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ドクターあすさん14 - 助言

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mabinogi-gentei

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「近接攻撃じゃなく、弓を使うんだ!!!!」


カウンターしか使わないあすさんに向かって仁岡が叫んだ。


あすさん「弓!?」
仁岡「あすさんなら弓のほうが強いだろ!」
あすさん「…そうだけど、今、カバンを開くことができなくて……」
仁岡「ちくしょう! 課金が切れる不具合か!」
田中「カバン???課金????」
あすさん「でも弓は使わない…」
仁岡「あすさんの弓なら一発で全負傷だ。そいつはもうライポを飲めなくなる!」
田中「な、なるほど…」
運転手「ふんっ、くだらん。弓、カバン、課金、負傷…どれも小細工だっ!」
あすさん「別に小細工だから、というわけではなくて…」


心の優しいあすさんは、自分から相手に危害を加えることができない。

そう。マビノギの中で、たとえネタだとしても、PVPを行うことができないのと同じなのである。


あすさん「僕が不本意だと言ったのは、あなたを傷つけてしまうことについてであって…」
運転手「何をブツブツ言ってるのか知らんが、オレに小細工で立ち向かおうとしているのなら、やめておけ」
あすさん「石投げでは動きを止められないし…デッドリに当てたら命取りになってしまう…
 カウンターは負傷しないからポーションで回復できるが、ほかの攻撃では…」
田中「あすさん…ちょっと待ってくれ…」
あすさん「?」
田中「これはマジなのか? 冗談なのか?」
あすさん「…というと?」
田中「どう考えても展開がマビノギになっている……。私がいる場所は現実ではないのか…?」


事態の把握を一番できていないのは田中である。

仁岡と病院の外へ買い物に出たときから、世界が一変してしまった。

自分は異世界に足を踏み入れてしまったのではないか…。
不安と恐怖が脳裏をよぎる。


田中「その運転手の行動。正気の沙汰じゃない…」
運転手「………」
田中「仁岡。腹を切り裂かれて平然としている…」
仁岡「………」
田中「あすさん。原型をとどめていない姿で立っているなんて…」
あすさん「………」

田中「うう……これは夢だ。私は睡眠中にうなされているんだ、きっと…」
あすさん「……たなしん……」
田中「ああ…よく考えたら…私は…そう…あのとき…あれで…あれが…」
あすさん「たなしんは正常ですよ」
田中「間違ってる…私は…私は…私は……」
あすさん「正常ですよ」
田中「私が…私が…私が…私がアンドラスです。ようこそ。タラ親衛隊副官のアンドラスと申します。
 わたしにだけたたかわせるのならぬけます。私の額が広いアンドラスです…」
あすさん「………」


田中は混乱し、彼の思考は完全に崩壊した。


あすさん「あなたは田中信一さんです」
田中「ピッカピカのおニュ~の武器、入荷したぜ~!」
あすさん「………」
田中「錬金術を通じて物質を変化させることより人の心を変化させることのほうが難しいものです」
あすさん「そう」
田中「それ、何だろう? 僕も知りたいです!」
あすさん「その調子です」
田中「ゴクッと飲んじゃって!」

あすさん「今から僕が500数えると、あなたは目が覚めます」
仁岡「長いなwwwwww」
田中「いち! に! それだ!」
あすさん「いち…」
田中「ええ~ウソ~! そんな大きいクソがどこにいるの~?」
あすさん「に…」
田中「ヒゲは男のロマン~ロマン~ロ~マン~だぜ~♪」
あすさん「さん…」
仁岡「本当に500まで数えるのかwwwww」
あすさん「よんひゃくきゅうじゅうきゅう…」
仁岡「飛んだwwwwww」
田中「? ?????. ????? ???? ?? ???.」

女神「…んせい…」
田中「矢が10本しか残っていない。矢が残り少ない。矢の残りが10本になった」
女神「…せんせい…」
田中「この機会に銀行手数料を下げててみるかな?」
女神「ごひゃく!」

田中「はっ!」


田中が目を覚ましたのは、病室のベッドの上であった。


田中「え…? な、なに……??」
看護士「あの、仁岡さんはどちらに?」
田中「え……」
看護士「困りますよ…。関係ない人に寝てもらっては……」
田中「え……え……」
医師「はっはっは。患者を取り違えるところだった」
看護士「あのですね…このベッドで仁岡さんが寝ているはずなのですが、どうしてあなたが…」
田中「…へ?」
看護士「仁岡さんのご家族のかたですか?」
田中「え? ああ、いや、私は路上で死体を…あっ…」
看護士「………?」
田中「男にナイフで切られ……あれ……」
仁岡「おう。ちょっとクソしてたら長引いた」
田中「仁岡!」
医師「この人、寝ぼけているようだね」
看護士「そのようですね…」


田中はベッドから引きずり下ろされ、トイレから病室に戻ってきた仁岡と入れ替わった。


仁岡「先生、どうですかね、俺。そろそろ退院できますかね?」
医師「もう大丈夫ですよ。歩行にも問題ないですしね」
仁岡「よっしゃ! 俺、もう退院できるってよ、田中!」
田中「……あすさんは……」
仁岡「ん?」
田中「あすさんもここに運び込まれているはずだ!」
仁岡「なに言ってんだ。あすさんが見舞いになんか来るかよ」
田中「あすさんは助かったのか!?」
仁岡「だから…なに言ってんの……」



あまりにもリアルな夢は、現実と区別がつかない。

その夢の内容から、田中がいかにマビノギにハマっているかがわかるのである。





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