「舞妓haaan!」(2008/12/16 (火) 20:38:48) の最新版変更点
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**舞妓haaan!
夜独特の藍色に塗りたくられた空を、芸術性のある小さな星のイルミネーションが飾る。
まるで絵画でも鑑賞しているかのようなほどに美しい夜空。
そのベールをくぐる、身を寄せ合う男女が二人。
きっとこの二人の中には、新たな感情が生まれ―――るわけがなかった。
「あの、あの人たちとはぐれちゃってるみたいですけど」
事の事態を飲み込めずにいた宗次郎に抱きかかえられた状態の珠姫は、状況処理を終えた後、ようやく口を開いた。
「良いんじゃないんですか?戻るのも面倒臭いし」
「はぁ」
どうやらこの青年、かなりの楽観主義者のようだ。
能面のように貼り付けられた笑みからは、表層意識が読めない。
先程トカゲに襲われそうになったときは助けようとしてくれたので、恐らく悪い人間というわけでもないのだろうが。
仰ぎ見た、前方を見据える宗次郎の表情は、相変わらずの笑顔。
と、こちらの視線に気付いたか、宗次郎も目線を胸元に落とし、必然的に目が合う。
無論、互いに恋愛云々には縁が無かったため、視線が交差したところで鼓動が特異な反応をすることはなかった。
「……」
「……」
会話が続かないのも、別に相手を意識しているからではない。
ただ純粋に、話す内容が無いからだ。
しかしここに来て、宗次郎でもなく珠姫でもなく、声を出した者が居た。
――ぐ~、ぎゅるるるるる。
「………」
「あはは、おなか空いてるんですか?」
珠姫の腹の虫。
流石の珠姫も、今の失態には羞恥を感じ伏せ目になる。
「す、すみません」
「だったらここらで休んでいきますか?夜遅いですし、ついでに仮眠も取りましょう」
「はい…。 あ、あそこ」
「明かりがついてますね」
「あそこなら、食料の補充もできるかもしれないし、誰かが居るのかもしれません」
「行ってみましょうか」
宗次郎が爪先を向けたのは、緑色を基調とした喫茶店。
○ ○ ● ○ ○
「さてさて、盛り上がってきたところで、パーッ!といきますか!!」
バックの中から無数の缶ビールを出す櫛枝実乃梨のこの一言が、この事態を作った原因だった。
○ ○ ● ○ ○
「や~きゅう~うすぅるなら こういう具合にしやしゃんせ」
「投げたらこう打って 打ったらこう受けて」
「ランナーになったらエッサッサーァ」
「アウト!」
「セーフ!」
「ヨヨイノヨイ!」
開かれた手と握られた拳が中央を向く。
双方の中間地点に立つ片手に缶ビールを持った下着姿の早苗が一秒も掛けずに、間抜けた声で勝負の判定を下した。
「つかしゃちゃんの勝ちね~」
「ま、また私ぃ!?うう~」
セーラー服に下着状態となっている奈美が、とうとう肌を覆っていたセーラー服を脱ぎ捨て、完全な半裸状態となる。
周囲に落ちたスカートや体操パンツもシャツと同じく、彼女が不敗してきた証拠。
「まだやるの?次で奈美ちゃんが負けたら、奈美ちゃん裸になっちゃうよ」
と言いつつ、酒が引き出した強気のつかさもスカートを降ろせば奈美と同じ姿になってしまうわけだが。
「あうう~、実乃梨ちゃん交代お願い~!」
「頑張れ櫛枝さん、私はちょっと寝ますから、おやすみなさぁい…」
戦場に出向く実乃梨の頼もしい背を今にも意識を閉ざさんとする脳裏に焼きつけ、愛衣は夢の世界へと入っていった。
「オッケイ任しとけええええい!なーみん、お前の敵は絶対に俺が取るぅぅぅ!」
こうしてまた新たな勝負が開始して数分経った頃。
予期せぬ出来事が、五人を襲う。
○ ○ ● ○ ○
「お邪魔します、ちょっと僕たちもここで休憩を―――」
スカートを降ろし半分下着を覗かせた状態の実乃梨が、勝利に浸って口元をにやつかせる半裸のつかさが、口端から涎を垂らす現実に引き戻されたばかりのシャツに下着姿の愛衣が、
下着のみを身につけた奈美と早苗が……扉の開閉音を認識した者たちが、喫茶店に一歩踏み入ってきた宗次郎と珠姫を一斉に注目する。
