名前 | 沙小麦(シャー・シャオマイ) |
危険度 | 無し |
人間友好度 | 中 |
活動場所 | ? |
種族 | 麺霊気 |
能力 | コシを操る程度の能力 |
二つ名 | 食感豊かなヌードルメーカー |
性格・特徴 | 表面上は物腰柔らかく角立たぬ感じだが内面は無味淡白かつ一本筋が通ってる。 |
職業 | 麺料理人 |
所在 | ? |
外見・服装 | トウキビ色のカーリーな長髪に、麺生地で作った捩じり鉢巻きを締め、 冷麺で編み込んだ帷子のような上着を身に纏い、半月型の餃子の皮を繋げた 花弁のような薄紅色のスカートを履き、巾着袋のような足袋を履いてる。 顔は線が細く糸目で常にニコニコしてるが表情から内心が読めず上滑りしてる。 |
関係人物 | 荏原仙華(料理の師匠) |
麺料理に心血を注ぐ数多の麺料理人の魂から生まれた麺の精霊・「麺霊気」。
中国生まれだが、近年の日本におけるラーメンブームにより、情熱が急激に集まった事で、日本で大幅に力を得て妖怪化する。
しかし、日本では麺よりスープが重視される風潮のせいで主役として目立つ事が少なく、その上本場中国に逆輸入され、中国では麺のコシがあまり重視されていない事で、麺の良さが忘れられたと感じたがために幻想郷に迷い込む。
その後、出会った幾人かの里人にラーメンを振る舞った所、絶賛されるが、旨いスープや具材にばかり心奪われ、麺の良さを分かってくれる者は誰一人いなかった。
ここにも理解者はいないのかと凹んでいた所、旨いラーメンの話を聞きつけた香霖堂の店主がラーメンを食べに来たので、いつも通りのラーメンを出した所、一口食べてから何かに気付き、そのまま一気に平らげた後、追加である注文を出した。
『麺で海を作れるか?』
その注文を聞き即座にイメージを浮かべた彼女は、持ち前の技を総動員し即興で作り上げた。
「撥魚(ポーユイ)」という小さな白魚の形をした短い麺を浮かべた透明のスープは、さながら水槽…器の中の海であり、そこから漂う潮風のような香りはある人物を寄せ付けた。
霖之助の隣の席に、いつの間にか仙人が座っていた。
かつて外の世界であちこちの海を船で行き来していた彼女は、懐かしい匂いに釣られたのだ。
「荏原仙華」と名乗る仙人は、一目でスープの味と麺の食感、麺霊気の技量を見抜くが、その料理には一口も口を付けなかった。
態度と行動が裏腹な仙人を訝しむ小麦に対し、仙華は更なる注文を突き付ける。
『霞しか食べない仙人でも食べられる麺を作れ』と。
そして即興で透明な麺を捏ね上げ、何も味の付いてないお湯に入れたものを差し出す。
「霞湯麺」と適当に名付けられた、ただの白湯にしか見えないそれを小麦は一口啜ると、体中に電流が走り、そのすぐ後には仙人への弟子入りを決断していた。
麺には決定的な短所があった。それは食べ過ぎると太り、食べられる量に限りがある事だ。
食物である以上、それは必然かつ逃れられない宿命なのだが、満腹だと食べて貰えず、臓器に病を抱えていても食べられる場合が限られるので機会損失の原因に他ならない。
しかし、いくら食べても満腹にならず栄養も質量も無ければ、それは克服できるだろう。
その条件を「霞湯麺」は満たしていた。その上美味しさすらも彼女の麺料理を上回っていたのだ。
ただのお湯に浮かべただけの麺なのに。純粋な美味の集合体だった。
現状持ちうる全ての技術を総動員しても、これに匹敵するものは作れまい。
そう感じた彼女の脳裏には、新たに成長の芽となる閃きが芽生え始めていた。
必死に頼み込み弟子入りを許されてから幾星霜、麺以外の料理の技術を一から鍛え直された事で、技術に更なる深みが増し、スープや具材を引き立てる麺から、純粋に麺の良さを最大限引き出したものまで自在に作れるようになり、まさに「コシを操る」妖怪となった彼女には更なる目標がある。
それは、今までのラーメンを超えた幻の麺料理を作り、師匠の麺料理を超える事である。
ただし、教えて貰えるのは料理だけで仙術は全く教えて貰えないらしい。
日本から中国へ逆輸入された日本式麺料理。中国人の味覚に合わせコシは弱め。
撥ねる白魚のような特殊形状麺。器の中に小さな海が再現される。
猫の耳のような丸い麺。スープや様々な具材と絡み合い、味と食感でダンスを奏でる。
龍の髭(トウキビのヒゲ)のように細い揚げ麺。星空のような餡と絡み、天にも昇る味。
ラーメンの神髄は麺にあり。
汽水鍋を使いスープを極限まで澄み渡らせる事で麺の持ち味を最大限に活かした一つの究極形。