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『&bold(){聡明な人々の国での思いがけない旅行、あるいはルカベル博士によって正確に検証され説明されたノストラダムスのいくつかの予言}』(Voyage imprévu dans le pays des Intelligences, ou quelques Prédictions de Nostradamus, verifiées exactement et expliquées par le Docteur Lecabel.)は、1839年に出版されたらしい文献。
16篇の四行詩の解釈が載っていたという。同じ年のピエール・シャイヨの著書や『ガゼット・ド・フランス』で言及されているとのことだが、現存しているかどうかは不明である。
[[ロベール・ブナズラ]]は、疑問符つきで「ルカベル博士」は[[フランシス・ジロー]]の偽名だったらしいとした((Benazra [1990] p.383))。
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『&bold(){聡明な人々の国での思いがけない旅行、あるいはルカベル博士によって正確に検証され説明されたノストラダムスのいくつかの予言}』(Voyage imprévu dans le pays des Intelligences, ou quelques Prédictions de Nostradamus, verifiées exactement et expliquées par le Docteur Lecabel.)は、1836年に出版されたノストラダムスの解釈書。
*正式名
-VOYAGE IMPRÉVU DANS LE PAYS DES INTELLIGENCES, OU QUELQUES PRÉDICTIONS TRÈS REMARQUABLES DE NOSTRADAMUS, VERIFIÉES EXACTES ET EXPLIQUÉES PAR LE DOCTEUR LECABEL.
--PARIS, MONTMAUR, LIBRAIRE, RUE DE SEINE, 54.
--AOUT 1836.
-聡明な人々の国での思いがけない旅行、あるいはルカベル博士によって正確に検証され説明されたノストラダムスの大いに注目すべきいくつかの予言
--パリ、セーヌ通り54番地、書肆モンモール。
--1836年8月。
*内容
主としてフランス革命に関するノストラダムス予言の解釈書である。
その冒頭には、革命期にあったという墓暴きのエピソードが掲載されている。ノストラダムス伝説形成の一例としてあとで全訳しておく。
そのあとに、ノストラダムスの簡略な伝記と書誌情報が掲載され、詩の解釈が続いている。
**革命期のエピソード(全訳)
ノストラダムスの名は私の注意を喚起し固着しており、私はつい『興味深い逸話集』(Anectodes curieuses)で読んだことを思い出す。
1793年のこと、マルセイユ連盟兵の出向者が[[サロン>サロン=ド=プロヴァンス]]に滞在していた。その指揮官がノストラダムスの墓の前で仲間たちに言った。
「この予言者は、自分の遺骸(cendres)に触れた者は非業の死を遂げるだろう、と予言していたんだ。奴が真実を言ったのかどうか、確かめなくてはならないな」
そう言って彼は大鎚を握って何度も棺(cercueil)を叩き、壊した。居合わせた人々(assistances)は皆、彼の遺骸を奪い、持ち去ってしまった。
彼らはマルセイユに戻ろうとサロンを発ったが、エクスの入り口に差し掛かったときに暴動に出くわした。墓を壊した指揮官はそれを鎮圧しようとしたが、捕われて街灯に吊るされた((Lecabel [1836] pp.4-5))。
**コメント
ルカベルは出典として『ある巫女の予言的思い出』(Les souvenirs prophétiques d'une Sibylle, Paris, 1814, p.333)を挙げている。
当「大事典」では、もうひとつの「1700のメダル」のエピソードとともに、この墓暴きのエピソードを単独記事として扱う予定だが、今はとりあえず初期のバージョンであるルカベルの紹介を全訳するにとどめる。
*著者
「ルカベル博士」は誰かの偽名らしい。
かつて[[ロベール・ブナズラ]]は疑問符つきで[[フランシス・ジロー]]としていたが((Benazra [1990] p.383))、ガリカではガブリエル・ド・ブルボン=ビュセ(Gabriel de Bourbon-Busset, dit Leblanc, 1775-1862)とされている(([[http://catalogue.bnf.fr/ark:/12148/cb12240737w/PUBLIC]]))。
*所蔵先
フランス国立図書館に所蔵され、ガリカで公開されている。
[[ロベール・ブナズラ]]が書誌をまとめた時点では現存状況が不明で、1839年のピエール・シャイヨの著書や『ガゼット・ド・フランス』での言及をもとに、1839年に出版されたらしい16編の四行詩の解釈が載っている文献として紹介されていた。
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