酒がもたらした効果か、霞んだ脳内の中では皆、物事を正しく思考することができなくなっていた。
「何あの人」
「覗き?」
「ち、痴漢…」
「いやああああああ!!!」
「変態!変態が来たよぉぉう!」
火がついたように、店内には騒がしい声が侵食していった。
あまりのパニックに魔法の射手を乱射する愛衣、如意天穿脚でひたすら二人に向け椅子を蹴り飛ばす早苗、
床に散乱した衣服を投げつける奈美とつかさ、私たちの裸を見たんだからお前も見せろやと宗次郎たちの着物を脱がそうと飛び掛る実乃梨。
静寂を灯した街の中、この喫茶店だけはカオスと化していた。
果たして変態呼ばわりされている宗次郎に、恋愛感情を理解できる日はやってくるのだろうか。
【C-6街・喫茶店/深夜3時】
【川添珠姫@バンブーブレード】
[状態]:健康、若干動揺
[道具]:基本支給品一覧、竹刀
[標的]:なし
[思考]:騒ぎをおさめたい
【瀬田宗次郎@るろうに剣心】
[状態]:健康
[道具]:基本支給品、竹刀
[標的]:不明(恋愛感情を理解できない)
[思考]:1:恋や愛について学ぶ
2:騒ぎをおさめたい
【櫛枝実乃梨@とらドラ!】
[状態]:錯乱 泥酔
[道具]:缶ビール(残り一本)
[標的]:高須竜児(密かに)
[思考]:
2みんなと一緒に居る
1私のを見たならお前らも脱げ!
※原作8巻からの参戦
【佐倉愛衣@魔法先生ネギま!】
[状態]:錯乱 泥酔
[道具]:未確認
[標的]:背が高くて格好良い人
[思考]:
2みんなと一緒に居る
1変態!!
【中慈馬早苗@すもももももも~地上最強のヨメ~】
[状態]:錯乱 泥酔
[道具]:未確認
[標的]:犬塚孝士
[思考]:
2みんなと一緒に居る
1キャー!
【柊つかさ@らき☆すた】
[状態]:錯乱 泥酔
[道具]:未確認
[標的]:特に無し
[思考]:
2みんなと一緒に居る
1痴漢!!
【日塔奈美@さよなら絶望先生】
[状態]:錯乱 泥酔
[道具]:未確認
[標的]:普通にギャップ萌?
[思考]:
2みんなと一緒に居る
1覗きだー!
**舞妓haaan!
夜独特の藍色に塗りたくられた空を、芸術性のある小さな星のイルミネーションが飾る。
まるで絵画でも鑑賞しているかのようなほどに美しい夜空。
そのベールをくぐる、身を寄せ合う男女が二人。
きっとこの二人の中には、新たな感情が生まれ―――るわけがなかった。
「あの、あの人たちとはぐれちゃってるみたいですけど」
事の事態を飲み込めずにいた宗次郎に抱きかかえられた状態の珠姫は、状況処理を終えた後、ようやく口を開いた。
「良いんじゃないんですか?戻るのも面倒臭いし」
「はぁ」
どうやらこの青年、かなりの楽観主義者のようだ。
能面のように貼り付けられた笑みからは、表層意識が読めない。
先程トカゲに襲われそうになったときは助けようとしてくれたので、恐らく悪い人間というわけでもないのだろうが。
仰ぎ見た、前方を見据える宗次郎の表情は、相変わらずの笑顔。
と、こちらの視線に気付いたか、宗次郎も目線を胸元に落とし、必然的に目が合う。
無論、互いに恋愛云々には縁が無かったため、視線が交差したところで鼓動が特異な反応をすることはなかった。
「……」
「……」
会話が続かないのも、別に相手を意識しているからではない。
ただ純粋に、話す内容が無いからだ。
しかしここに来て、宗次郎でもなく珠姫でもなく、声を出した者が居た。
――ぐ~、ぎゅるるるるる。
「………」
「あはは、おなか空いてるんですか?」
珠姫の腹の虫。
流石の珠姫も、今の失態には羞恥を感じ伏せ目になる。
「す、すみません」
「だったらここらで休んでいきますか?夜遅いですし、ついでに仮眠も取りましょう」
「はい…。 あ、あそこ」
「明かりがついてますね」
「あそこなら、食料の補充もできるかもしれないし、誰かが居るのかもしれません」
「行ってみましょうか」
宗次郎が爪先を向けたのは、緑色を基調とした喫茶店。
○ ○ ● ○ ○
「さてさて、盛り上がってきたところで、パーッ!といきますか!!」
