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あすさんの家庭教師22 - 明海ナイスバディ!」(2010/08/17 (火) 19:47:03) の最新版変更点

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事実上、世界のほぼ半分を所有している明海の父親の会社は、 錬金術師がわずか1ヶ月で山脈を平地にしてしまうほどの強大な力を発揮し、 その後1年で鉄道や高速道路をも整備し、数億人が住むことのできる巨大な都市を完成させたのである。 都市の中心から離れた静かな土地に、今、あすさんと明海のいるビルが建っている。 その屋上の露天風呂のような温泉で二人はのぼせていた。 あすさん「……いかん……めまいがする……」 明海「お湯から出たのに体温が下がらない……」 あすさん「真冬の屋外で熱中症になるとは……」 明海「早く…冷たい水を……」 あすさんは執事から渡されたブザーのボタンを押した。 あすさん「なんだ…これ…呼び出しをするだけか…通話できるわけじゃないのか…」 明海「……ごめんね~……また何分か待たされるから……」 3分後… 執事「aspirinさま、お呼びでございますか」 あすさん「おせえよ………」 執事「申し訳ございません……」 明海「なんか冷たいジュースある?」 執事「はい。ただいまお持ちいたします」 あすさん「おい…今から持ってくるのかよ……往復で6分か? 今度は?」 執事「7分ほど…」 あすさん「緊急を要するってのに………」 明海「あすさん、蜂蜜ドリンクでいい?」 あすさん「それ…本当にドリンクか? 蜂蜜そのものじゃないだろうな……」 明海「野菜ジュースみたいなものがいい?」 あすさん「まぁ……こういう場合は生理食塩水が一番よさそうだな……」 明海「えっと…スポーツドリンクだよね? じゃああたしも同じものを」 執事「かしこまりました。7分ほどお待ちくださいませ」 あすさん「……早くしてくれぇ~……」 明海「意識が……」 7分後… 執事「お待たせいたしました。生理食塩水でございます」 あすさん「マジで持ってきやがった……」 明海「うっ………ただの塩水じゃ………」 執事「はい。医務室よりお持ちいたしました」 あすさん「気が利くんだか利かないんだか……」 執事「また何かありましたらお呼びください。それでは…」 明海「……ただの塩水……しかも生ぬるい……」 あすさん「いちおう処方薬の扱いなんだ。単なる塩化ナトリウムの水溶液なのに、医師の処方せんがなくては販売できない代物だ」 明海「なんて無駄な水溶液なの……」 あすさん「執事も真面目すぎるようだな……」 明海「こんなものが薬だなんて……」 あすさん「人間の体液に等しい浸透圧の食塩水に過ぎないのだが……」 明海「これがあたしの体液に等しい……」 あすさん「ゴーストの体液……」 生ぬるい塩水を飲み、どうにか容態が安定した二人である。 あすさん「これなら温泉の水をそのまま飲んだほうがよかっ…」 明海「あっ……!」 あすさん「雪……」 明海「わぁ~雪だ~!」 あすさん「温泉に降る雪か……風流だな……」 明海「積もるかな? 積もるかな?」 あすさん「これだけ冷え込んでいれば…積もるかもしれないな」 明海「うわーい! 積もったら遊ぼうね!」 雪を見てはしゃぎ出す明海。 急に元気を取り戻した明海を見て、あすさんは気になることを思い出した。 明海「雪だ~雪だ~楽しいな~! ……ん? あすさん?」 あすさん「…………」 明海「いやーん!!あすさんったら…あたしの水着姿に見とれちゃったの~?」 あすさん「いや、そうじゃない」 明海「えへへへ…見たかったら見てもいいのになぁ~。スタイルには自信あるんだよ♪」 あすさん「そう。そのスタイルなんだ」 明海「えっ!?ちょ、ちょっとぉ! どこ見てるの!!」 あすさんの目はいよいよ真剣になっていた。 まるで科学者が重要な実験を行い、経過を観察するときの目のようであった。 