あすさんの家庭教師23 - 好奇心あすさん


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温泉でのぼせるほど体を温め、2日分の汚れを洗い流したあすさんが次に向かうのは、
待ちに待った品揃えのいいレストランである。

だがその前に、明海の誕生の記録を知らずにはいられなかった。

そんなことよりも、風邪をひかないように体をよくふいてから着替えるのが最優先である。


あすさん「温泉なんて久しぶりだった~」
明海「これから毎日でも入れるよ!」
あすさん「次に入るときは熱中症に気をつけよう…」
明海「飲み物も持参していかなきゃね~」
あすさん「また塩水を飲まされたんじゃぁ……」
明海「ね~」

更衣室へ入る二人。
しかし、部屋が男女別に分けられていないのである。
もともと家族で利用するつもりだからなのか、単なる設計ミスなのかはわからない。

あすさん「温泉に入るとき、明海はどこで着替えていたのかね…」
明海「へへへ……あすさんが目を覚ます前に着替えておいたんだ~」
あすさん「そうか……午前中にプールの授業がある日は、海パンをはいて登校した記憶があるなぁ…」
明海「わ~! 今より小さいあすさんを想像しちゃった~」
あすさん「たしかに、当時の私は気の小さい男だった……」
明海「小さいって…そういう意味じゃないよ…可愛い子どものあすさんってこと~!」
あすさん「可愛いかどうかは……もはや知る人もいない……」
明海「あたしは興味あるけどな~あすさんの過去」
あすさん「実は…私も知りたいんだ…自分の過去を…」
明海「あ……何か重大な思い出が…?」


あすさんには0歳より前の記憶がなかった
その代わり、0歳以降の出来事はすべて記憶している。


あすさん「温泉から出るときの“よくい”を着てみたかったんだ」
明海「よくい…………あぁ、“ゆかた”ね」
あすさん「これこれ」
明海「あすさん、それはバスローブっていうの」
あすさん「……浴衣じゃない?」
明海「どう見ても和服ではないでしょ?」
あすさん「……じゃあ、本物の浴衣は……」
明海「浴衣はこれ」
あすさん「それだ」
明海「ああっ! ちゃんと体をふいてから、これに着替えるの」
あすさん「タオルはどこに?」
明海「バスローブがタオルみたいなものなの。これを羽織っている間にふき取られるでしょ」
あすさん「そうだったのか」
明海「あすさんは家でこういうの着ないの?」
あすさん「風呂から出たら、タオルで拭くだけ」
明海「そっか~。これで一つ勉強になったね!」


本能的に浴衣を“よくい”と読んでしまうあすさんには、温泉はなかなかレベルの高いお風呂である。


明海「あすさん、いつまであたしを見てるの?」
あすさん「そのあとどうなるのかと思って」
明海「もーーーーっ! 女の子の着替えなんて見るもんじゃありません!」
あすさん「じゃあ見ない」
明海「あすさんって……」
あすさん「なに?」
明海「今のあすさんって、なにあすさん……?」
あすさん「なにあすさん………」
明海「だって……ぜんぜん違うんだもん…。真面目でもないし、ふざけてるわけでもないし…」
あすさん「第三のあすさん……」
明海「なんか……目が輝いて……好奇心に満ちた顔をしているよ……」
あすさん「好奇心あすさん……」
明海「まぁ、それだけあたしに興味があるってことよね~」
あすさん「そのとおり」
明海「ちょ…っ! ……こういうときは否定しないんだ……」
あすさん「私はただ純粋に興味があって、知識を得ようとしているだけだよ」
明海「知識か……うん。そう言われると妙に納得してしまう。たとえ先生になっても、学ぶ気持ちは忘れないのね」
あすさん「今のところ理不尽なことはないと思うけど……」
明海「あすさんはそうかもね。でもあたしは……そんなあすさんの突拍子もない言動に振り回されてる」
あすさん「申し訳ない……」
明海「んも~……なんで否定しないかなぁ~……」
あすさん「…………」
明海「ああっ! そんな……別に怒ってるわけじゃないよ???」
あすさん「ふむ…」
明海「あー。これって……んー……もしかして……?」
あすさん「なんだろう?」
明海「あたしが流れを完全に支配しちゃった~~~みたいな状況……?」
あすさん「そう思うかね?」
明海「そ…そう…うん…そう思う……」

あすさんは少し考えた。

あすさん「明海、それでいいんだ。それでいい」
明海「えー? なになになになに?」
あすさん「その調子だ。その調子でいけば役者になれるぞ」
明海「へ??こんな調子でいいの??」
あすさん「私が明海のペースに見事に乗った」
明海「ほほう……」
あすさん「この感覚が重要なのだろう」
明海「う? うーん……今回はあすさんの言っていることがわからない……」
あすさん「にやにや」
明海「にやにやって??」
あすさん「わからないだろう?」
明海「え? もしかして笑うところだった?」
あすさん「明海も私と同じで、自分の才能に気づいてないってことだよ」
明海「えーーーーーーーーー???????どういう意味~~~~~~~~~?????」
あすさん「明海には私の才能が見えるし、私には明海の才能が見える」
明海「ふむふむ……」
あすさん「でも本人には、その才能がまったくわからないということだ」
明海「あー…………そういうことか……。そういうことか……?」
あすさん「ね? どういうことかサッパリわからないでしょう?」
明海「ん~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~…」
あすさん「あまり考え込むと、見えるよ?」
明海「見える? …ちょっとっととととーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」



どうやら明海に対する疑いは杞憂だったようである。

今までの明海の言動は演技などではなく、本心であり、悪意は感じられなかった。





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