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ドクターあすさん6」(2009/08/27 (木) 11:42:18) の最新版変更点

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あすさんと喫茶店で楽しく過ごし、外へ出た田中信一は、 小川で溺れている女の子の姿を見つけた。 あすさん「田中さん、あの子を助けてあげてください」 田中「今いくぞ!」 田中はそれほど泳ぎに自信があるわけではない。 しかし、明らかに運動の苦手そうなあすさんには任せていられず、 服を着たまま、急いで川に飛び込んだ田中であった。 田中「よしっ! 捕まえた!」 あすさん「ここのところ晴天が続いていて、水量が少なかったのが幸いでしたね」 田中「ええぇ!?なんですって!?」 あすさん「そのまま岸まで泳いできてください!」 田中「よしよし。もう大丈夫だからね~」 田中の救出劇は一瞬であった。 女の子を岸まで無事に引き上げることができた。 田中「…おい…、おいっ!」 あすさん「意識が…」 田中「息をしていない!!」 あすさん「………」 助けた女の子の呼吸が停止していた。 商店街でのあの出来事が思い出される。 田中「あ……。…………ど……どうすれ…ば…」 あすさん「どうにかしないといけませんね」 田中「ど……どうすれば!?」 あすさん「早く対処しなくては、命の助かる可能性は低下していきます」 田中「なっ……あ、あすさん!!!!」 あすさん「呼吸停止から1分、といったところでしょうか」 田中「あ、あ、あ…あすさん、頼む…。あなたしかいないんだ…。  この子を救えるのはあすさんしかいない!」 あすさん「それはそれは…」 田中「事情はあとで話すから!!!!!!助けてやってくれ!!!!!」 田中は死にもの狂いであすさんに助けを求めた。 自分の力では、死にかけた女の子の命を救えないからだ。 あすさん「大量の水を飲んでいますね。でも、無理に吐き出させるのは危険です」 田中「できますか…?」 あすさん「あくまで応急処置ですけどね」 田中「あ…あああ……」 あすさん「吐いた水が肺に入らないように注意します。シャレじゃありませんよ」 田中「はい……」 田中「ど……どうした……? 動かないですよ……」 あすさん「田中さん、あれから心肺蘇生法の勉強でもしましたか?」 田中「……えっ……」 あすさん「安定した平らな硬い地面の上に寝かせて、左右どちらかにひざまずきます」 田中「は、はあ……」 あすさん「田中さん、右腕のひじを伸ばして。手のひらで胸のこの部分を圧迫し、すぐに離す」 田中「こ、こうですか?」 あすさん「そう。一定のリズムで続けて」 田中「これでいいですか…」 あすさん「僕は救急車を呼んできます」 田中「あ、あすさん…! 私はこのままで大丈夫でしょうか…?」 あすさん「この状況ではそうするしかないんですよ。田中さんが手を休めたら……」 田中「わ、わかった! 通報してください!」 「田中!!!!!!!」 やってきたのは、田中の友人・仁岡であった。 仁岡「田中!!どうしたんだ!?」 田中「に、仁岡…」 仁岡「お前がやったのか?」 田中「バカ言うな! 助けてるんだよ!」 仁岡「溺れたんだな? 大丈夫か!?」 田中「今、あすさんが救急車を…」 仁岡「そうか。この子、脈拍は……」 田中「私は心臓マッサージを続けてる…」 仁岡「よし、いいぞ! 呼吸は俺に任せろ!」 田中「頼む……生き返ってくれ……」 女の子を引き上げてから5分。 あのときよりずっと早く救急車が到着した。 この騒動で、エアコンの効いた部屋にこもっていた人たちも外へ出てきて、 川べりに大勢集まっていた。 田中と救急隊の処置によって意識を取り戻した女の子は、苦しさのあまり大声で泣き叫んだ。 田中「ふう……。もう大丈夫か……。まだ、苦しそうだが…」 仁岡「大丈夫だ。心配すんなって」 救急隊「搬送先はこちらの病院となります。ご協力、ありがとうございました」 田中「あの子の保護者は、いったい何をやってるんだ……」 仁岡「子供を危険な目に遭わせる親…か…」 田中「私が助けていなければ、今ごろ……」 仁岡「あの子はお前に感謝するんだな」 田中「そんなことより……あすさんは……」 通報をしたきり、姿を消したあすさん。 田中「なぜ……。なぜ肝心なときにいなくなるんだ……」 仁岡「わけあり…な感じなんじゃねえの?」 ----

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