マビノギ限定ギルド@Wiki

ドクターあすさん4

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mabinogi-gentei

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夏休みも後半に差しかかったある日。

その日も朝から気温が上昇し、35度を超える猛暑日であった。



田中「暑い……」


うだるような暑さの中を、朝食もとらずに歩いてきた田中信一。
あすさんと最後に会った公衆便所の前まで来た。


田中「無計画に来たけど、あすさんは午前中にいるのか……?」


田中「どうでもいいや。そこらへんで時間をつぶしてこよ…」
あすさん「たなしん」
田中「ぎゃっ!!!!!!!!!!!」


あの時と同じように、公衆便所の裏から姿を現したあすさん。
田中はまた驚かされてしまった。


田中「い、いらしてたんですか…。おどかさないでください…」
あすさん「また、会えましたね。田中さん」
田中「あの……ここに住んでらっしゃるんですか…?」
あすさん「僕がホームレスですって? とんでもない!」
田中「いや……」
あすさん「僕がここにいるときに、田中さんもここへ来るんじゃないですか?」
田中「そんな偶然が……」


田中は少しだけ安心した。

実際に話をしてみると、ジョークを飛ばす明るい人物であったからだ。


田中「今日も暑いですねぇ……」
あすさん「まだ暑くなるようですよ」
田中「……こんなところで立ち話をするのもなんですから、どこか入りませんか?」
あすさん「おっおっおっ! いいんですか!?」
田中「え、ええ……」
あすさん「うほっ! どこどこ?」
田中「ははは。どこか行きたいところがありますか?」
あすさん「市民プールとかいいですね」
田中「ええっ?!?!?!」


午前中のあすさんは別人なのか。

そう思えるほど、初めて会ったときとの雰囲気の違いを感じる田中。


田中「いきなりプールはきついかと…。小川の見えるいい喫茶店があるんですが、どうです?」
あすさん「ゴーゴー!」


田中「こいつ、なんなんだ、マジで…」


二人は喫茶店の中へ入る。



田中「私はアイスコーヒー。あすさんは…?」
あすさん「アイスボルト」
田中「え?」
あすさん「アイスマインにしようかな」
田中「………アイスコーヒー2つで」
あすさん「ちょい待ち! 僕はアイスココアで」
店員「……かしこまりました」



田中「アイスボルト…ですか…」
あすさん「ランク1です」
田中「…ぶっ。……マビノギ……ですね…?」
あすさん「キターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
田中「知ってますよ。今ハマってるゲームです」
あすさん「うはwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
田中「サーバーは……」
あすさん「タルラーク」
田中「…………同じく」
あすさん「おっおっおっ!!!」


田中「…まさか、こんなところでマビノギやってる人に会うとは……」
あすさん「キャラの名前はなになに!?」
田中「内緒です」
あすさん「内緒ですさんwwwwwwwwwwww」
田中「違います…」
あすさん「だれだれ????」
田中「秘密です」
あすさん「秘密のアッー子ちゃんwwwwww」
田中「……すごく嬉しそうですね…」
あすさん「女性ですか?」
田中「男性ですよ」
あすさん「ニコッ!」


あすさんのオーバーすぎるリアクションを見ていて、
しだいに警戒心の薄れていく田中。

親しみやすく、面白い人物だということを感じ始めた。


店員「アイスコーヒーのかた」
田中「はい。どうも」

あすさん「あれ??」
田中「?」
あすさん「砂糖は入れないんですか?」
田中「アイスコーヒーに砂糖は入れませんよ」
あすさん「苦くないですか?」
田中「私はブラックで飲みますけど…」
あすさん「砂糖、入れたほうがよくないですか?」
田中「アイスの場合、砂糖ではなくガムシロップを入れるんですよ」
あすさん「ほうほう」
田中「砂糖はアイスに溶けませんから」
あすさん「じゃあココアに入れてもいいですか?」
田中「……ど、どうぞ…」


店員「アイススピアのかた…」
あすさん「!!!!!!!!!!!!!」
田中「ぶっ……。も、もしや……」
店員「あたしもマビノギやってま~す。こそこそ」
あすさん「ぎゃあっはっはっはっはっはっはっはっはwwwwwwwwwww」
田中「あすさん、大きな声で話しすぎですよ…。まともに聞かれてましたよ…」
あすさん「因果なものですなぁ」
店員「マビノギ面白いですよね~」
あすさん「メンテばっかりだけど」
店員「あはは」



あすさん「砂糖を入れずにブラックで飲む…」
田中「ええ」
あすさん「糖分を気にしてらっしゃる?」
田中「あ、ええ、まあ、そういう感じです」
あすさん「さすがお医者さんですね」
田中「ははは…」
あすさん「でも田中さん。コーヒー以外に何か食べたほうがいいですよ」
田中「は…」
あすさん「朝ごはん、食べてこなかったんじゃないですか?」
田中「えっ……! ど、どうしてそれを………」
あすさん「なんとなく。顔色がよくないものですから」
田中「…………」



またしてもあすさんに自分のことを見抜かれてしまった田中。

この先に起こることを、彼に知るよしはない……。





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