明海「み…見てもいいけど…手を出したらだめなんだからね??」 あすさん「明海、両足をそろえてまっすぐ立ってみてくれないか」 明海「ええ? 今度はなんなの~???????」 あすさん「両腕を前に伸ばして」 明海「えー? これはどういうプレイなの~?????」 あすさん「そのまま両腕を上に」 明海「いやーーーーーーーーーーーー…」 あすさん「片足でバランスをとって立って」 明海「こ、こう?」 あすさん「両足を伸ばして座って」 明海「はい…っ」 あすさん「首を左右に振って」 明海「ぶんぶんぶん!」 あすさん「まっすぐに私の顔を見て」 明海「じど~~~~~~~~~~~~」 あすさん「なるほど……」 明海「なああっ? なになになになに???一人で納得してないで教えてよ~~!!」 あすさんの目は真剣だが、決していやらしいものではなかった。 あすさん「最初に明海を見たときから、ずっと妙な違和感があったんだ……」 明海「違和感ってなによーーーっ! 失礼なっ! 素直に可愛いって言えばいいのに~…」 あすさん「可愛さとは違うんだ」 明海「はいはい、あたしに惚れちゃったのね」 あすさん「明海の体は、ほぼ完全に左右対称の形をしている」 明海「…………ええ? 左右対称? みんなそうじゃないの~?」 あすさん「いや。左右対称の人間はいない。目の形、耳の高さ、腕の長さなどは微妙に異なっているんだ」 明海「そりゃ、微妙に異なっていることくらいあるでしょうよ……。あたしだってそうじゃないの?」 あすさん「ところが、どうだ……明海の左右は肉眼では違いがわからないくらい対称になっている……」 明海「んも~!!それはあすさんの目が悪いからだってば~!」 あすさん「整形してもこんなに左右対称の体にはならない……」 明海「あすさん? あたし、これでもノーメイクだからね? 当然でしょ? お風呂に入るのに化粧なんてね? さ、体、洗おうか?」 あすさん「そうしようか」 あすさんは温泉から少し離れ、洗面器を裏返した上に腰かけた。椅子に座ればいいのに。 明海は焼き鳥の香りがするボディソープを手に取り、あすさんの背中にかがんだ。 あすさん「なんてジューシーな香りがするんだろう…」 明海「焼き鳥ボディソープだってさ」 あすさん「食べたくなるな…」 明海「食べちゃだめよ」 あすさん「このまま焼かれるとか」 明海「焼かないから」 明海は焼き鳥ボディソープを泡立てて、あすさんのきゃしゃな背中を洗い始めた。 頼りがいのなさそうな、猫の額ほどの狭い背中である。 明海「あすさんの背中……女の子みたい……」 あすさん「背中だけ女の子か……」 明海「肩も柔らかくて……女の子を触ってるみたい……」 あすさん「ふむ……」 自分は女の子と一緒にいるのではないか…… そう思った明海は恥ずかしくなってきた。 あすさん「ちょっと肩をもんでくれないかな」 明海「あら、肩こってるの?」 あすさん「長時間、緊張が続いたせいでね…」 明海「そっか~…じゃあサービスしちゃおうかな」 あすさんの貧弱な肩を両手でもみ始める明海。 やはり女の子を触っているような感覚である。 あすさん「両手で同時にもんでみてくれる?」 明海「…こうかな?」 あすさん「ああ…次は右手に力を入れて」 明海「…こ、こうかしら?」 あすさん「よしよし…次は左手だ」 明海「……あすさん……絶対、変なこと考えてるでしょ……」 あすさん「いやいや、そのまま続けて」 明海「もうっ…あすさんのえっちー…」 あすさん「明海、利き手は右だったかね?」 明海「そうだよ」 あすさん「鉛筆やはしは右手で持つ?」 明海「うん。昔からそう」 あすさん「ちょっと私の手を握ってみてくれないか」 明海「わわわ! あ、あすさん!!そんなにあたしに接触したいのね!!」 あすさん「そう、そうやって力を入れて、ぎゅーっと」 明海「きゃー」 この光景を、明海の母は目をそらさずに見ていた。 そして明海の母の姿を、執事は影で見守っていた。 明海「あすさ~ん…いつまで手を握ってるの? 体が冷えてきちゃったよ…」 あすさん「おっと……」 明海「温泉に入って握り直そうよ! なんちゃって」 あすさん「よしよし」 二人はのぼせた温泉に再び入っていった。 