百詩篇第6巻41番

「百詩篇第6巻41番」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

百詩篇第6巻41番」(2010/06/22 (火) 23:26:12) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*原文 Le second chef&sup(){1} du [[regne]]&sup(){2} Dannemarc&sup(){3}, Par ceulx de Frise &&sup(){4} l'isle&sup(){5} Britannique&sup(){6}, Fera [[despendre]], plus de cent mille&sup(){7} marc&sup(){8}, Vain&sup(){9} exploicter&sup(){10} voyage en Italique. **異文 (1) Le second chef : Les seconde Chef 1672 (2) regne : Regne 1672 (3) Dannemarc 1557U 1557B 1568A 1588-89 1589PV 1590Ro 1649Ca 1650Le 1668 : d'Annemarc &italic(){T.A.Eds.} (&italic(){sauf} : Dannemark 1672) (4) & : & de 1588-89 (5) l'isle : l'Isle 1600 1605 1611B 1627 1628 1650Ri 1660 1672 1867LP (6) Britannique : lebritanicque 1588-89 (7) mille : mile 1665 (8) marc : mark 1672 (9) vain : vaim 1627 (10) exploicter : exproiecter 1588-89 **校訂  1行目 Dannemarc か d'Annemarc かについては、当然前者が正しいと見るべきで、後者は[[1568年版>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1568年)]]の一部の版に見られた不注意な誤植が、後の版に引き写されていったものだろう。 *日本語訳 デンマーク王国の二番目の指導者は、 フリースラントとブリテン島の人々を介し、 一億マルク以上を支払わせ、 イタリアで無駄に旅をさせるだろう。 **訳について  山根訳は「アンマルク王国」という表記を除けば問題はない。この表記は底本の訳としては正しいが、上で見たように不適切な異文だろう。  大乗訳もそれほど大きく文意を損ねているわけではないが、フリースラントを「ポーランド」としているのは疑問である。 *信奉者側の見解  [[アナトール・ル・ペルチエ]]は、1850年代末のヨーロッパ情勢と解釈している。彼は「デンマーク王国の二番目の支配者」を「ナポレオン朝の二人目の君主」と理解し、ナポレオン3世とした(彼は他の詩でも D'Annemarc をナポレオンと関連付けている)。その上で、オルシーニの陰謀(ナポレオン3世暗殺計画)のあと、イギリスはフランスの侵略を警戒し、防衛費を上積みすることになったことが予言されているとした((Le Pelletier [1867a] pp.273-274))。  この解釈は[[チャールズ・ウォード]]も踏襲した((Ward [1891] p.345))。  [[エミール・リュイール]]は、第一次大戦後のドイツと解釈し、ヒンデンブルク大統領が第一、ヒトラーが「第二の指導者」とされているとし、彼の最軍備政策がイギリスにも軍事費増強を強いていると解釈した。[[アンドレ・ラモン]]はこの解釈を踏襲した((Ruir [1939] p.47, Lamont [1943] pp.229-230))。  [[セルジュ・ユタン]]も似たような解釈で、ヒトラーの領土的野心に関連する詩とした((Hutin [1978]))。 *同時代的な視点  [[ピエール・ブランダムール]]は具体的な説明を一切加えていなかったが、[[百詩篇第4巻27番]]の解説としてこの詩を引き合いに出している((Brind’Amour [1996] p.504))。  [[ピーター・ラメジャラー]]はカヌート1世によるローマ巡礼(1027年)がモデルになっていると推測した。 ---- #comment
*原文 Le second chef&sup(){1} du [[regne]]&sup(){2} Dannemarc&sup(){3}, Par ceulx de Frise &&sup(){4} l'isle&sup(){5} Britannique&sup(){6}, Fera [[despendre]], plus de cent mille&sup(){7} marc&sup(){8}, Vain&sup(){9} exploicter&sup(){10} voyage en Italique. **異文 (1) Le second chef : Les seconde Chef 1672 (2) regne : Regne 1672 (3) Dannemarc 1557U 1557B 1568A 1588-89 1589PV 1590Ro 1649Ca 1650Le 1668 : d'Annemarc &italic(){T.A.Eds.} (&italic(){sauf} : Dannemark 1672) (4) & : & de 1588-89 (5) l'isle : l'Isle 1600 1605 1611B 1627 1628 1650Ri 1660 1672 1867LP (6) Britannique : lebritanicque 1588-89 (7) mille : mile 1665 (8) marc : mark 1672 (9) vain : vaim 1627 (10) exploicter : exproiecter 1588-89 **校訂  1行目 Dannemarc か d'Annemarc かについては、当然前者が正しいと見るべきで、後者は[[1568年版>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1568年)]]の一部の版に見られた不注意な誤植が、後の版に引き写されていったものだろう。 *日本語訳 デンマーク王国の二番目の指導者は、 フリースラントとブリテン島の人々を介し、 一億マルク以上を支払わせ、 イタリアで無駄に旅をさせるだろう。 **訳について  山根訳は「アンマルク王国」という表記を除けば問題はない。この表記は底本の訳としては正しいが、上で見たように不適切な異文だろう。  大乗訳もそれほど大きく文意を損ねているわけではないが、フリースラントを「ポーランド」としているのは疑問である。 *信奉者側の見解  [[アナトール・ル・ペルチエ]]は、1850年代末のヨーロッパ情勢と解釈している。彼は「デンマーク王国の二番目の支配者」を「ナポレオン朝の二人目の君主」と理解し、ナポレオン3世とした(彼は他の詩でも D'Annemarc をナポレオンと関連付けている)。その上で、オルシーニの陰謀(ナポレオン3世暗殺計画)のあと、イギリスはフランスの侵略を警戒し、防衛費を上積みすることになったことが予言されているとした((Le Pelletier [1867a] pp.273-274))。  この解釈は[[チャールズ・ウォード]]も踏襲した((Ward [1891] p.345))。  [[エミール・リュイール]]は、第一次大戦後のドイツと解釈し、ヒンデンブルク大統領が第一、ヒトラーが「第二の指導者」とされているとし、彼の再軍備政策がイギリスにも軍事費増強を強いていると解釈した。[[アンドレ・ラモン]]はこの解釈を踏襲した((Ruir [1939] p.47, Lamont [1943] pp.229-230))。  [[セルジュ・ユタン]]も似たような解釈で、ヒトラーの領土的野心に関連する詩とした((Hutin [1978]))。 *同時代的な視点  [[ピエール・ブランダムール]]は具体的な説明を一切加えていなかったが、[[百詩篇第4巻27番]]の解説としてこの詩を引き合いに出している((Brind’Amour [1996] p.504))。  [[ピーター・ラメジャラー]]はカヌート1世によるローマ巡礼(1027年)がモデルになっていると推測した。 ---- #comment

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: