詩百篇第9巻7番

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[[詩百篇第9巻]]>7番* *原文 Qui ouurira le monument&sup(){1} trouué&sup(){2}, Et&sup(){3} ne viendra le serrer&sup(){4} promptement&sup(){5}. Mal&sup(){6} luy viendra & ne pourra prouué&sup(){7}, Si mieux doit estre roy&sup(){8} Breton ou&sup(){9} Normand&sup(){10}. **異文 (1) monument : Monument 1672Ga (2) trouué : treuué 1627Ma 1627Di (3) Et : E 1591BR (4) serrer : ferrer 1644Hu, serer 1653AB 1665Ba (5) promptement : proprement 1649Ca, promtement 1667Wi 1668P (6) Mal : Mais 1716PRc (7) prouué : preuué 1627Ma 1627Di (8) roy 1568X 1568A 1568B 1590Ro 1591BR 1597Br 1603Mo 1650Mo 1772Ri : Roy &italic(){T.A.Eds.} (9) ou : où 1611B 1627Di (10) Normand : Norman 1650Ri *日本語訳 発見された記念建造物を開き、 すぐにそれを閉じに来ないであろう者。 災いが彼に訪れるだろう。そして証明は出来ないだろう、 ブルトン人かノルマン人の王なら一層良いに違いないかどうかは。 **訳について  山根訳は若干意訳しすぎに思えるが、許容範囲内であろう。  大乗訳は3行目「悪に倒されても証明できない」((大乗 [1975] p.260))は若干不適切。「倒す」という意味合いは原文にない。災いが訪れた結果、倒れることになると理解することもできるだろうが、意訳しすぎに思える。  同4行目「英国が良いのか ノルマン王が良いのか」も不適切。Breton は普通「ブルターニュの(人)」を指し、「イギリスの(人)」(Britannique)とは区別される。 *信奉者側の見解  [[テオフィル・ド・ガランシエール]]は、「この詩の意味は明快である」としか述べていなかった((Garencieres [1672]))。  その後、20世紀半ばまでこの詩を解釈した者はいないようである。少なくとも、[[バルタザール・ギノー]]、[[テオドール・ブーイ]]、[[フランシス・ジロー]]、[[ウジェーヌ・バレスト]]、[[アナトール・ル・ペルチエ]]、[[チャールズ・ウォード]]、[[マックス・ド・フォンブリュヌ]]、[[アンドレ・ラモン]]、[[ロルフ・ボズウェル]]の著書には載っていない。  [[ジェイムズ・レイヴァー]]は、3行目途中まで引用し、ノストラダムス自身の墓が暴かれないように警告した詩ではないかとした((Laver [1952] p.72 / レイヴァー [1999] p.113))。  この解釈は[[エリカ・チータム]]も踏襲した((Cheetham [1973/1990]))。  [[セルジュ・ユタン]]は、未来に現れる大君主の正統性を証明するものの発見に関する予言とした((Hutin [1978/2002]))。 *同時代的な視点  [[ピーター・ラメジャラー]]は、2003年の時点では4行目をエドワード黒太子と関連付けていたが、2010年には出典不明とした((Lemesurier [2003b], Lemesurier [2010]))。  [[ジャン=ポール・クレベール]]は、ブルターニュ地方とノルマンディ地方の境界付近で古代の有力者の墓が見つかるが、ブルトン人なのかノルマン人なのか確定しがたいといった情景を描いている可能性を示した。ただし、具体的な史実とは結び付けていない((Clébert [2003]))。 ---- #comment
[[詩百篇第9巻]]>7番* *原文 Qui ouurira le monument&sup(){1} trouué&sup(){2}, Et&sup(){3} ne viendra le serrer&sup(){4} promptement&sup(){5}. Mal&sup(){6} luy viendra & ne pourra prouué&sup(){7}, Si mieux doit estre roy&sup(){8} Breton ou&sup(){9} Normand&sup(){10}. **異文 (1) monument : Monument 1672Ga (2) trouué : treuué 1627Ma 1627Di (3) Et : E 1591BR (4) serrer : ferrer 1644Hu, serer 1653AB 1665Ba (5) promptement : proprement 1649Ca, promtement 1667Wi 1668P (6) Mal : Mais 1716PRc (7) prouué : preuué 1627Ma 1627Di (8) roy 1568X 1568A 1568B 1590Ro 1591BR 1597Br 1603Mo 1650Mo 1772Ri : Roy &italic(){T.A.Eds.} (9) ou : où 1611B 1627Di (10) Normand : Norman 1650Ri *日本語訳 発見された記念建造物を開き、 すぐにそれを閉じに来ないであろう者。 災いが彼に訪れるだろう。そして証明は出来ないだろう、 ブルトン人かノルマン人の王なら一層良いに違いないかどうかは。 **訳について  山根訳は若干意訳しすぎに思えるが、許容範囲内であろう。  大乗訳は3行目「悪に倒されても証明できない」((大乗 [1975] p.260))は若干不適切。「倒す」という意味合いは原文にない。災いが訪れた結果、倒れることになると理解することもできるだろうが、意訳しすぎに思える。  同4行目「英国が良いのか ノルマン王が良いのか」も不適切。Breton は普通「ブルターニュの(人)」を指し、「イギリスの(人)」(Britannique)とは区別される。 *信奉者側の見解  [[テオフィル・ド・ガランシエール]]は、「この詩の意味は明快である」としか述べていなかった((Garencieres [1672]))。  その後、20世紀半ばまでこの詩を解釈した者はいないようである。少なくとも、[[バルタザール・ギノー]]、[[テオドール・ブーイ]]、[[フランシス・ジロー]]、[[ウジェーヌ・バレスト]]、[[アナトール・ル・ペルチエ]]、[[チャールズ・ウォード]]、[[マックス・ド・フォンブリュヌ]]、[[アンドレ・ラモン]]、[[ロルフ・ボズウェル]]の著書には載っていない。  [[ジェイムズ・レイヴァー]]は、3行目途中まで引用し、ノストラダムス自身の墓が暴かれないように警告した詩ではないかとした((Laver [1952] p.72 / レイヴァー [1999] p.113))。  この解釈は[[エリカ・チータム]]も踏襲した((Cheetham [1973/1990]))。  [[セルジュ・ユタン]]は、未来に現れる大君主の正統性を証明するものの発見に関する予言とした((Hutin [1978/2002]))。 *同時代的な視点  [[ピーター・ラメジャラー]]は、2003年の時点では4行目をエドワード黒太子と関連付けていたが、2010年には出典不明とした((Lemesurier [2003b], Lemesurier [2010]))。  [[ジャン=ポール・クレベール]]は、ブルターニュ地方とノルマンディ地方の境界付近で古代の有力者の墓が見つかるが、ブルトン人なのかノルマン人なのか確定しがたいといった情景を描いている可能性を示した。ただし、具体的な史実とは結び付けていない((Clébert [2003]))。 ---- ※記事へのお問い合わせ等がある場合、最上部のタブの「ツール」>「管理者に連絡」をご活用ください。

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