あすさんの家庭教師31 - 女子高生たちの罠


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樽帝院病院から飛び立った教師を乗せた熱気球が高校へ到着すると、
周辺は急に悪天候に見舞われた。


教師「……これは…吹雪になりそうですね……」
養護教諭「生徒たち、大丈夫でしょうか……」

正面玄関の扉にはタオルや新聞紙が当てられ、金属部分に触れて凍傷にかかる恐れのないように対策がとられていた。

教師「病院へ搬送した生徒は無事です。ですが、この天気では往来が困難で……」
教頭「今夜は全員、高校に避難することになりましたよ。今、保護者に連絡を取っているところです」
教師「お疲れさまです」
教頭「先生も少し休んでください。この寒さで汗をかくと風邪をひいてしまいますからな…」
教師「天気予報はどうなっています?」
教頭「はるか上空にあるはずの氷点下40℃の寒気が、地上にまで降りてきているという信じがたいニュースをやっていましたな」
養護教諭「……水道管も凍結する恐れがありますね……」
教頭「ええ……それが……すでに断水してしまっていて……」


水道が止まり、食堂にある食料も大部分が凍結し、高校は孤立してしまった…。




あすさんと執事はヘリコプターで病院へ向かおうとしたが…

あすさん「昨日とは打って変わって猛吹雪じゃないか!」
執事「…aspirinさま…ヘリはあちらにございます…」
あすさん「無茶だ! こんな吹雪の中を飛べるわけがない!」
執事「ですが……お嬢さまが……」
あすさん「10m先も見えない吹雪だぞ。こんな暴風雪の中を飛ぶなんて自殺行為だ」
執事「わたくしは……行かなくてはなりませぬ……!」
あすさん「待て! それに手を触れるな!!」
執事「…っは…!」

あすさんは執事に飛びかかるようにして制止した。
執事が素手でヘリの機体に触れようとしたからである。

あすさん「危ないだろ! 素手で金属に触れたら、凍りついて離せなくなるんだぞ」
執事「……お…おお………もしや…お嬢さまは…このような状況で……」
あすさん「明海は無事だったと連絡があったのだろう? 今はそれを信じて待つんだ」
執事「…申し訳ございません……つい、取り乱してしまいました……おっしゃるとおりでございます……」
あすさん「ここにいたら我々も危険だ。身の安全を優先したほうがいい」
執事「……はい……」


錬金術は天候を制御することはできない。

レインキャスティングで数mスケールの雨雲を発生させることはできても、
嵐をもたらす積乱雲を発生させたり、消滅させたりすることは決してできないのである。



屋内に戻った執事とあすさんは体が冷え、震えながら廊下を歩いていた。

執事「この寒波の原因は何なのでしょうか……」
あすさん「……ここはもともと高い山だったんだよな? それがなくなって標高が下がった……」
執事「はい……」
あすさん「……説明のしようがない……」


あすさんは昨日の作業の続きを行うため、再びネットカフェに向かっていった。

執事「aspirinさま、よろしければ温かいお飲み物をお持ちいたしますが」
あすさん「コーンポタージュがいい」
執事「はい。ただいまお持ちいたします」
あすさん「(どうせ冷めたやつを持ってくるんだろう…)」

あすさんは昨日のパソコンの前に座り、画面をつけた。


あすさん「まだ終わってねえ~~~~~~~~~~~~~っ!!!!!!!」


マビノギのダウンロードがいまだに終わっていないことに驚いた。


あすさん「フリーズか!?断線か!?どういうことだ!?!?」
執事「どうぞ、コーンポタージュでございます」
あすさん「なにぃ!?こっちは早ええええええええええええ!!!!!!!アツアツのコーンポタージュだ!」
執事「どうぞ、ごゆっくり。それでは、失礼いたします」
あすさん「おいっ! ここのパソコンは回線にちゃんとつながっているのか?」
執事「はい。順調に動作しておりますが…」
あすさん「……ってことは…マビのサーバが混んでるのか……ったく……」
執事「aspirinさま、また何かありましたらお呼びくださいませ」



いつものサーバ不調か──



あすさんはそう直感し、マビノギ公式サイトのお知らせを見たが、何も見つからなかった。

あすさん「自由掲示板……な、なんだこのスレッドは!!閲覧数1500万だと!?」

恐る恐る記事をクリックするあすさん。

あすさん「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

あすさんは目が飛び出るほど驚いた。

あすさんとのツーショット(゚∀゚)アヒャ

これが証拠( ゚д゚ ) <こっちを見ろ

なんと、ここへ来る前にバスと電車で会った女子高生たちに撮られた写真がアップされていたのである!

