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&bold(){ジャック・アルブロン}(Jacques Halbronn, 1947年12月1日- )は、ユダヤ系フランス人の歴史学者。
1979年に『ユダヤ人世界と占星術』(Le monde juif et l'astrologie)で第3期課程博士号を取得し、1995年にパリ第8大学で専門高等研究免状(DESS)取得、1999年にはパリ第10大学に提出した論文『フランスにおける予言的テクスト』(Le texte prophétique en France)で博士号を取得した。
研究歴から明らかなように、フランスにおける占星術の歴史に造詣が深く、1972年にパリに設立した私設図書館「ビブリオテカ・アストロロギカ」(la Bibliotheca Astrologica)には、占星術関連の貴重な蔵書が多く収められている((以上の経歴は[[http://nostredame.perso.infonie.fr/analyse.html]] を参照した。))。
占星術関連でいくつもの著書があるが、他に『教皇と予言-解読と影響』(&italic(){Papes et prophéties. Décodages et influence}, Editions Axiome, 2005)を出版した。これは[[聖マラキの予言]]に関する非常に優れた包括的な研究書である。
*ノストラダムス関連
公刊されたノストラダムス関連の文献としては
-"Récentes bibliographies autour de Nostradamus", &italic(){Politica hermetica}, no.5, 1991, pp.109-118
--「ノストラダムス周辺の最近の書誌」
-"Une attaque reformée oubliée contre Nostradamus (1561) ", &italic(){RHR}, no.33, 1991, pp.43-72
--「改革派による忘れられたノストラダムスへの攻撃(1561年)」
-"Les prophéties et la Ligue", &italic(){Prophètes et Prophéties au XVIe siècle}, Paris ; Presse Ecole Normale Supérieure,1998, pp.95-133
--「予言とカトリック同盟」
-&italic(){Documents Inexploités sur le phénoméne Nostradamus}, 2002
--『ノストラダムス現象に関する未発掘の資料群』
がある。
アルブロンの所説はきわめて特殊で、ノストラダムスの『[[予言集>ミシェル・ノストラダムス師の予言集]]』は、第一序文のほとんどを除く全てが死後に捏造されたものと主張し、大きな反響を巻き起こした。
アルブロンの仮説は今のところ受け入れられているとは到底いえない。当「大事典」としても、その根幹は到底支持し得ないと考えている。
しかし、その主張が非常に重厚な資料上の裏づけとともに提示されていることは忘れてはならない。実際、彼によって初めて存在が明らかにされた証言は少なくない。この点で、ノストラダムス解釈書にしばしば見られる、単なる思いつきの域を出ない珍説・奇説とは一線を画する。
そういう意味では、彼の問題提起は議論の過程で多くの重要文献の存在を示した点で、ノストラダムス研究史上の十分な意義を持っているといえるだろう。
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&bold(){ジャック・アルブロン}(Jacques Halbronn, 1947年12月1日- )は、ユダヤ系フランス人の歴史学者。
1979年に『ユダヤ人世界と占星術』(Le monde juif et l'astrologie)で第3期課程博士号を取得し、1995年にパリ第8大学で専門高等研究免状(DESS)取得、1999年にはパリ第10大学に提出した論文『フランスにおける予言的テクスト』(Le texte prophétique en France)で博士号を取得した。
研究歴から明らかなように、フランスにおける占星術の歴史に造詣が深く、1972年にパリに設立した私設図書館「ビブリオテカ・アストロロギカ」(la Bibliotheca Astrologica)には、占星術関連の貴重な蔵書が多く収められている((以上の経歴は[[http://nostredame.perso.infonie.fr/analyse.html]] を参照した。))。
占星術関連でいくつもの著書があるが、他に『教皇と予言-解読と影響』(&italic(){Papes et prophéties. Décodages et influence}, Editions Axiome, 2005)を出版した。これは[[聖マラキの予言]]に関する非常に優れた包括的な研究書である。
*ノストラダムス関連
公刊されたノストラダムス関連の文献としては
-"Récentes bibliographies autour de Nostradamus", &italic(){Politica hermetica}, no.5, 1991, pp.109-118
--「ノストラダムス周辺の最近の書誌」
-"Une attaque reformée oubliée contre Nostradamus (1561) ", &italic(){RHR}, no.33, 1991, pp.43-72
--「改革派による忘れられたノストラダムスへの攻撃(1561年)」
-"Les prophéties et la Ligue", &italic(){Prophètes et Prophéties au XVIe siècle}, Paris ; Presse Ecole Normale Supérieure,1998, pp.95-133
--「予言とカトリック同盟」
-&italic(){Documents Inexploités sur le phénoméne Nostradamus}, 2002
--『ノストラダムス現象に関する未発掘の資料群』
がある。
アルブロンの所説はきわめて特殊で、ノストラダムスの『[[予言集>ミシェル・ノストラダムス師の予言集]]』は、第一序文のほとんどを除く全てが死後に捏造されたものと主張し、大きな反響を巻き起こした。
アルブロンの仮説は今のところ受け入れられているとは到底いえない。当「大事典」としても、その根幹は到底支持し得ないと考えている。
しかし、その主張が非常に重厚な資料上の裏づけとともに提示されていることは忘れてはならない。実際、彼によって初めて存在が明らかにされた証言は少なくない。この点で、ノストラダムス解釈書にしばしば見られる、単なる思いつきの域を出ない珍説・奇説とは一線を画する。
そういう意味では、彼の問題提起は議論の過程で多くの重要文献の存在を示した点で、ノストラダムス研究史上の十分な意義を持っているといえるだろう。
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