明海「あすさんの手も女の子みたい……」 あすさん「ふむ…ふむ…」 明海「そんなにあたしの手が気に入っちゃったの?」 あすさん「いや、そうじゃな…」 明海「もう! さっきから否定してばかりだよね!」 あすさん「いや、いや、本当に、そういう意味じゃないんだ」 明海「そろそろ本気で幻滅しちゃうよ…」 あすさん「明海の両手の握力が…」 明海「握力が~?」 あすさん「右と左で違いがない」 明海「んー……」 あすさん「で、右利きであることを意識したら、右手のほうが強くなった」 明海「……それで?」 あすさん「体形だけではなく、左右の運動能力も対称的ということだ」 明海「そうなのかなぁ~…」 あすさん「…………」 明海「で……対称的だから…なんなの?」 あすさん「違和感の正体は、もしかすると………」 明海「もしかすると………?」 あすさん「ホムンクルス……」 明海「……はい?」 あすさん「生体の標本に使われる薬品ではないぞ」 明海「それはホルマリン……」 あすさん「明海が人工的に作られた存在だとしたら……」 明海「……冗談でしょ~」 あすさん「明海、自分が生まれたときの記憶はあるか?」 明海「えー? ある人のほうが珍しいでしょ?」 あすさん「思い出の物品などはないか?」 明海「あー、写真ならあるんじゃないかな?」 あすさん「見たことは?」 明海「あたしは見たことないけど…」 あすさん「執事なら知ってるか?」 明海「聞いてみたら? 写真とか持ってるかもしれないし」 あすさん「行くぞ」 明海「えー! もうちょっと温まっていこうよ~」 ホムンクルス…… 実は、ある錬金術師がホムンクルスなのである。 かなり身近な存在であり、それはあすさんとも親しい。 ホムンクルスというのは人工生命体のことである。 人間の種子とホワイトハーブ、牛乳、卵黄、クリの花、血と汗と涙の結晶を三日三晩、弱火で煮込んだものを放置し、 腐敗させると──腐敗臭が漂い、猛烈に気分が悪くなる。 そして49日が過ぎると、人間の子どもが興味本位でその物体を見にやってくる…。 ----
事実上、世界のほぼ半分を所有している明海の父親の会社は、 錬金術師がわずか1ヶ月で山脈を平地にしてしまうほどの強大な力を発揮し、 その後1年で鉄道や高速道路をも整備し、数億人が住むことのできる巨大な都市を完成させたのである。 都市の中心から離れた静かな土地に、今、あすさんと明海のいるビルが建っている。 その屋上の露天風呂のような温泉で二人はのぼせていた。 あすさん「……いかん……めまいがする……」 明海「お湯から出たのに体温が下がらない……」 あすさん「真冬の屋外で熱中症になるとは……」 明海「早く…冷たい水を……」 あすさんは執事から渡されたブザーのボタンを押した。 あすさん「なんだ…これ…呼び出しをするだけか…通話できるわけじゃないのか…」 明海「……ごめんね~……また何分か待たされるから……」 3分後… 執事「aspirinさま、お呼びでございますか」 あすさん「おせえよ………」 執事「申し訳ございません……」 明海「なんか冷たいジュースある?」 執事「はい。ただいまお持ちいたします」 あすさん「おい…今から持ってくるのかよ……往復で6分か? 今度は?」 執事「7分ほど…」 あすさん「緊急を要するってのに………」 明海「あすさん、蜂蜜ドリンクでいい?」 あすさん「それ…本当にドリンクか? 蜂蜜そのものじゃないだろうな……」 明海「野菜ジュースみたいなものがいい?」 あすさん「まぁ……こういう場合は生理食塩水が一番よさそうだな……」 明海「えっと…スポーツドリンクだよね? じゃああたしも同じものを」 執事「かしこまりました。7分ほどお待ちくださいませ」 あすさん「……早くしてくれぇ~……」 明海「意識が……」 7分後… 執事「お待たせいたしました。生理食塩水でございます」 あすさん「マジで持ってきやがった……」 明海「うっ………ただの塩水じゃ………」 執事「はい。