あすさん「これ!!!!!取り返しがつかないだろ!!!!!!!!!!!!!!!」

1500万を超える閲覧数のスレッドには、コメント数の上限に達した返信が無数に連なっていた。

マウスを持つ手は震え、額を冷や汗で濡らしながら、別の掲示板をクリックした……

あすさん「SS掲示板!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
 おい!!!!!!!!!!!!!!ネクソン!!!!!!!!!!!!仕事しろ!!!!!!!!!!!」

SS掲示板が一面、あすさんと女子高生たちの写真で埋め尽くされていたのである。

あすさん「なぜこれが削除されていないんだあああああああああああああああああああああああああああ」

SS掲示板のページをめくっていくと、あすさんにまぎれて“法闘士”の腹部の写真が目に入った。

あすさん「なぜだ……これも削除されていない……それどころか、絶賛するコメントが無数に書かれているぞ……」



そう。

天文学的な閲覧数やコメントの投稿がサーバに負担をかけ、クライアントファイルのダウンロードが遅くなっていたのである。


あすさん「……あっ……ブログは……!!!!!」


あすさんはあわてて自分のブログにアクセスしたが、なかなか表示されない。

嫌な予感である。



数分後、ようやく全体が表示されると…



あすさん「そんなバカな!!半日で5000万を超えるユニークアクセスが………こんなに集中したら、このサーバは余裕で落ちてしまうはず……
 というか、いったい誰がこんなに見たいと思っているんだ!?単なるF5連打か!?田代砲??サイバーテロか!?」

アクセスが増えたことが内心、嬉しいあすさんである。


それと同時に、ありえない一つの仮説が脳裏をよぎった。


あすさん「これだけ大きな負荷がサーバに一斉にかかれば、発熱も相当な量になるな……。
 もしかすると……サーバの熱によって局地的な上昇気流が発生し、異常気象を引き起こしているのではないだろうか……」


あすさんはサーバの収容施設の所在を詳しく調べることにした。




夜になると樽帝院病院も猛吹雪に見舞われた。


明海と凛はまだ病室でマビノギについて熱心に話し合っている。

明海「…それでね、毎日のように下着セットを修理に出してるんだって」
凛「うわぁ……錬金術の先生も、影で何をやっているのかわからないね~」
明海「人生で向き合ういかなるものも恐怖の対象ではありません。キリッ! って言ってるのに、一人では戦えないんだもん」
凛「とんでもない先生だね。そんな先生を見習ったら、生徒の人間性も歪んでしまうね」
明海「そうそう! その生徒ってやつが人間じゃないんだな~、これが!」
凛「へぇ! それってもしかして…さっき明海さんが言っていた、あいつ!?」
明海「うんうん! こいつこそが、あ……」
医師「相葉さん~回診の時間です~。具合はどうですか?」
明海「あ~、はい。うーん……電気みたいなしびれと痛みが少し…」
医師「気持ちが悪い、めまいがする、とかはないですか?」
明海「ないです。最初は吐きそうだったんですけど、ちょっと雑談したら気がまぎれました」
医師「そうですか。ちょっと体温と血圧を測りますね」

凛「…あ、それじゃあ僕はそろそろ……」
看護士「ああ! 今、暴風雪警報が出ていて、建物の外へ出られる状況ではないですよ…」
凛「ええ……どうしよう……学校は大丈夫なのかなぁ…」
明海「あ! 窓を見て! 真っ白に凍りついてるよ!」
凛「うわぁ…外はどうなってるんだろう…大変だぁ……」
医師「うーん……ここは病院ですし、一般の方が快適に泊まれる場所はないですから……」
看護士「みなさん、1階のロビーで休まれているみたいです。できるだけ快適に過ごしていただけるよう、配慮しています」
凛「そうですか。僕もここにいてはいけないから、ロビーに移動しますね」
明海「えー、もう行っちゃうの~?」
凛「ちょっとおしゃべりが過ぎたと思うよ……病院では静かにしなきゃね」
明海「うー……明日もお見舞いに来てくれる?」
凛「うん!」
明海「あたし、しばらく右手が自由に使えないから……あ、そうなんですよね、先生?」
医師「ん。そうですね。こういう怪我は治るのに時間がかかりますからねぇ……早くても2週間は……」
明海「2週間かぁ…。2週間は不自由するから、よろしくね、凛!」
凛「うん。お大事にね~」

医師「さて、血圧は正常、体温はやや高いですね。今日はもうお休みになったほうがいいでしょう」
看護士「手が使えなくて困ることがありましたら、ナースコールでお知らせください」
明海「は~い」


こうして明海は眠りについた。





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