バックの中から無数の缶ビールを出す櫛枝実乃梨のこの一言が、この事態を作った原因だった。
○ ○ ● ○ ○
「や~きゅう~うすぅるなら こういう具合にしやしゃんせ」
「投げたらこう打って 打ったらこう受けて」
「ランナーになったらエッサッサーァ」
「アウト!」
「セーフ!」
「ヨヨイノヨイ!」
開かれた手と握られた拳が中央を向く。
双方の中間地点に立つ片手に缶ビールを持った下着姿の早苗が一秒も掛けずに、間抜けた声で勝負の判定を下した。
「つかしゃちゃんの勝ちね~」
「ま、また私ぃ!?うう~」
セーラー服に下着状態となっている奈美が、とうとう肌を覆っていたセーラー服を脱ぎ捨て、完全な半裸状態となる。
周囲に落ちたスカートや体操パンツもシャツと同じく、彼女が惨敗してきた証拠。
「まだやるの?次で奈美ちゃんが負けたら、奈美ちゃん裸になっちゃうよ」
と言いつつ、酒が引き出した強気のつかさもスカートを降ろせば奈美と同じ姿になってしまうわけだが。
「あうう~、実乃梨ちゃん交代お願い~!」
「頑張れ櫛枝さん、私はちょっと寝ますから、おやすみなさぁい…」
戦場に出向く実乃梨の頼もしい背を今にも意識を閉ざさんとする脳裏に焼きつけ、愛衣は夢の世界へと入っていった。
「オッケイ任しとけええええい!なーみん、お前の敵は絶対に俺が取るぅぅぅ!」
こうしてまた新たな勝負が開始して数分経った頃。
予期せぬ出来事が、五人を襲う。
○ ○ ● ○ ○
「お邪魔します、ちょっと僕たちもここで休憩を―――」
スカートを降ろし半分下着を覗かせた状態の実乃梨が、勝利に浸って口元をにやつかせる半裸のつかさが、口端から涎を垂らす現実に引き戻されたばかりのシャツに下着姿の愛衣が、
下着のみを身につけた奈美と早苗が……扉の開閉音を認識した者たちが、喫茶店に一歩踏み入ってきた宗次郎と珠姫を一斉に注目する。
酒がもたらした効果か、霞んだ脳内の中では皆、物事を正しく思考することができなくなっていた。
「何あの人」
「覗き?」
「ち、痴漢…」
「いやああああああ!!!」
「変態!変態が来たよぉぉう!」
火がついたように、店内には騒がしい声が侵食していった。
あまりのパニックに魔法の射手を乱射する愛衣、如意天穿脚でひたすら二人に向け椅子を蹴り飛ばす早苗、
床に散乱した衣服を投げつける奈美とつかさ、私たちの裸を見たんだからお前も見せろやと宗次郎たちの着物を脱がそうと飛び掛る実乃梨。
静寂を灯した街の中、この喫茶店だけはカオスと化していた。
果たして変態呼ばわりされている宗次郎に、恋愛感情を理解できる日はやってくるのだろうか。
【C-6街・喫茶店/深夜3時】
【川添珠姫@バンブーブレード】
[状態]:健康、若干動揺
[道具]:基本支給品一覧、竹刀
[標的]:なし
[思考]:騒ぎをおさめたい
【瀬田宗次郎@るろうに剣心】
[状態]:健康
[道具]:基本支給品、竹刀
[標的]:不明(恋愛感情を理解できない)
[思考]:1:恋や愛について学ぶ
2:騒ぎをおさめたい
【櫛枝実乃梨@とらドラ!】
[状態]:錯乱 泥酔
[道具]:缶ビール(残り一本)
[標的]:高須竜児(密かに)
[思考]:
2みんなと一緒に居る
1私のを見たならお前らも脱げ!
※原作8巻からの参戦
【佐倉愛衣@魔法先生ネギま!】
[状態]:錯乱 泥酔
[道具]:未確認
[標的]:背が高くて格好良い人
[思考]:
2みんなと一緒に居る
1変態!!
【中慈馬早苗@すもももももも~地上最強のヨメ~】
[状態]:錯乱 泥酔
[道具]:未確認
[標的]:犬塚孝士
[思考]:
2みんなと一緒に居る
1キャー!
【柊つかさ@らき☆すた】
[状態]:錯乱 泥酔
[道具]:未確認
[標的]:特に無し
[思考]:
2みんなと一緒に居る
1痴漢!!
【日塔奈美@さよなら絶望先生】
[状態]:錯乱 泥酔
[道具]:未確認
[標的]:普通にギャップ萌?
[思考]:
2みんなと一緒に居る
1覗きだー!
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