医務室よりお持ちいたしました」 あすさん「気が利くんだか利かないんだか……」 執事「また何かありましたらお呼びください。それでは…」 明海「……ただの塩水……しかも生ぬるい……」 あすさん「いちおう処方薬の扱いなんだ。単なる塩化ナトリウムの水溶液なのに、医師の処方せんがなくては販売できない代物だ」 明海「なんて無駄な水溶液なの……」 あすさん「執事も真面目すぎるようだな……」 明海「こんなものが薬だなんて……」 あすさん「人間の体液に等しい浸透圧の食塩水に過ぎないのだが……」 明海「これがあたしの体液に等しい……」 あすさん「ゴーストの体液……」 生ぬるい塩水を飲み、どうにか容態が安定した二人である。 あすさん「これなら温泉の水をそのまま飲んだほうがよかっ…」 明海「あっ……!」 あすさん「雪……」 明海「わぁ~雪だ~!」 あすさん「温泉に降る雪か……風流だな……」 明海「積もるかな? 積もるかな?」 あすさん「これだけ冷え込んでいれば…積もるかもしれないな」 明海「うわーい! 積もったら遊ぼうね!」 雪を見てはしゃぎ出す明海。 急に元気を取り戻した明海を見て、あすさんは気になることを思い出した。 明海「雪だ~雪だ~楽しいな~! ……ん? あすさん?」 あすさん「…………」 明海「いやーん!!あすさんったら…あたしの水着姿に見とれちゃったの~?」 あすさん「いや、そうじゃない」 明海「えへへへ…見たかったら見てもいいのになぁ~。スタイルには自信あるんだよ♪」 あすさん「そう。そのスタイルなんだ」 明海「えっ!?ちょ、ちょっとぉ! どこ見てるの!!」 あすさんの目はいよいよ真剣になっていた。 まるで科学者が重要な実験を行い、経過を観察するときの目のようであった。 明海「み…見てもいいけど…手を出したらだめなんだからね??」 あすさん「明海、両足をそろえてまっすぐ立ってみてくれないか」 明海「ええ? 今度はなんなの~???????」 あすさん「両腕を前に伸ばして」 明海「えー? これはどういうプレイなの~?????」 あすさん「そのまま両腕を上に」 明海「いやーーーーーーーーーーーー…」 あすさん「片足でバランスをとって立って」 明海「こ、こう?」 あすさん「両足を伸ばして座って」 明海「はい…っ」 あすさん「首を左右に振って」 明海「ぶんぶんぶん!」 あすさん「まっすぐに私の顔を見て」 明海「じど~~~~~~~~~~~~」 あすさん「なるほど……」 明海「なああっ? なになになになに???一人で納得してないで教えてよ~~!!」 あすさんの目は真剣だが、決していやらしいものではなかった。 あすさん「最初に明海を見たときから、ずっと妙な違和感があったんだ……」 明海「違和感ってなによーーーっ! 失礼なっ! 素直に可愛いって言えばいいのに~…」 あすさん「可愛さとは違うんだ」 明海「はいはい、あたしに惚れちゃったのね」 あすさん「明海の体は、ほぼ完全に左右対称の形をしている」 明海「…………ええ? 左右対称? みんなそうじゃないの~?」 あすさん「いや。左右対称の人間はいない。目の形、耳の高さ、腕の長さなどは微妙に異なっているんだ」 明海「そりゃ、微妙に異なっていることくらいあるでしょうよ……。あたしだってそうじゃないの?」 あすさん「ところが、どうだ……明海の左右は肉眼では違いがわからないくらい対称になっている……」 明海「んも~!!それはあすさんの目が悪いからだってば~!」 あすさん「整形してもこんなに左右対称の体にはならない……」 明海「あすさん? あたし、これでもノーメイクだからね? 当然でしょ? お風呂に入るのに化粧なんてね? さ、体、洗おうか?」 あすさん「そうしようか」 あすさんは温泉から少し離れ、洗面器を裏返した上に腰かけた。椅子に座ればいいのに。 明海は焼き鳥の香りがするボディソープを手に取り、あすさんの背中にかがんだ。 あすさん「なんてジューシーな香りがするんだろう…」 明海「焼き鳥ボディソープだってさ」 あすさん「食べたくなるな…」 明海「食べちゃだめよ」 あすさん「このまま焼かれるとか」 明海「焼かないから」 明海は焼き鳥ボディソープを泡立てて、あすさんのきゃしゃな背中を洗い始めた。 