ドクターあすさん8


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ごめんなさい。息子がどうしても会いたいと言って聞かないんです…。



田中信一の大学に訪れた久阿瀬ふじこ。

その息子たかしが、どうしても田中に会いたいのだという。

商店街のあの事件から1年が過ぎていた。


ふじこ「こら、たかし。お兄さんは忙しいんだから、困らせたらダメよ」
田中「ははは。まあまあ、いいですよ。たかしくん、今日はどうしたのかな?」
たかし「あのね、あのね、えーっと……」
ふじこ「すみません…。この子ったら、田中さんみたいな男の人になりたいとかで……」
田中「そうなんですか。はは…。ちょっと恥ずかしいな……」

たかし「……お兄さん」
田中「なんだい?」
たかし「ぼくを助けてくれたとき、もう一人、誰かいたのを覚えてる?」
田中「……え……」
たかし「真っ黒な人だよ」
田中「真っ黒な人?」
たかし「その人がね、ぼくの夢に出てくるの」
田中「ほう…?」
たかし「ぼくのことを追いかけてくるんだ。ぼくはいつも逃げるの」
田中「ふむ…ふむ…」
たかし「それでね、お兄さんが出てきてね、ぼくを助けてくれるんだ」
田中「……そ、そっかぁ」


たかしの言う真っ黒な人。

それがあすさんであることを疑う余地はなかった。


田中「そうなんだ…。お兄さん、たかしくんの夢ではヒーローになってるんだね!」
たかし「うん! お兄さん、かっこいいよ!」
田中「(……あすさん……)」

ふじこ「あの…。例の人のことなんですけど……」
田中「あれから会って話をしたのですが、それっきり、何もわからずじまいでした…」
ふじこ「そうなんですか……」
たかし「真っ黒な人は悪者だよ! お兄さん、やっつけて!」
田中「あ、あ…ああ…。必ず倒してみせる!」


田中「……実は……」
ふじこ「はい…?」
田中「あすさんという男について、もう一人、私の友人が詳しく知っているのですが…」
ふじこ「ぜひ、お話を……。この大学にいらっしゃるのですか?」
田中「それが…………」


仁岡は1ヶ月ほど前に大学をやめてしまった。

働きもせず自室に引きこもり、酒を飲む毎日を送っている。


田中「久阿瀬さん。さすがに本人には会わないほうがいいでしょう……」
ふじこ「お友達のことが心配ですね……」
田中「携帯もつながらなくなってしまって…」
ふじこ「そんな……」
田中「でも家は知っているので、今日の帰りに会ってきます」
ふじこ「ああ…、ありがとうございます」


田中「仁岡………」


田中は仁岡の住んでいるアパートへ向かっていった。




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