どのように観察するか


※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

対象の全体あるいは部分を、円や四角や三角など簡単な図形に置き換えてみる。

ものさしやメジャーを使うように、簡略化した図形の長さや距離を測ってみる。


「運動場で50メートル走をするから、石灰でラインを引いてほしい」
「辺の長さが15センチの正方形を見つけなさい」

などと言われた場合、どのように対応することができるだろうか。

50メートルの長さを「測る」ことのできる巻尺や、
15センチの長さを「測る」ことのできるものさしやスケールを使う。

決して自分の「勘」だけで長さを測るようなことはしないだろう。


どのような分野の「プロ」であっても、自分の勘だけで仕事をしているわけではない。


大工が家を建てる場合、どんなに優れた建築の技術を持っているとしても、
材木を切る前には 必ず 長さを測る。決して適当に切ることはしない。
柱が垂直に立っているかどうか常に水準器で確認している。

だから絵を描く場合も同様に、きちんとした作品に仕上げるためには
初めに「測定」を十分に行う必要があるのだ。


ただ単に「人間の顔」を描くだけなら、目の数や鼻の位置さえ合っていれば
普通に「人間の顔」だとわかるが、「個人」を描き分ける場合はそうはいかない。

もっと詳細なところを「測定」する必要がある。

顔の大きさに対して目はどのくらいか。
目と目の距離はどのくらいか。
鼻の大きさは?
口の形は?
……


「観察」というのは、描きたいものの大きさ・長さ・形状といった情報を
「ただなんとなく感じ取る」のではなく、「具体的に測定する」ことなのである。

必要ならば(ここが一番重要であるが)顔にものさしを当てて測ったり、
しるしをつけたり(!)するとよい。

このようにして几帳面にも「何センチ」「何ミリ」と単位までつけて測れば、
あとはそれを紙に「移す」だけである!


大切なのは、対象を見たときの「インスピレーション」ではない。

インスピレーションもたしかに大切なのだが、それは対象を注意深く観察するための「動機」にすぎず、
それだけで絵を「描く」ことはできないからだ。


描く前に「観察」するのが重要であることを改めて強調したい。


自分で「これを描いてみたい」という衝動で駆られるのは、好きな異性であったり、
好きなアニメのキャラクター、思い出のある建物や風景、ペットの犬や猫など、
何らかの魅力や関心を引く要素が必ずあるものだ。

こういった自分の興味のあるものから描き始めるのがよい。


興味や関心を持つこと自体が、対象を観察する原動力になるからだ。

古い話になるが、その昔、「モーニング娘。」の顔の区別がつかないというジョークがあった。
しかし、円、四角、三角といった図形の区別がつかない人はほとんどいない。
一目見て図形の区別がつき、実際に描き分けることのできる人は大勢いるわけだ。
人間の顔は図形に比べると非常に複雑だから、うまく区別できないとしても不思議はない。
その複雑な人間の顔を見るとき、もっとも特徴的な部分に気がつくことが大切である。

人の顔を見分けるために、ものさしや分度器を使って「測定する」人はいないだろう。
にもかかわらず大半の人は、人の顔を見分けることができる。
なぜだろうか?
無意識のうちに相手の顔を、いわば図形のように簡略化して見ている 部分 があるからだ。
そうでなければ家族すら識別するのが困難になってしまうだろう。
「似顔絵」という概念もありえない。




|新しいページ|検索|ページ一覧|RSS|@ウィキご利用ガイド | 管理者にお問合せ
|ログイン|