頼りがいのなさそうな、猫の額ほどの狭い背中である。 明海「あすさんの背中……女の子みたい……」 あすさん「背中だけ女の子か……」 明海「肩も柔らかくて……女の子を触ってるみたい……」 あすさん「ふむ……」 自分は女の子と一緒にいるのではないか…… そう思った明海は恥ずかしくなってきた。 あすさん「ちょっと肩をもんでくれないかな」 明海「あら、肩こってるの?」 あすさん「長時間、緊張が続いたせいでね…」 明海「そっか~…じゃあサービスしちゃおうかな」 あすさんの貧弱な肩を両手でもみ始める明海。 やはり女の子を触っているような感覚である。 あすさん「両手で同時にもんでみてくれる?」 明海「…こうかな?」 あすさん「ああ…次は右手に力を入れて」 明海「…こ、こうかしら?」 あすさん「よしよし…次は左手だ」 明海「……あすさん……絶対、変なこと考えてるでしょ……」 あすさん「いやいや、そのまま続けて」 明海「もうっ…あすさんのえっちー…」 あすさん「明海、利き手は右だったかね?」 明海「そうだよ」 あすさん「鉛筆やはしは右手で持つ?」 明海「うん。昔からそう」 あすさん「ちょっと私の手を握ってみてくれないか」 明海「わわわ! あ、あすさん!!そんなにあたしに接触したいのね!!」 あすさん「そう、そうやって力を入れて、ぎゅーっと」 明海「きゃー」 この光景を、明海の母は目をそらさずに見ていた。 そして明海の母の姿を、執事は影で見守っていた。 明海「あすさ~ん…いつまで手を握ってるの? 体が冷えてきちゃったよ…」 あすさん「おっと……」 明海「温泉に入って握り直そうよ! なんちゃって」 あすさん「よしよし」 二人はのぼせた温泉に再び入っていった。 明海「あすさんの手も女の子みたい……」 あすさん「ふむ…ふむ…」 明海「そんなにあたしの手が気に入っちゃったの?」 あすさん「いや、そうじゃな…」 明海「もう! さっきから否定してばかりだよね!」 あすさん「いや、いや、本当に、そういう意味じゃないんだ」 明海「そろそろ本気で幻滅しちゃうよ…」 あすさん「明海の両手の握力が…」 明海「握力が~?」 あすさん「右と左で違いがない」 明海「んー……」 あすさん「で、右利きであることを意識したら、右手のほうが強くなった」 明海「……それで?」 あすさん「体形だけではなく、左右の運動能力も対称的ということだ」 明海「そうなのかなぁ~…」 あすさん「…………」 明海「で……対称的だから…なんなの?」 あすさん「違和感の正体は、もしかすると………」 明海「もしかすると………?」 あすさん「ホムンクルス……」 明海「……はい?」 あすさん「生体の標本に使われる薬品ではないぞ」 明海「それはホルマリン……」 あすさん「明海が人工的に作られた存在だとしたら……」 明海「……冗談でしょ~」 あすさん「明海、自分が生まれたときの記憶はあるか?」 明海「えー? ある人のほうが珍しいでしょ?」 あすさん「思い出の物品などはないか?」 明海「あー、写真ならあるんじゃないかな?」 あすさん「見たことは?」 明海「あたしは見たことないけど…」 あすさん「執事なら知ってるか?」 明海「聞いてみたら? 写真とか持ってるかもしれないし」 あすさん「行くぞ」 明海「えー! もうちょっと温まっていこうよ~」 ホムンクルス…… 実は、ある錬金術師がホムンクルスなのである。 かなり身近な存在であり、それはあすさんとも親しい。 ホムンクルスというのは人工生命体のことである。 人間の種子とホワイトハーブ、牛乳、卵黄、クリの花、血と汗と涙の結晶を三日三晩、弱火で煮込んだものを放置し、 腐敗させると──腐敗臭が漂い、猛烈に気分が悪くなる。 そして49日が過ぎると、人間の子どもが興味本位でその物体を見にやってくる…。 ----

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