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**知っているモノ、理解できないコト
「あなたという存在そのものが破棄されるべきなのです」
言いながらも、不気味な笑みを浮かべる少女に向けて、銃を構える。
―――先程の男は、あの少女のことを『アーカード』と呼んだ。
だが、私の知っている『アーカード』は、あんな少女では断じてない。
故に、アレはいてはいけない者だ。躊躇なく引き金を引く。
「私に銃を向けるか… いいだろう。相手になってやるぞ、ヒューマン!
このような茶番、退屈しのぎにもならんと思ったが……
思いのほか楽しめそうじゃあないか!」
それを、正面から受け止めた。当たったはずの銃弾は、なんら効果を発揮することはなかった。
どころか、『アーカード』は歓喜の笑みで走り出す。――――少女を、殺す為に。
「いちゃ、いけない……!
単にいちゃいけないモノを壊したいだけなのに…!!
しつこいしウザイ。弾に当たったんだから倒れろ」
「なかなか筋がいいじゃないか! 何発か避けきれなかったぞ?」
どうして、できないのか。これまでは、『知らない者』はすぐに消すことができたのに。
矢継ぎ早に撃ちだされた銃弾を、『アーカード』は回避し、防御し、受け止めて再生する。
これがなんらかの加護を受けた弾丸であれば、あるいはひるませる程度はできたかもしれない。
だが、単なる銃弾ではアーカードを止めることはできない。
「さて、接近戦はどうかな?」
突き出される暴力。少女に銃の心得があろうと、所詮は素人である。
護身術の類を学んだこともあったが、その程度では役にも立たない。
「あ……」
自分が消える。知っている者も、知らない者も、意味がなくなる。
「やだ… 死にたく、ない……」
「…死にたくない、とは馬鹿げたことを。
先程貴様に殺された男とて、死にたかったわけではあるまい。
一方的に殺したいだけならば、私に銃を向けるべきではなかったな」
『アーカード』の腕は少女に突き刺さる直前で、
「投影、二連ッ!」
唐突に、投げつけられた双剣に阻まれた。
双剣が飛来した方向へ向き直り、アーカードは問いかける。
「……何者だ?」
「衛宮士郎。多分、アンタらと同じ参加者だ。
ともかく、落ち着いて欲しい。見た感じ、そっちの子は混乱してるみたいじゃないか。
いったいどういう状況なのか、説明してくれないか?」
双剣を投げつけ、少女を助けた赤毛の男――衛宮士郎と名乗った。
衛宮士郎。この男のことを、少女は『知っている』。そこに、ほんの少しの安堵があった。
確か、馬鹿な真似をして、すぐ死んでしまう。そういうタイプだった、はずだ。
「死にたくない… 死にたく、ないよ……」
けれど、それでも少女の混乱は止まらない。
アーカード。衛宮士郎。前者は名前は知っているが、少女の姿では有り得ない吸血鬼。
後者は、姿も名前も知っている。しかし、どちらにせよ――彼らが実在するというだけで、少女が混乱するには十分だった。
少女にとって、アーカードと衛宮士郎は架空の存在である。そういう世界から呼び出された。
そのことが、元から薄かった現実感を剥奪していく。ここは現実ではない、と。
「あ、ははは… そうだよね。こんなことが現実なはず、ないもの」
少女は、まだ壊れてはいない。破綻してはいない。
けれどもう、そうなるのも時間の問題だった。
【I-2/午前1時】
【恋愛(仮)@にちゃんねるそうはつばん】
[状態]:恐慌状態
[道具]:基本支給品、ベレッタ
[標的]:知っている者
[思考]:知らない者は居なくなる。
【アーカード@ヘルシング】
[状態]:健康、恋愛感情なし
[道具]:不明
[標的]:人間でなくては、いけないのだ!
[思考]:闘争の相手はどちらがいいか。
【衛宮士郎@Fate/unlimited codes】
[状態]:健康、恋愛感情なし
[道具]:基本支給品、ランダムアイテム(未開封)
[標的]:なし
[思考]:1.少女を助ける。2.参加者全員を助ける。3.脱出。
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