に(時間的にも)離れている、自分に重なっていないものに対して一切の干渉ができなくなっている。
(時間的にもと言ったのは、遠くに行くのに時間を要するためであり、空間的距離とはすなわち時間的距離と同じと見なす事ができるから。)
また、自身が止まっている事で、他の止まっているものと強い結び付きを持つ事ができ、止まっているものを通り抜けたり、自身を重ねる事ができる。
そして、自身が重なっているものに関しては、重なっている部分はどんなに強い力を加えても、止まったまま決して動かないようになる。
なお、動いているか、止まっているかは、彼女の認識に依存するため、「動いている」とみなしたものには干渉できず、「止まっている」とみなしたものだけ重なる事ができる。
そのため、わずかな気流がある空気を通り抜ける事はできるし、止まっている乗り物のドアをすり抜ける事もできる。
反面、強い風には吹き飛ばされてしまうし、振動している携帯電話を触る事はできず、落ちるナイフを掴もうとしても指を怪我するどころか、そのままスッパリ切られてしまう。
死人なので怪我してもすぐに元通りになる(止まっている存在なので不変でもある)が、指がちょん切れるとさすがに肝を冷やすので、動く物は苦手でもある。
そして、これは現代に生きる(?)幽霊としての制約だが、波長の合わない霊体を通り抜ける事ができないため、生きている人間などに重なったり、幽霊と重なる事が基本的にできない。また、同じアイスマン同士で重なる事も不可能である。
(ただし、これは幽霊としての制約によるものなのか、「止まっている」アイスマン同士で重なる事で互いに「止まったまま」にされ、それにより、触れるか重なるかの境目でそれ以上動けず、引き戻されるためなのか、本当のところは不明である。)
そんな不便を強いられる存在だが、どうすれば完全に消滅できるか分からないため、親友同士で遊ぶ以外何もする事が無い永遠の非日常をブラブラしながら過ごし続ける。
アイスマン千流乃の当面の仕事は、自身の能力で死に追いやられた人々が、自分と同じ境遇になっていない事を確かめるため、巷に彷徨っている地縛霊や浮遊霊の方々に聞き込みをしながら、両親や祖母や叔父叔母、元イジメっ子連中などの足跡を辿り、無事成仏した事を見届ける作業である。
だが、仕事開始早々、自分以外の最後の犠牲者が見付かった。
彼女の親友が死んだ後、道路脇の田んぼ付近で無理やり命を止められた蛙がアイスマン(?)となり、同じ田んぼ付近で彷徨いてたのだ。
千流乃はこの成仏できないアイス蛙に深く謝った後、子分にする事にした。
一方、アイスマンだいちゃんは何もすることが無く、ただ親友と一緒に居続ける事が願いなので、千流乃と同行する事になる。
彼女は千流乃の能力の影響で、自身でも同じ能力を行使できる。
それに加え、生前からの能力も併せ持つため、千流乃と離れ離れになる事は無い。
彼女たちの行動により、十王町では様々な謎の現象が引き起こされ、作られた伝説は枚挙に暇がない。
「地下鉄十王駅自動改札石化の怪」千流乃とだいちゃんが地下鉄に乗るために自動改札を通り抜ける際、人と人の隙間に割って入り、前の人が通り抜け、バーが元の位置に戻ってから、次の人が通る前の瞬間を狙い、無理やり通り抜けたため、次の人が切符を入れた後にバーが開かず、駅員を呼ぶ羽目になった。
よく考えれば、誰にも見えないのだから、フェンスを乗り越えるか、改札機の上を通ればいいだけなのだが、千流乃はバカだから気付かなかった。
そんな現象が、彼女たちが地下鉄に乗る度に起こるものだから、遂に伝説化した。
「十王公園水飲み口氷結の怪」水が飲みたくなった千流乃は、お金も無いし、そもそも物を持てないので、飲み物を手に入れられないため、公園の水飲み場で誰かが水を飲むために蛇口の栓を回すのを待ち伏せし、蛇口から水が出た瞬間割って入り、水を飲もうとした。
その時、千流乃が蛇口そのものに重なるように思いっきり口を着けていたので水が固まったまま出てこなくなり、それを見た子供が水道が壊れたと思い、栓を回そうとしたが、栓まで固まって動かなくなったため、気味悪がって、それが噂となり、尾ひれが付いて都市伝説化した。
ちなみに、アイスマンは喉が渇こうが何とも無いので、水を飲む意味は無いし、千流乃が重なることで水は出てこなくなるので、結局飲めない。
「ファミレスコップ氷結の怪」前回しくじった千流乃が、レストランでサービスで出される冷水に止まった状態で自分の顔を重ねれば水が飲めると思い、テーブルの下から少しだけ顔を出して上向きになった状態でコップの下半分に口を重ね、そこから水を飲もうとした。
丁度その時、水を飲もうとした客がコップを持ち上げようとしたが、テーブルにくっついたまま離れず、ストローを差し込もうとしても水がほとんど氷のようにカチカチになって十分に差し込めず、飲むことができなかったため、店内でちょっとした騒ぎとなった。
そのような事が多発したため、町内で都市伝説と化し、レストランの客が少し減った。
ちなみに、千流乃は口と喉がひんやりして満足したが、だいちゃんから「もうやめて!!」と懇願されたため、反省して今は自粛している。
「田んぼ氷結の怪」かつて千流乃に「止められた」蛙が縄張りにしていた田んぼに、アイスマンとなった蛙が棲み着くようになってから、田んぼの水の一部が凍ったり、苗の一部が凍って枯れる現象が、蛙がアイスマン千流乃の子分になるまでの間、多発した。
その現象はタウンペーパーに取り上げられる程度の怪事件となった。