ドクターあすさん3


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「私は研修医なんかじゃない…。ただ医者になりたいだけの人間だ…」



田中信一の正体は医師ではなく、大学の医学部に通っているだけの青年であった。



田中「あの子を助けたのは私じゃない……。本当はあすさんが……」


田中「クソッ……! あれが激励だと…。私を見下したような言い方をしやがって…。
 いや………違う……。私がダメなんだ……。大学にだって、たまたま運よく入れただけ…。
 ここで私は何をどうしたいと思っていたんだ…? 私は勉強などしたくない、嫌だ……」



田中は悩んでいた。

大学で特に何かをするわけでもなく、今の自分について悩んでいた。

肩書きが立派そうで、自分にもそれなりの興味があり、周りの人から賞賛されるであろう
「医師」という立場を勝手に名乗ったことにより、悩みは悪循環に陥っていたのである。


田中「私は…あの子と母親をだましたも同然だ…。でも……今さらどうすればいいんだ…。
 もう…考えるのはやめよう…。無事でよかったんだ。これでいいんだ」


田中「あすさんは何なんだ………。私はあいつが怖い……。初対面で恐怖を覚えた……。
 あのときあいつに会っていなければ……。私が興味本位で診療所なんかに行かなければ…。
 私は…私は…私は……! 人を一人救うこともできやしない! 自分も救えないんだ!!」



「違うよ、おじちゃんはぼくを助けてくれたよ」



田中「………え………」
たかし「おじちゃん、あのときはありがとう。ぼく、おじちゃんに助けてもらったよ」
田中「たかしくん……」


大学のトイレで頭を抱えていた田中のもとへ、あのときの男の子が訪れた。


田中「たかしくん……。私は……」
たかし「これからもお仕事がんばってね」
田中「あ、ああ……。ありがとう。たかしくん……」
たかし「じゃ、さようなら」


田中「たかしくん…。私はおじちゃんじゃない…。お兄さんと呼んでくれ…」



「違うよ、おじちゃんはお兄さんだよwwww」



田中「………は?????」
仁岡「こんなところで何やってんだよwww」
田中「……見りゃわかるだろ。しっこだよ」
仁岡「ほぉ。今の男の子が、お前の助けた子なんだな」
田中「…あ、ああ、そうだよ」
仁岡「はぁ~。どうやら田中に一歩リードされたな」
田中「…ま、まあな」
仁岡「小児科医でも目指してみるかぁ」
田中「まだわからないよ…」
仁岡「お互い頑張ろうぜ。な!」
田中「お、おぅ」


田中は、同志である仁岡にも本当のことを話せなかった。




田中「ありがとう、、、か…。人から感謝されるのって、悪い気はしないんだよな…」


田中「案外、このままうまくいったりして……。……なんてな……」


田中「……そうだ……。この際、あすさんに会っておこう……」


田中は、あすさんと最後に会った公衆便所へ向かった。





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