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肩を落として病院内を歩くあすさんと執事。
予想外の短時間で“お見舞い”が終了し、行き場もなくさまよっていた。
執事「……あの明海さまのご様子……いつもの明海さまではないようです……」
あすさん「……いや…あれも明海の一部なのだろう…」
執事「今まで16年間、明海さまの誕生からご成長を見守ってまいりましたが……あのようなご様子は初めてです…」
あすさん「まだ彼女の一生を見てきたわけじゃない…。16年目にして初めて現れた態度なのかもしれないぞ」
執事「ああ……反抗期なのでしょうか……」
あすさん「友達ができたのかもしれない。あるいは──」
がっかりした様子を露骨に体現しながら病院内を歩く二人に、どこからともなく笑いの声が飛んでくる。
あすさん「そんなにがっかりしているように見えるのかな…」
執事「は…はあ……笑われていますね……」
あすさん「お腹が空いた……」
執事「そういえば…朝から何も食べておりません…」
あすさん「昼になってしまった。病院で食事をしようか」
執事「ではわたくしもご一緒して…」
病院のレストランに入っていく二人。
執事「ああ……明海さまはきちんとお食事を取っておられるのでしょうか…」
あすさん「利き手があのような状態では、思うように食べられないだろうな」
執事「……何もお世話をせずにこんなことをしていてよいのでしょうか……」
あすさん「まだ点滴しか受け付けられないのかもしれない」
執事「あああ……あと2週間、どのようにすれば……」
あすさん「はあ……。私は真面目に勉強でもしようかな…」
そのころ、異例の措置で午前のみの短縮授業を終わらせた凛が病院へやってきた。
凛「明海さん!」
明海「…えっ! 凛? どうしてこんな時間に?」
凛「今日は短縮授業になっちゃって~」
明海「そっか! サボってきたわけじゃないんだね」
凛「うん。約束を守ったよ」
明海「ひょっとしたら午前中に来るかなって思ってた」
凛「…そうするにはサボらないといけなくなっちゃう」
明海「あはははは! そうだね!」
凛「お昼ご飯は食べたの?」
明海「まだ~」
凛「あ…でも…その手じゃ食べられないね…」
明海「え~? 凛が食べさせてくれるんじゃないの?」
凛「え? 僕が?」
明海「凛には右手と左手がついてるじゃない~」
凛「あ、ああ…」
明海は自分の食べたいものを売店で買ってくるように凛に伝えた。
そしてあすさんと出会ってしまう…というのはありがちな展開であるが、
あすさんと執事は食事に夢中になっていて、売店の凛の姿に気づくことはなかった。
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