ドクターあすさん7


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「あれは、あすさんがセッティングしたものだったんじゃないのか…」



あすさんが行く先々で罠をしかけていて、救助劇を繰り広げようとする企みが
田中信一の脳裏をよぎった。


仁岡「怪しい気持ちはわかるぜ。でも、変なんだよな」
田中「何が?」
仁岡「いや、なんつーか…その…」
田中「あすさんは明らかに楽しんでいる…! 人の命をもてあそんでいるんだ!」
仁岡「そうなのかなぁ…」
田中「あんな男に、人の命を任せていられないって」


喫茶店でのふざけた会話とは一変し、冷静な様相を見せたあすさんであったが、
田中の不信感を募らせることになってしまったのだ。


田中「だいたい、現場から姿を消してしまうなんておかしいだろ…」
仁岡「むしろカッコいいじゃないかwww」
田中「あのなぁ……」

学部長「田中信一くん」
田中「は…」
学部長「学長から田中くんにお話があるそうです」
田中「はあ…」
仁岡「おいおい、また何をやらかしたんだ…」


田中は学長に呼び出され、学長室へ向かった。


田中「失礼します」
学長「田中信一くんだね?」
田中「はい」
学長「気を楽にして聞いてくれたまえ。決して悪い話じゃない」
田中「はい…」

学長「田中くん。きみの活躍ぶりを聞かせてもらったよ」
田中「は…」
学長「迅速な対応で人命救助にあたったそうだね。それも2度も」
田中「は、はい…」
学長「先ほど消防と家族から連絡を受けたよ。正直、とても驚いた」

学長「不測の事態にどう対応するかで、命を救えるかどうかが変わってくる。
 昨今の人たちは冷たくて、見て見ぬふりをすることも多いそうだよ…」
田中「え、ええ…まあ…」
学長「ふふふ。きみのその気取らない、謙虚なところがいい」
田中「は、はい…」

学長「どうかね、田中くん。より深い知識を学んでみる気はないかね?」
田中「え?」
学長「きみには学んだ知識だけでなく、現実に対応する勇気もある。
 このまま普通に学校に通っているだけの毎日では、実に惜しい…」
田中「………」
学長「今回の一件で大学としても好評で、私も大喜びなんだがね。
 ……まぁ、ゆっくり考えておいてもらいたい」
田中「はい」



ガチャ


バタン



田中「………うほっ」
仁岡「なんだ、退学か?」
田中「……くっくっく……」
仁岡「なんだなんだ」
田中「いやあ~…泣ける…」
仁岡「なんなんだよ」
田中「真面目に嬉しいわぁ……」
仁岡「ふむ…」


どのような形であれ、自分の取った行動が認められ、褒められたということが、
田中にとっては嬉しかった。


その後、大学で熱心に学ぶようになった田中である。




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